シングルマン A Single Man (2009) 4.23/5 (31)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1964年に発表された、イギリスの小説家クリストファー・イシャーウッドの”A Single Man”とトム・フォード(製作、監督、脚本)の体験を基に製作された作品。
恋人である男性の事故死の悲しみを克服できない大学教授が、その苦痛を終わらせる決断をして過ごす一日を描く、主演コリン・ファースジュリアン・ムーアニコラス・ホルトマシュー・グッド他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:トム・フォード
製作
トム・フォード

アンドリュー・ミアノ
ロバート・サレルノ

クリス・ワイツ
原作:クリストファー・イシャーウッドA Single Man
脚本
トム・フォード

デヴィッド・スケアス
クリストファー・イシャーウッド
撮影:エドゥアルド・グラウ
編集:ジョアン・ソーベル
音楽
アベエル・コジェニオウスキ

梅林茂

出演
ジョージ・ファルコナー:コリン・ファース

チャーリー(シャーロット):ジュリアン・ムーア
ケニー・ポッター:ニコラス・ホルト
ジム:マシュー・グッド
カルロス:ジョン・コルタジャレナ
ストランク夫人:ジニファー・グッドウィン
ストランク:テディ・シアーズ
ジェニファー・ストランク:ライアン・シンプキンス
グラント・レファヌ:リー・ペイス
銀行員:エリン・ダニエルズ
ロイス:アリーン・ウェバー
ブロンドの秘書:ケリー・リン・プラット
アルヴァ:ポーレット・ラモーリ
ハロルド・アカリー(電話の声):ジョン・ハム

アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー

2009年製作 100分
公開
北米:2009年12月11日
日本:2010年10月2日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $9,166,860
世界 $24,964,900


アカデミー賞
第82回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(コリン・ファース


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1962年11月30日金曜日、ロサンゼルス
キューバ危機”の翌月、英文学の大学教授ジョージ・ファルコナー(コリン・ファース)は、事故で恋人のジム(マシュー・グッド)を亡くし、8ヵ月もの間、彼のいない朝の目覚めを苦痛と感じていた。
__________

8ヶ月前。
ジムの従兄ハロルド・アカリー(ジョン・ハム)から、ジムの事故死の連絡を受けたジョージはショックを受ける。

雨の中、ジョージは隣人である元恋人のチャーリー/シャーロット(ジュリアン・ムーア)の家に駆け込む。
__________

朝の身支度をして心臓病の薬を飲んだジョージは、いつものように騒がしい、隣人のストランク夫妻(テディ・シアーズ/ジニファー・グッドウィン)と娘ジェニファー(ライアン・シンプキンス)らの様子を気にする。

チャーリーからの電話に出たジョージは、今晩、訪ねることを伝える。

悲しみが癒えることはないと判断したジョージは、自らの手でそれを終わらせようと決意し、空の拳銃をバッグに入れて大学に向かおうとする。

現れた家政婦のアルヴァ(ポーレット・ラモーリ)はジョージと話し、”君は最高だ”と言われたため、いつもと違う彼のことを気にする。

車を出したジョージは、笑顔で見つめるジェニファーやストランク夫人を意識しながら大学に向かう。

キューバ危機”に関するケネディ大統領の声明をラジオで聴きながらキャンパスに着いたジョージは、学生のケニー・ポッター(ニコラス・ホルト)が恋人のロイス(アリーン・ウェバー)といる姿に気づき、彼から手を振られる。

オフィスに向かうジョージは、秘書(ケリー・リン・プラット)の雰囲気が違った感じに思えて、いつになく美しく見える。

同僚のグラント・レファヌ(リー・ペイス)から有事に備える話などをされながら、ジョージは、上半身裸でテニスをする学生を見つめる。

その後、講義を始めたジョージは、課題にしてあった”オルダス・ハクスリー”の”多くの夏を経て”を読んだか学生に確認し、”恐怖”について、いつになく熱弁をふるう。

講義を終えたジョージは、ケニーから声をかけられ、今日の話に感銘を受けたと言われ、麻薬でハイになる話をされて経験談などを話し、彼にに興味を持つ。

オフィスのデスクを片付けたジョージは酒で薬を飲み、チャーリーに連絡をして、ジンを買って7時に向かうことを伝える。

駐車場で車に乗り、バッグの中の拳銃を手にしようとしたジョージは、現れたケニーから誘われるものの、また今度と伝えて断り銀行に向かう。

貸し金庫を整理したジョージは、ジムの写真を見て、彼とチャーリーの話をした時のことを想い出す。

チャーリーとはロンドンにいた若い頃に付き合っていたジョージは、その後、男に目覚めてジムに恋したのだった。

預金を現金にしようとしたジョージは、バッグから小切手帳を出そうとした際に、その場に現れたジェニファーから、母が眉がおかしいと言っていると知らされる。

自分はそうは思わないと言うジェニファーは、悲しい顔のジョージに”チャールトン・ヘストン”の”ベン・ハー”を観ることを勧める。

持参していた瓶に入っているサソリをジョージに見せたジェニファーは、虫をあげて殺す様子を観察すると言って、”コロセウム”みたいだと話す。

いつもは騒がしい子供にしか思えなかったジェニファーが、ジョージは妙に可愛らしく思える。

父がゲイの自分を侮辱していることに気づかないまま話をするジェニファーに、優しく対応したジョージは、ストランク夫人から声をかけられ、夜のホームパーティーに誘われる。

ジョージは、予定があると言ってそれを断り、ストランク夫人とジェニファーはその場を去る。

銃砲店で拳銃の銃弾を買い、その後、酒屋に向かったジョージは、駐車場の女性が連れている犬がジムの愛犬と同じ種類だったために、彼を想いだす。

酒を買って店を出る際、スペイン人の若者カルロス(ジョン・コルタジャレナ)とぶつかってしまったジョージは、彼の落したタバコを割れた酒で濡らしてしまい弁償する。

カルロスと目が合った瞬間に感じるものがあったジョージは、帰ろうとしたもののタバコを差し出されたために、それに付き合う。

スペイン語で話したジョージはどこかに行こうと誘われ、それを断るものの、もう一本タバコをもらう。

俳優志望のカルロスといい雰囲気になったジョージだったが、彼に別れを告げる。

帰宅したジョージは、人が集まるストランク家の様子を気にする。

レコードをかけようとしたジョージは、ジムと過ごした時のことを想い出す。

埋葬用のスーツなどを準備したジョージは、身の回りの整理をしてベッドに横たわり、拳銃の銃口を口に入れて自殺をしようとするものの、なかなか実行できない。

そこにチャーリーから電話が入り、自殺を思い止まったジョージは、彼女の家に向かおうとする。

アルヴァに渡す現金を添えたパンを冷蔵庫に入れたジョージは、ジンを持って家を出る。

ストランク家の幼い息子におもちゃの銃を向けられたジョージは、もう人を撃つなと言って、ストランク夫妻に手を振りチャーリーの家に向かう。

チャーリーに歓迎されたジョージは、少し前までは約束を破るつもりだったものの、彼女との時間を大いに楽しむ。

かつて、ロンドンでジョージと暮らしたことを想い出したチャーリーは、自分との”本物”の関係が保てたかもしれないと彼に伝える。

ジムとの愛が、本物の愛の代用品だったとチャーリーから言われたジョージは憤慨する。

ジョージから、9年間の結婚生活の末に離婚した自分とは比較できないと言われ、16年の愛は偽物ではないと意見されたチャーリーは、彼に謝罪する。

二人の愛が深いので嫉妬したと言うチャーリーは、夫の愛が偽物だったと話し、友達がたくさんいても必要とされていないと伝える。

自分には友人がいないと言うジョージに、ゲイなのが悪いとチャーリーは伝える。

結局は酒に頼るしかないチャーリーを慰めるジョージは、ロンドンに戻ることを勧める。

ジョージに生き方を変えるべきだと伝えたチャーリーは、若さを失ったためにロンドンに戻るのは怖いし、渡米は勝利で戻るのは敗北を意味すると話す。

過去を考えずに未来に生きるべきだと言われたチャーリーは、過去に生きるのが未来だと答えて、今夜は少し変だとジョージに伝える。

更に楽しもうとするジョージに酒を勧めるチャーリーだったが、彼は帰ろうとする。

ロンドン時代は努力したが本気では愛せなかったと言うジョージは、チャーリーに別れを告げてその場を去る。

帰宅したジョージは再び拳銃を手にするものの、引き金を引くことができない。

ジョージは、ある土曜日の夜、当時、海軍の兵士だったジムと出会った時の事を想い出す。

酒がないことに気づいたジョージはバーに向かい、酒とタバコを買って帰ろうとする。

そこにケニーが現れたため、ジョージはその場で飲むことにする。

過去が無用で現在が重荷だと話すケニーに、未来はどうかと訊いたジョージは、核の脅威がある未来など考えられないと言われる。

未来が死だと言うジョージは暗い話だと考えるケニーに、いずれは誰もが迎えることだと伝える。

現在が苦なら、未来が楽しめると信じることはできないと伝えたジョージは、ケニーから、結局は分からないことで自分は孤独だと言われる。

人間は生まれた時から一人で不安だと言うケニーに、人生で価値を感じるのはほんの数回で、他の者と真の関係を築けた時だけだとジョージは伝える。

ケニーから、思った通り真のロマンチストであり、年をとれば経験を得て賢くなる言われたジョージは、それを否定する。

実際には愚かになると言うジョージは、それならば経験は無駄なのかとケニーから訊かれ、”経験とは、その出来事で何を得たか”というハクスリーの著書の一説を伝える。

泳ごうというケニーの提案にジョージは同意し、海岸に向かった二人は我を忘れて戯れる。

その後、二人はジョージの家に向かい、ケニーは額を怪我したジョージの手当てをしようとして、薬などの引き出しにあった裸体のジムの写真を見つける。

ジョージの額を手当したケニーは、濡れた服を脱ぐようにと言われ、それに従いシャワーを浴びる。

暖炉に火を点けたジョージは、ケニーから独り住まいかと訊かれ、以前は建築家の友人と暮らしていたと答える。

独りで気ままに暮らせるこんな生活に憧れると言われたジョージは、それならロイスはどうなると尋ねる。

ロイスは友人で一時期、愛し合っていたと言うケニーは、その話をやめる。

ジョージから、自分を追い続けていた理由を訊かれたケニーは、人と考えがずれているので、大学以外の場所で会いたかったと答え、心配だったからとだとも伝える。

大丈夫だと言いながら転寝してしまったジョージは、その後ベッドで目覚める。

ケニーが拳銃を傍らに置いて眠っていることに気づいたジョージは、それを机の引き出しにしまい鍵をかける。

その時、ごくまれな”明晰”な瞬間と”命”を感じたジョージは、チャーリーなどへの遺書を暖炉に投げ込む。

しかし、ジョージは、心臓発作を起こして倒れる。

意識の中に現れたジムにキスされたジョージに相応しい死が訪れ、彼は息を引き取る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1962年11月30日金曜日、ロサンゼルス
英文学の大学教授ジョージ・ファルコナーは、8ヶ月前の恋人ジムの事故死以来、その悲しみと苦痛に耐える日々を送っていた。
そんなジョージは、それを終わらせるために自ら命を絶つ決断をする。
その日の大学でのジョージの講義はいつになく熱が入り、異変を感じた学生のケニーが彼に近づく。
ケニーに声をかけられて誘われたジョージはそれを断り、身の回りの整理を始め、元恋人である隣人のチャーリーとの約束も破ろうとする。
普段と同じ事柄が違って感じることに気づきながら帰宅したジョージは、準備を整えて拳銃を手にするのだが、実行に移せぬまま、チャーリーからの連絡で彼女の家に向かう。
そして、ジョージとチャーリーは、かつての想い出話などで大いに盛り上がるのたが・・・。
__________

グッチ”、”イヴ・サンローラン”のクリエイティヴ・ディレクターとして、世界的な知名度を持ち、かつて俳優も目指したトム・フォードの初監督作品。

トム・フォードが、パートナーのファッション・ジャーナリスト、リチャード・バックリーへの思いを込めた作品で、映画には二人の飼い犬まで登場する。

また、トム・フォードは製作、脚本も兼ねていたため、主人公ジョージとケニー以外の衣装は他のデザイナーが担当している。

第82回アカデミー賞では、主演男優賞(コリン・ファース)にノミネートされた。
第66回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に出品され、コリン・ファースが男優賞を受賞、他、各国映画賞で、高い評価を得た作品でもある。

地位や財力に恵まれ、何一つ不自由ない生活を送る者の生きる目的を失った空虚さ、そんな孤独な男が死を意識する複雑な内面を、トム・フォードの繊細な演出と視点で切実に描く問題作でもある。

バイセクシャルという大胆な役に挑戦した主演のコリン・ファースは、運命の一日を過ごす男性を、抑えた演技で好演している。

アルヴァ:ポーレット・ラモーリ
主人公の元恋人で隣人のジュリアン・ムーア、主人公に何かを感じて接近する学生ニコラス・ホルト、事故死した主人公の恋人マシュー・グッド、主人公が出会うスペイン人の青年ジョン・コルタジャレナ、隣人の夫妻テディ・シアーズジニファー・グッドウィン、その娘ライアン・シンプキンス、大学の同僚リー・ペイス、銀行員のエリン・ダニエルズ、ケニー(ニコラス・ホルト)の恋人アリーン・ウェバー、主人公の秘書ケリー・リン・プラット、主人公の家の家政婦ポーレット・ラモーリ、ジム(マシュー・グッド)の従兄(電話の声)ジョン・ハムなどが共演している。


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