8月の家族たち August: Osage County (2013) 4/5 (25)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

2007年に初演されたトレイシー・レッツの戯曲で、ピューリッツァー賞を受賞した”August: Osage County”を基に製作された作品。
闘病中の女性と、夫の失踪をきっかけに戻って来た娘や家族との愛憎を描く、製作ジョージ・クルーニー、監督ジョン・ウェルズ、主演メリル・ストリープジュリア・ロバーツユアン・マクレガークリス・クーパーアビゲイル・ブレスリンベネディクト・カンバーバッチジュリエット・ルイスジュリアンヌ・ニコルソン他共演のドラマ。


ドラマ

ジョージ・クルーニー / George Clooney 作品一覧
ベネディクト・カンバーバッチ / Benedict Cumberbatch 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ジョン・ウェルズ

製作
ジョージ・クルーニー
グラント・ヘスロヴ
ジーン・ドゥーマニアン
スティーヴ・トラクスラー
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
原作:トレイシー・レッツAugust: Osage County
脚本:トレイシー・レッツ
撮影:アドリアノ・ゴールドマン
編集:スティーヴン・ミリオン
音楽:グスターボ・サンタオラヤ

出演
ヴァイオレット・ウェストン:メリル・ストリープ
バーバラ・ウェストン・フォーダム:ジュリア・ロバーツ
ビル・フォーダム:ユアン・マクレガー
チャールズ・エイケン:クリス・クーパー
ジーン・フォーダム:アビゲイル・ブレスリン
チャールズ“リトル・チャールズ”エイケンJr.:ベネディクト・カンバーバッチ
カレン・ウェストン:ジュリエット・ルイス
マティ・フェイ・エイケン:マーゴ・マーティンデイル
スティーヴ・ハイデブレクト:ダーモット・マローニー
アイヴィー・ウェストン:ジュリアンヌ・ニコルソン
ベヴァリー・ウェストン:サム・シェパード
ジョナ・モンヴァータ:ミスティ・アッパム
デオン・ギルボー保安官:ウィル・コフィ
バーク医師:ニューウェル・アレクサンダー

アメリカ 映画
配給 ワインスタイン・カンパニー
2013年製作 120分
公開
北米:2013年12月27日
日本:2014年4月18日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $37,738,500
世界 $73,745,740


アカデミー賞
第86回アカデミー賞

・ノミネート
主演女優賞(メリル・ストリープ
助演女優賞(ジュリア・ロバーツ


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
8月、オクラホマパウハスカ
初期の口腔癌で闘病中の妻ヴァイオレット・ウェストン(メリル・ストリープ)が、薬のせいで情緒不安定であるため、夫で詩人のべヴァリー(サム・シェパード)は、家政婦ジョナ・モンヴァータ(ミスティ・アッパム)を雇うことにする。

べヴァリーは、ヴァイオレットのことをジョナに任せて失踪する。

コロラド
バーバラ・ウェストン・フォーダム(ジュリア・ロバーツ)は、娘ジーン(アビゲイル・ブレスリン)に起こされる。

妹のアイヴィー(ジュリアンヌ・ニコルソン)からの電話を受けたバーバラは、父べヴァリーが失踪したことを知らされる。

地元に住み未だに独身のアイヴィーは、ヴァイオレットの様子を見に実家に向い、叔母マティ・フェイ・エイケン(マーゴ・マーティンデイル)が来たことを母に伝える。

夫チャールズ(クリス・クーパー)と共に家に入ったマティ・フェイは、真夏だというのにカーテンまで閉め切っている部屋の窓を開ける。

バーバラは、別居中の夫ビル(ユアン・マクレガー)とジーンと共に実家に向かい、マティ・フェイとチャールズに迎えられる。

ヴァイオレットはバーバラを抱き寄せ、家に戻るマティ・フェイとチャールズを見送る。

父べヴァリーが出て行った理由などを考えるバーバラは、嫌みばかり言うヴァイオレットが、ジョナをインディアンと呼ぶため、ネイティブ・アメリカンだと伝えて訂正させようとする。

それに反論し、父親のお気に入りだったにも拘わらず、生まれ故郷から去ったバーバラを責めるヴァイオレットは、薬を飲むために二階に向かう。

ヴァイオレットの言動が薬のせいだと言うバーバラは、以前にもあった騒ぎのことを蒸し返す。

自分が癌になった時は帰らなかったバーバラが、べヴァリーが失踪したら帰って来たことで悲しむヴァイオレットは、泣き出してしまう。

バーバラはヴァイオレットに謝罪し、父べヴァリーが、ボートで釣りと読書と酒を楽しんでいるだけだと言って慰める。

その頃、ボートで川に向かったべヴァリーは溺死する。

現れたデオン・ギルボー保安官(ウィル・コフィ)からべヴァリーの死を知らされたバーバラは、ビルと共に悲しむ。

起こされたヴァイオレットは薬を飲んでいたために、保安官が現れても事態を把握できない。

翌日、保安官に付き添われて、ビルとジーンと共に川に向かったバーバラは、べヴァリーの遺体を確認する。

べヴァリーの葬儀が行われ、三女のカレン(ジュリエット・ルイス)が、婚約者のスティーヴ・ハイデブレクト(ダーモット・マローニー)と共に教会に到着する。

葬儀が終り、カレンと車に乗ったバーバラは、スティーヴと結婚して新婚旅行に行くという話を聞かされる。

スティーヴのフェラーリで家に向かうビルは、町の酒屋に寄りワインを買う。

仕事の話などをスティーヴから聞いたジーンは、マリファナがあると言われる。

写真を見て話をしていたヴァイオレットとマティ・フェイは、付き合っている人がいると言うアヴィーをからかう。

食事の支度を始めたバーバラは、1925年版のカラー化された”オペラ座の怪人”をテレビで見たかったために、1日中、急いでいたジーンを非難する。

チャールズは、バスで到着する息子チャールズ“リトル・チャールズ(ベネディクト・カンバーバッチ)を迎えに行く。

遅れたことで父に謝罪するリトル・チャールズは、葬儀に参列できなかったことを後悔して涙する。

自分を失望させたと言うリトル・チャールズに、誰も気にしていないと伝えたチャールズは、息子を慰める。

ジーンのことで、親の役目を果たしていないと言ってビルを非難するバーバラは、彼と口論になる。

大学教授のビルが学生と浮気したことを責めるバーバラだったが、良い面も悪い面も合わせて愛しているが、我慢できない女だと言われる。

従弟ではあるが付き合っているリトル・チャールズを迎えたアイヴィーは、相手がいると話したため、そのことが話題になるかもしれないと伝える。

既に食事は始まり、家族の皆は、現れたリトル・チャールズを歓迎する。

マティ・フェイが作った料理を持参したリトル・チャールズだったが、それを床に落としてしまい、母に罵倒される。

呼ばれて食卓に着いたヴァイオレットは、上着を着ていない男性達を非難して、食事前のお祈りをさせる。

バーバラから新しい家長だと言われたチャールズが、意味不明なお祈りを始めたため、ヴァイオレットは呆れてしまう。

電話が入り席を外していたスティーヴが戻り、チャールズは、肉を食べないジーンから、それが動物の”恐怖だと言われたため、肉が入っていなければ料理ではないと伝えて彼女をからかう。

その場に相応しくない話を始めたヴァイオレットは、カレンから婚約者だと紹介されたスティーヴが3回の結婚歴があることを知り、彼に嫌みを言う。

”インディアンごっこ”と口にしたカレンに恥を知れと叱ったヴァイオレットは、”ネイティブ・アメリカン”だと言って、バーバラを気にしながら訂正させる。

様子がおかしいヴァイオレットが薬を飲んでいると考えたバーバラだったが、チャールズが異変を訴える。

デカい”恐怖”(肉)を食べたと言うチャールズは、皆を笑わせる。

べヴァリーの遺書のことを話し始めたヴァイオレットは、投資に成功した彼が財産を娘達に遺すことにしたものの、その後、考えた結果、全て自分が相続することを伝える。

娘三人はそれを了承し、家具などは持って行ってほしいことを伝えたヴァイオレットは、銀食器などはオークションで売るかもしれないと話す。

その前に自分が死ねばただでもらえると、ヴァイオレットはバーバラに言われる。

話題を変えたリトル・チャールズは、朗読した詩のことをビルに尋ねる。

別居のことをヴィオレットに訊かれたビルはそれを認め、彼女は、全てが気に入らないような口調で話し始める。

家族全員を攻撃する気かとバーバラに言われたヴァイオレットは、自分とべヴァリーが、子供時代からどんなに苦労して成長して結婚し家族を養ったか、その真実を話す。

自分も真実を話すと言って立ち上がったリトル・チャールズは、心配するアイヴィーから、ここではやめてほしいと言われる。

目覚ましをかけ忘れて葬儀に遅れてしまったのが真実だと言うリトル・チャールズは、皆に謝罪して席を外す。

動揺するアイヴィーは、リトル・チャールズを苦しめないでほしいとヴァイオレットに伝える。

それにも意見するヴァイオレットを薬物依存症だと言って罵るバーバラは、手にした薬を奪おうとして揉み合いになる。

取り乱すヴァイオレットから薬を奪ったバーバラは、以前と同じように薬を捜しだすことを皆に指示する。

その後バーバラは病院に向い、軽い認知症であり重病だと診断して大量に薬を処方したバーク医師(ニューウェル・アレクサンダー)を訴えると言って脅す。

病院から帰る途中、気分が悪いと言って車を降りたヴァイオレットが、夢遊病者のように野原を走り去ってしまい、バーバラはそれを追う。

家に着き、車の中でヴァイオレットに謝罪したバーバラは、何でも力になると伝えるが、一人で大丈夫だと母に言われる。

その夜、三姉妹は語り合い、リトル・チャールズとアイヴィーの話になり、従弟の彼とは子供を作ってはだめだとカレンは忠告する。

子宮頸癌で子宮摘出手術をしたたため、その心配はないと言うアイヴィーは、それを知らなかったバーバラとカレンを驚かせる。

家族の絆の話や疎遠気味だった関係で口論になった三人だったが、地元に残っていたアイヴィーが、リトル・チャールズと共にニューヨークに向かうことを知らされる。

計画があると話すアイヴィーに何をするのかと尋ねたバーバラは、自分には関係ないことだと言われる。

ヴァイオレットをどうするのか、残るのなら決断するようにとバーバラに伝えたアイヴィーは、自分を責められないはずだと付け加えて席を立つ。

家に戻ろうとした三人は、庭で涼んでいたヴァイオレットから、意地悪だった母親の話を聞く。

だから自分も意地が悪いと言うヴァイオレットに、それを否定するカレンは愛を伝える。

翌朝、目覚めたバーバラは、外の風景を見つめながら考えを巡らせる。

アイヴィーとテレビを見ていたリトル・チャールズは、食事の席で、付き合っていることを話したかったことを伝える。

負け犬ではないと言いたかったと語るリトル・チャールズに、自分のヒーローだと伝えたアイヴィーは、彼の作った歌を聴く。

リトル・チャールズに帰ることを伝えるマティ・フェイが、間抜けな息子に語りかけるような話し方をするため、憤慨したチャールズは妻を痛烈に非難する。

敬意をもって人に接することができないマティ・フェイとヴァイオレット姉妹が理解できないと言うチャールズは、大好きだった立派な男を埋葬した後にも拘らず息子を罵倒するのは、べヴァリーの思いを汚すことと同じだ伝えて嘆く。

結婚して38年、大切な時間を過ごした自分達だが、息子に対し寛大な気持ちになれないのなら、39年目はないとマティ・フェイに伝えたチャールズは家の外に出る。

立ち聞きしてしまったバーバラはマティ・フェイに謝罪し、アイヴィーとリトル・チャールズの関係に気づいた彼女から、その件を訊かれる。

それを認めたバーバラは、困難を乗り越えられる愛が二人にはあると伝える。

話は複雑だと言うマティ・フェイは、実は、リトル・チャールズはべヴァリーの子だと話し、異母姉弟だと知らされたバーバラはショックを受ける。

リトル・チャールズはアイヴィーの弟であり、そのことはチャールズも知らないと伝え、べヴァリーは承知していたと言うマティ・フェイは、遠い昔の過ちで償いはしたとバーバラに話す。

アイヴィーには話す気はないと言うマティ・フェイは、方法を見つけて二人を止めるようにとバーバラに伝える。

その夜、物音で目覚めたジョナは、ジーンにマリファナを吸わせて迫ろうとしているスティーヴをスコップで殴る。

騒ぎに気づいたバーバラは、ジョナから事情を聞いてスティーヴに言い寄る。

ビルとバーバラから何があったのかを訊かれたジーンは、マリファナを吸っただけと答え、大騒ぎしないでほしいと伝える。

まだ14歳だとビルに言われたジーンは、父親の相手と数歳しか違わないと口答えしたため、バーバラに殴られる。

ジーンは鳴きながら家に入り、ビルはバーバラの行為を非難する。

カレンと話をしようとしたバーバラだったが、何も聞こうとしないカレンはスティーヴと共にその場を去る。

ジーンを連れて翌朝コロラドに帰るとビルに言われたバーバラは、自分の元に戻る気はないのかと尋ねる。

分からないと答えたビルは、それが無理なことだと考えるバーバラから、理由は一生、分からないままだと言われて同意する。

翌朝、ビルとジーンは旅立ち、それを無言で見送ったバーバラは、現れたアイヴィーに皆帰ったことを伝える。

チャールズとの関係を止めるようアイヴィーに伝えたバーバラは食卓に着き、ヴァイオレットとアイヴィーを自分の指示に従わせようとする。

ヴァイオレットに無理矢理食事をさせようとしたバーバラは、母と話をしたいと言うアイヴィーの邪魔をする。

苛立ちながらリトル・チャールズと自分のことをヴァイオレットに話そうとしたアイヴィーだったが、姉と弟ということは知っていたと言われる。

驚くバーバラは、昔からべヴァリーとマティ・フェイの浮気は知っていたとヴァイオレットに言われる。

チャールズも気づいていたはずだと言われたバーバラは、薬のせいでヴァイオレットの言動がおかしいのか考える。

ヴァイオレットは、べヴァリーが30年以上もそのことで悩んでいたことも話し、アイヴィーは混乱する。

バーバラもその件を知っていたことに気づいたアイヴィーは、二人を罵倒してその場を去ろうとする。

マティ・フェイからこの件を聞いて守ろうとしたことを伝えたバーバラは、それでもリトル・チャールズと旅立つと言うアイヴィーを止めることはできなかった。

この件を知っていたのかをヴァイオレットに確認したバーバラは、べヴァリーが自分が知っていることに気づいていたため、優位な立場を選んだと言われ。

家を出たべヴァリーが、モーテルにいるという手紙を置いていったため、居場所を知っていたヴァイオレットは、貸金庫に行った後で電話をしたが遅かったことを話す。

父を自殺から救っていれば貸金庫に行く必要はなかったとバーバラから言われたヴァイオレットは、冷静でいれば違った行動もできたと答える。

べヴァリーが自殺した理由の一つは、自分がこの地に残らなかったからだとヴァイオレットに言われたバーバラは、自尊心のためだけに生きようとする母を見限り車でその場を去る。

誰もいなくなったためジョナの元に向かったヴァイオレットは、彼女に寄り添われながらべヴァリーのことを想う。

街道で一旦、車を止めて降りたバーバラは、再び車に乗り、ウィチタサライナデンバーまでの表示看板を確認しながら走り去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
8月、オクラホマパウハスカ
初期の口腔癌で闘病中の妻ヴァイオレット・ウェストンの夫で詩人のべヴァリーは、家政婦を雇い失踪してしまう。
次女アイヴィー、その叔母マティ・フェイと夫チャールズ、長女バーバラと夫ビル、その娘ジーンが、ヴァイオレットの元に向かう。
薬漬けで情緒不安定なヴァイオレットは、家族を歓迎するものの、その後、べヴァリーは川で溺死体で発見される。
三女のカレンと婚約者のスティーヴも到着して葬儀が行われ、家に戻り家族だけの食事が始り、遅れて来たマティ・フェイの息子リトル・チャールズも加わる。
べヴァリーの死を悼み思い出を語る場所のはずだったが、薬を飲んだヴァイオレットは、いつものような嫌みを言い始め、不穏な空気が流れる・・・。
__________

ピューリッツァー賞を獲得し絶賛された、トレイシー・レッツの舞台劇の映画化ということで話題になった。

ハリウッドを代表する実力派スター豪華競演や、「カンパニー・メン」(2010)で監督デビューした、ジョン・ウェルズの深い人間描写も注目の作品。

原作となる戯曲の”August: Osage County”はブラック・コメディなのだが、本作は、家族の愛憎を描くドラマである。

冒頭は闘病による薬のせいに思える主人公の言動は、どうやら元々の性格であることが分かり、それが理由とも言える、疎遠気味の娘達との関係が淡々と描かれる。
結局は何も解決に至らず家族は別々となり、長女の諦めとも思える涙ぐむ笑顔は、彼女にとっての幸せを掴む一歩となるのか・・・というシーンで終わる結末は深く考えさせられる。

その卓越した演技力は認めるのだが、うま過ぎるメリル・ストリープの、自分に酔いしれているような演技は、個人的にどうも好きになれない。
その彼女は、第86回アカデミー賞で本作でも主演女優賞にノミネートされた。
*助演女優賞(ジュリア・ロバーツ

主人公の母親の生き写しのような、気丈で自説を曲げない長女を好演するジュリア・ロバーツ、その夫ユアン・マクレガー、その娘アビゲイル・ブレスリン、主人公の義弟クリス・クーパーその妻のマーゴ・マーティンデイル、その息子ベネディクト・カンバーバッチ、彼と愛し合うものの姉弟と分かる次女のジュリアンヌ・ニコルソン、三女のジュリエット・ルイス、その婚約者ダーモット・マローニー、失踪する主人公の夫サム・シェパード、彼が雇う家政婦ミスティ・アッパム、保安官のウィル・コフィ、医師のニューウェル・アレクサンダーなどが共演している。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター