大空港 Airport (1970) 4.96/5 (28)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1968年に発表された、アーサー・ヘイリー同名小説の映画化で、その後、製作されるエアポート・シリーズ4作品の第1作。
積雪の中、爆破事件が起きた旅客機を救おうとする空港関係者達と乗客の行動を描く、監督、脚本ジョージ・シートン、主演バート・ランカスターディーン・マーティンジーン・セバーグジャクリーン・ビセットジョージ・ケネディヘレン・ヘイズヴァン・ヘフリンモーリン・ステイプルトン他豪華スター競演によるパニック映画の先駆けとなった超大作。


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■

監督: ジョージ・シートン
製作: ロス・ハンター
原作: アーサー・ヘイリー
脚本: ジョージ・シートン
撮影: アーネスト・ラズロ
編集:スチュアート・ギルモア
美術・装置
アレクザンダー・ゴリツェン

E・プレストン・エイムズ
ジャック・D・ムーア
ミッキー・S・マイケルス
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽: アルフレッド・ニューマン

出演
メル・ベイカースフェルド:バート・ランカスター

ヴァーノン・デマレスト:ディーン・マーティン
タニア・リヴィングストン:ジーン・セバーグ
グエン・メイフェン:ジャクリーン・ビセット
ジョー・パトローニ:ジョージ・ケネディ
エイダ・クォンセット:ヘレン・ヘイズ
D.O.グェレロ:ヴァン・ヘフリン
イネズ・グェレロ:モーリン・ステイプルトン
アンソン・ハリス:バリー・ネルソン
シンディ・ベイカースフェルド:ダナ・ウィンター
ハリー・スタンディッシュ:ロイド・ノーラン
サラ・デマレスト:バーバラ・ヘイル
サイ・ジョーダン:ゲイリー・コリンズ
ハリエット・デュバリー・モスマン:ジェシー・ロイス・ランディス
エイクマン:ラリー・ゲイツ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1970年製作 136分
公開
北米:1970年3月5日
日本:1970年4月18日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $100,489,150


アカデミー賞 ■

第43回アカデミー賞
・受賞
助演女優賞(ヘレン・ヘイズ)
・ノミネート
作品
助演女優(モーリン・ステイプルトン)
脚色・撮影・編集・作曲・録音・美術。衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

シカゴ、リンカーン国際空港。
着陸したトランス・グローバル航空(TGA)ボーイング707(B707)が、吹雪の影響でメイン滑走路を塞いでしまう。

空港長メル・ベイカースフェルド(バート・ランカスター)は、TGAのタニア・リヴィングストン(ジーン・セバーグ)と共に、悪天候時の空港運営に追われていた。

B707の機体の処置には、トランス・ワールド航空(現アメリカン航空)のチーフ・メカニック、ジョー・パトローニ(ジョージ・ケネディ)が担当することになる。

ベイカースフェルドは、悪天候、滑走路封鎖、そしてデモにまで対応し、頭を抱える理事エイクマン(ラリー・ゲイツ)の愚痴を聞かされる。

TGAの国際線機長ヴァーノン・デマレスト(ディーン・マーティン)は、ローマに飛び立つため空港に到着する。

デマレストは、妻サラ(バーバラ・ヘイル)の兄ベイカーズフェルドとは意見が合わず、 滑走路を塞ぐ機体の一件でも対立してしまう。

そんなデマレストは、スチュワーデスのグエン・メイフェン(ジャクリーン・ビセット)と親密な関係でもあった。

ベイカースフェルドは、社交家の妻シンディ(ダナ・ウィンター)が、自分の仕事に理解を示さないことから、夫婦の仲は冷めきっていた。

その頃、タダ乗りの常習犯エイダ・クォンセット(ヘレン・ヘイズ)がタニアの元に連れて来られる。

現れたベイカースフェルドと共に、クォンセット夫人に説教を始めたタニアだったが、逆に彼女から航空会社への注文などを聞かされてしまう。

さらに、夫人は巧みなタダ乗り術を教え、タニアは呆れてしまうが、ベイカースフェルドは感心する。

その後タニアは、ベイカースフェルドにサンフランシスコ勤務を受ける意向を伝える。

タニアが心の支えだったベイカースフェルドだったが、家庭の問題を彼女に伝えるだけで、転勤を止めることまでは出来なかった。

税関に呼ばれたタニアは、不正をして国内に宝石類を持ち込もうとした婦人ハリエット・デュバリー・モスマン(ジェシー・ロイス・ランディス)が、主任ハリー・スタンディッシュ(ロイド・ノーラン)の元で取り調べられる現場に立ち会う。

同じ頃、苦しい生活を強いられていたD.O.グェレロ(ヴァン・ヘフリン)は、カフェで働く妻イネズ(モーリン・ステイプルトン)に、仕事で出張することを告げて旅立つ。

渋滞で到着が遅れていたパトローニがようやく現場に現れ、陣頭指揮を執り機体の移動作業を始める。

理事エイクマンに呼ばれたベイカースフェルドは、周辺住民からの多額の損害賠償を回避するため、直ちに空港閉鎖を迫られる。

ベイカースフェルドは、新空港建設の動きに消極的だったことなどでエイクマンを非難し、クビを覚悟で彼の要求を断る。

カフェでの夫グェレロの言動を不審に思い、彼がローマ行きの便に乗ることを知ったイネズは、それを確認するために空港に向かう。

ローマ行きの便の出発が遅れていたデマレストは、グエンから妊娠していることを知らされる。

デマレストは堕胎を勧めるが、グエンは、子供を産み彼には迷惑をかけないよう養子に出すつもりでいる考えを伝える。

最初の脱出に失敗したパトローニは、操縦桿を握っていた弱腰のパイロットを非難し、ベイカースフェルドに、次回は自分が操縦することを伝える。

遅れていたローマ行きの便の搭乗が始まり、クォンセット夫人はそれを知り行動を開始する。

空港に着いたグェレロは、多額の搭乗保険に加入し、証書を妻イネズ宛に送る。

税関主任スタンディッシュは、アタッシュケースを抱えて搭乗ゲートに向かうグェレロが気になる。

クォンセット夫人は、いつもの手を使いローマ行きの便の機内に侵入しトイレに隠れる。

例の男(グェレロ)が気になっていたスタンディッシュは、30年のキャリアから、ベイカースフェルドとタニアに、その男の挙動がおかしいことを伝え、彼女は上司に連絡を入れる。

離陸準備の出来たローマ便の機内では、クォンセット夫人が何食わぬ顔をしてグェレロの横の席に座り、 タニアは彼女がいなくなったことを知らされる。

デマレストは、乗客の数が合わないという乗務員の意見を遮り、検札を中止させる。

空港に到着し搭乗カウンターに向かったイネズは、ローマ行きの便に夫が乗っていることを確認して愕然とする。

そして、デマレストとアンソン・ハリス(バリー・ネルソン)の操縦するB707は飛び立つが、 即刻、クォンセット 夫人の件が知らされる。

グエンに、クォンセット 夫人を確認させたデマレストは、彼女をローマまでそのままにしておくよう指示を出す。

デマレストは、ハリスが7人の子持ちで、そのうち三人は予定外だったと聞き、グエンのことを考えてしまう。

タニアは、クォンセット 夫人の件でローマへの連絡書を作成するが、不審な男(グェレロ)は、到着時の税関に任せろと上司から指示を受ける。

その男のことが気になり始めたタニアは、彼の搭乗までの足取りを調べ始める。

まもなく、イネズが放心状態で保護されてタニアに引き渡され、彼女がローマ便に乗っているグェレロの妻だと気づく。

ベイカースフェルドは、忙しい最中、現れた妻シンディから離婚を迫られ、一応それに納得するが、次々に仕事が入ってくる。

グェレロのことを、ベイカースフェルドに伝えたタニアだったが、イネズの姿が見えなくなり、空港内の警備員に緊急連絡を入れ彼女を捜す。

ベイカースフェルドは、人間観察に長けているスタンディッシュから、グェレロが爆弾を所持している可能性を指摘される。

再び保護されたイネズは、夫グェレロの行き先や生活苦であること、さらには彼が精神障害で入院もして、戦争中には爆破部隊に所属していたことを、ベイカースフェルドらに伝える。

イネズは、グェレロの働いていた建設現場で、ダイナマイトが紛失した事件があったことも付け加える。

そしてデマレストには、多額の保険金をかけた危険物を持った可能性がある男が、搭乗していることが連絡される。

ベイカースフェルドはパトローニを呼び、機体の爆破時を想定した対策を考え、ローマ便は引き返すことになる。

機体は大きく旋回し降下も始め、デマレストは客席の様子を見に行き、クォンセット夫人の協力を得るために、その役をグエンに任せる。

グエンは、クォンセット夫人のタダ乗りを追求し、コックピットに連れて行く。

デマレストは、夫人にグェレロのアタッシュケースを奪う手助けをすることで、タダ乗りの処分はしないことを約束する。

夫人を席に戻したグエンは、彼女が泣きながらグェレロに抱きついた隙にアタッシュケースを奪うが、乗客に邪魔されてしまう。

グェレロはアタッシュケースを奪い返すが、デマレストに保険は無効だと言われ説得される。

アタッシュケースをデマレストに渡そうとしたグェレロだったが、その時、彼はトイレから出てきた乗客に驚き、動揺しその中に閉じ篭ってしまう。

そして、絶望したグェレロは爆死し、トイレの外にいたグエンは意識を失ってしまい、機体には穴が開き破損してしまう。

機内の気圧が低下して乗客はパニックを起こすが、デマレストらパイロットは機体を立て直す。

コックピットに戻ったデマレストは、その後の客室を見に行った航空機関士サイ・ジョーダン(ゲイリー・コリンズ)から、爆破による穴と天井の亀裂など、機体の損傷などの報告を受ける。

グエンが重傷を負ったことも聞いたデマレストは、雪のために東部の空港が閉鎖されたことを知り、リンカーン国際空港に引き返すことになる。

デマレストは、乗客の中にいたグエンを診た医師から症状を聞かされ、彼女が妊娠していることを伝える。

シカゴに、水平尾翼の損傷と方向舵もきかないことを知らせ、塞がれている滑走路を空けるよう指示を出すデマレストは苛立つ。

その交信を聞いていたベイカースフェルドは、除雪車で機体を排除する準備を始めるが、B707を傷めたくないパトローニはそれを許さなかった。

空港は非常事態となり、パトローニの指揮下、難航する滑走路を塞ぐB707の機体の移動に作業を集中させる。

デマレストの機は空港に接近し、ベイカースフェルドは除雪車を出動させる。

それでも諦めないパトローニは、強引な方法で機体を移動させることに成功する。

そして、ハリスが操縦するB707は無事着陸に成功し、 後を任せたデマレストはグエンの元に向い、彼女に寄り添い優しく声をかける。

ターミナルに現れた乗客らに、イネズは謝罪し泣き崩れてしまい、デマレストの安否を気遣う妻サラは、妊娠しているというグエンに夫が寄り添う姿をみて呆然とする。

夜が明けて機体の検証が始まり、パトローニは無事だったB707を誇らしく思う。

クォンセット夫人は、今回の事件でTGAから感謝されて、ファーストクラスのチケットを贈られるが、タダ乗りのスリルが味わえないことに不満を漏らす。

そしてベイカースフェルドは、吹雪が去り晴れ上がった青空のような爽快な気分で、全てを忘れ、タニアと共に彼女のアパートに向かう。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「大空港」(1970)
・「エアポート’75」(1974)
・「エアポート’77」(1977)
・「エアポート’80」(1979)

*(簡略ストー リー)

シカゴ、リンカーン国際空港。
吹雪の中、着陸したトランス・グローバル航空(TGA)のボーイング707(B707)が立ち往生してメイン滑走路を塞いでしまう。
空港長メル・ベイカースフェルドは、TGAのタニアと共に、混乱する空港運営に追われていた。
ローマ行きの便の機長デマレストは、滑走路を塞ぐ一件などで不仲の義兄ベイカースフェルドと揉めながらも、出発の準備を始める。
B707の移動作業はトランス・ワールド航空のチーフ・メカニックであるパトローニが担当することになるが、作業は難航する。
その頃、生活苦で行き詰った男グェレロが、妻イネズのために保険金をあてにした航空機爆破計画を実行するため、空港に向かいローマ便に搭乗する・・・。
__________

超豪華オールスター・キャストに加え、パニック映画の草分け的作品となり、北米だけでも1億ドルを超す記録的大ヒットとなった。

また、ヘンリー・ハサウェイが、野外シーンの演出のみで参加している豪華さだ。

第43回アカデミー賞では、作品自体も高い評価を得て作品賞以下10部門でノミネートされ、70歳のヘレン・ヘイズが助演女優賞を授賞した。
・ノミネート
作品・助演女優(モーリン・ステイプルトン)、脚色・撮影・編集・作曲・録音・美術・衣装デザイン賞

本作が遺作となるアルフレッド・ニューマンの、ダイナミック且つ軽快なテーマ曲によるオープニングにで、一気に緊張感は高まる。

当時のアメリカの国力を象徴するような巨大な国際空港の雰囲気は、画面をいくつにも区切り、様々な出来事を一度に見せる手法でそれを強調させている。
旅客機に乗り合わせた乗客や空港で働く様々な人々の人間模様などを、丁寧に描いた一級のドラマとしても十分に楽しめる、ジョージ・シートンの脚本と演出も冴え渡る。

税関主任ロイド・ノーランが、税金逃れのジェシー・ロイス・ランディスの不正を人間観察力の鋭い目で見破り、そして彼が爆弾犯の挙動にも気づくという、細やかな演出なども実に巧みだ。

空港関係者から一般人まで、イデス・ヘッドの衣装デザインも素晴しい。

空港ロケは、ミネアポリス・セントポール国際空港の全面協力で行われ、全編に渡りボーイング707の宣伝映画のような雰囲気もある。

主演のバート・ランカスターは、仕事の鬼という感じではあるが、妻との諍いを紛らすために、心の拠り所を求めたりするころが、スーパーマンのようではない人間味を感じさせる。

ディーン・マーティンも、彼らしい浮気男を演じているが、相変わらずのユーモア・センスに加え、後半からクライマックスにかけてのシリアスな演技はなかなか見事だ。

空港長バート・ランカスターを見守り、心の支えとなりながら、精力的に仕事をこなすジーン・セバーグ、機長(D・マーティン)と関係する美しいスチュワーデスのジャクリーン・ビセットエアポート・シリーズ全てに出演するタフガイで、チーフ・メカニック役のジョージ・ケネディ、見事としか言いようがない、円熟の演技を見せてくれるユーモラスなタダ乗り婦人ヘレン・ヘイズ、爆破犯人ヴァン・ヘフリンと、その悲劇の妻役モーリン・ステイプルトン、頼りになる副機長バリー・ネルソン、夫ベイカースフェルド(B・ランカスター)に理解のない妻ダナ・ウィンター、職人肌の税関主任ロイド・ノーラン、夫デマレスト(D・マーティン)の浮気の事実を知ってしまう妻バーバラ・ヘイル、本作が遺作となる、ヒッチコック作品などでも御馴染みの、税関逃れの夫人ジェシー・ロイス・ランディス、滑走路閉鎖のデモまどに頭を抱える理事ラリー・ゲイツ、航空機関士のゲイリー・コリンズなど、多彩な顔ぶれの共演者が脇を固めてる。


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