アルゴ Argo (2012) 5/5 (18)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

CIA工作本部技術部のアントニオ・J・メンデスの著書”The Master of Disguise”と、月刊誌の”WIRED”に2007年に掲載されたジョシュア・バーマンの記事”The Great Escape”を基に製作された作品。
イラン・アメリカ大使館人質事件”での、6人のアメリカ大使館員を救い出す作戦”カナダの策謀”を描き、ベン・アフレックが製作、監督、主演を兼ねアカデミー作品賞他を受賞したサスペンス・ドラマ。
共演ブライアン・クランストンアラン・アーキンジョン・グッドマン


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ジョージ・クルーニー / George Clooney 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ベン・アフレック
製作総指揮
クリス・ブリガム

チェイ・カーター
ティム・ヘディントン
グレアム・キング
デヴィッド・クローワンズ
ニーナ・ウォラースキー
製作
ジョージ・クルーニー

グラント・ヘスロヴ
ベン・アフレック
原作
アントニオ・J・メンデス”The Master of Disguise”
ジョシュア・バーマン”The Great Escape”
脚本:クリス・テリオ

撮影:ロドリゴ・プリエト
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽:アレクサンドル・デスプラ

出演
アントニオ”トニー”J・メンデスベン・アフレック

ジャック・オドネル:ブライアン・クランストン
レスター・シーゲル:アラン・アーキン
ジョン・チャンバーズジョン・グッドマン
ケネス・D・テイラーヴィクター・ガーバー
ボブ・アンダース:テイト・ドノヴァン
コーラ・ライジェク:クレア・デュヴァル
マーク・ライジェク:クリストファー・デナム
ジョー・スタッフォード:スクート・マクネイリー
キャシー・スタッフォード:ケリー・ビシェ
ヘンリー・L・シャッツ:ロリー・コクレーン
ハミルトン・ジョーダン大統領首席補佐官:カイル・チャンドラー
マリノフ:クリス・メッシーナ
ロバート・ペンダー:ジェリコ・イヴァネク
ジョン・ベイツ:タイタス・ウェリヴァー
サイラス・ヴァンス国務長官:ボブ・ガントン
マックス・クレイン:リチャード・カインド
ピーター・ニコルス:リチャード・ディレイン
ジャック・カービーマイケル・パークス
ロッド:トム・レンク
トム・アハーン:クリストファー・スタンリー
パット・テイラー:ペイジ・レオン
クリスティーン・メンデス:テイラー・シリング
宇宙研究所看護師:アシュリー・ウッド
レザ:オミッド・アブタヒ
エリザベス・アン・スウィフト:カリーナ・ローグ
ニーナ:エイドリアン・バーボー
コミテフ:フアード・ハジ
スタンズフィールド・ターナーCIA長官:フィリップ・ベイカー・ホール

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

2012年製作 120分
公開
北米:2012年10月12日
日本:2012年10月26日
製作費 $44,500,000
北米興行収入 $136,019,448
世界 $232,324,128


アカデミー賞 ■

第85回アカデミー賞
・受賞
作品・脚色・編集賞
・ノミネート
助演男優(アラン・アーキン)
音響編集・録音・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

イラン革命により失脚したパーレビ国王が、癌治療という名目でアメリカに入国したため、イラン国民は、テヘランのアメリカ大使館に押し寄せ、元国王の引き渡しを迫る。

1979年11月4日、イランテヘラン、アメリカ大使館。
暴徒化する民衆はフェンスを越え、門を突き破り敷地内に入る。

大使館員らは、書類等の処分を指示され、避難の準備を始める。

海兵隊員は襲撃に備えるが、発砲や相手を撃つことなどは禁じられる。

建物の入り口は破られ、職員は拘束されるものの、6人が裏口から逃れる。

国務省
外務局担当官ロバート・ペンダー(ジェリコ・イヴァネク)やジョン・ベイツ(タイタス・ウェリヴァー)は情況を確認して、サイラス・ヴァンス国務長官(ボブ・ガントン)の元に向かい、6名が、カナダ大使ケネス・D・テイラー(ヴィクター・ガーバー)公邸に保護されたことが報告される。

ホワイトハウス
ハミルトン・ジョーダン大統領首席補佐官(カイル・チャンドラー)は6人の報告を受けるが、大使館の約60人の救出を優先させる。

69日後。
テヘランの大使館人質事件は、小康状態を続けていた。

バージニア州、CIA本部。
工作本部技術部のアントニオ”トニー”J・メンデス(ベン・アフレック)は、上司のジャック・オドネル(ブライアン・クランストン)に呼び出され、大使館から6人が脱出したことを知らされる。

オドネルは、カナダ側が限界を訴え、6人を見捨てようとしている現状と、大使館にある職員の写真付き名簿が、シュレッダーにかけられたものの、復元される可能性をメンデスに伝える。

6人が捕まれば公開処刑は必至だと知らされたメンデスは、人質奪還のプロとしての立場で、オドネルと国務省に向かう。

会議は始まり、外務局担当官ペンダーは、領事館補のボブ・アンダース(テイト・ドノヴァン)ら、脱出した6人についての説明を始める。

ペンダーは、検問があり車が使えないために、6人を自転車で山中に向かわせて、国境を越える計画を伝える。

馬鹿げた考えに意見したメンデスは、身分証を偽装して空港から民間機で脱出させる考えと、様々な状況を考慮し、素人(国務省)には実行できないことを率直に語るが、結局は結論は出ない。

帰宅して、別居中の妻と住む息子に電話したメンデスは、「最後の猿の惑星」を観ていると言われたために、自分もチャンネルを合わせる。

それで閃いたメンデスは、特別な撮影場所を必要とする、SF映画の撮影ロケハンを装い、6人を救出する案を国務省側に提案する。

メンデスは、「猿の惑星」のメイクでオスカーをとった、ジョン・チャンバーズ(ジョン・グッドマン)の協力を得られることを伝え、他の方法より現実的だと語る。

テヘラン
6人は先の見えない展開に苛立ち始めるが、イラン側も、大使館の職員リストの人数が合わないことに気づく。

メンデスは、オドネルからロサンゼルス行きを命ぜられて現地に向かう。

1980年1月19日、バーバンク
バーバンク・スタジオ”のチャンバーズを訪ねたメンデスは、映画製作偽装作戦についてを話し、彼の協力を確認する。

6人とメンデスの、計画の役割を決めたチャンバーズは、大物プロデューサーであるレスター・シーゲル(アラン・アーキン)の屋敷を訪ねる。

シーゲルは、困難な計画ではあるものの、協力することを二人に伝える。

良い脚本が必要だと考えるシーゲルは、偽映画であっても妥協しない考えだった。

脚本選びが始り、計画案を数日中に長官に知らせることを、オドネルに指示されたメンデスは、SF冒険映画の”アルゴ”の脚本に目を止める。

脚本家マックス・クレイン(リチャード・カインド)に会い、強引に仕事を引き受けさせたシーゲルは、イランを欺くために派手に宣伝したいと言う、メンデスの要望を聞き入れてマスコミを利用する。

ビバリー・ヒルトン
スタッフ、キャストが集合し、”アルゴ”の脚本読みが始る。

テヘラン、1980年1月23日。
人質は、大使館地下室に連れて行かれて、処刑されそうになる。

1980年1月25日、国務長官室。
オドネルと共にヴァンス長官とCIA長官スタンズフィールド・ターナー(フィリップ・ベイカー・ホール)に会ったメンデスは、自転車での脱出などより成功の可能性がある、映画製作計画について説明を求められる。

最悪案の中でも”最高”と答えたメンデスとオドネルは、ターナー長官から、計画実行の許可を得る。

死を覚悟しながら、息子に手紙を出したメンデスは単独で旅立つ。

1980年1月27日、トルコイスタンブールアヤソフィア
連絡員ピーター・ニコルス(リチャード・ディレイン)に会い、イラン入国についての情報を得たメンデスは、現地イラン領事館に向かう。

メンデスは、映画製作者だと語り入国の許可を得る。

マスコミに6人の件が漏れてしまい、ペンダーはそれをオドネルに伝え、メンデスだけが頼りの状況になる。

テヘラン
現地入りし、指導省に向かったメンデスは、担当者から許可を検討すると言われる。

カナダ大使テイラーに会ったメンデスは、準備についてなどを打ち合わせるが、メイドが気づいた可能性を知らされる。

大使公邸に着いたメンデスは、”ケヴィン・ハーキンス”と名乗り、6人を前に救出に来たことを伝える。

メンデスは6人に”アルゴ”の脚本を配り、ロケハン偽装の脱出計画を知らせ、それに疑問を抱く彼らに話し合いをさせる。

計画に頼るしかないと判断した6人は、各役柄を与えられて、その人物に成りきることが成功の鍵だとメンデスに言われる。

ホテルに戻ったメンデスは、文化イスラム大臣から届いたロケハンの許可通知を受け取り、翌日、バザールでクルーが担当者と会うことをオドネルに連絡する。

6人は、危険を伴うバザール行きで議論となり、ためらうジョー・スタッフォード(スクート・マクネイリー)とキャシー(ケリー・ビシェ)夫妻に、メンデスは本名を語り、自分を信じて欲しいと言って説得する。

メンデスは、車を用意して6人と共にバザールに向かい、担当者レザ(オミッド・アブタヒ)に案内される。

その後、美術監督役のキャシーが、写真を撮ったことで騒ぎが起き、視察は中止される。

大使公邸のメイドは、当局の者の質問を受けるが、客が2日しか滞在していないことを伝える。

ホワイトハウス
ジョーダン大統領首席補佐官は、6人が翌日に出国する”アルゴ”作戦を、その時点で知らされる。

その夜、大使公邸では、各自の履歴を頭に叩き込むようにと、6人はメンデスに指示される。

そこにオドネルからの連絡が入り、計画中止の連絡を受けたメンデスは、陸軍が”デルタフォース”を派遣し、人質救出作戦の準備を始めたことを知らされる。

メンデスは、6人に対しての責任を伝えるが、オドネルは、命令に従う義務があると答える。

迷うメンデスは、パスポートを焼却するよう指示されたテイラーから、6人には何も伝えずに姿を消すよう言われてその場を去る。

ホテルに戻り思案するメンデスは、翌朝、自分が全責任を負うことを約束し、6人を出国させることだけをオドネルに伝えて電話を切る。

オドネルは、7人の出国手続きの確認をするが、既に取り消され、カーター大統領の承認がなければ無理だということを知り愕然とする。

大使公邸に現れたメンデスは、テイラーと妻パット(ペイジ・レオン)に感謝して空港に向かう。

オドネルは、長官に作戦続行を伝えそれを大統領に報告するよう、声を荒げて上司を説得し、メンデスら7人を救おうとする。

更にオドネルは、ジョーダン首席補佐官を捜すよう部下マリノフ(クリス・メッシーナ)に指示する。

何んとかジョーダンに連絡できたオドネルは、6人の救出作戦は決行中で、大統領の承認がないと拘束されることを伝える。

ハリウッド作戦”は大統領に承認され、空港に着いたメンデスらは、搭乗予約が確認される。

オドネルは、閉鎖指示が出されていた”アルゴ”のオフィスに、待機する連絡を入れるようマリノフに命ずる。

メヘラーバード空港”。
出国手続きを行っていた7人だったが、当局は、バザールで撮った7人の写真と、大使館の復元写真が一致することに気づく。

搭乗直前、別室に移されチェックを受けたメンデスらだったが、ペルシャ語を話せるスタッフォードが、映画について説明を始める。

メンデスは、オフィスに電話をするよう係官に名刺を渡し、彼は電話をする。

閉鎖と言われたため、シーゲルと共にオフィスを離れていたチャンバーズはその電話に出て、”ハーキンス”はロケハンで国外にいることを伝える。

係官はメンデスらの搭乗を許可し、当局員はカナダ大使公邸に押し入るが、既に誰の姿もなかった。

空港にその連絡が入り、係官らはメンデスらを追うが、スイス行きの便に搭乗した彼らの機は、追跡を振りきり離陸する。

機内では、イラン領空を出たというアナウンスがされ、6人は喜び合いメンデスは安堵する。

それがマリノフからオドネルにも伝えられ、連絡を受けたシーゲルも、メンデスらが無事にイランを離れたことをチャンバーズに知らせる。

テイラー夫妻もすでに出国し、彼らを裏切らなかったメイドもイラクに入国する。

オドネルは関与を否定して、報道で事件を知ったことにする意向をマリノフらに伝え、カナダに感謝する。

米国民に感謝されたカナダ側は、3か月間、6人の救出方法を考えていたことを発表し、イランはその代償を支払わせると言って正式に抗議する。

その後メンデスは、”アルゴ”関連の資料を保管庫に預ける。

メンデスは、諜報活動に対する最高功労賞”CIAスター勲章”授与をオドネルから知らされ、息子を呼び寄せることを考える。

しかし、機密作戦扱いされたことで授賞式も極秘だと知らされ、勲章は授与されるが戻されることになる。

オドネルは、大統領が、”偉大なアメリカ人”だと語ったことをメンデスに伝えて本部に向かう。

”新作”はボツということになり、チャンバーズはオフィスを閉鎖する。

そしてメンデスは、妻クリスティーン(テイラー・シリング)と息子の元に向かう。
__________

1981年1月20日。
イラン・アメリカ大使館人質事件”(444日)は、全ての人質が解放されて解決する。

カナダ大使とCIAの協力により成功した6人の救出作戦は、政府間の国際協力の理想的なモデルとなった。

その後6人は、全員が外務局に復帰した。

アカデミー賞受賞者ジョン・チャンバーズは、民間人として”CIA勲章”を受け、2001年に他界するまでメンデスとの親交は続いた。

1997年、クリントン大統領が、”アルゴ”作戦の機密扱いを解除し、”CIAスター勲章”はメンデスに返還された。

アントニオ”トニー”J・メンデスは、メリーランド州の田舎町で、家族と共に暮らしている。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1979年11月4日、イランテヘラン
イラン革命により失脚した、パーレビ国王がアメリカに入国し、それを受け入れたことに抗議したイラン国民は激怒して集結し、民衆はアメリカ大使館に押し入る。
大使館は占拠され職員は拘束されるものの、領事館補アンダースら6人は、密かに脱出してカナダ大使公邸に向かい保護される。
それを知ったCIAのオドネルは、人質奪還のプロである、アントニオ”トニー”J・メンデスを伴い国務省に向かう。
馬鹿げた方法で6人を救出しようとする国務省側に対し、メンデスはパスポートを偽装して、民間機で彼らを救い出す方法を考える。
メンデスは、テレビで観た「最後の猿の惑星」をヒントに、特殊な場所での撮影を必要とするSF映画のカナダ人スタッフを装い、6人を脱出させる方法を提案する。
猿の惑星」のメイクでオスカーを受賞した、ジョン・チャンバーズと大物プロデューサーのシーゲルの協力を得たメンデスは、”アルゴ”という三流映画の脚本に目をつけて、その架空の製作準備を始める。
そして、ターナーCIA長官とヴァンス国務長官の許可を得たメンデスは、死を覚悟して単独で現地に向かうのだが・・・。
__________

ジョージ・クルーニーと盟友グラント・ヘスロヴ、そして監督、主演を兼ねるベン・アフレックが製作を担当する意欲作でもある。

エンディングで明記される、1997年の機密作戦扱い解除に伴い全容が明らかになった、”イラン・アメリカ大使館人質事件”に関連する”カナダの策謀”を、ドキュメンタリー・タッチでリアルに描いた”快心”作と言える作品。

敢えて”快心”と言ったのは、サスペンス重視の作品に思える内容の中で、アメリカ人の愛する文化”映画産業”への皮肉と共に、それに携わる者の、”戦い”とも思える物造り魂が伝わってくるからだ。

冒頭での、”ワーナー・ブラザーズ”のロゴ・マークに気づいただろうか?
1970年代の当時のデザインをそのまま使っているのだが、個人的には、それを見た瞬間に映画人の作品への思い入れを感じて、100%本作を支持する思いになり、観終わった際には、期待を裏切られずに痛快ささえ感じた。

主人公アントニオ”トニー”J・メンデスがラテン系であるため、髭を蓄えそれらしく見せているベン・アフレックは、終始、冷静さを保つ役柄を好演しているが、主演は他のスターに譲り演出に専念すれば、オスカー(監督賞)を受賞できたのではないかとも考えてしまう。

やや出来過ぎにも思える、空港の脱出シーンや、作戦を指揮する本国を含めた描写だが、映画製作を文化として世界に誇る業界人が、その手本を見せるがのごとく、スリリングに展開される。
ベン・アフレックの演出の他、クリス・テリオの見事な脚本など、正に職人芸を堪能できるクライマックスは圧巻だ。

第85回アカデミー賞では、作品・脚色・編集賞を受賞した。
・ノミネート
助演男優(アラン・アーキン)
音響編集・録音・作曲賞

北米興行収入は約1億3600万ドル、全世界では2億3200万ドルのヒットとなった。

キャスティングの良さも注目で、主人公を支える上司ブライアン・クランストンハリウッドのプロデューサーを快演するアラン・アーキン、メイクアップ・アーチスト、ジョン・チャンバーズジョン・グッドマンカナダイラン大使ケネス・D・テイラーヴィクター・ガーバー、その妻役ペイジ・レオン、彼らに保護される、6人の大使館員役のテイト・ドノヴァンクレア・デュヴァルクリストファー・デナムスクート・マクネイリーケリー・ビシェロリー・コクレーンハミルトン・ジョーダン首席補佐官カイル・チャンドラースタンズフィールド・ターナーCIA長官フィリップ・ベイカー・ホールサイラス・ヴァンス・国務長官ボブ・ガントンCIA局員のクリス・メッシーナ、脚本家リチャード・カインドCIA連絡員リチャード・ディレイン、主人公の妻テイラー・シリングなどが共演している。


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