アメリカン・ビューティー American Beauty (1999) 5/5 (28)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

家庭崩壊、蔓延する麻薬、同性愛に対する偏見など、アメリカ社会が抱える問題をテーマにコメディタッチで描く、監督サム・メンデス、主演ケヴィン・スペイシーアネット・ベニングソーラ・バーチクリス・クーパーウェス・ベントリーピーター・ギャラガー他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:サム・メンデス
製作
ブルース・コーエン

ダン・ジンクス
脚本:アラン・ボール
撮影:コンラッド・L・ホール
編集
タリク・アンウォー

クリストファー・グリーンバリー
音楽:トーマス・ニューマン

出演
レスター・バーナム:ケヴィン・スペイシー

キャロリン・バーナム:アネット・ベニング
ジェーン・バーナム:ソーラ・バーチ
フタンク・フィッツ大佐:クリス・クーパー
リッキー・フィッツ:ウェス・ベントリー
バディ・ケイン:ピーター・ギャラガー

アンジェラ・ヘイズ:ミーナ・スヴァーリ
バーバラ・フィッツ:アリソン・ジャニー
ジム・オーミヤー:スコット・バクラ
ジム・バークリー:サム・ロバーズ

アメリカ 映画
配給 ドリームワークス

1999年製作 121分
公開
北米:1999年9月15日
日本:2000年4月29日
制作費 $15,000,000
北米興行収入 $130,058,047
世界 $356,296,601


アカデミー賞 ■

第72回アカデミー賞
・受賞
作品・監督
主演男優(ケヴィン・スペイシー)
脚本・撮影賞
・ノミネート
主演女優(アネット・ベニング)
編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

アメリカの典型的な中流家庭。
広告代理店勤務のレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)42歳と不動産業の妻キャロリン(アネット・ベニング)、高校生の娘ジェーン(ソーラ・バーチ)の生活は、一見、幸せそうに見えた。

しかし、レスターは見栄っ張りな妻と自分を嫌う反抗的な娘の板ばさみで、会社ではリストラ予告を受けてしまう。

レスターは、人生に何の満足感も得られず、かつての幸せな日々を思い起こす毎日が続く。

ある日、レスターは、高校のバスケットボールの試合で、ジェーンと同じチアリーダーの美少女アンジェラ・ヘイズ(ミーナ・スヴァーリ)に心奪われてしまう。

20年ぶりに目覚めたような気分になったレスターは、眠れぬ夜を過ごす。

ジェーンは、アンジェラをなめ回すように見ている父に呆れ、自信過剰なアンジャラは、レスターを満更でもなく思う。

そんな父親の態度を益々嫌うジェーンは、隣に越してきた海兵隊大佐フランク・フィッツ(クリス・クーパー)の一人息子、リッキー(ウェス・ベントリー)にビデオで盗み撮りされる。

超保守的なフィッツ大佐は、息子のリッキーを厳しく躾けているが、リッキーはそんな父親に対しては優等生を装い、実は裏でマリファナの密売をしていた。

レスターは、キャロリンに付き合わされたパーティーで、ボーイのバイトをしていたリッキーに挨拶される。

リッキーにマリファナを勧められたレスターは、彼と意気投合する。

キャロリンは、不動産業界のカリスマ的存在バディ・ケイン(ピーター・ギャラガー)に接近し、自分の事業を起動に乗せようとする。

帰宅したレスターは、ジェーンの部屋に泊まりに来ていたアンジェラが、”レスターが逞しくなれば寝てもいい”と言う話を盗み聞いてしまう。

リッキーに、再び盗撮されていることに気づいたジェーンは、どこか普通でない、陰のあるリッキーに次第に惹かれていく。

レスターは、早速ガレージの奥からダンベルを取り出して体を鍛え始める。

さらに、自分の家にアンジェラがいると思うと、レスターは落ち着かない。

翌日、フィッツは、隣人のゲイ・カップルの両ジム(スコット・バクラ/サム・ロバーズ)と、仲良く楽しそうにジョギングするレスターを見て不信感を抱く。

トレーニングをバカにする妻の態度に逆切れしたレスターは、自分の好きなように生きることを決意する。

そして、レスターは会社を辞め、更に会社を脅迫して多額の退職金を手に入れる。

暴走し始めたレスターは、わざわざハンバーガー・ショップの店員にまでなる始末だった。

その頃キャロリンは、ケインと浮気をして欲求不満を解消する。

家族に愛想を尽かしたジェーンは、次第にリッキーと親密になっていく。

仕事を辞めてからハイになったレスターは、それを知ったキャロリンに罵倒されるのだが、彼女と自分をバカにするジェーンを黙らせてしまう。

自分達の醜態を気にして、部屋に閉じこもったジェーンの元に向かったキャロリンだったが、彼女は素直にならない娘を殴ってしまう。

そんなジェーンは、益々リッキーの”世界”に傾倒していく。

リッキーは、ジェーンを家に招いた時に、父親の保管棚にあるナチの皿を見せたことを知られ、フィッツに折檻されてしまう。

ケインに、ストレス解消には射撃いいと言われたキャロリンは、拳銃を手に入れて帰宅するが、レスターに迫られてしまう。

一瞬、その気になったキャロリンだったが、彼女が現実的な話を始め、結局、二人は再びいがみ合ってしまう。

好き勝手に生きるレスターとキャロリンの溝は深まるばかりで、ジェーンは、父レスターが消え去ってくれることを望むようになる。

それを聞いたリッキーは、自分がレスターを殺そうかと提案するが、ジェーンは冗談だと彼に伝える。

フィッツは、リッキーの留守中に彼のビデオをチェックし、レスターが映っていることで、彼と息子が愛し合ってるものと思い込む。

キャロリンは、ケインとの密会の最中に、ハンバーガー・ショップで、店員のレスターに会ってしまう。

ケインと別れることになったキャロリンは、レスターを一方的に憎むようになる。

レスターは、ジェーンに忠告されていたものの、再び泊まりにきたアンジェラを見て、欲望を抑えきれなくなってしまう。

フィッツは、レスターとのことでリッキーを責めて殴り倒し、彼を家から追い出そうとする。

リッキーは、母バーバラ(アリソン・ジャニー)に別れを告げ、ジェーンと一緒に町を出る決意をして彼女の元に向かう。

アンジェラはジェーンを引き止めるが、彼女はそれを聞き入れず、リッキーは理解を示さないアンジェラを罵倒する。

実は同性愛者だったフリッツは、絶望してレスターの前に現れ、彼を抱きしめる。

レスターは彼を退け、涙するフィッツは何も言わずに自宅に戻る。

その頃、キャロリンは拳銃を隠し持ち、夫のいる自宅に向かっていた。

失意のアンジェラはレスターを受け入れようとするが、彼はアンジェラに初体験だと告白されてしまう。

レスターは、途端にアンジェラへの熱が冷めてしまい、怯える彼女を優しく労わる。

アンジェラへの欲望が収まると、急に家族が愛しくなったレスターは、ジェーンが子供の頃の幸せな家族の写真を見てほっとする。

その時、背後からレスターの後頭部を銃弾が貫く。

部屋にいたジェーンとリッキーが銃声に気づき、レスターの遺体を見つける。

雨の中、フィッツが血だらけで自宅に戻り、彼のコレクションからは、銃がなくなっていた。

帰宅したキャロリンは、ベッドルームで泣き崩れる。

そして、死の瞬間に、レスターの脳裏に過ぎるものは、可愛かったジェーン、キャロリンの笑顔・・・。

自分が生きてきた”幸せで美しいアメリカ”そのものだった。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

夫婦仲は冷め、娘にも嫌われる42歳の中年サラリーマン、レスター・バーナムは、ある日、娘ジェーンの友人で、美少女のアンジェラに心奪われてしまう。
アンジェラが、鍛えれば自分と寝てもいいと言う言葉を盗み聞きしてしまったレスターは、満たされぬ生活を一変して、その”目標”に向かって活動的な生活を始める。
会社を辞めて、暴走し始めたレスターは、妻のキャロリンやジェーンを無視して、隣に越して来たフィッツ大佐の息子で、影でマリファナの密売をするリッキーと親交を深める。
やがて、キャロリンは夫を憎み、ジェーンは父が消え去ることを願う。
そして、フィッツは、息子とレスターの怪しい関係を疑い始め、そして事件は起きる・・・。
__________

終盤はサスペンス・スリラーのような緊迫感もあり、ラストの主人公の死の瞬間には、喜びや幸せ、そして美しいものしか思い浮かばないという皮肉を込めた恐ろしさもある。

映画初監督で、いきなりアカデミー賞を受賞したサム・メンデスの、撮影当時33歳と思えない、軽快且つ大胆な演出は、多くの舞台を手がけた彼の力量が大いに発揮されている。

第72回アカデミー賞では、8部門にノミネートされ、作品賞をはじめ5部門で受賞した。
・受賞
作品・監督
主演男優(ケヴィン・スペイシー)
脚本・撮影賞
・ノミネート
主演女優(アネット・ベニング)
編集・作曲賞

北米で約1億3000万ドル、全世界では3億5600万ドルを超す大ヒットとなった。

トーマス・ニューマンのテーマ曲は、主人公の空虚な生活を、単調なメロディで表現した印象深いものになっている。

ユージュアル・サスペクツ」(1995)の助演賞に続き、ニ度目のアカデミー賞(主演)を受賞したケヴィン・スペイシーは、早くも円熟とも言えるの名演を見せてくれる。
顔の表情が非常に豊かで、特に娘の友人であるアンジェラへの熱が冷めて”正気”に戻り、彼女を優しく見つめる安堵の表情などが素晴らしい。

同じくアカデミー主演賞候補になったアネット・ベニングは、コミカルな演技に加えて、ヒステリックな妻役を好演している。

なんと言っても、クリス・クーパーの異常なまでの鉄壁主義者ぶりと、何かを引き起こしそうな不気味な雰囲気、雨に打たれてずぶ濡れになりながら、主人公を見つめる同性愛者としての表情は、見事としか言いようがない。
彼の強烈なキャラクターが、本作の評価を高めたと言っても過言でない。

この年は、「サイダーハウス・ルール」(1999)のマイケル・ケインに、アカデミー助演賞が贈られたが、やや彼に対する功労賞的授賞とも言われた。
クリス・クーパーがノミネートすらされなかったのには疑問も感じる。
しかし彼は、3年後の「アダプテーション」(2002)で、見事に同助演賞を獲得し、その実力は証明されることになる。

陰はあるが、凛々しさで人を惹きつけるウェス・ベントリー、親の愛を感じられれず不平ばかり口にするのソーラ・バーチ、可愛い過ぎない位のところが魅力的なミーナ・スヴァーリ、3人共に、20歳前後とは思えない演技を見せてくれる。

不動産王ピーター・ギャラガー、夫(C・クーパー)の全てを知るアリソン・ジャニー、隣人のゲイ・カップル、スコット・バクラサム・ロバーズなどが共演している。


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