荒野の用心棒 A Fistful of Dollars (1964) 4.42/5 (33)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

言わずと知れた、黒澤明の「用心棒」(1961)を題材にしたイタリア製西部劇の代表作。
監督、脚本セルジオ・レオーネクリント・イーストウッドが大スターへの道筋を築くきっかけとなる作品、ジャン・マリア・ヴォロンテマリアンネ・コッホ他共演。


西部劇(イタリア製)

クリント・イーストウッド / Clint Eastwood 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:セルジオ・レオーネ
製作
アリゴ・コロンボ

ジョルジオ・パピ
脚本
セルジオ・レオーネ
ヴィクトル・アンドレス・カテナ

ハイメ・コマス・ギル
ドゥッチオ・テッサリ
撮影:ジャック・ダルマース
編集:ロベルト・チンキーニ
音楽:エンニオ・モリコーネ

出演
クリント・イーストウッド:ジョー”名のない男
マリアンネ・コッホ:マリソル
ジャン・マリア・ヴォロンテ:ラモン・ロホ
ホセ・カルヴォ:シルヴァニート
ヨゼフ・エッガー:ピリペロ
アントニオ・プリエート:ドン・ミゲル・ロホ
ジークハルト・ルップ:エステバン・ロホ
マリオ・ブレガ:チーコ
ウォルフガング・ルスキー:ジョン・バクスター
マルガリータ・ロサノ:コンスエラ・バクスター

イタリア 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1964年製作 100分
公開
イタリア:1964年9月12日
北米:1,967年1月18日
日本:1965年12月25日
製作費 $200,000
北米興行収入 $11,000,000
世界 $14,500,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

国境近くのメキシコの町。
流れ者の”名のない男”/ジョー(クリント・イーストウッド)が、金のにおいを嗅ぎ付けて現れる。

町のチンピラに脅されたジョーは、宿屋のシルヴァニート(ホセ・カルヴォ)から町の様子を聞かされ、裏の棺桶屋ピリペロ(ヨゼフ・エッガー)が繁盛していることを知る。

棺桶の寸法が測られたと、皮肉まじりに、町から出て行くようにシルヴァニートから助言されたジョーだったが、町を仕切っている、”豊かな”2人のボスの存在を知り留まることを決める。

酒を売る盗賊のロホ兄弟と、銃をさばくバクスター(ウォルフガング・ルスキー)が町を二分していたのだ。

ラモン(ジャン・マリア・ヴォロンテ)のいる、ロホ兄弟の勢力が上だと、シルヴァニートから聞いた文無しのジョーは早速、行動を開始する。

ピリペロに棺桶を三つ用意させたジョーは、保安官でもある、バクスターの四人の手下を簡単に倒し、ロホに自分を売り込もうとする。

思惑通りドン・ミゲル・ロホ(アントニオ・プリエト)に雇われ、金を手に入れたジョーは、町の入り口で見かけた美しい女マリソル(マリアンネ・コッホ)に目を留める。

ミゲルの弟エステバン(ジークハルト・ルップ)が、自分に大金を払ったことが気に入らない様子を知り、ジョーは、彼にあてがわれた部屋を出て、シルヴァニートの宿に戻る。

町に現れた軍隊の積荷が気になり、シルヴァニートとそれを探りに行ったジョーは、騎兵隊に扮したラモンが、軍隊の金塊を奪ってしまう現場を目撃する。

ミゲルにラモンを紹介されたジョーは、彼がバクスターとの和解を考えていることを聞く。

ジョーはミゲルに金を返して立ち去るが、頭の切れる彼をラモンは警戒する。

ラモンは、軍隊を全滅させたことが知られないように、一時的に平和を装い、その後、バクスター一家を壊滅させる企みだった。

シルヴァニートは、ロホとバクスターが和解したことを単純に喜ぶが、ジョーは次の計画を考えていた。

バクスターは、ロホ一家の招待を受け、彼らの話を真に受けるが、それを警戒する妻のコンスエラ(マルガリータ・ロサノ)の前にジョーが現れ、ロホ側が和解を申し出た理由を彼女に知らせる。

コンスエラは、ロホ一家を破滅に追い込める情報を手に入れ、夫を呼び、ジョーに500ドルを渡すよう指示する。

金塊輸送の兵士の死体を、墓地に置いてきたジョーは、そこにバクスターが向かうことをロホ側に知らせ、彼らからも500ドルせしめる。

墓地の兵士に金塊強盗の証言をさせ、ロホ一家を壊滅させようとするバクスター達と、それを阻止しようとするラモンらは墓地に急行する。

墓場で双方撃ち合いとなり、ラモンは兵士を狙撃し、バクスターの息子を人質に取り引き返す。

その頃、ロホのアジトに忍び込んだジョーは、ラモンの女マリソルに出くわして殴ってしまい、コンスエラの元に彼女を連れて行く。

マリソルが、バクスターに連れ去られたと思い込んだラモンは、彼女と引き換えにバクスターの息子を渡すことを約束する。

翌日、人質の引渡しが始まるが、マリソルの子供と夫が彼女に歩み寄る。

ラモンは夫を殺すようにと、手下に指示を出すのだが、シルヴァニートが銃を構え、ジョーも加勢してそれを阻止する。

しかし、状況を察したジョーは、マリソルにラモンの元に行くよう指示する。

ロホのアジトに戻ったジョーは、酒盛りで泥酔したように見せ掛け、ラモンが留守の隙にマリソルを助け出し、夫と子供と共に逃がしてしまう。

バクスターがマリソルを逃がしたように見せかけたジョーだったが、ラモンにそれを見破られ、袋叩きに遭う。

命だけは救われたジョーは、火薬庫に火を放ち、ラモンらが混乱している隙にアジトを脱出する。

ラモンはジョーを捜すために、シルヴァニートを痛めつけ、バクスターの屋敷に向かい焼き討ちにして、一家を皆殺しにする。

ジョーは、ピリペロを呼び止めて棺桶に入り、町を脱出して廃坑で傷を癒し、射撃の勘を取り戻す。

シルヴァニートが捕まり、拷問を受けていることを知ったジョーは、ピリペロが盗んできたダイナマイトを受け取り町に向かう。

やがて、シルヴァニートを痛めつけていたラモンらの前に、ダイナマイトの爆発音と共にジョーが現れる。

ラモンは容赦なくジョーの心臓を撃ち抜くが、何発もの弾丸を受けながら、彼は立ち上がりラモンを挑発する。

そして、ラモンの弾が切れたのを確認したジョーは、ポンチョの下に隠した鉄板を外し、ラモンの手下4人を撃ち殺す。

ジョーは、”拳銃はライフルに勝てない”という、ラモンの口癖が確かかを試そうと、彼に勝負を挑む。

シルヴァニートを助けたジョーは、焦るラモンより早く拳銃に弾を込め、彼の心臓を撃ち抜く。

ホテルに潜み、ジョーに銃口を向けていたエステバンを、シルヴァニートが銃撃する。

ピリペロは転がる死体の寸法を測り始め、ジョーはシルヴァニートに別れを告げて、町を去っていく。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「荒野の用心棒」 (1964)
・「夕陽のガンマン」 (1965)
・「続・夕陽のガンマン」 (1966)

*(簡略ストー リー)

国境近くのメキシコの町。
流れ者の”名のない男”/ジョーは、宿屋の主人シルヴァニートから町の様子を聞き、裏の棺桶屋が繁盛していることを知る。
酒を売る盗賊のロホ兄弟と、銃を売りさばくバクスターが二分している町で、ひと稼ぎできると考えたジョーは、町に滞在することを決める。
シルヴァニートから、ラモンのいるロホ兄弟の勢力が上だと聞いたジョーは、ロホに自分を売り込むことに成功する。
やがて、軍隊の金塊を奪ったラモンが現れるが、彼はジョーを警戒する。
バクスターとの和解をほのめかすラモンは、実は一時的な和平を装い、その後、敵を壊滅させる考えでいた。
それを悟ったジョーはロホの元を去り、さらに大きく稼ぐために、バクスター側に加担するのだが・・・。
__________

これが始まりのように思われているイタリア製西部劇だが、既に当時、数十本の作品が作られていて、その後、世界的な大スターとなるクリント・イーストウッドが出演していたということで、数年後にアメリカ本土でも話題になった作品。

そういう意味では、イーストウッドの出世作と言える作品でもない。

長い下積みの末、TVの「ローハイド」で人気を得ていたイーストウッドだが、その頃、活躍し始めていたチャールズ・ブロンソンジェームズ・コバーンでさえも雇えなかった、低予算映画に、代役のような形で出演したというのも事実だ。

しかし、今観ると運命的なものを感じる作品で、演技力があるとも言えないイーストウッドの物腰や一種独特の雰囲気は、スターになる予感を感じさせるものがある。
また、師と仰ぐ同世代のセルジオ・レオーネエンニオ・モリコーネとの、その後も続く友情が始まったという意味では、記念すべき作品と言える。

誰がどう見ても「用心棒」(1961)の盗作なのだが、製作者側はそれを認め、またその影響もなく、わずか20万ドルで作られた本作は、北米では3年後の公開になるが、1100万ドルを稼ぎ出し、全世界で1450万ドルという、イタリア製西部劇としては驚異的な興行収入をあげた。

この成功により、イーストウッドが、ほぼ同じ雰囲気で登場する”名のない男”シリーズは、続編ではないが、「夕陽のガンマン」(1965)、そして「続・夕陽のガンマン」(1966)へと続く。

正統派西部劇と比較すると、そのコスチュームなどが滑稽に見えてしまうのだが、その辺りは割り切って、単純に「用心棒」(1961)との共通点や違いを探ったりしてみても結構楽しい。

とにかく、今尚、ハリウッドの頂点に君臨しているイーストウッドの存在を思いながら観ると、大袈裟に言えば、感慨深い感じすらする作品でもある。

葉巻をくわえるアイデアが、本当に禁煙家であるイーストウッドのアイデアだったのかなども、今では伝説のような話だが、寡黙でふてぶてしく、精神的に逞しい彼のイメージの原点となったキャラクター作りも出色と言える。

イタリア製西部劇の真骨頂、残虐極まりない敵役のジャン・マリア・ヴォロンテ、彼の情婦マリアンネ・コッホ、主人公の協力者で、宿屋の主人役ホセ・カルヴォと棺桶屋のヨゼフ・エッガーなど、イタリアはじめドイツオーストリアなどの俳優を集め、主にスペインで撮影されたという、国際色豊かな作品。


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