恋愛小説家 As Good As It Gets (1997) 4.94/5 (17)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

潔癖症で偏屈なロマンス小説家と病気の子供を持つウェイトレスの奇妙な恋愛、そして二人を取り巻く人々との関係をコミカルに描く、製作、監督、脚本ジェームズ・L・ブルックス、主演のジャック・ニコルソンヘレン・ハントが共にオスカーを受賞、グレッグ・キニアキューバ・グッディングJr.他共演によるラブ・ロマンスの秀作。


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■

監督:ジェームズ・L・ブルックス
製作総指揮
ローレンス・マーク

リチャード・サカイ
ローラ・ジスキン
製作
ジェームズ・L・ブルックス

ブリジット・ジョンソン
クリスティ・ズィー

脚本
マーク・アンドラス

ジェームズ・L・ブルックス
撮影:ジョン・ベイリー

編集:リチャード・マークス
音楽:ハンス・ジマー

出演
ジャック・ニコルソン:メルヴィン・ユドール
ヘレン・ハント:キャロル・コネリー
グレッグ・キニア:サイモン・ビショップ
キューバ・グッディングJr.:フランク・サックス
シャーリー・ナイト:ベヴァリー・コネリー
ハロルド・ライミス:ノーマン・ベッツ医師
イヤードリー・スミス:ジャッキー・シンプソン
ルーペ・オンティヴェロス:ノーラ・マニング
スキート・ウールリッチ:ヴィンセント・ロピアノ
ローレンス・カスダン:グリーン医師
ジェシー・ジャームズ:スペンサー・コネリー
ジュリー・ベンツ:出版社の受付係

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1997年製作 139分
公開
北米:1997年12月25日
日本:1998年4月11日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $147,637,474
全世界 $314,178,011


アカデミー賞 ■

第70回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(ジャック・ニコルソン)
主演女優賞(ヘレン・ハント)
・ノミネート
作品・助演男優(グレッグ・キニア)
脚本・編集・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨーク
見かけの冴えない、中年もだいぶ過ぎた独身男性メルヴィン・ユドール(ジャック・ニコルソン)は、実は甘い女心を見事に捉え、人気ロマンス小説を書くベストセラー作家だった。

メルヴィンは、同じアパートの住民で、ゲイの画家サイモン・ビショップ(グレッグ・キニア)の飼い犬ヴァーデルを嫌い、ダスト・シュートに放り込んでしまう。

迷信を信じ、毎日、同じ行動をとり、毎回新品の石鹸で手を洗う、潔癖症のメルヴィンは、住民の間では嫌われ者だった。

その後、ルヴィンは、サイモンの訪問を受け、執筆を邪魔されて憤慨する。

愛犬が、メルヴィンに捨てられたことを察したサイモンは、ビジネス・パートナーで、画商のフランク・サックス(キューバ・グッディングJr.)を伴い、メルヴィンにそれを問い詰めるが、彼は白を切って二人を追い払う。

しかし、メルヴィンは再び現れたフランクに脅されてしまう。

翌日、メルヴィンは行き付けのカフェで、”自分の席”に座っている客を追い出し、持参したフォークとナイフをテーブルに並べる。

注文を聞きに来た、ウエイトレスのキャロル・コネリー(ヘレン・ハント)は、メルヴィンの偏った食事を注意する。

しかし、メルヴィンは人間はいつか死ぬもので、キャロルの息子も同じだと失言してしまう。

メルヴィンはキャロルの怒りを買い、その非常識な毒舌を痛烈に非難される。

キャロルは、喘息の息子スペンサー(ジェシー・ジャームズ)を抱えて、母親のベヴァリー(シャーリー・ナイト)と三人で暮らすシングルマザーで、新しい恋をしている間もなかった。

ある日、サイモンが、モデルに雇った男ヴィンセント・ロピアノ(スキート・ウールリッチ)の仲間達に襲われ入院してしまう。

そして、フランクは、サイモンの愛犬ヴァーデルを、貸しがあると言って強引にメルヴィンに預けてしまう。

病院で、サイモンの怪我の酷さに驚くフランクとマネージャーのジャッキー・シンプソン(イヤードリー・スミス)は、ヴァーデルをメルヴィンに預けたことを彼に伝える。

それを知ったサイモンは、自分の醜い姿と合わせてショックを受けてしまう。

キャロルの息子の病状などを知ったメルヴィンは、やや心を開いたかに見える彼女と、何気ない会話を交わすようになる。

当然、犬を毛嫌いするメルヴィンだったが、次第になつくヴァーデルに心を癒されていく。

メルヴィンは、ようやく退院したサイモンに、懐いたヴァーデルを仕方なく返す。

久し振りの再会を喜ぶサイモンだったが、彼はヴァーデルの様子がおかしいことに気づく。

ヴァーデルと別れた悲しさから、精神不安定気味になってしまったメルヴィンは、精神科の治療に頼ろうとする。

アポも取らずに、精神科のグリーン医師(ローレンス・カスダン)の元に向ったメルヴィンは、彼に追い返され、その後、カフェで、休みのキャロルを指名して店からも追い出されてしまう。

キャロルに休まれると、まともに食事もできないと判断したメルヴィンは、彼女の家にまで押しかけ事情を話す。

他愛もないことで、家にまで押しかけるメルヴィンに呆れたキャロルは、彼を追い払ってしまう。

しかし、スペンサーが発熱し、キャロルはメルヴィンが乗ろうとしていたタクシーに便乗して病院に向う。

一方、サイモンは、入院費や展覧会の費用で大きな借金を抱え破産してしまい、懐かないヴァーデルのことも気になる。

メルヴィンは思案した末に、編集者の夫である、専門医のノーマン・ベッツ医師(ハロルド・ライミス)を、自費でキャロルのアパートに派遣し、彼女の介護の負担を軽くして、職場復帰させようとする。

サイモンは、家政婦ノーラ・マニング(ルーペ・オンティヴェロス)にも別れを告げ、ヴァーデルの散歩をメルヴィンに頼もむ。

絶望しているサイモンに、容赦なく嫌味を言うメルヴィンは、それでも彼を元気付けようとしていることを伝える。

そしてメルヴィンは、ヴァーデルがどうして自分に懐いたか、その秘策の、焼いたベーコンをサイモンに見せる。

ベーコンを渡されたサイモンは、ヴァーテルがそれを無視してメルヴィンの元に向ったため、さらにショックを受ける。

異常者にも思える、変人メルヴィンの厚意を受け入れられないキャロルだったが、母ベヴァリーに、子供のことを思うよう説得さる。

そしてキャロルは、メルヴィンの元に向かい、彼の真意を確かめようとする。

下心があるのかというキャロルの問いに、メルヴィンはそれをきっぱり否定し、翌日、彼女が店に出ることを確認する。

キャロルは、一人ではどうにもならなかった辛さから解放された途端に、他人への嫉妬心が生まれた自分に困惑してしまう。

そんな時、母ベヴァリーがキャロルの良き理解者となり、二人はベビーシッターを雇い外出する。

翌日、カフェでメルヴィンに会ったフランクは、絶縁状態の両親に金の無心に行くサイモンの、故郷であるボルチモアへの旅の同行を頼む。

その後、キャロルは、感謝の気持ちを手紙でメルヴィンに伝えるが、それを素直に受け入れられない、彼の態度に困惑してしまう。

メルヴィンは、ゲイとの二人旅が不安だという口実で、キャロルを旅に誘う。

キャロルは、メルヴィンへの感謝の気持ちで、仕方なく同行を承諾する。

そして、三人はニューヨークを旅立ち、キャロルはゲイのサイモンの身の上話などに理解を示す。

メルヴィンは息が合う二人の意外な展開に戸惑い、宿泊先のホテルに着いたキャロルは、久しぶりに味わう解放感から、メルヴィンを夕食に誘う。

そして、二人はレストランに向うが、いきなりメルヴィンがキャロルの気に障ることを言ってしまう。

キャロルに、何か褒め言葉を言わなければ許さないと責められたメルヴィンは、彼女のお陰で良い人間になりたくなったことを口にする。

最高のお世辞だと言って喜ぶキャロルは、メルヴィンにキスする。

しかし、キャロルを誘った理由が、サイモンと寝させるためだと、メルヴィンは、またしても失言してしまう。

キャロルは、そんなことまでする義理が自分にあるのかと言って、メルヴィンを見限りその場を立ち去ってしまう。

サイモンは、ホテルに戻って来たキャロルが、ゲイの自分の前で安心して入浴しようとする裸身を見て、再び絵を描く気持ちを取り戻す。

その気になったキャロルを描くうちに、サイモンは両親に頼らず自分の力で問題を解決する決心をする。

翌朝、メルヴィンはキャロルとサイモンの間柄に嫉妬し、両親には会わずに戻ると言い出したサイモンの意見に従い、三人はニューヨークに戻る。

旅を終えたメルヴィンとキャロルは気まずいままで、彼女は、サイモンには気軽に声をかけるものの、これ以上傷つけられたくないと言って、素っ気無い態度でメルヴィンと別れる。

自分の失言を後悔するメルヴィンだったが、彼は部屋を追い出されたサイモンの家財一式を、フランクに自分の部屋に運ばせてあった。

そしてメルヴィンは、自分のアパートの空き部屋をサイモンに提供する。

サイモンは、メルヴィンの優しさを知り、彼に心から感謝する。

メルヴィンに、酷い態度をとってしまったキャロルも後悔し、彼に電話して、自分やサイモンに対する親切に感謝する。

しかし、キャロルは、気に障ることが多いメルヴィンが、まともになるまで会いたくないと彼に伝える。

小説ではない、現実の女心に初めて接したメルヴィンは混乱する。

しかし、サイモンから、それが愛だと言われ、キャロルに気持ちを伝えるべきだと励まされ、メルヴィンは彼女の元に向かう。

キャロルのアパートに着いたメルヴィンは、そこが、どこよりも落ち着く場所だということを彼女に伝え散歩に誘う。

メルヴィンは、人が変わったようにキャロルの素晴らしさを語り、彼女は感激する。

そして、メルヴィンはキャロルを固く抱きしめ、迷信のことも忘れ、開いたばかりのパン屋で仲良く買い物を始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

中年過ぎの独身男性メルヴィン・ユドールは、人気作家ではあるが、潔癖症で偏屈なために、周囲からは嫌われていた。
ある日、同じアパートのゲイの画家サイモンが、モデルで使った若者グループに、袋叩きに遭い、メルヴィンは彼の愛犬ヴァーデルを預かることになる。
普段は毛嫌いしていたヴァーデルが、意外にも自分に懐いたため、メルヴィンは癒される日々を送るようになる。
そんな時メルヴィンは、行きつけのカフェのお気に入りのウエイトレス、キャロルに対して、彼女の病気の息子を皮肉って失言してしまう。
キャロルはメルヴィンを猛烈に非難し、彼もそれを気にしてしまう。
息子の看病で、キャロルがカフェを休んだことを知ったメルヴィンは、彼女がいないと、食事も出来ないという陳腐な理由で、息子のために自費で専門医を雇い派遣する。
そして、キャロルも不器用なメルヴィンの厚意を受け入れるのだが、彼の毒舌や失言は、彼女の機嫌を度々損ねてしまう・・・。
__________

主演の二人の熱演と共演陣との絶妙なバランスを保ちながら、ジェームズ・L・ブルックスは、自身の見事な脚本により、上質で粋な雰囲気のストーリーに仕上げている。

第70回アカデミー賞では、主演男優(ジャック・ニコルソン)、主演女優(ヘレン・ハント)を受賞した。
・ノミネート
作品・助演男優(グレッグ・キニア)・脚本・編集
作曲賞

北米興行収入は約1億4800万ドル、全世界では約3億1400万ドルの大ヒットとなった。

ハンス・ジマーの軽快なテーマ曲、アート・ガーファンクルの洒落た主題歌も、心に残る名曲だ。

タイタニック」、「グッド・ウィル・ハンティング」、「L.A.コンフィデンシャル」と、この年(1997)は素晴らしい作品が多く公開され、その中でも、小粋で楽しい、大人のムード溢れる異色の恋愛ドラマは大いに話題になり、批評家からも高い評価を受けた。

主人公の心を癒し、後半の彼の人情味を引き出す演出に一役買う、サイモンの愛犬”ヴァーデル”の見事な演技も注目で、ヴァーデルを返すことになり涙する主人公を見て、もらい泣きしているように見えるシーンの表情は、人間以上の演技を見せている。

はまり役という表現だけでは言い足りない、”潔癖・偏屈男”を完璧に演じたジャック・ニコルソンには圧倒される。
役柄とは対照的に、憎たらしいほどお茶目でもある。

やつれたシングルマザー役のヘレン・ハントの、切ない女心をさらけ出してしまう、飾り気のない表情と開放的な笑顔、そのメリハリある見事な演技は各方面からも絶賛され、J・ニコルソンと共にアカデミー主演賞を受賞した。

ストーリーのキーマン、サイモン役のグレッグ・キニアは、じれったくもなる、ギクシャクした不釣合いな恋愛話に巻き込まれる、ゲイの画家役を好演し、彼もアカデミー助演賞にノミネートされた。

前年「ザ・エージェント」(1996)でアカデミー助演賞受賞した、偏屈男を手玉に取るキューバ・グッディングJr.も、ドラマにアクセントを加える味のある役を演じている。

シャーリー・ナイトの、ベテランらしい深みのある演技、素朴な、ヒロインの母親役も注目だ。

メルヴィン(J・ニコルソン)の頼みでキャロル(H・ハント)の息子(ジェシー・ジャームズ)を治療する医師ハロルド・ライミス、サイモン(G・キニア)のマネージャーのイヤードリー・スミス、家政婦のルーペ・オンティヴェロス、モデルのスキート・ウールリッチ、精神科医ローレンス・カスダン、出版社の受付係ジュリー・ベンツなどが競演している。

参:
原題の「As Good as It Gets」を邦題にするのは困難だろうから「恋愛小説家」は我慢するとして、意味は、「これ以上良くならない!」又は「これが最高!!」という普段の会話でよく使う言葉。

ジャック・ニコルソンが、精神科の待合室の患者に向かって、”これ以上良くなるなんて期待するな・・・”(What if this is as good as it gets?)みたいな感じで、得意の毒舌を吐く。


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