アラモベイ Alamo Bay (1985) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

テキサスの港町を舞台に、町民とベトナム難民の対立を描く、製作、監督ルイ・マル、主演エイミー・マディガンエド・ハリスドナルド・モファット他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ルイ・マル

製作
ルイ・マル
ヴァンサン・マル
脚本:アリス・アーレン
撮影:カーティス・クラーク
編集:ジェームズ・ブルース
音楽:ライ・クーダー

出演
グローリー:エイミー・マディガン
シャン・ピアース:エド・ハリス
ディン:ホー・ニュアン
ウォリー:ドナルド・モファット
スキナー:ルディ・ヤング
ハニー・ピアース:シンシア・カーリ
保安官:ビル・サーマン
ダイアン:キャロライン・ウィリアムズ
リオン:ゲイリー・バサラバ
マック:ウィリアム・フランクファザー

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1985年製作 98分
公開
北米:1985年4月3日
日本:1987年8月29日
北米興行収入 $380,970


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1979年、テキサス州。
ヒッチハイクをするベトナム人青年ディン(ホー・ニュエン)は、エビの搬送をするリオン(ゲイリー・バサラバ)のトラックに乗せてもらう。

アラモ・ベイ。
同胞達が暮らし働く港町に着いたディンは、ウォリー(ドナルド・モファット)の店からエビを運んでいるリオンから、彼に紹介すると言われる。

ウォリーの娘グローリー(エイミー・マディガン)は、父の体調を気にして実家に戻り仕事を手伝っていた。

リオンは、安い労働力で雇えるベトナム人を使うウォリーにディンを紹介しようとするが、彼は姿を消していた。

ベトナム帰還兵でもある漁師のシャン・ピアース(エド・ハリス)は、関係のあったグローリーと会っていたことを妻ハニー(シンシア・カーリ)から追及される。

そこにディンが現れ、シャンは、敷地に入って来た彼を追い払おうとする。

気軽に声をかけたディンは、ベトナム人の住む家を訪ねるが、勝手に通るなと言うシャンに銃で撃つと脅される。

ハニーにベトナム人街を教えてもらったディンは、彼女に感謝してその場を去る。

なぜ引っ越さないかをハニーに問われたシャンは、支払いが遅れて船を差し押さえられ、4人目を妊娠した浪費家の妻がいては無理だと言われれる。

ベトナム人家族に歓迎されたディンは、翌朝から船に乗り漁を手伝う。

漁場をベトナム人に荒らされていると言って、ウォリーに不満を訴えるシャンは、グローリーと寄りを戻そうとする。

船が差し押さえられたこともベトナム人のせいにするシャンは、今後はエビを売らないとウォリーに伝え、商売ができないようにしてやると言って脅す。

興奮したウォリーは発作を起こしそうになり、グローリーは父を気遣う。

シャンと付き合うなとウォリーに言われたグローリーだったが、人目も気にせずにバーで彼と踊る。

グローリーとシャンの姿を見かけたディンは、それを気にする。

夜中も漁をしたディンらは罰金を科せられ、ウォリーも監視官から管理者責任を問われるものの聞く耳を持たない。

ウォリーは、KKKが動き出していると監視官に言われる。

自分の船を持つ夢があるディンは、法律を学びたいことを監視官に伝える。

銀行に向かったシャンは、追加融資を断られて苛立ちながらその場を去る。

グローリーと愛し合うシャンは船のことで悩み、銀行に融資を断られたことを話す。

他の銀行に当たってみることを提案されたシャンだったが、3万ドルは無理だと伝える。

ウォリーに貸した金があると言うグローリーは、父に頼んでみるとシャンに伝えて彼を励ます。

翌日、シャンは、止めるハニーを無視して家を出てしまう。

ウォリーに貸した金を返してもらおうとしたグローリーだったが、それが無理だと分かる。

スーパーのレジ係をしていたハニーは、ベトナム人客を迷惑に思い、騒ぎを起こして苛立つ。

KKKのマック(ウィリアム・フランクファザー)は、不満を持つ町の男達を扇動してベトナム人を追い出そうと考え、バーで話し合いシャンをリーダーにしようとする。

モーターを売るというスキナー(ルディ・ヤング)の張り紙をスーパーで見たディンが現れ、男達にからかわれて痛めつけられそうになる。

その場にいたグローリーはスキナーらを非難するが、店員のダイアン(キャロライン・ウィリアムズ)から町を出るようにと言われ、気分を害して店を出る。

ディンに、マックがKKKだと教えたグローリーは、現れたシャンの車に乗る。

父が金を使ってしまったことを話したグローリーは、他の方法を考え、セイルボートで漁をすることを提案する。

そんな金はないと言う酔っていたシャンは、ディンとのことを疑いグローリーを侮辱し、なぜベトナム人の肩を持つのかを問う。

憤慨したグローリーは、車を降りて家に帰る。

その後、ボートを手に入れたディンは、”グローリー”という名前を付ける。

シャンは船を差し押さえられてしまい、エビ漁は諦めてカニをとることを考える。

小型ボートを借りて漁に出たシャンは、ディンらを銃で威嚇して漁場から追い払い、彼らの仕掛けを壊してしまう。

ベトナム人達は、漁場が危険だと言って賃金を上げるようにと騒ぎ始め、グローリーは、沖で発砲されたことをディンから知らされる。

スキナーらは、ディンのボートを荒らして彼に嫌がらせをする。

ベトナム人の教会に押入ったシャンは、自分の漁場に仲間を入らせるなと言ってキ神父を脅す。

町民集会で、発砲事件について怒りを露わにするウォリーは、何もしない警察などの対応を批判する。

保安官(ビル・サーマン)は管轄外だと言って、政府の難民対策が悪いという意見も出る。

町民達のベトナム人に対する怒りは収まらず、キ神父は、政府からの援助は受けていなことと、船などは全て自前だと伝える。

子供への悪影響を考える女性教師は、大人が模範を示す必要があると語る。

自分達の生活が脅かされるという意見も住民から出るが、ディンは、スキナーらに船を傷つけられたと言って、保安官に逮捕を要求する。

その後、住民達のベトナム人に対する嫌がらせが始り、ウォリーの家も被害を受ける。

憤慨して興奮したウォリーは発作を起こし、病院に運ばれて入院する。

何もしない保安官を非難したグローリーだったが、自分達が騒ぎの理由を作ったと言われる。

シャンに父が入院したことを伝えたグローリーだったが、自業自得だと言われ、店を閉めるよう忠告される。

現れたディンの車に乗ってグローリーが病院に向かったため、シャンは憤慨する。

マックは集会を開き、それに参加したシャンは、ベトナム人達を徹底的に痛めつける方法を考える。

ウォリーの店のエビを受取りに来たリオンは、見張っていた者達に危険だと言われる。

KKKと共に武装したシャンらは船で沖に向い、ベトナム人達を漁場から追い払おうとする。

ディンと共にウォリーを見舞ったグローリーは父を励まし、シャンとは別れたことを伝える。

バーに向かったグローリーは、父は回復すると医師に言われたことをディンに伝え、改めて大切な人だと思うと話す。

15歳の時からシャンが好きだったが、あんな男だとは思わなかったと言うグローリーは、それでも忘れられないと本音を語る。

一番辛かったことを聞かれたディンは、子供の頃、住んでいた村が共産軍に襲われて母親が死に、草を食べながら一週間、密林をさ迷ったことを話す。

ディンを送ったグローリーは、ベトナム人街の前でKKKが白人第一主義を叫んでいる姿を確認する。

翌日、ベトナム人達は仕方なく町を離れる。

容態が急変したウォリーは息を引き取り、葬儀を済ませたグローリーも町を去ろうとする。

ディンが町に残っていたことを知ったグローリーは、泣き寝入りはしたくないと言う彼に船を貸して沿岸警備隊に連絡する。

翌日、船で現れたディンに気づいたシャンは、彼を銃で狙うものの、グローリーが寄り添っていたために思い止まる。

そこに沿岸警備隊のヘリコプターが現れ、シャンの船に対して帰港するよう警告する。

漁でとったエビを届けようとしたグローリーは道を塞がれるが、忠告を聞かないことを確認したシャンは彼女を通す。

店に電話をしてディンがいることを確認したシャンらは、火炎瓶や銃を用意をしてその場に向かう。

それに気づいたディンは、船を動かそうとするがエンジンがかからない。

シャンは火炎瓶を投げてベトナム人一人を射殺し、ディンはコンベアーの上に逃げて発砲する。

コンベアーを動かしたシャンは、その場から逃げようとしたディンを追い詰めて銃を向ける。

そこにグローリーが現れ、ディンがシャンに襲いかかる。

グローリーは、ディンを叩きのめして殺そうとするシャンを射殺する。

保安官と消防隊員、そして救急隊が到着する。

ディンは救急車に乗せられて病院に向い、放心状態のグローリーは、保安官に寄り添われながらその場を離れる。

現在も、1万5000人以上のベトナム人が、テキサス湾岸で生活している。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1979年、テキサス州、アラモ・ベイ。
ベトナム難民が多く住む港町では、彼らに仕事を奪われると考える町民の不満が高まっていた。
漁師のエビを買い取り販売するウォリーは、娘のグローリーと共に、安い賃金で雇えるベトナム人を使っていた。
ベトナム人に漁場を荒らされていたベトナム帰還兵の漁師シャンは、家族を抱えて生活は苦しく、船が差し押さえられる寸前だった。
全てをベトナム人のせいにするシャンは、かつて付き合っていたグローリーと寄りを戻す。
同胞達を頼り町を訪れた青年ディンは、真面目に働き船を手に入れる夢を抱く。
やがて、町民達と船を差し押さえられてしまったシャンの怒りはピークに達し、彼らを扇動するKKKは、ベトナム人の掃討を考える・・・。
__________

フランスの映画監督ルイ・マルが、製作を兼ねて演出した作品で、ベトナム戦争後、多くのベトナム難民がアメリカ国内に移り住んだことで生じた問題を描く社会派ドラマでもある。

仕事を奪われる危機に直面した町民は、悪党とでも対決するように銃を手にし、それを扇動するKKKと共に容赦なく弱者に襲いかかるという、アメリカの一つの社会問題を描く作品。

寂れた港町の雰囲気や生活感などもうまく描写され、”苦しい中でも逞しく生きる”などという、きれいごとでは済まされない厳しい現実をリアルに描いた、ルイ・マルの演出手腕が見所の作品。

ハリウッドのおしどり夫婦として知られるエド・ハリスエイミー・マディガン(1983年結婚)が主人公を演ずる作品で、二人は、前年の「プレイス・イン・ザ・ハート」(1984)でも共演し、不倫関係の男女を演じていた。

ファーストクレジットはエイミー・マディガンで、父の店を手伝いながら、ベトナム人達を使い友好的に付き合う女性を好演し、エド・ハリスは、妻子を持つ身で彼女と愛し合いながら、生活苦をベトナム人のせいにして怒りをぶつける漁師を熱演している。

勤勉であり事態に対し冷静に対処するベトナム人青年ホー・ニュアン、ヒロインの父親ドナルド・モファットベトナム人に嫌がらせをする町民ルディ・ヤング、シャン(エド・ハリス)の妻シンシア・カーリ、保安官ビル・サーマン、バーの店員キャロライン・ウィリアムズ、エビの配達人ゲイリー・バサラバKKKウィリアム・フランクファザーなどが共演している。


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