オーケストラの少女 One Hundred Men and a Girl (1937) 5/5 (21)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star
健気で愛らしいディアナ・ダービンの魅力、
フィラデルフィア管弦楽団
の主席指揮者である世界的な指揮者レオポルド・ストコフスキーが本人役で出演した、ハート・ウォーミングなストーリーで空前の大ヒットを記録した家族愛のドラマ。
監督ヘンリー・コスターアドルフ・マンジュー共演の戦前の名作。

ドラマ(家族愛)


スタッフ キャスト ■

監督:ヘンリー・コスター
製作:ジョー・パスターナク
原作:ハンス・クレイリー
脚本
ブルース・マニング
ハンス・クレイリー
チャールズ・ケニヨン
撮影:ジョセフ・A・ヴァレンタイン
編集:バーナード・W・バートン
音楽:チャールズ・プレヴィン

出演
ディアナ・ダービン:パトリシア”パッツィ”カードウェル
アドルフ・マンジュー:ジョン・カードウェル
レオポルド・ストコフスキー:本人
アリス・ブラディ:フロスト夫人
ユージン・パレット:ジョン・R・フロスト
ミシャ・オウア:マイケル・ボロドフ
フランク・ジェンクス:タクシー運転手


アカデミー賞 ■

第10回アカデミー賞
・受賞
作曲賞
・ノミネート
作品・原作・編集・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

失業楽士のジョン・カードウェル(アドルフ・マンジュー)は、世界的指揮者レオポルド・ストコフスキーのオーケストラに採用してもらおうと、何度も足を運ぶのだが門前払いされてしまう。

ジョンは、劇場出口で拾った財布を返そうとするものの、持ち主が見つからずに家に持ち帰ってしまう。

帰宅したジョンは、拾った金で家賃を払い、娘パトリシア/パッツィ(ディアナ・ダービン)には、ストコフスキーに雇われたと嘘をついてしまう。

パッツィは、大喜びで父ジョンの楽士仲間マイケル・ボロドフ(ミシャ・オウア)にそれを伝える。

ジョンは財布を拾ったことをマイケルに伝えるが、音楽好きのパッツィが、父の就職祝いに美しい歌声を聞かせる。

その笑顔を見たジョンは、パッツィに真実を告げることは出来なかった。

父ジョンに、演奏練習を見に行くことを禁じられたパッツィだったが、父には内緒でストコフスキーのオーケストラの元に向かう。

しかしパッツィは、父が劇場から放り出され、オーケストラのメンバーではなかったことを知りショックを受ける。

帰宅したジョンは、パッツィが真実を知ったこで、財布の件を正直に話し、持ち主の住所を知った彼女は財布を返しに行く。

財布の持ち主フロスト夫人(アリス・ブラディ)は、正直に財布を届けに来たパツィに、お礼をしようとする。

パッツィは、家賃と車代に使った52ドルと10セントを要求し、その分を使ったと伝えて帰ろうとするが、フロスト夫人は彼女を気に入ってしまう。

そして、夫人に夕食に招かれたパッツィは、得意の歌を披露する。

その美しい歌声に驚いたフロスト夫人は、パツィに歌を教えた父親は大音楽家だと思う。

フロスト夫人は、パッツィから父親が失業中だと知らされ、居合わせた客の助言でオーケストラを作れば援助をすることを約束する。

パッツィから、その話を聞いたジョンは、早速マイケルとオーケストラのメンバーを募集し、演奏の練習を始める。

楽団の演奏練習をするため、ガレージを借りたジョンは、フロスト夫人からの資金提供を受けようとして、パッツィを邸宅に向かわせる。

しかし、フロスト夫人はヨーロッパに旅立ってしまい、夫のジョン・R・フロスト(ユージン・パレット)は、それが友人の悪戯だと思い込む。

しかしフロストは、妻が約束してしまったことだと知り、慌ててガレージに向かう。

楽団とパッツィは現れたフロストを歓迎するが、彼は出資話に耳を貸さず、無名の楽団に価値のないことを伝える。

妻の約束もユーモアだと言い張るフロストを、怒ったジョンは殴り追い払ってしまう。

名声を気にするフロストの言葉で閃いたパッツィは、ストコフスキーに助けを求めに行くが相手にされない。

パッツィは、ストコフスキーの事務所に隠れ、新聞社からの電話に出て秘書に成りすまし、彼が失業楽団を指揮すると伝えてしまう。

さらに、ストコフスキーのオーケストラが、モーツァルトの”ハレルヤ”の練習を始めると、パッツィは美しい歌声で歌い始め、それを聞いたストコフスキーは、思わず聴き惚れてしまう。

そしてパッツィは、再度ストコフスキーに父の楽団の指揮を頼むが聞き入れられず、失意のうちに帰宅しようとする。

パッツィを乗せた、歌が好きなタクシー運転手(フランク・ジェンクス)は、ストコフスキーを感動させた歌声を聴いていたため彼女を励ます。

帰宅したパッツィは、皆が父の失業楽団を相手にしないことを悲しみ心を痛めるが、父ジョンやマイケルは彼女を慰める。

翌日、自分が出資した失業者楽団を、ストコフスキーが指揮するという新聞記事を見て、フロストは憤慨する。

しかし、友人が国中の話題になると指摘したのを聞いたフロストは、ビジネスになると考える。

それを知ったジョンの楽団は喜ぶのだが、パッツィは、その情報源が自分だと気づく。

そこにフロストが現れ、楽団に1000ドル出資すると言い出すが、パッツィがそれを止めようとする。

ジョンとフロストは、パッツィを黙らせて契約を結んでしまい、その後、彼女は父や楽士達に自分が情報を流してしまったことを伝える。

ストコフスキーが、失業者楽団の指揮をする約束などしていないと知ったフロストは、再び友人に騙されたと思い激怒する。

責任を感じたパッツィは、最後の手段で、ストコフスキー邸に楽士達を連れて忍び込む。

パッツィは、新聞に情報を流したことをストコフスキーに正直に伝えて、父ジョンの楽団にリストハンガリー狂詩曲を演奏させる。

ストコフスキーは、貧しい楽士達の真剣な演奏に感銘を受け、いつしか指揮を始めてしまう。

そして、失業者楽団とストコフスキーのコンサートは実現することになる。

ストコフスキーは、コンサートを実現させた功労者パッツィを客席の人々に紹介する。

パッツィは、ストコフスキーに促され挨拶しようとするが、桟敷席にいたタクシーの運転手に歌をリクエストされる。

そして、喜び溢れるパッツィは、ストコフスキーの指揮と父の楽団の演奏で、ヴェルディの”トラヴィアータ”を見事な美声で熱唱する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

失業楽士ジョン・カードウェルは、世界的な指揮者レオポルド・ストコフスキーに仕事をもらおうとするが、それを断られる。
ジョンが、劇場前で拾った財布の現金で家賃を払ったとも知らず、父がストコフスキーに雇われたと思い込んだ娘パッツィは、それが誤解だと分かり、財布の持ち主フロスト夫人にそれを返しに行く。
正直なパッツィを気に入り、彼女の歌声に感心した夫人は、オーケストラを作ればスポンサーになることをパッツィに伝える。
パッツィは、早速それを父に伝え、彼は失業楽士を集めオーケストラを結成する。
しかし、肝心のフロスト夫人はヨーロッパに旅立ってしまい、夫フロスト氏は、寝耳に水の話に憤慨する。
仕方なく、失業楽団は解散のすることになるが、パッツィは彼らのために、再びストコフスキーの元に向かう・・・。
__________

ヘンリー・コスターの、全く古臭さを感じさせない、包み込むような心温まる演出が、大恐慌時代に、疲弊しきったアメリカ国民をどれだけ励まし、希望と喜びを与えたことかが想像ができる。

当時人気絶頂の、ストコフスキー指揮のオーケストラ演奏も十分に楽しめる。
また、彼の存在感は圧倒的で、演技者としての風格も備わっている。

ディズニー映画「ファンタジア」(1941)にも彼は出演し、アカデミー名誉賞も受賞している。

第10回アカデミー賞では、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
作品・原作・編集・録音賞

主演のディアナ・ダービンの、美しい歌声と愛くるしい笑顔は絶賛され、MGMの元同僚で、大スターになりつつあった、ジュディ・ガーランドと並び称された。

D・ダービンMGMを去ったのは、ルイス・B・メイヤーが、彼女とジュディ・ガーランドの、どちらか「太った方をやめさせろ」と指示に対して、誤ってディアナ・ダービンを追い出してしまったという経緯がある。(真実かは不明)

当時は、ジュディ・ガーランドの方が太っていて、結局MGMに残った彼女がスタジオを背負って立つ大スターになったのは、この話が真実ならば、とんでもない皮肉な結果といえる。

娘に溢れんばかりの愛情を注ぐ、父親役アドルフ・マンジューの、優しい笑顔が印象的だ。

その親子を見守る楽士仲間のミシャ・オウアや、富豪フロスト演ずるユージン・パレットの、ユーモラスな演技も作品を盛上げている。

騒動の元となる有閑マダム、アリス・ブラディ、終盤、主人公の心の支えになるタクシー運転手フランク・ジェンクスなどが共演している。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター