愛する時と死する時 A Time to Love and a Time to Die (1958) 3.79/5 (19)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

西部戦線異状なし”など知られるのドイツ人作家エリッヒ・マリア・レマルクが、1954年に発表した小説”Zeit zu leben und Zeit zu sterben”の映画化。
終戦後(第二次大戦)に、ドイツ側の立場から戦争の悲惨さなどを描いた先駆的な作品で、戦前にナチの弾圧を逃れアメリカに渡り、反ナチ映画などを撮った、ドイツ出身のダグラス・サークの思いが込められた作品。
彼の得意とするメロドラマ・タッチの作風も冴え渡る、主演ジョン・ギャヴィンリゼロッテ・プルファー他共演、ドイツ側のスタッフ、キャスト他、全面協力の恋愛・戦争ドラマの佳作。


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト ■

監督:ダグラス・サーク
製作:ロバート・アーサー
原作:エリッヒ・マリア・レマルク
脚本:オリン・ヤニングス
撮影:ラッセル・メティ
編集:テッド・J・ケント
音楽:ミクロス・ローザ

出演
エルンスト・グレーバー:ジョン・ギャヴィン

エリザベス・クルーゼ・グレーバー:リゼロッテ・プルファー
イマーマン:ジョック・マホニー
ヘルマン・ベッチャー:ドン・デフォー
ロイター:キーナン・ウィン
ポールマン教授:エリッヒ・マリア・レマルク
ラーエ大尉:ディーター・ボーシェ
オスカー・ビンディング:セイヤー・デヴィッド
リーザー夫人:ドロテア・ウィーク
ジョゼフ:チャールズ・レグニアー
ヴィッテ夫人:アグネス・ウィンデック
ゲシュタポ:クラウス・キンスキー
ハーシュラント:ジム・ハットン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1958年製作 131分
公開
北米:1958年7月9日
日本:1958年10月7日


アカデミー賞 ■

第31回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1944年、第二次大戦下、独ソ戦線。
ドイツ軍の敗走が続く中で、疲弊しきった兵士エルンスト・グレーバー(ジョン・ギャヴィン)、イマーマン(ジョック・マホー)、新兵のハーシュラント(ジム・ハットン)らは休暇を待ち焦がれていた。

連隊長ラーエ大尉(ディーター・ボーシェ)は、雪に埋もれていた将校の遺体を部下に埋葬させ、ゲリラ4人の処刑を命ずる。

兵士達は、民間人の処刑に疑問を感じながらも仕方なく命令に従う。

その後、ラーエ大尉に呼ばれたグレーバーは休暇の許可を得るが、処刑にショックを受けたハーシュラントは自殺してしまう。

ラーエ大尉はそれを事故として処理し、グレーバーに戦いが激化する前に帰国するよう命ずる。

そして、戦況の悪化などを公言しないように、釘を刺されたグレーバーを含めた一時帰還兵らは祖国へと向かう。

故郷の町に戻ったグレーバーは、廃墟と化した自宅跡地を見て愕然としてしまう。

家族を捜すグレーバーは主治医宅を訪ね、医師の娘であるエリザベス・クルーゼ(リゼロッテ・プルファー)に会うことができる。

エリザベスは、ナチの監視員リーザー夫人(ドロテア・ウィーク)と同居していた。

空襲でエリザベスと防空壕に入ったグレーバーは、知人に再会して、両親を見かけたことを知らされる。

その後、エリザベスを送ったグレーバーは、軍の支給品を彼女に渡そうとする。

しかし、それがエリザベスを誘う目的だと誤解されてしまい、グレーバーは憤慨してその場を立ち去る。

知り合ったヘルマン・ベッチャー(ドン・デフォー)の世話で病院に宿泊することになったグレーバーは、翌日、市街で友人オスカー・ビンディング(セイヤー・デヴィッド)に出くわす。

牛乳屋から党の支部長になった、豪勢な邸宅に住むビンディングは、グレーバーを歓迎する。

グレーバーは、ビンディングに両親を捜すことを約束してもらい、その後、エリザベスからの伝言を受け取り、彼女の元に向かう。

エリザベスは、昨晩のことをグレーバーに謝罪し、わだかまりは消え、やがて二人は惹かれ合うようになる。

病院に戻ったグレーバーは、病室の主のような痛風患者のロイター(キーナン・ウィン)に、エリザベスとのデートを、大事なものにするための助言を受ける。

エリザベスを誘ったグレーバーは、ロイターの軍服を借りて、彼の紹介でホテルのレストランに席を取る。

楽しくなるはずの食事が空襲警報で中断され、客達はワイン貯蔵庫に避難するが、爆撃を受けて建物の外に逃れる。

その後、エリザベスの部屋に戻ったグレーバーは、彼女にプロポーズするが、エリザベスは素直にそれを受け入れようとしない。

気分を害したグレーバーを見たエリザベスは、彼に愛を告げ、二人は固く抱き合う。

結婚を決意した二人は婚姻届を出すが、エリザベスの父が、軍を批判して収容所送りとなっていたことが分かる。

しかし担当官は、医師であるエリザベスの父が、片目を救ってくれたことに免じて、二人の結婚を許可する。

エリザベスの部屋に戻った二人は、ビンディングからの結婚祝いを受け取り夜を過ごす。

翌日、母からの自分への贈り物で、両親が疎開したことが分かったグレーバーだったが、ゲシュタポからの出頭命令がエリザベスの元に 届く。

グレーバーは、恩師のポールマン教授(エリッヒ・マリア・レマルク)に助言を求めに行くが、監視されていない時に出直すよう言われる。

その時、敵機による爆撃が始まり、エリザベスの働く工場が狙われていることを知ったグレーバーは現場に向かう。

工場は爆撃され、エリザベスの安否がわからないままにグレーバーは家に戻り、出火した建物から荷物を持ち出し脱出する。

その後、無事だったエリザベスと合流したグレーバーは、ポールマン教授の住居がある、崩壊しかけた美術館に向かう。

ポールマン教授に会ったグレーバーは、妻エリザベスがゲシュタポに追われている身であるため、彼女のためであれば逃亡も考えていることを伝える。

教授に、妻や両親を巻き添えにしてまで逃亡する価値があるかを問われたグレーバーは、軍には戻るがもう何も信じられないと語る。

教授はそんなグレーバーに、神を信じ自分で判断するしか方法はないことを告げる。

グレーバーはビンディングに助けを求めに行くが、居合わせた収容所の責任者の非情さに怒りを感じるだけだった。

その後、エリザベスの代わりにゲシュタポ支部に出頭したグレーバーは、少尉(クラウス・キンスキー)から彼女の父親が亡くなったことを聞き、その遺灰を渡される。

それを、ポールマン教授の協力者ジョゼフ(チャールズ・レグニアー)に伝えたグレーバーは、教授が捕らえられたことを知る。

エリザベスの父の遺灰を土に埋めたグレーバーは、そのことは彼女には語らなかった。

そして二人は、エリザベスの知人で、かつてレストランを営んでいたヴィッテ夫人(アグネス・ウィンデック)の家に身を寄せる。

グレーバーは、エリザベスに父親が亡くなったことを伝え、その後、休暇延長を申し入れるが受け入れられなかった。

二人は、グレーバーが戦地に戻る最後の夜を迎えるが、空襲警報が鳴り始める。

エリザベスは、グレーバーとの最後の夜を防空壕で過ごすのを拒む。

グレーバーは、エリザベスに駅には見送りに来ないよう伝え、彼女もそれに従おうとする。

しかし、エリザベスはグレーバーに知られぬよう、彼が乗った列車を見送る。

前線に到着したグレーバーは、ラーエ大尉や戦友イマーマンらの連隊に合流する。

敵の激しい砲撃が続き、イマーマンが爆撃で死亡する。

グレーバーにエリザベスからの手紙が届き、子供が生まれることや、両親の住所が判明したことが分かる。

連隊は移動することになり、ゲリラを処刑しようとする兵士を止めようとしたグレーバーは、彼を射殺してしまう。

グレーバーはゲリラを逃がすが、その直後、その一人に銃撃され、川に落ちたエリザベスの手紙を拾おうとしながら息絶える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

第二次大戦下の独ソ戦線で敗走を続けるドイツ軍部隊の兵士エルンスト・グレーバーは、休暇を与えられる。
グレーバーは、両親との再会に胸を膨らませていたが、故郷の街は爆撃で破壊され廃墟と化していた。
両親の消息も不明のまま愕然とするグレーバーだったが、主治医の娘であるエリザベスに出会い恋に落ちる。
休暇の終わりも迫り、知人や恩師に助言を受けながらエリザベスと結婚したグレーバーは、やがて、戦場に戻る日がやってくる。
グレーバーはエリザベスに別れを告げ、前線に戻り戦友と合流し妻の妊娠や両親の行方が分かったという知らせを受けるのだが・・・。
__________

第31回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。

翌年の「ベン・ハー」(1959)の音楽に影響したと思える、ミクロス・ローザのダイナミックな音楽も印象に残る。

実際に西ベルリンなどで撮影された映像など、セットとは思えない廃墟と化した街並み、凄まじい爆撃での建物崩壊場面なども迫力があり、一切手抜きが感じられない。

原作者エリッヒ・マリア・レマルクが、主人公の恩師役で出演するが、良識ある知識人として、品格や威厳も感じられる役柄で存在感を示している。

前年の出演作はあるものの初主演の、メキシコ系ながら大役に抜擢されたジョン・ギャヴィンは、長身を生かした精悍な好青年、平凡な兵卒を見事に演じている。

その妻となる、戦争に疲弊する、一市民の苛立つ感情表現なども素晴らしく、美し過ぎないところが逆に愛らしいリゼロッテ・プルファー、主人公の戦友ジョック・マホニー、上官のディーター・ボーシェ、豪放磊落な負傷兵キーナン・ウィン、主人公に、故郷で兵舎である病院を紹介するドン・デフォーナチスの支部長となった学友セイヤー・デヴィッド、エイザベス(L・プルファー)の監視員役ドロテア・ウィーク、教授(E・M・レマルク)の協力者チャールズ・レグニアー、主人公夫妻に部屋を提供する夫人アグネス・ウィンデックゲシュタポの少尉クラウス・キンスキー、そして自殺する新兵でジム・ハットンなどが共演している。


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