オーストラリア Australia (2008) 4/5 (2)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

ロミオ+ジュリエット」(1996)や「ムーラン・ルージュ」(2001)のオーストラリア人監督バズ・ラーマン(製作、脚本兼)が第二次大戦下の故国を舞台に、イギリス人貴族女性の冒険と戦いを描く、主演ニコール・キッドマンヒュー・ジャックマンデビッド・ウェナムジャック・トンプソンブライアン・ブラウン他共演のスペクタクル・ロマン大作。


ドラマ

ニコール・キッドマン / Nicole Kidman 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:バズ・ラーマン
製作
バズ・ラーマン

キャサリン・ナップマン
G・マック・ブラウン
脚本
バズ・ラーマン

ロナルド・ハーウッド
スチュアート・ビーティ
リチャード・フラナガン
撮影:マンディ・ウォーカー
編集:ドディ・ドーン
衣装デザイン:キャサリン・マーティン
音楽:デイヴィッド・ヒルシュフェルダー

出演
ニコール・キッドマン:レディ・サラ・アシュリー
ヒュー・ジャックマン:ドローヴァー
デビッド・ウェナム:ニール・フレッチャー
ジャック・トンプソン:キップリング・フリン
ブライアン・ブラウン:レスリー”キング”カーニー
エッシー・デイヴィス:キャサリン・カーニー
サンディー・ゴア:グロリア・カーニー
ブランドン・ウォルターズ:ナラ
デイヴィッド・ガルピリル:キング・ジョージ
ベン・メンデルソーン:ダットン大尉
デヴィッド・ングームブージャラ:マガリ
ジャセック・コーマン:アイヴァン
ウルスラ・ヨヴィッチ:デイジー

オーストラリア 映画
配給 20世紀FOX
2008年製作 165分
公開
北米:2008年11月26日
オーストラリア:2008年11月26日
日本:2009年2月28日
製作費 $130,000,000
北米興行収入 $49,554,002
世界 $211,282,098


アカデミー賞 ■

第81回アカデミー賞
・ノミネート
衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1939年9月。
第二次大戦が勃発し、イギリス貴族サラ・アッシュリー(ニコール・キッドマン)は、便りのない夫を呼び戻すため、単身、北オーストラリアダーウィンに向かう。

サラの夫は、彼女を、未開の土地ファラウェイ・ダウンズ(牧場)に送り届けるために、本名を明かさない牛追いの男ドローヴァー(ヒュー・ジャックマン)を雇い入れてあった。

1500頭の牛を飼育して軍に売却しようとしていたサラの夫は、妻の到着を待たずに殺されてしまう。

その頃、ファラウェイ・ダウンズの管理を任されていたニール・フレッチャー(デビッド・ウェナム)は、北部の牛を独占しようとする実業家レスリー”キング”カーニー(ブライアン・ブラウン)と手を組み、牧場を我が物にするために画策する。

そしてカーニーは、自分の牛を独占的に軍に売却しようとする。

ダーウィンに到着したサラは、酒場で揉めて乱闘となっていた、ドローヴァーと対面する。

ドローヴァーは、サラと彼女の大量の荷物をトラックに積み込み、義兄のマガリ(デヴィッド・ングームブージャラ)と共にファラウェイ・ダウンズに向かう。

粗野なドローヴァーらに戸惑うサラは、翌日、アル中の会計士キップリング・フリン(ジャック・トンプソン)を拾い先を急ぐ。

ファラウェイ・ダウンズに到着したサラは、夫の死を知らされてショックを受ける。

サラは葬儀を済ませ、夫を殺した犯人が現地のアボリジニで、魔術を使うキング・ジョージ(デイヴィッド・ガルピリル)だとフレッチャーから知らされる。

キング・ジョージの孫で、アボリジニと白人の混血児ナラ(ブランドン・ウォルターズ)は、サラがこの地にやって来た時から監視していた。

ある晩、サラの前に姿を現したナラは彼女に自己紹介し、フレッチャーが災いをもたらすことを伝える。

さらにナラは、ファラウェイ・ダウンズの牛が川を越えて、カーニーの土地に行ったことを話す。

翌日、それをフレッチャーに確かめたサラだったが、彼はそれを否定する。

サラは、それをナラに確かめようとするが、フレッチャーはナラの母デイジー(ウルスラ・ヨヴィッチ)を痛めつけて彼を脅す。

しかし、ナラはフレッチャーが嘘つきだと言って叫び、サラは、ナラにも危害を加えようとしたフレッチャーを、解雇してしまう。

その日から、ナラや召使い達は、サラのことを”ミセス・ボス”と呼ぶようになる。

サラはフリンから、ナラがフレッチャーの子だということを知らされる。

それが、カーニーの妻グロリア(サンディー・ゴア)に知れると、娘キャサリン(エッシー・デイヴィス)との結婚がなくなるという弱みを握っていることも、サラはフリンから聞かされる。

それを、然る可き筋に訴えようとするサラだったが、牛をダーウィンに運び軍に売りさばき、カーニーの鼻を明かして、牧場を立て直すべきだとフリンは助言する。

フレッチャーが去った後、牛を誰が追うかが問題になるが、そこに、野生馬を集めたドローヴァーが現れる。

サラは、フレッチャーが牛をカーニーの土地に運んだことをドローヴァーに知らせ、牛をダーウィンに移動させることへの協力を要請する。

カーニーにかなうわけがないと、それを断るドローヴァーだったが、サラが愛馬のサラブレッド”カプリコニア”の提供を申し出たため、彼はそれを一応は承諾する。

しかし、人手が足りないことが最大の問題で、マガリやナラの母デイジーなど召使いを含めた数人に加え、サラまでもが牛追いの練習を始める。

ナラとデイジーは、現れた当局から逃れるために、給水タンクに身を潜める。

しかし、デイジーはナラを助けようとして、溺死してしまう。

ドローヴァーに、ナラには母親が必要だと言われたサラは、失意の彼を慰めようとする。

ナラも、祖父のキング・ジョージと同じように自分も魔力を使えることをサラに伝える。

サラは、封切り間近の「オズの魔法使」の物語をナラに話して聞かせ、その主題歌”虹の彼方に”を口ずさみ、彼を慰める。

そして出発の日となり、アル中で残ると思われていたフリンも、酒を捨てて同行することになる。

一行が川を渡った頃、ファラウェイ・ダウンズの牛1500頭がダーウィンを目指していることが、カーニーとフレッチャーに伝わる。

順調な旅を続け野営をした一行の中で、ハーモニカが趣味のフリンが、ナラに”虹の彼方に”を吹いて聴かせる。

翌早朝、一行を追ってきたフレッチャーらの妨害に遭い、牛が渓谷で暴走してしまう。

フリンが牛の下敷きになり、ナラも谷に転落しそうになるが、キング・ジョージの魔力をナラが受け止め、牛の群れが崖から転落する寸前でそれを食い止める。

ドローヴァーは瀕死のフリンから、サラの夫が殺された槍の先端は、ガラスだったとナラが話したことを伝える。

ナラにハーモニカを渡すことと、裏帳簿に加担したことをサラに謝罪してくれと頼まれ、ドローヴァーはフリンの最後を見届ける。

キング・ジョージの槍の先端がガラスでないことを知っているドローヴァーは、証拠はないが、フレッチャーが犯人だろうとサラに告げる。

旅の間、サラとドローヴァーは惹かれあうようになり、貴族意識の高かったサラの、オーストラリアへの考えも変化し始める。

ドローヴァーは、かつてアボリジニの女性と結婚し、結核にかかった妻が病院で差別を受け、治療を拒否され死亡したことをサラに話す。

その後フレッチャーらは、ドローヴァーの進行ルートの水場に毒を入れ、再び彼らの妨害を企てる。

他の水場に向かうには、危険を伴う砂漠を渡る必要があり、ドローヴァーはそれを諦めようとする。

しかし、そこにキング・ジョージが現れ、一行を引き連れて水場に向かうが、ダーウィンでは、彼らが死亡したと伝えられる。

カーニーは軍との契約を済ませようとしていたが、そこに牛の大群とサラ、そしてドローヴァーが現れる。

サラは、カーニーより20%安く牛を売ることを軍の買い付け担当将校ダットン大尉(ベン・メンデルソーン)に伝え、双方の船への積み込み競争になる。

牛を先に積み込むことに成功したサラは、男専用の酒場で、その勇気を称えられて歓迎される。

サラは、ファラウェイ・ダウンズを売って帰国できることになり、ドローヴァーは、彼女の愛馬”カプリコニア”を手に入れる。

しかし、サラは夫の意志を継ぎファラウェイ・ダウンズを再建し、管理人をドローヴァーに任せようとする。

それに同意しないドローヴァーは、サラからの舞踏会への誘いも、アボリジニと同等に扱われているという理由で断ってしまう。

行き場のなくなったナラは、混血児と分からぬよう顔を墨で黒く塗り、封切りとなった「オズの魔法使」を観に行く。

その頃、慈善舞踏会も開かれ、カーニーが、500ポンドでサラと踊る権利を得る。

ナラや他のアボリジニのことが気がかりなサラは、 彼らの生活を保障するというカーニーの言葉を信じようとする。

しかし、そこにヒゲを剃りタキシードを着たドローヴァーが現れ、サラはカーニーにファラウェイ・ダウンズは売らないことを告げる。

そしてカーニーは、娘キャサリンの婿になる予定だったフレッチャーを見限る。

サラとドローヴァーは愛し合うようになり、雨季が訪れ彼女らはファラウェイ・ダウンズで幸福な生活を送っていた。

乾季が訪れるとドローヴァーは牛追いに出かけ、彼がそれから戻る頃、フレッチャーがカーニーを殺し、娘キャサリンと結婚してカーニーの牛の帝国を手中にする。

その後、フレッチャーは、ファラウェイ・ダウンズの売渡しを執拗にサラに迫る。

サラは、ナラがフレッチャーの子だとキャサリンに知らせると言い返す。

しかし、フレッチャーは動じることなくナラに危険が及ぶことをほのめかす。

ドローヴァーは再び軍から要請がきた牛を追い、半年間の旅に出ようとする。

ナラがキング・ジョージに誘われアボリジニの儀式”ウォーク・アバウト”で出かけてしまい、サラがナラを追い連れ戻そうとする。

しかし、ドローヴァーがそれに反対したため、サラは彼を突き放してしまう。

フレッチャーは当局を買収し、ナラとキング・ジョージを捕らえて監禁する。

日本軍が真珠湾を攻撃し、太平洋を南下してくることも確実となり、ダーウィンは警戒態勢に入る。

サラはナラを追ってダーウィンに向かうが、ナラを含めたアボリジニの子供達は、伝道のために島に送られてしまう。

白人の子供達と差別されるアボリジニの子供達の現状と、それを助けようとするサラの姿を見て、キャサリンは同情する。

フレッチャーは、そんなサラにつけこみ、ナラの危険を知らせ、再び土地の買収を持ちかける。

サラは、ダーウィンでキャサリンらと共に軍の通信士の仕事をしていたが、ナラのためにフレッチャーの申し出に同意することにする。

その頃、ドローヴァーは、ナラの危険をマガリに知らされ、サラの元に急ぐ。

やがて日本軍の爆撃が始まり、伝道所のある島が攻撃され、ダーウィンも大きな損害を受ける。

ダーウィンに到着したドローヴァーは、サラがその犠牲になったものと思い込む。

サラと思われた遺体はキャサリンで、ナラのことを案ずるサラは取り乱しそうになる。

ドローヴァーは、ナラも死んだと知らされるが諦めきれず、マガリと酒場の主人アイヴァン(ジャセック・コーマン)とで、密かに島に向かう。

そして、ドローヴァーらは、爆撃された島で、ナラを含めた子供達を発見して救出するが、マガリが犠牲になり日本兵に殺されてしまう。

フレッチャーは妻キャサリンの死で、全財産を失ったことを知る。

サラはダットン大尉と共に街を去ろうとするが、海上の深い霧の中のから、彼女がナラに教えた”虹の彼方に”のハーモニカのメロディが聞こえ、彼が生きていると確信して桟橋を走る。

そしてサラは、ナラや子供達を命がけで助けたドローヴァーと再会する。

サラは、ファラウェイ・ダウンズに戻り、ドローヴァー、そしてナラと再び暮らす決心をする。

絶望したフレッチャーは、自分を破滅させたナラに銃口をけるが、キング・ジョージの槍が彼を射抜く。

ファラウェイ・ダウンズに帰る途中、祖父キング・ジョージに呼び寄せられたナラは、サラに別れを告げて、先祖達の土地に戻って行く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

太平洋戦争勃発前、北オーストラリアで牧場を営む夫を訪ねたイギリス人貴族女性サラ・アッシュリーは、案内人ドローヴァーと共に牧場に向かう。
しかし、夫の死を知り愕然とするサラは、白人とアボリジニとの混血児ナラから、管理人であるフレッチャーの不穏な動きを知らされる。
フレッチャーを解雇し、彼がナラの父親だと知ったサラは、北部の牛を独占しようとするカーニーが裏で動いていることを察知し、夫の牛をダーウィンで軍に売り対抗しようとする。
ドローヴァーやアボリジニ、そしてナラの祖父、魔術師のキング・ジョージらの協力で、 サラは妨害に遭いながらもダーウィンを目指す・・・。
___________

貴族意識の高いイギリス人女性と、北オーストラリアの大自然や、先住民アボリジニの生活に溶け込んでいる男との出会いとロマン、女性の心の変化と母性の目覚め、平行して太平洋戦争勃発前夜から開戦直後のダーウィンを舞台に繰り広げられる、戦争の悲劇も克明に描かれている作品。

制作費1億3000万ドルという巨費を投じ、CGを駆使した迫力ある場面や戦闘シーンは見応えはある。

バズ・ラーマンの妻で、「ムーラン・ルージュ」(2001)でアカデミー賞(衣装デザイン)を受賞し、本作でも同賞にノミネートされたキャサリン・マーティンの、ニコール・キッドマンの心の変化と共にイメージも変わっていく衣装は素晴らしい。

しかし、広大な国土を表現したい気持ちは分かるが、アメリカの地形などを思わせるロケにあまり新鮮味はない。
度々登場する、「オズの魔法使」(1939)をモチーフにして、「風と共に去りぬ」(1939)を意識したかのように思える作風も、押し付けがましい。

コメディタッチで始まる、冒頭の「クロコダイル・ダンディー」(1986)の主人公を思わせるヒュー・ジャックマンの登場場面も今一だ。

全世界では約2億1100万ドルの興行収入を上げたが、北米では5000万ドル弱に終わり、アメリカ人には受け入れられない結果に終わった。

オーストラリア生まれではないが、幼い時に移住し育っているラッセル・クロウニコール・キッドマンがキャスティング交渉に入ったが、R・クロウは降ろされ、生粋のオーストラリア人のヒュー・ジャックマンの出演が決まった。

R・クロウの奥深い演技も見てみたかった気はするがが、ヒロインのニコール・キッドマンの背が高過ぎて、彼より一回り体格のいいヒュー・ジャックマンでなくては、釣り合いが取れなかったのかもしれない。

ニコール・キッドマンは妊娠中にも拘らず、かなりのアクション・シーンを無難にこなし、本作に賭ける意欲が窺える。

野性的なヒーローだが暗い過去を持つ、ヒュー・ジャックマンの男臭い魅力は、鍛え上げた肉体と共に壮大なドラマを支えている。

血なまぐさい土地の奪い合いの黒幕役デビッド・ウェナム、飲んだくれの会計士ジャック・トンプソン、牛の帝国の支配者ブライアン・ブラウン、その娘で、偏見もなく心優しいエッシー・デイヴィス、その母親サンディー・ゴアアボリジニとの混血少年ブランドン・ウォルターズ、その祖父で魔術使い役デイヴィッド・ガルピリル、主人公達を擁護する群の大尉ベン・メンデルソーン、ドローヴァー(H・ジャックマン)の義兄デヴィッド・ングームブージャラ、ホテルと酒場の主人ジャセック・コーマンなどが共演している。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター