アダプテーション Adaptation (2002) 3.52/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1998年に発表された、スーザン・オーリアンの著書”The Orchid Thief”の脚色を担当することになった、「マルコヴィッチの穴」で成功した脚本家チャーリー・カウフマンの苦悩を描く、製作ジョナサン・デミ他、監督スパイク・ジョーンズ、製作総指揮、脚本チャーリー・カウフマン、主演ニコラス・ケイジメリル・ストリープティルダ・スウィントンクリス・クーパー他共演のコメディ・ドラマ。


ドラマ(コメディ)

ニコラス・ケイジ / Nicolas Cage 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:スパイク・ジョーンズ
製作
ジョナサン・デミ

ヴィンセント・ランディ
エドワード・サクソン
製作総指揮
チャーリー・カウフマン

ピーター・サラフ
原作:スーザン・オーリアンThe Orchid Thief
脚本
チャーリー・カウフマン

ドナルド・カウフマン
撮影:ランス・アコード

編集:エリック・ザンブランネン
音楽:カーター・バーウェル

出演
チャーリー・カウフマン/ドナルド・カウフマンニコラス・ケイジ

スーザン・オーリアンメリル・ストリープ
ヴァレリー・トーマス:ティルダ・スウィントン
ジョン・ラロシュクリス・クーパー
ロバート・マッキーブライアン・コックス
キャロライン・カニンガム:マギー・ジレンホール
アメリア・カヴァン:カーラ・シーモア
マーティ・ボーウェン:ロン・リヴィングストン
監視員トニー:ジム・ビーヴァー
アリス:ジュディ・グリア
オーガスタス・マーガリーダグ・ジョーンズ
チャールズ・ダーウィンボブ・ヤーキズ
スーザンの夫:カーティス・ハンソン
オーリアンの夕食の客:デヴィッド・O・ラッセル
本人:スパイク・ジョーンズ
本人:ジョン・キューザック
本人:キャサリン・キーナー
本人:ジョン・マルコヴィッチ

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

2002年製作 114分
公開
北米:2002年12月6日
日本:2003年8月23日
製作費 $19,000,000
北米興行収入 $22,245,861
世界 $32,801,173


アカデミー賞 ■

第75回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(クリス・クーパー)
・ノミネート
主演男優(ニコラス・ケイジ)
助演女優(メリル・ストリープ)
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1998年、ハリウッド
映画「マルコヴィッチの穴」の脚本を絶賛された脚本家チャーリー・カウフマン(ニコラス・ケイジ)は、中年で肥満体、更には頭髪が薄いことを異常に気にする。

そんなチャーリーは、映画プロデューサーのヴァレリー・トーマス(ティルダ・スウィントン)とランチを共にする。

次回作を聞かれたチャーリーは、作家である雑誌”ザ・ニューヨーカー”のスーザン・オーリアン(メリル・ストリープ)の著書”The Orchid Thief”の脚色を考えていることを話す。

それに興味を示したヴァレリーは、蘭を不法採集した物語の主人公のジョン・ラロシュ(クリス・クーパー)とオーリアンが愛し合うストーリーを提案する。

3年前、”ザ・ニューヨーカー”。
オーリアンは、ラロシュを取材したことを思い起こしながら執筆に励む。

フロリダ。
ラロシュは、セミノール族の仲間達と共に蘭などを大量に採集し、保護区監視員に尋問されるものの巧みにそれをかわす。
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帰宅したチャーリーは、居候している双子の弟で、自分とは対照的な奔放で陽気なドナルド(ニコラス・ケイジ)が、カリスマ的シナリオ講師ロバート・マッキー(ブライアン・コックス)に感化されて、脚本家になると言い出したために呆れる。

そんなチャーリーは、脚本の書き出しで早くも躓いてしまう。
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6か月後、マイアミ
オーリアンは、蘭などの採集の件で法廷で争っていたラロシュに会う。
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ようやく脚本を書き始めることができたチャーリーは、惹かれ合うアメリア・カヴァン(カーラ・シーモア)ともデートをするが、深い関係になることを避け、結局は後悔してしまう。
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取材を続けるオーリアンは、幽霊蘭の虜となっているラロシュの話を聞き、それほど蘭に興味があるわけではないが、見てみたい気になる。
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オーリアンの著書をカフェで読んでいたチャーリーは、愛想のいいウエイトレスのアリス(ジュディ・グリア)に迫られた幻想を抱く。

ドナルドの脚本の構想を聞いたチャーリーは、素人の真似ごとである、ありふれた矛盾した内容を批判しようとするが、良い話のようにも思える。

再びカフェに行ったチャーリーは、アリスを蘭展に誘ってみるが、彼女の態度が急変したために気落ちする。

独りで蘭展に向かったチャーリーは、その場にいた女性ばかりを意識してしまう。
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夫(カーティス・ハンソン)への思いに変化を感じながら、オーリアンラロシュと行動を共にする。
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マルコヴィッチの穴」の撮影現場を訪れたチャーリーは、ドナルドが、メイクアップ・アーティストのキャロライン・カニンガム(マギー・ジレンホール)と親しくなったことを気にする。

その場でチャーリーが話した物語が気に入ったドナルドは、それを自分の脚本に取り入れ、その内容でキャロラインと盛り上がる。

二人の話を別の部屋で聞いていたチャーリーは、文章が浮かばなくなってしまう。

あるパーティーで、キャロラインと楽しむドナルドのような気になれないチャーリーは、男性同伴のアメリアに会うが、多くを語らず帰宅する。

帰宅したチャーリーは、生命の起源及びなぜ蘭が生まれたかなどについて考え、139年前のチャールズ・ダーウィン(ボブ・ヤーキズ)の著書を読む。

全ての生物が同じ細胞だったということでチャーリーは、自分もラロシュオーリアンも進化する過程で個別の肉体を持ったと考え、それを書けばいいと閃いた彼は構想をテープに記録する。

自分が語るテープを聴いていたチャーリーは、シナリオ講師マッキーのセミナーに出席したドナルドが、興奮しながら話す言葉に意気消沈する。
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オーリアンは、ニューヨークフロリダで離れていながらラロシュとの親交を深め、彼が9年前の事故でおじ夫婦を亡くし、重傷を負った妻とも離婚したことを知らされる。

ラロシュは、その件から1か月後”ハリケーン・アンドリュー”で栽培園など全てを失った。

付き合いのあったセミノール族の勧めで、ラロシュは白人の専門家を栽培園に雇うという話に乗り、植物の楽園を作ろうと考えたということをオーリアンに語る。
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オーリアンの記事を読み興味を持っていたヴァレリーは彼女と会い、それを出版する予定があることを知る。

ヴァレリーは、その話を映画化することをオーリアンに伝え、脚色は彼女ではなく脚本家が担当することも付け加える。
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エージェントのマーティ・ボーウェン(ロン・リヴィングストン)から脚本の仕上がりについて聞かれたチャーリーは、それが進まないことを伝える。

チャーリーは自信を無くし、今回は降りたいとマーティに弱音を吐くものの、キャリアに傷がつくと言われてしまう。

ドナルドは、マッキーの教えに従い順調に構想が広がるが、チャーリーは落ち込む一方だった。
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幽霊蘭が見たくなったオーリアンラロシュに連絡を入れ、ポルノ・サイトを立ち上げたという彼が、それを快く引き受けてくれたことを喜ぶ。
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オーリアンと愛し合う幻想まで描いたチャーリーは、彼女の著書を脚色することが無理だと考える。

しかしチャーリーは、ものごとを一つの視点に絞り込むべきだというオーリアンの心の声を聞き、構想をテープに記録する。

レストランでヴァレリーを見かけたチャーリーは、彼女に気づかれないままその場を去ろうとする。

ヴァレリーはチャーリーに気づいて声をかけ、仕事で来ているオーリアンに会わせると言うが、彼はそれを拒み店を出る。

その後も、自分のことしか書けないチャーリーは行き詰まり、やはりオーリアンに会うべきだと考える。
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オーリアンは、著書が出版された後に映画化されることをラロシュに伝え、彼は自分が主役を演ずるとジョークを言う。

沼地で蘭を探したラロシュは迷ってしまい、その姿を見たオーリアンは、人生は蘭のようなもので、探し求めるものの気まぐれではかないと感じる。

3年後、ニューヨーク
”・・・気まぐれではかない。”というオーリアンの著書の一節をチェックしながら”ザ・ニューヨーカー”を訪ねようとしたチャーリーは、エレベーターで着いたそのフロアで降りる気になれない。

そこに入って来たオーリアンに、チャーリーは声も掛けられなかった。

ホテルでマーティからの電話を受けたチャーリーは、オーリアンには会ったと伝える。

マーティはヴァレリーから催促されていることを伝え、ドナルドが書いた脚本”3”が傑作だと言って絶賛する。

自分の脚本もドナルドに手伝ってもらうべきだとも言われたチャーリーはショックを受け、マッキーのセミナーに出席することにする。

チャーリーは、自分の置かれている立場と現状を考えながら、何も起こらない淡々と進む”現実的”なストーリーはどうかという質問をマッキーにしてみる。

マッキーに罵倒されたチャーリーは言葉を失い着席するものの、セミナー終了後に彼に声をかける。

チャーリーはバーに誘われ、自分の構想をマッキーに話すものの、最初から書き直せと言われてしまう。

締め切りが迫り焦っていることを伝えたチャーリーは、過度な展開を避けたラストに重点を置くようマッキーに助言されて感謝する。

ドナルドに電話をして、彼の脚本のことを共に喜んだチャーリーは、その場に来ているというキャサリン・キーナーが、映画化された場合には出演したいと言っていると聞き驚く。

その後チャーリーは、ドナルドをニューヨークに呼び寄せ脚本を読ませて意見を聞く。

オーリアンに会うべきだというドナルドは、気の進まないチャーリーに成り代わり自分が彼女に会うと言って”ザ・ニューヨーカー”に向かう。

ドナルドはオーリアンが嘘つきであることを見抜き、それを証明するためチャーリーと共に彼女のアパートを監視する。

オーリアンラロシュと密会しようとしていると考えるドナルドは、彼女が何か隠していることにも気づく。

ドナルドはラロシュのポルノ・サイトをチェックし、オーリアンの裸体写真が掲載されていることをチャーリーに知らせる。

3年前、フロリダ
沼で”・・・気まぐれではかない。”と感じたオーリアンは、ラロシュから、セミノール族が幽霊蘭を採集するのは、それから抽出するドラッグが目的だったことを知らされる。

オーリアンは、沼の一件で蘭に興味がなくなったことをラロシュに伝える。

その後、ラロシュから届いたドラッグを試したオーリアンは、彼と夜通し電話をする。

フロリダに向かったオーリアンは、ラロシュと愛し合うようになる。

3年後、フロリダ
チャーリーとドナルドは、オーリアンラロシュと密会する現場を目撃する。

ドナルドに促され二人が愛し合う姿を確認したチャーリーラロシュに見つかってしまい、オーリアンは彼が脚本家だと気づき混乱する。

ドラッグの件を知られたと考えたオーリアンは戸惑い、チャーリーを殺すしか方法がないことをラロシュに伝える。

ラロシュはそれに反対するが、オーリアンは自分が殺すことを伝えてチャーリーを湿地帯に連れて行く。

オーリアンに銃を向けられたチャーリーは、車に隠れていたドナルドと共に隙を見て沼地に逃れる。

別の車でその場に向かったラロシュと混乱するオーリアンは、何が起きたのか分からずにチャーリーを追う。

その場で夜を明かしたチャーリーとドナルドは車に向かうが、眠っていたラロシュが気づき発砲する。

ドナルドは銃弾を受け、チャーリーが車を運転してその場から逃走する。

衝突事故を起こしてドナルドは車から放り出され、チャーリーは瀕死の彼を励ます。

そこに現れたオーリアンは双子の兄弟を見て驚き、ラロシュと共に逃げたチャーリーを追う。

ラロシュはワニに襲われて死亡し、オーリアンはそれをチャーリーのせいにして批判し、自分が誤った人生を歩んだことを後悔する。

その後、警察の現場検証が始まり、母親に電話をかけたチャーリーは涙する。

自宅に戻ったチャーリーは、ドナルドのことを考えながら脚本を書き進める。

久しぶりにアメリアと会ったチャーリーは、彼女が自分を想っていてくれたことを知る。

アメリアにキスしたチャーリーは、恋人がいるために戸惑う彼女に愛を伝える。

動揺するアメリアは、自分も愛していることを伝えて笑顔を見せてその場を去る。

”・・・アメリアと昼食後、ラストは決まったと考えて家に向かう・・・”と、チャーリーは駐車場で脚本のラストの構想を練るが、心の中の思いをどう表現しようかと考える。

マッキーの教えなど無視することにしたチャーリーは、自分の役を太り過ぎていない俳優に演じさせたいとも思う。

ジェラールド・パルデューではフランス語訛りが・・・と考えるチャーリーだったが、脚本が完成したことで安堵し駐車場を出る。

”アメリアと会った後、初めて希望を抱きながら車を走らせて・・・”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1998年、ハリウッド
映画「マルコヴィッチの穴」の脚本で成功した脚本家チャーリー・カウフマンは、雑誌”ザ・ニューヨーカー”のスーザン・オーリアンの著書で、蘭を不法採集したジョン・ラロシュを主人公した物語の脚色を依頼される。
しかし、全く構想が浮かばないチャーリーは苦悩し、居候する双子の弟ドナルドがカリスマ的シナリオ講師ロバート・マッキーに感化されて脚本家になると言い出したため呆れてしまう。
その後もアイデアが浮かばないチャーリーは悶々とした日々を送るのだが、一方、ドナルドの脚本は各方面で評価され始める・・・。
__________

脚本家のチャーリー・カウフマン、”ザ・ニューヨーカー”の記者で作家のスーザン・オーリアンとその著書”The Orchid Thief”の主人公であるジョン・ラロシュやカリスマ的シナリオ講師ロバート・マッキーなど、実在の人物を事実に絡めて登場させる物語なのだが、虚構と現実が入り混じる”メタフィクション”として描かれているところに注目したい。

話題作であり絶賛された「マルコヴィッチの穴」(1999)の大成功で次回作の期待高まるチャーリー・カウフマンが主人公という興味深い内容などは、真実か否かで混乱してしまうという巧みな設定で進行する。

チャーリー・カウフマンと同居する架空の双子の弟が、兄の苦悩を余所に評価されていく様や、スーザン・オーリアンジョン・ラロシュの馬鹿げたような関係が主人公と絡む内容など実にユニークな脚本だ。

第75回アカデミー賞では、助演男優賞(クリス・クーパー)を受賞した。
・ノミネート
主演男優(ニコラス・ケイジ)
助演女優(メリル・ストリープ)
脚色賞

スパイク・ジョーンズをはじめ「マルコヴィッチの穴」(1999)のスタッフが再集結した作品で、その撮影が進行していくシーンも登場し、もちろん出演者のジョン・キューザックキャサリン・キーナージョン・マルコヴィッチなども出演している。

精神異常者のような主人公チャーリー・カウフマンと架空の双子の弟を演ずるニコラス・ケイジは、全く性格の違う二人を表情豊かに演じ分ける素晴らしい演技でオスカーにノミネートされた。

恵まれた環境を捨てて、ジャーナリストであるにも拘らずドラッグにもはまるスーザン・オーリアンを演ずるメリル・ストリープ、彼女と愛し合うようになる、堅物的役柄が似合う個性を封印しての怪演を見せる、アカデミー助演賞を受賞したジョン・ラロシュ役のクリス・クーパー、映画プロデューサーのティルダ・スウィントン、有名なシナリオ講師ロバート・マッキーブライアン・コックス、メイクアップ・アーティストのマギー・ジレンホール、主人公と惹かれ合うものの愛に進展しないカーラ・シーモア、主人公のエージェントのロン・リヴィングストン、湿地帯の監視員ジム・ビーヴァー、ウエイトレスのジュディ・グリア、探検家オーガスタス・マーガリーダグ・ジョーンズチャールズ・ダーウィンボブ・ヤーキズスーザン・オーリアンの夫役カーティス・ハンソン、彼ら夫婦の家で夕食に招かれる客デヴィッド・O・ラッセルなどが共演している。


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