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アメリカン・ビューティー American Beauty (1999)


4.98/5 (50)

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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

家庭崩壊、蔓延する麻薬、同性愛に対する偏見など、アメリカ社会が抱える問題を描く、監督サム・メンデス、主演ケヴィン・スペイシーアネット・ベニングソーラ・バーチクリス・クーパーウェス・ベントリーピーター・ギャラガー他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:サム・メンデス
製作
ブルース・コーエン

ダン・ジンクス
脚本:アラン・ボール
撮影:コンラッド・L・ホール
編集
タリク・アンウォー

クリストファー・グリーンバリー
音楽:トーマス・ニューマン

出演
レスター・バーナム:ケヴィン・スペイシー

キャロリン・バーナム:アネット・ベニング
ジェーン・バーナム:ソーラ・バーチ
フランク・フィッツ大佐:クリス・クーパー
リッキー・フィッツ:ウェス・ベントリー
バディ・ケイン:ピーター・ギャラガー

アンジェラ・ヘイズ:ミーナ・スヴァーリ
バーバラ・フィッツ:アリソン・ジャニー
ジム・オルマイヤー:スコット・バクラ
ジム・バークリー:サム・ロバーズ
ブラッド・ドゥプリー:バリー・デル・シャーマン
ミスター・スマイリーの店員:マリッサ・ジャレット・ウィノカー
不動産物権を見に来る男性:ジョン・チョー

アメリカ 映画
配給 ドリームワークス

1999年製作 121分
公開
北米:1999年9月15日
日本:2000年4月29日
制作費 $15,000,000
北米興行収入 $130,058,050
世界 $356,296,600


アカデミー賞
第72回アカデミー賞

・受賞
作品・監督
主演男優(ケヴィン・スペイシー
脚本・撮影賞
・ノミネート
主演女優(アネット・ベニング
編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
広告代理店勤務の42歳のレスター・バーナム(ケヴィン・スペイシー)と不動産業の妻キャロリン(アネット・ベニング)、高校生の一人娘ジェーン(ソーラ・バーチ)の生活は一見、幸せそうに見えた。

夫には無関心な野心家であるキャロリンは、庭のバラ(アメリカン・ビューティー)の手入れが趣味で、隣人のゲイ・カップル、麻酔専門医のジム・オルマイヤー(スコット・バクラ)と税理士のジム・バークリー(サム・ロバーズ)にも気軽に話しかける。

レスターは、そんなキャロリンを見ているだけで疲れてしまい、かつては幸せな夫婦だったと考える。

豊胸手術を考えているジェーンは、常に不満を抱き、キャロリンと共にレスターを負け犬と思い見下していた。

出社したレスターは、能率向上カウンセラーのブラッド・ドゥプリー(バリー・デル・シャーマン)に呼ばれ、経費節減によるリストラ予告をされて社員全員のレポートで判断すると言われる。

キャロリンと共に帰宅したレスターは、隣人が引っ越してきたことに気づく。

BGMをかけて家族で食事をしたレスターだったが、ジェーンとはまともな会話が成り立たない。

会社でのブラッドとの出来事を話したレスターは、ジェーンから、嫌なことがあったからという理由で、何か月も話さなかった自分に愚痴をこぼさないでほしいと言われる。

席を立ちキッチンに向かったジェーンに、話をしなかったことを謝罪したレスターは、自分にも話しかけてほしいと伝える。

自分のせいにされたジェーンは反論し、レスターから、昔は仲のいい友達だったと言われても納得できない。

そんな二人の様子を、隣に越してきた海兵隊のフランク・フィッツ大佐(クリス・クーパー)の一人息子、リッキー(ウェス・ベントリー)が撮影していた。

人生に何の満足感も得られないレスターは、かつての幸せな日々を思い起こすのだった。

翌日キャロリンは、ライバルである不動産業界のカリスマ的存在バディ・ケイン(ピーター・ギャラガー)を意識しながら、物権を今日中に売ると決めてオープン・ハウスの準備を始める。

何組もの訪問客に対応したキャロリンだったが、物権を売ることはできなかった。

その夜、キャロリンに誘われたレスターは、チアリーダーとして高校のバスケットボールの試合に出場するジェーンを見に行くことに付き合わされる。

気が進まないまま会場に向かったレスターは、ジェーンの友人である美少女アンジェラ・ヘイズ(ミーナ・スヴァーリ)に心奪われてしまう。

直ぐに帰る気だったレスターは、試合後にジェーンに声をかけてアンジェラを紹介される。

娘の友人は自分の友人だと言うレスターの態度を気味悪く思うジェーンだったが、アンジェラはキュートだと思い、彼とキャロリンはセックスレスだと考える。

帰宅後にベッドに入ったレスターは、20年ぶりに目覚めたような気分になり、アンジェラを想いながら眠れぬ夜を過ごす。

アンジェラとピザを食べて送ってもらったジェーンは、友人をなめ回すように見ていた父に呆れたことを話す。

全ての男を虜にできると考えている自信過剰なアンジャラは、そんなレスターの気持ちを理解する。

車を降りたジェーンは、リッキーが自分を撮影していることに気づく。

リッキーをヘンタイ呼ばわりして家に入ったジェーンだったが、彼が気になる。

翌朝、ジェーンがシャワーを浴びている間に、手帳を見てアンジェラの電話番号を知ったレスターは、彼女に電話をかける。

何も話さないレスターは、ジェーンが浴室から出てきたためにその場を去る。

アンジェラからの電話に出たジェーンは、コールバックしたと言われ、手帳が見られていることに気づき、レスターの仕業だと思う。

母バーバラ(アリソン・ジャニー)に朝食にはベーコンは要らないと伝えたリッキーは、誰かが訪ねて来たことに気づく。

対応したフィッツは、挨拶に来た隣人の両ジムがゲイだと気づく。

リッキーを車で学校に送る保守的なフィッツは、ゲイを軽蔑する。

麻薬の治療歴のあるリッキーはフィッツに厳しく躾けられていたが、そんな父親に対しては優等生を装い、裏でマリファナの密売をしていた。

学校でリッキーに気づいたジェーンは、彼とはミドル・スクールで一緒だったアンジェラから、おかしなことばかり言う少年で、突然、姿を消し、親が精神科に入院させたらしいという話を聞く。

アンジェラは、リッキーのことを気にするジェーンが、彼に惹かれていることを知る。

ジェーンに声をかけたリッキーは自己紹介して、盗み撮りしていた気味の悪い奴だと言われるものの、興味を持っただけだと伝える。

リッキーは、”サイコ”に興味はないと言うジェーンに、好奇心を持っただけだと伝える。

その場を去ったリッキーはおかしな奴だと言うアンジェラは、彼は自分を知り自信を持っていると話すジェーンの考えが理解できない。

アンジェラは、リッキーが自分を一度も見なかったことも不思議に思う。

キャロリンに付き合わされてパーティーに出席したレスターは、バディを紹介され、妻が望むように振る舞うと言って、彼女にキスしてバーに向かう。

ウェイターのバイトをしていたリッキーから声をかけられ、隣人だと言われて挨拶されたレスターはマリファナを勧められる。

バディと話すほろ酔い気分のキャロリンは、セールスについてのこつを教えてほしいと伝える。

キャロリンは、バディがそれをOKしてくれたために驚く。

外でマリファナを吸うレスターとリッキーは、意気投合する。

現れた上司からサボっていることを注意されたリッキーは、バイトを辞めてしまう。

驚いたレスターは、リッキーが、父親の手前バイトをしていただけだということを知る。

レスターを呼びに来たキャロリンはリッキーを紹介され、ジェーンと同じ高校に通っていると言われる。

リッキーに挨拶したキャロリンは、レスターに帰ることを伝える。

楽しい時間を過ごせたためリッキーに感謝したレスターは、いつでも声をかけてくださいと言われてその場を去る。

帰宅したレスターは、遊びに来ていたアンジェラから声をかけられ、彼女とキスする幻想を抱く。

その場に現れたキャロリンに、ジェーンがアンジェラは泊っていくと伝えたため、レスターは動揺する。

ジェーンの部屋の中を気にするレスターは、父は気味が悪いと言うジェーンに対して、アンジェラが、”キュートなレスターが逞しくなれば寝てもいい”と言う話を盗み聞きしてしまう。

物音がしたと言うアンジェラの言葉で、レスターはその場から逃げる。

窓の外を確認したアンジェラは、庭の”Jane”という火文字に気づき、それをジェーンに伝える。

リッキーが自分を崇めているとアンジェラから言われたジェーンは、再び彼に盗撮されていることに気づき、どこか普通でない陰のあるリッキーに次第に惹かれていく。

ガレージに向かったレスターは、しまってあったダンベルを取り出し、全裸になり窓に体を映し、体系を確認して鍛え始める。

リッキーは、その様子も撮影する。

そこにフィッツが現れ、半年に一度の検査のための尿サンプルのための容器を渡されたリッキーは、今トイレに行ったばかりなので明朝でいいか尋ねる。

いいと言われたリッキーは、父が去った後で冷凍してあった他人の尿を用意する。

自分の家にアンジェラがいると思うと、レスターは眠ることができない。

ベッドの中で自慰行為をしているレスターに気づいたキャロリンは、汚らわしいと言って彼を批判する。

開き直ったレスターは、こんな生活は耐えられないと言うキャロリンと口論になり、自分は変わったと伝えて、彼女が離婚話をしても怯むことなくやり返す。

翌日、何でもできる気分になったレスターは、隣人の両ジムと共にジョギングを楽しむ。

その様子を見たフィッツは、ゲイ・カップルと仲良く楽しそうにジョギングするレスターに不信感を抱く。

その場にいたリッキーに声をかけたレスターは、フィッツに挨拶する。

マリファナの件をビデオの話と偽り、レスターはリッキーの部屋に向かう。

持っていた尿のサンプルの話をしたリッキーは、看護師の客の息子の尿をマリファナと交換していることをレスターに話す。

二種類のマリファナを見せられたレスターは、2000ドルの高級品を選ぶ。

トレーニングをバカにして、マリファナを吸っていることを批判するキャロリンの話を聞こうとしないレスターは、自分の好きなように生きることを決意する。

会社でブラッドからクビを言い渡されたレスターは、社内スキャンダルを暴露すると言って、口止め料として保険料付きの1年分の給料を要求する。

その頃キャロリンは、妻と別居したと言うバディと食事をする。

リッキーを意識するジェーンは、車で送ろうとするアンジェラに、彼と歩いて帰ることを伝える。

キャロリンとバディは、モーテルに向かい愛し合う。

暴走し始めたレスターは、帰りに寄ったハンバーガー・ショップ”ミスター・スマイリー”で従業員の募集をしていたために店員(マリッサ・ジャレット・ウィノカー)と店長と話し、その場で働くことにする。

ストレスが解消できたキャロリンは満足し、自分のストレス解消法は射撃だと言うバディの話に興味を持つ。

リッキーと散歩しながら帰ったジェーンは、彼の家で母バーバラを紹介される。

銃などが保管してある父のコレクション部屋にジェーンを案内したリッキーは、”ナチ”の公式晩餐会で使用された秘蔵の皿を見せる。

父に見つかるとまずいと考えながら、一番美しいものを見せると言うリッキーは、ジェーンを自分の部屋に連れて行く。

風で宙に舞う白い袋を撮った映像を見せたリッキーは、その日、全てのものの背後には生命と自愛の力があり、何も恐れることはないと知ったとジェーンに話す。

ジェーンは、この世で目にする美の数々が自分を圧倒し、心臓が止まりそうになるというリッキーの手を握りキスする。

食事の際、仕事を辞めたことを得意気に話すレスターを侮辱するキャロリンは、彼と口論になる。

料理の皿を壁に叩きつけたレスターは、自分をバカにするキャロリンとジェーンを黙らせる。

自分達の醜態を気にするキャロリンは、部屋に閉じこもったジェーンの元に向かい話をしようとする。

最終的に頼りになるのは自分だけだと伝えたキャロリンは、素直にならないジェーンを殴り、少女時代に貧しい暮らしをして苦労したことを話してその場を去る。

動揺するジェーンは、自分を撮影しているリッキーに気づき、シャツを脱いで胸を見せる。

そこに押し入ってきたフィッツは、保管棚を開けたことで激怒し、リッキーを殴り倒す。

ガールフレンドにナチの皿を見せただけだと言うリッキーが、レスターの娘と付き合っていることを知ったフィッツは、お前のための折檻であり、二度と戸棚に触れれるなと伝えてその場を去る。

バディの助言でストレス解消のために射撃を始めたキャロリンは、拳銃を手に入れて帰宅する。

レスターが”ファイアーバード”を買ったことを知ったキャロリンは、彼に迫られて一瞬、その気になる。

キャロリンから、4000ドルのソファーをビールで汚さないでほしいと言われたレスターは、彼女が現実的な話を始めたために幻滅し、二人は再びいがみ合う。

好き勝手に生きるレスターとキャロリンの溝は深まるばかりで、リッキーとの時間を楽しむジェーンは、彼が15歳の時にマリファナを吸って見つかり、父に陸軍学校に入れられたことを知る。

そこを飛び出して父と喧嘩し、普通の学校に戻ると髪型をからかわれて喧嘩になり、相手を本気で殺そうとしたため精神科に入れられたことをリッキーは話す。

2年間薬物療法を受けたリッキーは、ジェーンから父が憎いかと訊かれ、悪い人ではないと答える。

自分なら憎むと言うジェーンは、友人のアンジェラに夢中になるようなダメ男の父が、もう少し関心を持ってくれればいいとも思うものの、他人には無害な父親に見えても自分には精神的に大きな負担だと伝える。

恥ずかしい父は死んで方がましだと話すジェーンに、リッキーは自分がレスターを殺すことを提案するが、彼女から今のは冗談だと言われる。

翌日、アンジェラを泊めていいかキャロラインに尋ねて許可を得たジェーンは、父親として恥ずかしいと言いながら、それが理由で彼女を呼べなかったとレスターに伝えて口論になる。

リッキーから、隣の車に乗せてもらい登校すると言われたフィッツは、その後、リッキーの部屋を調べてビデオをチェックし、レスターが映っていたために驚く。

”ミスター・スマイリー”で働いていたレスターは、ドライブスルーの注文の声がキャロリンだと気づく。

バディと密会していたキャロリンは彼と抱き合い、それを店員だったレスターに見られたことに気づき驚き、君が幸せなら自分は構わないと嫌味を言われてしまう。

バディと別れることになったキャロリンは、レスターを一方的に憎むようになる。

その夜、ポケベルでレスターに呼ばれたリッキーは、ジェーンから預かっている本を返してくると父に伝えて隣の家に向かう。

ガレージで上半身裸のレスターと会っているリッキーを監視するフィッツは、二人がいかがわしい関係だと思い込む。

そこにアンジェラの車が来たため、マリファナを吸おうとしていたレスターとリッキーは家に戻る。

アンジェラから逞しくなったと言われたレスターは、腕に触れられる。

部屋で待っていた父に、レスターとのことを疑われたリッキーは殴られ、ゲイとは縁を切ると言われる。

わざと否定せずに、それで稼いでいると伝えたリッキーは、出て行けと父に言われる。

情けない父親だと伝えたリッキーはその場を去り、母バーバラに出て行くこと伝えて、父を頼むと言ってジェーンの元に向かう。

車の中で怒りを抑えきれないキャロリンは、拳銃を手にする。

父と寝る気のアンジェラに、頼むからやめてほしいと伝えたジェーンは、現れたリッキーからニューヨークで暮らすことを知らされ、一緒に行こうと言われる。

それに同意したジェーンを引き留めるアンジェラから、ホームレス暮らしになると言われたリッキーは、所持金が4万ドル以上ありコネもあるとジェーンに伝える。

正気ではないと言って二人を罵倒するアンジェラは、リッキーから、醜く退屈で平凡な女だと侮辱されたために部屋を出る。

息子を失い絶望したフィッツは、雨の中、ガレージで体を鍛えるレスターの元に向かい、キャロリンのことを尋ねる。

他の男と寝ているだろうと答えるレスターに、平気なのかと尋ねたフィッツは、見せかけの夫婦だと言いながら、自分を気遣ってくれるレスターを抱きしめてキスする。

それを拒んだレスターに、勘違いしていると言われたフィッツは、何も言わずに涙しながら自宅に戻る。

同じ頃、自己啓発のテープを聞きながら拳銃を手にするキャロリンは、犠牲者にはならないと言って、それをバックに入れて自宅に向かう。

自分のことでジェーンと喧嘩したアンジェラを慰めようとしたレスターは、彼女に何をしたいのか尋ねる。

初めて見た時から君が欲しかったと言われたアンジェラは、レスターを受け入れようとする。

しかし、アンジェラが初体験だと知ったレスターは、彼女への熱が冷めてしまう。

泣いて謝罪するアンジェラを抱きしめたレスターは、謝ることはないと言って落ち着かせる。

アンジェラへの欲望が収まると、急に家族が愛しくなったレスターは、ジェーンが幸せかを彼女に尋ねる。

ジェーンは幸せで恋をしていると知ったレスターは安心し、アンジェラから自分は幸せか訊かれる。

久しぶりに聞く質問だと言うレスターは、幸せだと答えて微笑む。

レスターは、ジェーンが子供の頃の幸せだった家族の写真を見てほっとする。

その時、レスターの後頭部を銃弾が貫く。

二階の部屋にいたジェーンとリッキーが銃声に気づき、レスターの遺体を見つける。

ジェーンは驚き、リッキーはレスターの死に顔を見つめる。

死の瞬間は一瞬ではなく、大洋のように果てしなく広がる時間であり、レスター思い浮べる。

少年時代のこと、楓並木の黄色い落ち葉、祖母のしわだらけの手、いとこのピカピカの”ファイアーバード”など・・・。

雨の中、フィッツが血だらけで自宅に戻り、彼のコレクションからは拳銃が消えていた。

帰宅したキャロリンは、ベッドルームのクローゼットにバッグをしまい、レスターの洋服にもたれながら泣き崩れる。

そして、死の瞬間にレスターの脳裏に過ぎるものは、可愛かったジェーンとキャロリンの笑顔・・・。

自分が生きてきた、”幸せで美しいアメリカ”そのものだった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
42歳で広告代理店勤務のレスター・バーナムは、妻キャロリンとの関係は冷め、娘のジェーンにも嫌われていた。
ある日レスターは、ジェーンの友人である美少女アンジェラに心奪われてしまう。
アンジェラが、鍛えれば自分と寝てもいいと言う言葉を盗み聞きしてしまったレスターは、満たされぬ生活を一変して、その”目標”に向かって活発な生活を始める。
会社を辞めて暴走し始めたレスターは、キャロリンやジェーンを無視して、隣に越して来たフィッツ大佐の息子で、影でマリファナの密売をするリッキーと親交を深める。
やがて、キャロリンは夫を憎み、ジェーンは父が消え去ることを願うようになる。
そしてフィッツは、息子とレスターの怪しい関係を疑い始め、事件は起きる・・・。
__________

終盤はサスペンス・スリラーのような緊迫感もあり、ラストの主人公の死の瞬間には、喜びや幸せ、そして美しいものしか思い浮かばないという皮肉が込められた、”美と破滅”が一瞬で描かれるクライマックスも衝撃的な異色のドラマ。

映画初監督で、いきなりアカデミー賞を受賞したサム・メンデスの、撮影当時33歳と思えない繊細にして軽快且つ大胆な演出は、多くの舞台を手がけた彼の力量が大いに発揮されている。

第72回アカデミー賞では、8部門にノミネートされ、作品賞をはじめ5部門で受賞した。
・受賞
作品・監督
主演男優(ケヴィン・スペイシー
脚本・撮影賞
・ノミネート
主演女優(アネット・ベニング
編集・作曲賞

北米で約1億3000万ドル、全世界では3億5600万ドルを超す大ヒットとなった。

トーマス・ニューマンのテーマ曲は、主人公の空虚な生活を、単調なメロディで表現した印象深いものになっている。

ユージュアル・サスペクツ」(1995)の助演賞に続き、ニ度目のアカデミー賞(主演)を受賞したケヴィン・スペイシーは、早くも円熟と言えるの名演を見せてくれる。
非情に表情が豊かで、特に娘の友人であるアンジェラへの熱が冷めて”正気”に戻り、彼女を優しく見つめる安堵の表情などが素晴らしい。

同じくアカデミー主演賞候補になったアネット・ベニングは、コミカルな演技に加えて、野心家でヒステリックな妻役を好演している。

クリス・クーパーの”怪演”も注目で、異常なまでの鉄壁主義者ぶりと、何かを引き起こしそうな不気味な雰囲気、雨に打たれてずぶ濡れになりながら、主人公を見つめる同性愛者としての表情は、見事としか言いようがない。
彼の強烈なキャラクターが、本作の評価を高めたと言っても過言でない。

この年は、「サイダーハウス・ルール」(1999)のマイケル・ケインアカデミー助演賞が贈られたが、クリス・クーパーがノミネートすらされなかったのには疑問を感じる。
しかし彼は、3年後の「アダプテーション」(2002)で、見事に同助演賞を獲得し、その実力は証明されることになる。

主人公レスターを射殺する犯人が、隣人のフィッツか妻のキャロリンか明確に描写されずに映画は終わる。
キャロラインが手に入れるのは”Smith & Wesson Model 5906”で、フィッツのコレクションから消えている拳銃は”SIG SAUER P226”であり、レスターの後頭部に迫る拳銃は”SIG SAUER P226”なので、犯人はフィッツであるのは明らかだ。
とは言え、よく観ていないと分からない演出ではある。

陰はあるが、凛々しさで人を惹きつける隣人の少年ウェス・ベントリー、親の愛を感じ取ることができず不平ばかり口にするの主人公の娘ソーラ・バーチ、可愛い過ぎない位のところが魅力的なミーナ・スヴァーリ、3人共に20歳前後とは思えない確かな演技を見せてくれる。

不動産業界のカリスマ的存在のピーター・ギャラガー、夫(クリス・クーパー)の”全て”病的な妻アリソン・ジャニー、主人公の隣人のゲイ・カップル、スコット・バクラサム・ロバーズ、主人公の会社の能率向上カウンセラー、バリー・デル・シャーマン、ミスター・スマイリーの店員マリッサ・ジャレット・ウィノカー、キャロリン(アネット・ベニング)の物権を見に来るジョン・チョーなどが共演している。


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