バートン・フィンク Barton Fink (1991) 3.96/5 (26)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
 ★★★★

ニューヨークの売れっ子劇作家が、気が進まないままにハリウッドに招かれ、その土地や人々に順応できずに脚本のアイデアも浮かばず、やがて大事件に巻き込まれてしまうという、コーエン兄弟らしいコーエン兄弟らしい演出が光る、ジョン・タトゥーロジョン・グッドマンジュディ・デイヴィススティーヴ・ブシェミら個性派スター競演のスリラー・コメディ。


スリラー/ホラー

コーエン兄弟 / Joel Coen, Ethan Coen 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ジョエル・コーエン

製作:イーサン・コーエン
脚本
ジョエル・コーエン
イーサン・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ロデリック・ジェインズ
美術・装置
デニス・ガズナー
ナンシー・ヘイ
衣装デザイン:リチャード・ホーナング
音楽:カーター・バーウェル

出演
ジョン・タトゥーロ:バートン・フィンク
ジョン・グッドマン:チャーリー・メドウズ
ジュディ・デイヴィス:オードリー・テイラー
マイケル・ラーナー:ジャック・リップニック
ジョン・マホーニー:W・P・メイヒュー
トニー・シャルーブ:ベン・ガイズラー
ジョン・ポリト:ルー・ブリーズ
スティーヴ・ブシェミ:チェット
リチャード・ポートナウ:マストロナディ刑事

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1991年製作 116分
公開
北米:1991年8月21日
日本:1992年3月
製作費 $9,000,000
北米興行収入 $6,153,939


アカデミー賞 ■
第64回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(マイケル・ラーナー)
美術・衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1941年、ニューヨーク
劇作家バートン・フィンク(
ジョン・タトゥーロ)は、新作の舞台を成功させ、ハリウッドのキャピトル映画から誘いを受ける。

バートンはニューヨークを離れたくない気持ちが強かったものの、結局は迷った末にハリウッド行きを決意する。

ロサンゼルスに着いたバートンは、あるホテルに宿泊することに決め、風変わりなフロント係チェット(スティーヴ・ブシェミ)に迎えられる。

翌日、キャピトル映画社長ジャック・リップニック(マイケル・ラーナー)は、バートンに、ウォーレス・ビアリー主演のレスリング映画の脚本の仕事を与える。

蚊が飛び壁紙が剥がれ落ちる薄汚いホテルで、執筆を始めたバートンは、暑さや隣の部屋の物音が気になり、フロントのチェットに苦情を言う。

その直後に、隣の部屋の客チャーリー・メドウズ(ジョン・グッドマン)がバートンの前に現れ、言いがかりをつけようとするが、誤解が解けた2人は酒を酌み交わすことになる。

保険の外交員というチャーリーに、バートンは作家としての信念を力説する。

プロデューサーのベン・ガイズラー(トニー・シャルーブ)の元に向かったバートンは、ビアリーの新作など作る気がないことを彼から告げられる。

ガイズラーとランチをすることになったバートンは、脚本を書き始めることが出来ない悩みを彼に打ち明け、同業者に意見を聞けとの助言を受ける。

そんな時、自分が尊敬している作家W・P・メイヒュー(ジョン・マホーニー)に、偶然トイレで出会ったバートンは、その日の夕方、彼のオフィスに呼ばれる。

メイヒューの恋人兼秘書のオードリー・テイラー(ジュディ・デイヴィス)に迎えられたバートンだったが、あいにくその日は、彼の都合が悪くなる。

メイヒューとオードリーとで、ピクニックに出かけたバートンは、アルコール依存症のメイヒューが、オードリーに辛く当たるのを見て憤慨する。

しかし、オードリーは妻のことで心を病んでいるメイヒューに同情する。

ガイズラーは、相変わらず脚本が書けないバートンを見かねて、彼にレスリング映画を見せようとする。

製作中のレスリング映画のラッシュを見たバートンだったが、アイデアは全く浮かないまま、社長リップニックとの、翌朝の面会を前に焦ってしまう。

仕方なくオードリーを呼び出し、助けを求めたバートンは、メイヒューの本の仕上げを書いたのが彼女だと知り驚いてしまうが、やがて2人は愛し合ってしまう。

翌朝バートンは、自分の横で眠っているオードリーが、惨殺されているのに気づき、チャーリーに相談する。

チャーリーはオードリーの死体を片付け、何もなかったことにするよう、動揺するバートンをなだめる。

全くアイデアが浮かばないまま、リップニック邸に向かったバートンは、中途半端な内容でストーリーを口にするのは苦手だと言って話をはぐらかす。

しかし、元重役で、今では使用人のようにリップニックに使われているルー・ブリーズ(ジョン・ポリト)が、業界の草分けであるリップニックの指示に従うようバートンに忠告する。

リップニックはバートンの意見を尊重し、ルーを罵倒してクビにしてしまい、彼の無礼に代わり謝罪までする。

ホテルに帰ったバートンは、仕事で一旦ニューヨークに行くというチャーリーから、ある箱包みを預かる。

チャーリーが旅立った後、心細さと情けなさで、バートンは泣き崩れてしまう。

そんな時、バートンを市警のマストロナディ刑事(リチャード・ポートナウ)が訪ねてくる。

マストロナディは、チャーリーは本名を”カール・ムント”と言って、悪名高き殺人犯だとバートンに告げる。

部屋に戻ったバートンは、突然タイプを打ち始め、”大男”という題名の大作を完成させる。

ようやく気が晴れたバートンは、ダンスホールで羽目を外しホテルに戻る。

部屋にはマストロナディらが待ち構え、メイヒューも殺されたことを知らせ、全てがバートンにムント(チャーリー)の手口だということを伝える。

共犯者にされたバートンだが、情報を提供すれば情状酌量するとマストロナディに言われていたところにムントが戻った気配を感じる。

ホテルに火を放ったムントは、マストロナディらをショットガンで射殺する。

ムントは、ホテルは自分の家だと言いながら、手錠でつながれたバートンを解放し自分の部屋に戻る。

バートンは、それを見ながら脚本と”箱”を持ってホテルを立ち去る。

ニューヨークの自分の伯父に会って来たと言ったムントの言葉を気にしながら、バートンはリップニックの元に向かう。

バートンの脚本が気に入らないリップニックは、激怒してそれを没とし、彼をクビにせず契約脚本家として扱き使うと言い放つ。

ムントから預かった”箱”を抱えて浜辺を歩くバートンは、ホテルの壁にかかっていた写真と、見間違うような美女を見かける。

彼女と軽く言葉を交わしたバートンは、そのポーズまで壁の写真と同じ彼女を見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1941年、ニューヨーク
劇作家バートン・フィンクは、新作の舞台を成功させ、
ハリウッドのキャピトル映画から誘いを受ける。
ロサンゼルスに着いたバートンは、社長のリップニックから、”ウォーレス・ビアリー”主演作の脚本を任せられる。
バートンは、薄気味悪いホテルの部屋で、早速、仕事を始めるが、隣の部屋の物音が気になり、フロント係チェットに苦情を言う。
直後に、隣の部屋から保険の外交員である大男チャーリーが現れ、誤解が解けた2人は意気投合するのだが・・・。
__________

中盤までは、ハリウッドの雰囲気や環境に馴染めない、頼りない主人公をコメディ・タッチで描き、殺人事件が起きてからは、突然、ミステリー・スリラーのように変貌してしまう、コーエン兄弟独特の世界が展開する、彼らの作品中でもかなり評価の高い作品。

第64回アカデミー賞では、助演男優(マイケル・ラーナー)美術、衣装デザイン賞にノミネートされた。

1991年度カンヌ国際映画祭では、パルム・ドール、監督、男優賞と史上初めて3冠を獲得した作品。

ただ鬱陶しいだけのゴミのような蚊を、主人公が一夜を共にした女性の美しい背中で退治した瞬間に、その女性が血まみれの惨殺体へと変わるショッキングな映像、殺人鬼の手口として再三話の中で登場する、”首のない遺体”と謎の”箱”の中身の関係、映画会社に飼い殺しを宣告され、気分を晴らすために訪れる浜辺で、その”箱”を抱えながら美女及び美しい海を眺め、癒される気分になっていく主人公、そして、それをスクリーン上で見
つめる我々観客目線を意識した、非情さ、残酷、安らぎ、全てをワンショットで収めたラストシーンは衝撃的でもある。

暑さだということで剥がれ落ちてくる、壁紙で表現する、不気味さや薄気味の悪さが、実に効果的に使われているのも印象に残る。
(美術・セットの素晴らしさ)

コーエン兄弟のデビュー作である「ブラッド・シンプル」(1985)から、全ての作品の音楽を担当するカーター・バーウェルバリー・ソネンフェルドの監督業が忙しくなり交代した、撮影のロジャー・ディーキンスも、本作から兄弟作品殆どを手がけている。

コーエン兄弟作品の常連として、キャリア最高といっていい熱演を見せる主演のジョン・タトゥーロ、同じくジョン・グッドマンも、凶暴な殺人犯(クライマックスまでは保険屋)を好演している。

とんでもない殺され方と、その首がどうなったのか、ラストまでどうしても気になるジュディ・デイヴィス、登場場面はそれほど多くはないが、映画会社の傲慢なワンマン社長を怪演するマイケル・ラーナー、アル中の元大作家ジョン・マホーニー、プロデューサー、トニー・シャルーブ、そしてこちらもコーエン兄弟作品には欠かせない、ジョン・ポリトスティーヴ・ブシェミの登場も、ファンには嬉しいばかりだ。


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