欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire (1951) 5/5 (34)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

劇作家テネシー・ウィリアムズによる、1947年初演のブロードウェイ舞台劇の映画化。
若さを失った中年女性の複雑な心理状態を描く、監督エリア・カザン、主演ヴィヴィアン・リーマーロン・ブランドキム・ハンターカール・マルデン共演によるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:エリア・カザン
製作:チャールズ・K・フェルドマン
戯曲:テネシー・ウィリアムズ
脚本
テネシー・ウィリアムズ

オスカー・ソウル
撮影:ハリー・ストラドリング
編集:デイヴィッド・ワイスバート
美術・装置
リチャード・デイ

ジョージ・ジェームズ・ホプキンス
音楽:アレックス・ノース

出演
ヴィヴィアン・リー:ブランチ・デュボワ
マーロン・ブランド:スタンリー・コワルスキー
キム・ハンター:ステラ・コワルスキー
カール・マルデン:ハロルド”ミッチ”ミッチェル
ルディ・ボンド:スティーヴ・ハベル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1951年製作 124分
公開
北米:1951年9月18日
日本:1952年5月10日
製作費 $1,800,000


アカデミー賞 ■

第24回アカデミー賞
・受賞
主演女優(ヴィヴィアン・リー)
助演男優(カール・マルデン)
助演女優(キム・ハンター)
美術/装置賞(白黒)
・ノミネート
作品・監督
主演男優(マーロン・ブランド)
脚本・撮影(白黒)・衣装デザイン(白黒)
作曲(ドラマ/コメディー)・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

やつれた顔に、厚い化粧の未婚女性ブランチ・デュボア(ヴィヴィアン・リー)は、ニューオーリンズの” 欲望”という名の路面電車を乗り継いで、妹ステラ(キム・ハンター)の元を訪れる。

酒におぼれ、疲労以外に病を抱えているようにも見えるブランチを、ステラは気遣う。

ステラは、父の死後ブランチが、ミシシッピの生まれ故郷オウリオールの”ベルリーヴ”の土地を、自分に相談もせずに処分してしまったことを知りショックを受ける。

自分の容姿が気になり人目を気にするブランチは、粗野なステラの夫スタンリー・コワルスキー(マーロン・ブランド)の視線を意識してしまう。

翌日、姉ブランチに優しく接するよう、ステラに頼まれたスタンリーは、ブランチが土地を売ったことを知り、その財産などを気にし始める。

届いたブランチの荷物を見たスタンリーは、教師だった彼女が買えるようなドレスや毛皮などではないことに気づき、ステラに土地の件を追求する。

スタンリーは、ブランチ本人にも、容赦なく土地の権利書を見せることを要求し、秘密にしておくよう頼まれていた、ステラの妊娠を知らせてしまう。

そんなブランチはステラを祝福し、一時の喜びを味わう。

スタンリーと同じ機械工場で働く、ポーカー仲間のハロルド”ミッチ”ミッチェル(カール・マルデン)は、ブランチと顔を合わせ、彼女に辛く当たるスタンリーを見て不愉快になる。

ミッチはブランチに優しく接し、彼女は教養深い貴婦人のふりをして、ミッチに色目を使い始める。

そして、純情なミッチは。次第にブランチに惹かれていく。

ポーカーに熱中するスタンリーは、ブランチらが気に障り暴れ始め、ステラがポーカーを止めさせようとする。

興奮したスタンリーは、ステラに襲い掛かろうとするが、ミッチらがそれを制止して彼をなだめる。

冷静さを取り戻したスタンリーは、泣きながらステラの名を呼び続け、彼女は夫の元に帰る。

その場に残っていたミッチは、結局は二人は愛し合っているのだと、ブランチに話しかける。

翌朝ブランチは、今は土地も無くしたが、裕福に育った子供時代をステラに想い出させ、獣のようなスタンリーの元から去ることを彼女に提案する。

しかし、自宅に戻ったスタンリーにステラは抱きつき、彼は勝ち誇ったような表情をブランチに見せる。

情緒不安定気味のブランチは、ミッチへの想いをステラに話す一方、新聞の集金に来た青年を誘惑してしまったりもする。

ミッチとデートを重ねるようになったブランチは、女性との付き合い方に慣れていない彼をじらすのだが、年齢を聞かれて動揺する。

ブランチは突然神妙な表情になり、自分の心無い言葉で夫が自殺したことをミッチに話し始める。

ミッチは、そんな彼ブランチを抱きしめて、彼女も心を許す。

しかし、スタンリーが、ブランチのふしだらな過去を知り、ミッチとステラにそれを話して、彼女を追い出そうとする。

故郷を売り払ったブランチは、各地で次々と男を替えた上に騙していたということだった。

それを聞いたステラは動揺し、ブランチが学生にまで手を出し、学校を追い出されていたこともスタンリーは話す。

ミッチを招待した、ブランチの誕生パーティーだったが、当然、彼は現れず、いがみ合うスタンリーとステラを見て、何かがあったことをブランチは察する。

そしてスタンリーは、ブランチにオウリオール行きの切符を渡し、彼女は大きなショックを受ける。

そんなスタンリーに、過ぎた仕打ちだといい寄るステラだったが、彼女は産気づいてしまう。

スタンリーとステラが病院に行っている間に、ブランチの過去を確かめに来たミッチは、暗闇でしか見たことのない彼女の顔を灯りに照らして、それを確かめる。

ブランチの口から真実を聞かされたミッチは、結婚を迫る彼女の誘いを断り、狂人を見る眼差しでブランチを見つめる。

怒りがこみ上げたブランチは叫び声をあげ、ミッチを追い出してしまう。

その後、正気を失いかけたブランチは、着飾って妄想にふける。

病院から戻ったスタンリーに、妄想の続きを話して聞かせるブランチだったが、彼に罵られ暴行されてしまう。

やがて、生まれた子供と家に戻っていたステラに見送られ、発狂したブランチが、精神病院に行く日がやってくる。

病院から迎えに来た医師と看護師を、見知らぬ者だと言って取り乱したブランチを、スタンリーは尚もからかおうとする。

ポーカーをしていたミッチは、スタンリーに殴りかかるが、仲間達になだめられる。

ブランチは現れた紳士(医師)に、”見知らぬ人の親切は私の支え”と語りかけながら、安堵の表情を浮かべて、病院に向う。

そして、ステラは夫を捨てる決意をして、子供を抱いて去って行く。


解説 評価 感想 ■

テネシー・ウィリアムズ自身は、1948年にこの舞台劇でピューリツァー賞を受賞している。

*(簡略ストー リー)

どこか風変わりな未婚女性ブランチ・デュボアは、ニューオーリンズの” 欲望”という名の路面電車を乗り継いで、妹ステラの元を訪れる。
酒におぼれて、病を抱えているようにも見える姉ブランチを、ステラは気遣うが、父親の死後、彼女が、生まれ故郷の土地を自分に相談もせずに処分してしまったことを知りショックを受ける。
その後、人目ばかりを気にするブランチは、粗野なステラの夫スタンリー・コワルスキーの視線を意識する。
ブランチが、土地を売ったことを知ったスタンリーは、その財産などを気にし始め、それを彼女に追求する。
スタンリーと同じ機械工場で働くミッチは、ブランチと顔を合わせて優しく接し、彼女は貴婦人を装い色目を使い始める。
そして、純情なミッチは次第にブランチに惹かれていく。
そんな二人を見て、気に障ったスタンリーは暴れ始めて騒動を起こす。
ブランチは、裕福に育った子供時代をステラに想い出させ、獣のように乱暴なスタンリーの元から去るよう、彼女に提案するのだが・・・。
__________

舞台も担当したエリア・カザンの、陰険で写実的、緊迫感のある演出は、当時の多くのハリウッド作品の中では異色であったとも言える。

マーロン・ブランドをはじめ、舞台初演時の配役を引き継いでの映画化だったが、ブランチ役のジェシカ・タンディの年齢的な問題で、ロンドン公演でその役を演じたヴィヴィアン・リーが、映画では起用された。

とは言っても二人は4歳しか違わない。

1999年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第24回アカデミー賞では、作品賞以下12部門でノミネートされ、主演女優(ヴィヴィアン・リー)、助演男優(カール・マルデン)、助演女優(キム・ハンター)、美術(白黒)を受賞した。
・ノミネート
作品、監督
主演男優(マーロン・ブランド)
脚本、撮影(白黒)、衣装デザイン(白黒)、
作曲(ドラマ/コメディー)、録音賞

2度目のアカデミー主演賞を獲得したヴィヴィアン・リーは、”美女”のイメージを捨てた、体当たりの気迫ある熱演は見事だ。

とは言うものの、白黒画面のせいか、かなり美しくも見える場面もあり、そのように見せている工夫もなかなかうまい。

数本の出演作はあったものの、本作が主演級として本格的登場となった、粗暴な男マーロン・ブランドの、力強い演技は凄まじいほどの迫力がある。

共にアカデミー助演賞を受賞した、舞台のオリジナル・キャスト、カール・マルデンキム・ハンターも、主演陣に劣らぬ名演と存在感を示してくれている。

特にカール・マルデンが、ヴィヴィアン・リーの本性を暴こうとする、彼女の顔を鷲掴みにして灯りに当て、年齢を確認するシーンは印象に残る。


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