嵐の三色旗 / 二都物語 A Tale of Two Cities (1935) 4.16/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1859年に発表された、チャールズ・ディケンズの小説”二都物語”を基に製作された作品。
フランス革命を舞台に、愛した女性の幸せを願い身を引く弁護士の悲劇を描く、製作デヴィッド・O・セルズニック、監督ジャック・コンウェイ、主演ロナルド・コールマンエリザベス・アランレジナルド・オーウェンドナルド・ウッズベイジル・ラスボーン他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジャック・コンウェイ
製作:デヴィッド・O・セルズニック
原作:チャールズ・ディケンズ二都物語
脚本
W・P・リプスコム

S・N・バーマン
撮影:オリヴァー・T・マーシュ
編集:コンラッド・A・ナーヴィグ
音楽:ハーバート・ストサート

出演
シドニー・カートン:ロナルド・コールマン

ルーシー・マネット:エリザベス・アラン
プロス:エドナ・メイ・オリヴァー
C・J・ストライヴァー:レジナルド・オーウェン
サン・エヴレモンド公爵:ベイジル・ラスボーン
テレーズ・ドファルジュ:ブランシュ・ヤーカ
アーネスト・ドファルジュ:ミッチェル・ルイス
アレクサンダー・マネット医師:ヘンリー・B・ウォルソール
チャールズ・ダーネイ:ドナルド・ウッズ
バーサッド・クライ:ウォルター・キャトレット
ジャーヴィス・ローリー:クロード・ギリングウォーター
ジェリー・クランチャー:ビリー・ビーヴァン
クランチャー夫人:エイリー・マリオン
ギャベル:H・B・ワーナー
裁縫師:イザベル・ジュエル

アメリカ 映画
配給 MGM

1935年製作 123分
公開
北米:1935年12月25日
日本:1937年2月
製作費 $1,232,000
北米興行収入 $1,111,000
世界 $2,294,000


アカデミー賞 ■

第9回アカデミー賞
・ノミネート
作品・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

18世紀後半、イングランド
テレンソン銀行の使いジェリー・クランチャー(ビリー・ビーヴァン)は馬車に追いつき、銀行家ジャーヴィス・ローリー(クロード・ギリングウォーター)から伝言を頼まれる。

ルーシー・マネット(エリザベス・アラン)に会ったローリーは、18年間”バスティーユの牢獄”に閉じ込められていた父親が生きていることを伝える。

亡くなったはずの父親の生存に驚くルーシーは気絶してしまい、それを知った侍女プロス(エドナ・メイ・オリヴァー)は、ローリーに何を話したのかを問い彼を非難する。

気がついたルーシーは、父親が、パリのアーネスト・ドファルジュ(ミッチェル・ルイス)のワイン屋にいることを知らされる。

パリ
貴族の横暴に苦しむ市民は、虐げられた日々を過ごしていた。

ドファルジュの店の前に馬車が止まり、ローリーに付き添われたルーシーは、ドファルジュ夫人テレーズに合言葉を伝え二階に案内される。

廃人のように変わり果てた父親アレクサンダー・マネット医師(ヘンリー・B・ウォルソール)を前に、その姿に驚くルーシーは彼を連れて店を出る。

貴族サン・エヴレモンド公爵(ベイジル・ラスボーン)は、街の中を馬車で駆け抜け、子供を轢き殺しても親のせいにして走り去る。

馬車に同乗していたエヴレモンドの甥チャールズ・ダーネイ(ドナルド・ウッズ)は、その横暴ぶりに驚く。

屋敷に着いたダーネイはエヴレモンドを痛烈に非難し、イングランドに渡ることを伝え、使用人のギャベル(H・B・ワーナー)に別れを告げてその場を去る。

エヴレモンドはダーネイを懲らしめるために、イングランドに行った彼が直ぐに逮捕されるよう企む。

イングランド
途中ルーシーと出会ったダーネイは彼女に惹かれ、日曜日に再会することを約束して別れる。

エヴレモンドの指示を受けていたバーサッド・クライ(ウォルター・キャトレット)は、ダーネイを陥れようとする。

ダーネイは、軍の機密文書を所持していたという罪で逮捕され、彼の弁護をC・J・ストライヴァー(レジナルド・オーウェン)が担当することになる。

ストライヴァーは、才能がありながら酒に溺れる助手シドニー・カートン(ロナルド・コールマン)に、書類に目を通すよう命ずる。

墓荒らしのクランチャーが目撃者バーサッドのことを知っているため、カートンは彼の居場所を聞きある酒場に向かう。

カートンは、酔いながらバーサッドに探りを入れて裁判に挑む。

バーサッドは、機密文書に気づいた時のことを証人として答え、ルーシーは、優しくしてくれたダーネイが何かの陰謀に巻き込まれたと証言する。

ストライヴァーは、バーサッドがダーネイの叔父エヴレモンドと知り合いであることを追及する。

更にストライヴァーは、被告と誰かを間違えたのではないかとバーサッドに問う。

例として、カートンと見間違えたのではとストライヴァーに言われたバーサッドは、それをあっさりと認めてしまう。

ルーシーは、ダーネイが無実になる可能性をカートンに問い、彼は希望は持てると答える。

ダーネイは無罪となり釈放され、ルーシーに寄り添い安堵する。

ルーシーが気になる存在になっていたカートンは、二人を見つめる。

ダーネイと食事をしたカートンは、酔いながらルーシーの話などをし始める。

裁判のことでは感謝していたダーネイだったが、カートンの態度に気分を害してその場を去る。

クリスマス。
ルーシーの家を訪ねたダーネイは、彼女を教会に向かわせて、その場に残ったマネットに、彼を投獄させた者が自分の身内であることを正直に話す。

マネットはダーネイを責めようとはせずに、この件をルーシーに秘密にすることを約束してもらう。

プロスと出かけたルーシーは、酔っているカートンに出くわして彼を教会に誘う。

ルーシーに寄り添われて時間を過ごしたカートンは、複雑な思いだった。

家までルーシーを送ったカートンは、彼女からクリスマスの夕食に招待されるもののがそれを断る。

暫くしてルーシーの家に招かれたカートンは、隠れた才能の持ち主だと言われる。

そしてカートンは、ルーシーとがダーネイと結婚することを知る。

その後、ルーシーとダーネイは結婚式を挙げるが、カートンはそれに出席しなかった。

カートンは、ルーシーのことを考えながら酔い続ける。

パリ
かつてエヴレモンドに子供を轢き殺された男は、屋敷に忍び込んで彼を刺殺する。

5年後。
エヴレモンドの使用人だったギャベルは、貴族達を前に革命が迫っていることを語り、解決方法を探るべきだと忠告する。

しかし、貴族達は外国兵を雇い入れることしか考えず、ギャベルの話を聞き入れようとしない。

ドファルジュの店を訪ねたバーサッドは、エヴレモンドの甥ダーネイが、マネットの娘ルーシーと結婚して子供も生まれたことを話す。

バーサッドを追い払ったドファルジュは、話が真実かを考えるが、貴族を憎むテレーズは決して許さないと言い放つ。

カートンは、ルーシーやダーネイのためならどんなことでもするつもりであることを彼女に伝える。

ルーシーは、カートンが自分に特別な思いがあるのではないかとも考える。

1789年7月14日。
市民の貴族に対する憎しみは限界に達し、暴動が起きて兵士も加わりバスティーユを占拠する。

やがて、貴族とその友人、更に召使いも死を宣告され、市民は叫び声を上げる。

ダーネイが迎えに来ることを信じていたギャベルは、彼に手紙を書くようドファルジュらに強要される。

貴族側だと判断されたギャベルは、ダーネイだけは救ってほしいと頼むものの、子供を轢き殺された男に刺殺される。

ロンドン
銀行で働いていたダーネイは、何も知らずにギャベルからの手紙を受け取る。

動揺するダーネイはパリに向かうことを考え、その件を知ったマネットは彼の身を案ずる。

マネットは、ダーネイがエヴレモンドの甥であることをルーシーに伝える。

ルーシーは、ダーネイが父親を投獄した男の甥だと知りショックを受ける。

帰国した貴族も処刑されるため、マネットはダーネイに危険が迫っていることをルーシーに伝えて彼を追う。

フランス
帰国したダーネイは捕えられ、ローリーとの面会を要求するが、それは許されなかった。

現地に着いたマネット、ルーシーと娘は、監獄の前でダーネイに手を振る。

法廷に引き出された貴族は次々と有罪を言い渡され、処刑されることになる。

出廷したダーネイは、出国する前に貴族を止めたという証言をする。

市民であるギャベルを救いに来たと言うダーネイだったが、ギャベルはその場にいない。

マネットの弁護でダーネイは希望を抱くが、テレーズが発言を求める。

獄中で書いた、マネットがエヴレモンドを批判し苦しみぬく手記を手にしたテレーズはそれを読み上げる。

エヴレモンドと一族をマネットが批判する内容に付け加え、自分の身内もエヴレモンドに殺されたことをテレーズは語る。

テレーズは、エヴレモンドの血を絶つことが必要だと叫びながら市民に問いかける。

市民は有罪を要求し、裁判長はダーネイの2日後の処刑を言い渡す。

絶望したルーシーは、眠る娘の前で涙し神に祈りを捧げる。

銀行のローリーの元に向かったカートンは、マネットと友人であったテレーズのとった行動が信じられないことを伝える。

ルーシーが苦しんでいることを知ったカートンは、ダーネイが24時間以内に処刑されることを聞き心を痛める。

バーサッドがパリにいて監獄に出入りしていることを知ったカートンは、あることを考えつく。

ドファルジュの店を訪れたルーシーは、夫を救うためにテレーズの協力を得ようとするが無駄だった。

テレーズらは、ルーシーは貴族ではないが、その娘が貴族の血を引いていることに気づく。

カートンは、ルーシーの娘のことがテレーズらに知られたことで危険を察する。

その後マネットは、あまりのショックで元の廃人のようになってしまう。

ルーシーらの苦しむ姿を見たカートンは心を決め、翌朝、処刑の前に彼女らをイングランドに向かわせるようローリーに指示する。

カートンの考えを理解したローリーは、誤解していたことを謝罪する。

バーサッドに会ったカートンは彼を脅し、ダーネイに会わせるよう迫る。

監獄に向かったカートンはダーネイに会い、彼を眠らせて胸元に手紙を入れ、バーサッドに連れ出すよう指示する。

夜が明けて、テレーズはルーシーと娘を殺すために彼女らの元に向かう。

旅立つ準備をしていたプロスは、テレーズと格闘になる。

プロスはテレーズが抜いた銃で彼女を射殺し、カートンに扮したダーネイやルーシーらが乗る馬車はパリを出る。

監房から出されたカートンは、同じく処刑される裁縫師(イザベル・ジュエル)に声を掛けられる。

泣き崩れる裁縫師に、今は勇気を持つことだと伝えるカートンは、自分がダーネイの身代りだと知られてしまう。

何も言わないよう伝えたカートンは、身代りになる理由を聞かれ、友人だからだと答える。

裁縫師に、処刑台に向かうまで手をつないでほしいと言われたカートンは、それを約束する。

カートンらは処刑台に連行され、貴族達は民衆の目の前で次々とギロチン刑に処せられる。

裁縫師は、笑みを浮かべながらカートンに別れを告げて処刑される。

そして、ギロチン台の前に連れて行かれたカートンは、空を仰ぎながら考える。

”人生で最も良い行いをする、今後は安らかな眠りが待っている・・・”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

18世紀後半、イングランド
亡くなったはずの父親の生存を知らされたルーシー・マネットはパリに向かう。
ルーシーは、18年間”バスティーユの牢獄”に閉じ込められていた父親マネット医師と再会して帰国する。
その頃、フランス市民は貴族から虐げられ、苦しむ日々を送り怒りは限界に達していた。
貴族エヴレモンド公爵の横暴さに嫌気がさした甥のダーネイはイングランドに向かい、ルーシーと出会い愛し合うようになる。
ところが、エヴレモンドの企みでダーネイは逮捕されてしまい、弁護を担当するストライヴァーの助手シドニー・カートンは、ルーシーに惹かれてしまう。
カートンは、無罪を勝ち取ったダーネイとルーシーが愛し合い結婚することを知り、潔く身を引こうとするのだが・・・。
__________

才能がありながら酒に溺れる弁護士の悲恋の物語がテーマとして描かれ、非常に悲しい内容だ。

一方で、徐々にエスカレートしていくフランス市民の怒りの爆発は凄まじい迫力でドラマを盛り上げ、貧しい市民の団結を力強く描写する、悲劇と希望への戦いを対比して描くジャック・コンウェイの演出手腕も見所だ。

自分がこの世に存在した意義を理解するまでを描く主人公の物語と、革命に向かう物語が同時に進行していく展開が実に興味深い。

”嵐の三色旗”という大袈裟な邦題が気になるが、1930年代半ばの公開を考えると致し方ないところだろうか・・・。

その当時の技術、特撮を駆使したスケールの感あるパリ市内の映像なども素晴らしい。

第9回アカデミー賞では、作品、編集賞にノミネートされた。

イギリスの名優が顔を揃える豪華なキャストも注目で、常にヒロインらを支える役柄として、多くを語らずもその表情だけで心情を表現する見事な演技を見せるロナルド・コールマンの好演は光る。

主人公に愛されていることを微妙に感じながら、時代に翻弄される女性エリザベス・アラン、彼女を支える侍女エドナ・メイ・オリヴァー、弁護士レジナルド・オーウェン、横暴な貴族ベイジル・ラスボーン、その使用人H・B・ワーナー、革命に身を投ずる市民を熱演するブランシュ・ヤーカ、その夫ミッチェル・ルイス、ヒロインの父親ヘンリー・B・ウォルソール、ヒロインの夫ドナルド・ウッズ、彼を陥れる男ウォルター・キャトレット、銀行家クロード・ギリングウォーター、墓荒らしビリー・ビーヴァン、その妻エイリー・マリオン、主人公と共に処刑される裁縫師イザベル・ジュエルなどが共演している。


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