ヒストリー・オブ・バイオレンス A History of Violence (2005) 4.69/5 (32)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

田舎町で暮らす平凡な男性が、ある事件をきっかけにして過去が暴かれ、家族と共に暴力と犯罪の世界に巻き込まれていく姿を描く、監督デヴィッド・クローネンバーグ、主演ヴィゴ・モーテンセンマリア・ベロエド・ハリスウィリアム・ハート他共演の犯罪サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・クローネンバーグ

製作
クリス・ベンダー
J・C・スピンク
製作総指揮
ジャスティス・グリーン
ロジャー・E・カス
ジョシュ・ブラウン
原作
A History of Violence
ジョン・ワグナー
ヴィンス・ロック
脚本:ジョシュ・オルソン
撮影:ピーター・サシツキー
編集:ロナルド・サンダース
音楽:ハワード・ショア

出演
トム・ストール/ジョーイ・キューザック:ヴィゴ・モーテンセン
エディ・ストール:マリア・ベロ
カール・フォガティ:エド・ハリス
リッチー・キューザック:ウィリアム・ハート
ジャック・ストール:アシュトン・ホームズ
サム・カーニー保安官:ピーター・マクニール
リーランド・ジョーンズ:スティーヴン・マクハティ
ウィリアム”ビリー”オーサー:グレッグ・ブリック
ボビー・シンガー:カイル・シュミット
チャールズ”チャーリー”ロアーク:エイドリアン・デヴァイン
フランク・マリガン:ビル・マクドナルド
ジュディ・ダンヴァース:サメラ・ケイ
サラ・ストール:ハイディ・ヘイズ

アメリカ 映画
配給 ニュ ー・ライン・シネマ
2005年製作 96分
公開
北米:2005年9月23日
日本:2006年3月11日
製作費 $32,000,000
北米興行収入 $31,504,630
世界 $60,740,830


アカデミー賞
第78回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優(ウィリアム・ハート
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
モーテルの部屋を出たリーランド・ジョーンズ(スティーヴン・マクハティ)とウィリアム”ビリー”オーサー(グレッグ・ブリック)は、車でその場を去ろうとする。

チェックアウトすると言うリーランドは建物に入り、暫くして出て来る。

車を回したビリーは、少し揉めたと言うリーランドから、暑くなりそうなため水を補充するように指示されて容器を持ち中に入る。

2体の死体を気にもせずに、ウォーターサーバーの水を容器に入れたビリーは、泣きながら現れた少女を射殺する。

インディアナ州、ミルブルック。
トム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、娘サラ(ハイディ・ヘイズ)の叫び声で目覚めて様子を見に行く。

怖い夢を見たと言うサラを抱きしめるトムは、起きて来た息子のジャック(アシュトン・ホームズ)にそれを伝える。

トムの妻エディ(マリア・ベロ)は、サラを抱きしめる。

翌朝、トラックが故障していたため弁護士のエディに町まで送ってもらったトムは、経営しているダイナーに向かう。

体育の授業で野球をしたジャックは、ボビー・シンガー(カイル・シュミット)の打った打球をキャッチする。

それが気に入らないボビーから因縁を付けられたジャックだったが、逆らうこともできない。

その夜、店を閉めたトムはエディが迎えに来ていることに気づき、子供達はいないと言われる。

帰宅した二人は、かつてを思い出しながら愛し合う。

ジュディ・ダンヴァース(サメラ・ケイ)とデートしていたジャックに気づいたボビーは、彼をからかおうとする。

車をUターンさせようとしたジャックは、トラックと衝突しそうになるが、運転していたビリーに睨まれる。

この旅はうんざりだと愚痴をこぼすビリーから金がないと言われたリーランドは、何とかなると答える。

ビリーと共にトムのダイナーに入ったリーランドは、閉店だと言うトムに、コーヒーを出すようにと指示して声を荒げる。

仕方なくコーヒーを出したトムは、店員のシャーロットに帰っていいと伝える。

ビリーはシャーロットをを引き留めて脅し、二人が強盗だと思ったトムは、現金を渡そうとする。

そのつもりだと言って銃を手にしたリーランドは、シャーロットを殺すようビリーに指示する。

コーヒーポットでローランドを殴ったトムは、カウンターを飛び越えて銃を拾い、ビリーを射殺する。

トムは、リーランドに足の甲をナイフで刺されながら、相手の頭部を撃ち抜く。

病院で治療を受けたトムは、自分がヒーローになったことを伝えるテレビ報道を見る。

リーランドとビリーは、何件もの殺人を犯していた凶悪犯だった。

迎えに来たエディと共に病院を出たトムは、ジャックとサラが待つ入り口で、英雄的行為を人々から称賛される。

自宅ではテレビ・リポーターが待ちかまえ、それを迷惑に思うトムは多くを語らなかった。

家に入ったジャックは、ヒーローとなったトムを誇りに思う。

エディから、また記者が来たと言われたため外を確認したトムは、それが高級乗用車だったので気になる。

その後、事件の評判でダイナーは大繁盛となり、ある日、カール・フォガティ(エド・ハリス)とその部下チャールズ”チャーリー”ロアーク(エイドリアン・デヴァイン)とフランク・マリガン(ビル・マクドナルド)が現れる。

悪党二人を倒したヒーローだとフォガティに言われたトムは、普通の生活に戻りたいため、その話はしたくないことを伝える。

”ジョーイ”と呼ばれたトムはそれを否定し、フィラデルフィアのことを訊かれても行ったことがないと答える。

どこかで会ったことがあるかを尋ねたトムは、サングラスをとったフォガティの、左目と頬にかけての傷を確認する。

フィラデルフィアの”ジョーイ・キューザック”だと言われたトムはフォガティを相手にしないが、エディが不快感を訴える。

込み合っているので他の客に席を譲ってほしいとトムに言われたフォガティは、料金を払い客だと伝え、話をしようとする。

それを断られたフォガティは、豹変すると困ると言って席を立ち店を出る。

エディから連絡を受けたサム・カーニー保安官(ピーター・マクニール)は、街道を走行中のフォガティの車を止める。

平和な町の住民を守るのが仕事だとフォガティに伝えたカーニーは、二度と現れるなと警告する。

チャーリーとフランクは数知れない暴力事件を起こしているフォガティの部下で、殺人や失踪事件にも関与している疑いがあることを、カーニーはトムとエディに話す。

フォガティは東海岸の犯罪組織のギャングであるため、カーニーは、証人保護プログラムを適用されているかをトムに尋ねる。

それを否定するトムに確認したかっただけだと伝えたカーニーは、”ジョーイ・キューザック”については何も分からなかったが、兄のリッチー・キューザックは、フィラデルフィアの犯罪組織を仕切っていると伝える。

いずれにしても、用心が必要だと言うカーニーは、フォガティらが再び現れた場合は連絡するようにとトムに伝えてその場を去る。

トムは、怯えるエディを抱きしめる。

翌朝、歩いて店に向かったトムは、フォガティの車が道路に止まっていることに気づき、それが走り去ったために家に電話をする。

トムから連絡を受けたエディは、フォガティらが向かっているため、ショットガンを用意するようにと言われる。

走って家に戻ったトムは、周囲を警戒しながらエディを安心させて、驚くジャックに、店にギャングが来たことを話す。

その話は聞いたと言うジャックに、自分と誰かを間違えているとトムは伝える。

ギャングがその男を殺そうとしているのかもしれないと二人は考え、家に彼らが来ると思い込んだとトムは話す。

もしそうなったらどうするかとジャックに訊かれたトムは、ショットガンを握りしめながら、何とかすると答える。

ショッピングモールで買い物をしていたエディは、連れて行ったサラの姿が見えなくなったために彼女を捜す。

サラを見つけた場所にフォガティがいたため驚いたエディは、ギャングなど気にしないと伝える。

自分やリッチーのことを”ジョーイ”に訊いてみろとフォガティに言われたエディは、左目を有刺鉄線でつぶされた話をされる。

なぜ、トムがあれだけ見事に人を殺せたかを考えるようにと、エディはフォガティに言われる。

家族の150メートル以内に近づいたら逮捕させると伝えたエディは、サラを連れてその場を去る。

学校で父のことなどをボビーにからかわれたジャックは、相手を叩きのめしてしまう。

そのことをトムに非難されたジャックは、物事の解決手段で人を殴るべきではないと言われ、撃ち殺すのはいいのかと口答えしてしまう。

殴られたジャックはその場から走り去り、トムは後悔する。

帰宅したエディの様子がおかしいため心配したトムは、フォガティに尾行されたため、裁判所に接近禁止命令を要請したことを知らされる。

エディは、フォガティがトムをジョーイだと信じていることを気にするが、そこに彼らが現れる。

ショットガンを持って家から出たトムは、フィラデルフィアに行き人に会ってほしいとフォガティに言われる。

そんな場所は行ったこともないと答えるトムは、ジャックが人質に取られていることを知る。

取り乱すエディを落ち着かせたトムは、自分に任せろと言って、サラの元に行くよう指示する。

銃を捨てて近づくようにとトムに指示したフォガティは、それに従ったためにジャックを解放する。

車に乗れと言われたトムは、このまま帰るようにフォガティに伝える。

近づいて来たチャーリーが銃を向けたため、トムはそれをかわして叩きのめす。

銃を奪ったトムはフランクを銃撃するが、フォガティの銃弾を受ける。

フォガティに銃を向けられたトムは、殺しておくべきだったと呟いて覚悟を決める。

次の瞬間、ジャックがショットガンでフォガティを射殺する。

動揺するジャックから銃を奪い取ったトムは、息子を抱きしめる。

病院に入院したトムは、現れたエディから真実を話してほしいと言われる。

人殺しの”ジョーイ”に変わった姿を見たと伝えたエディは、殺したのは自分ではないとトムが言うために、動揺して嘔吐してしまう。

3年かけてトムになり、自分に出会って変わったと言う夫の話が信じられないエディは、ショックを受けてその場を去る。

家に戻ったトムは、ギャングの息子であったことを受け入れられないジャックに非難されるものの、言葉を返せない。

トムを訪ねたカーニーは、釈然としないことがあると言って話をしようとするが、エディが帰ってきたために遠慮しようとする。

エディが話を聞きたがるため、フォガティの行動の真実を知りたいと尋ねたカーニーは、トムはトムでしかないと言って泣き出した彼女に気を遣い、力になると伝えてその場を去る。

自分を避けるエディを追ったトムは、階段で彼女を捕まえて強引に愛し合うものの、軽蔑されてしまう。

その夜、兄リッチー・キューザック(ウィリアム・ハート)からの連絡を受けたトムは、彼に会うためにフィラデルフィアに向かう。

現地に着いたトムは、かつて通ったバーでリッチーの手下のルーベンに会う。

リッチーの豪邸に向かったトムは、ルーベンに身体検査をされる。

リッチーと再会したトムは抱き合い、書斎に向かう。

田舎暮らしや結婚についてをトムに尋ねたリッチーは、自分が怒りを抑えていることを伝える。

連絡をよこさなかったことや、フォガティの縄張りを荒らして手下を殺し、彼の目を潰したたことを責めるリッチーは、”ジョーイ”は大昔に死んだとトムに言われる。

フォガティの件があるまで自分が組織を継ぐ有力な候補だったことを伝えたリッチーは、それで将来が断ち切られたと言って、今の地位に戻るまでの苦しみを伝える。

それをトムのせいにするリッチーは、仲直りのために何をすればいいかをトムに訊かれる。

リッチーは死ぬことだと答え、ルーベンがトムに襲いかかる。

トムは、ルーベンともう一人を叩きのめし、リッチーは銃を手にして発砲するものの逃げられる。

息のあったルーベンを射殺したリッチーは、現れた部下にトムを捜すよう指示する。

手下に襲いかかったトムは、銃を奪って射殺する。

リッチーの目の前に現れたトムは、容赦なく兄の頭部を撃ち抜く。

敷地に隣接する湖に向かったトムは、銃を捨てて水で顔を洗う。

その後、トムは家に戻り、家族は食事中だった。

トムの帰りに気づいたエディは無言のままうつむき、サラが、父のために食事の用意をする。

腰かけたトムにジャックは料理を差し出し、エディは顔を上げる。

トムとエディは、問題を抱えた将来についてを考えながら見つめ合う。


解説 評価 感想
1997年に発表された、ジョン・ワグナーヴィンス・ロックによるグラフィック・ノベル”A History of Violence”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)
インディアナ州、ミルブルック。
田舎町でダイナーを経営するトム・ストールは、弁護士の妻エディと高校生の息子ジャック、そして幼い娘サラと共に平穏な暮らしをしていた。
ある日、殺人犯でもある強盗のリーランドとビリーに店を襲われたトムは、負傷するものの二人を難なく撃退してしまう。
トムの行為は英雄視されてメディアで報道され、その勇気は住民から称賛される。
その後、フィラデルフィアのギャング、フォガティがトムの前に現れ、彼を恨みを持つ”ジョーイ”だと決めつける。
”ジョーイ”に縄張りを荒らされて部下を殺され、更に左目を潰されたと言うフォガティだったが、トムは身に覚えがないと言い張る。
エディは、自分達とは無関係であるはずの犯罪組織の出現に怯え、トムは家族を守ろうとするのだが・・・。
__________

平凡な家族に襲いかかる暴力と恐怖の世界を描いた、鬼才デヴィッド・クローネンバーグによる犯罪サスペンス。

デヴィッド・クローネンバーグは、次回作の「イースタン・プロミス」(2007)でも、本作で主人公を演ずるヴィゴ・モーテンセンと再び組んでいる。
揉め事とは無縁に思えるのどかな田舎町の一市民に潜む狂暴性、その瞬間を捉えるショットや描写のリアルさがショッキングでもある、デヴィッド・クローネンバーグの演出手腕が見所の作品。

全てを”清算”して家族の元に戻った主人公は、安堵するどころか、将来を考えることもできい・・・。
不安しか思いつかないまま見つめ合う、主人公夫婦の表情で終わるラストは考えさせられる。

犯罪組織との関係を断ち切っていく過程で、過去が表面化したため、家族が大きな問題に直面していく姿は痛々しい。

実力派スター豪華競演も注目で、各映画賞でも絶賛された本作は、第78回アカデミー賞で、助演男優(ウィリアム・ハート)、脚色賞にノミネートされた。

温厚でごく平凡なダイナーの経営者でありながら、犯罪組織の一員だったという過去を持つ男性を重々しく演ずるヴィゴ・モーテンセン、弁護士の立場で毅然として対応するものの、信頼していた夫の過去を知り混乱する妻を好演するマリア・ベロ、主人公に恨みを持つギャングのエド・ハリス、終盤の10分間しか登場しないものの、主人公の兄を存在感ある演技で演ずるウィリアム・ハート、主人公の息子アシュトン・ホームズ、保安官ピーター・マクニール、主人公のダイナーを襲う犯罪者スティーヴン・マクハティグレッグ・ブリック、ジャック(アシュトン・ホームズ)に絡む同級生カイル・シュミット、フォガティ(エド・ハリス)の部下エイドリアン・デヴァインとビル・マクドナルド、ジャックのガールフレンド、サメラ・ケイ、主人公の娘ハイディ・ヘイズなどが共演している。


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