ブラック・レイン Black Rain (1989) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

ニューヨークで犯罪を犯した日本人の送還に同行した刑事の、日本の暴力組織の陰謀に巻き込まれながらの捜査を描く、監督リドリー・スコット、主演マイケル・ダグラスアンディ・ガルシア高倉健ケイト・キャプショー松田優作他共演の犯罪アクション。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:リドリー・スコット
製作総指揮
クレイグ・ボロティン

ジュリー・カーカム
製作
スタンリー・R・ジャッフェ

シェリー・ランシング
脚本
クレイグ・ボロティン

ウォーレン・ルイス
撮影:ヤン・デ・ボン
編集:トム・ロルフ
音楽:ハンス・ジマー

出演
ニック・コンクリン:マイケル・ダグラス

チャーリー・ビンセント:アンディ・ガルシア
松本正博警部補:高倉健
ジョイス・キングズレイ:ケイト・キャプショー
佐藤浩史:松田優作
オリヴァー:ジョン・スペンサー
菅井国雄:若山富三郎
大橋警視:神山繁
片山:ガッツ石松
ミユキ:小野みゆき
梨田:内田裕也
吉本:國村隼
用心棒:安岡力也
用心棒:島木譲二
フランキー:ルイス・ガスマン

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1989年製作 126分
公開
北米:1989年9月22日
日本:1989年10月
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $45,645,204
世界 $134,212,055


アカデミー賞 ■

第62回アカデミー賞
・ノミネート
録音・音響編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

容疑者逮捕時の押収金横領を疑われている、ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリン(マイケル・ダグラス)は、同僚のチャーリー・ビンセント(アンディ・ガルシア)とレストランで待ち合わせる。

客の中にマフィア達が居るのに気づいたニックは、それを警戒しながら自分の疑惑についての愚痴をこぼす。

そこに日本人の2人組、佐藤浩史(松田優作)らが武装して現れ、マフィア達を襲い逃走する。

それを追ったニックとチャーリーは佐藤を逮捕し、裁きにかけようとする。

しかし、ニックは上司オリヴァー(ジョン・スペンサー)から、佐藤が国務省の命令で日本に送還されることを聞かされ、チャーリーと共に、それに同行するよう命ぜられる。

大阪空港に降り立ったニックらは、大阪府警の梨田(内田裕也)や片山(ガッツ石松)の出迎えを受けて、佐藤を引き渡す。

しかし、梨田と片山は佐藤の手下で、彼は空港から易々と逃亡する。

大阪府警に連れて行かれ、言葉も通じず対応に苦労するニックとチャーリーは、銃を預けるという条件で、刑事部長の大橋警視(神山繁)から、佐藤捜索の許可を得る。

大橋警視は、犯罪捜査課の松本正博警部補(高倉健)を2人につけて行動を監視させる。

そんな時、高級クラブ”ミヤコ”で殺人事件が起き、現場に向かったニックとチャーリーは、被害者が空港のニセ警官だということに気づく。

アメリカ人ホステス、ジョイス・キングズレイ(ケイト・キャプショー)から、事情を聞こうとしたニックだったが、佐藤の怖さを知っている者達は何も話さないと言われる。

しかしニックは、佐藤が元ボスの菅井国雄(若山富三郎)と揉めていることを突き止める。

そしてニックは、佐藤の事務所のガサ入れに同行し、空港のニセ警官、片山を見つけ、佐藤がこの場に居たことを確信する。

”クラブ・ミヤコ”の死体の口の中と、佐藤の事務所にあったドル紙幣に目を留めたニックは、それが偽札だということを知る。

ニックがドル紙幣を盗むのを見ていた松本は、ニューヨークの上司オリヴァーから、彼の疑惑を聞き見限ろうとする。

そんな松本と大橋警視に、ニックはドル紙幣が偽札であることを証明して見せ、ニューヨークで佐藤が奪った箱には、偽札の原版が入っていた可能性があることを伝える。

ニックはジョイスに協力を要請するが、日本の社会や仕来りの複雑さを知る彼女は、それを頑なに拒む。

”ミヤコ”で松本と羽目を外しご機嫌なチャーリーだったが、ホテルへの帰り道に佐藤に誘き出され、ニックの目の前で殺されてしまう。

杓子定規な行動で、ニックに嫌味を言われていた松本は、チャーリーの死をきっかけに彼の捜査に協力し始め、遺品であるチャーリーの銃を彼に渡す。

佐藤への復讐に燃えるニックは、彼の事務所を再度訪れて手がかりを探そうとする。

そして、事務所にあった”スパンコール”から、”ミヤコ”のホステス、ミユキ(小野みゆき)が着ていた衣装を思い出し、ニックは彼女を追跡する。

市場の向かいの建物に入ったミユキを見張っていたニックは、松本から押収金疑惑のことを聞かれ、それを子供の養育費などに使うために、受け取ったことを認める。

松本は、それが正しくないことだとはっきりニックに伝える。

夜が明け、銀行の貸し金庫に向かったミユキは、ドル紙幣を取り出し、変装して銀行を出る。

ミユキを追っていたニックは、佐藤の手下の梨田が現れて、彼女から何かを受け取ったのに気づき、松本とそれを追う。

梨田を追ったニックと松本は、佐藤と菅井の、偽札原版の取引現場である、製鉄所内の事務所を見つける。

佐藤は菅井に原版を渡そうとせず、他の”親分”と同格の地位を要求し取引は物別れに終わる。

その場を立ち去ろうとした佐藤に、ニックは発砲して追跡するが、到着した警官隊に取り押さえられてしまう。

強制帰国させられることになったニックは、警察の目を逃れて飛行機から脱出し、松本の元に向かう。

ニックの件で停職処分になった松本は、彼への協力を断ってしまう。

ジョイスの協力で、菅井に接触したニックは、彼の屋敷に招かれる。

菅井は、今回の偽札の一件は、かつてアメリカから戦争で受けた仕打ちと、その後に価値観を押し付けられたことに対する仕返しだということをニックに告げる。

ニックは、菅井が煙たがる佐藤を、この国とは関係ない自分が、始末することを約束する。

菅井はそれを承知し、”親分”4人と佐藤が顔を合わせる会合の場に、ニックを連れて行き銃を渡す。

ニックの言葉に心を動かされた松本が現場に現れ、彼を援護しようとする。

佐藤の到着で会合は始まり、彼は”親分”達の前で今回の騒ぎのけじめをつけ、指を詰める。

その頃、佐藤の手下が周辺を征圧し始め、それをニックと松本は警戒する。

菅井は、改めて杯を交わすため佐藤を自分の席に呼び寄せるが、佐藤は裏切り菅井の手の甲に短刀を突き刺す。

その瞬間、ニックの銃は火を噴き、銃撃戦が始まる。

佐藤はバイクでその場を逃亡し、ニックもそれを追う。

2人は格闘になるがニックは佐藤を殺さず、松本と共に彼を府警に連行する。

ニックと松本は事件解決により汚名を返上し、表彰を受ける。

今回の件で、協力してくれたジョイスに礼を言ったニックは、松本にも感謝の印にYシャツを贈る。

偽札の原版が見つかっていないことで、松本はニックを疑うが、Yシャツの箱にその原版が入っていた。

松本は、帰国するニックに声をかけ、ニックもそれに笑顔で応える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

容疑者逮捕時の押収金横領を疑われている、ニューヨーク市警の刑事ニック・コンクリンは、相棒チャーリーと共に、日本のヤクザ佐藤が、マフィア達を襲撃する現場に居合わせる。
それを追ったニックとチャーリーは佐藤を逮捕するが、国務省の命令で彼が日本に送還されることになり、2人はそれに同行することになる。
しかし、大阪に着いたニックらは、警官に扮した佐藤の手下に彼を引き渡してしまう。
佐藤は難なく逃亡してしまい、その後、言葉も通じないままに苦労するニックとチャーリーは、銃を預けるという条件で捜査の許可を得る。
大阪府警側は、2人に犯罪捜査課の松本警部補を監視役で付け、行動を監視する。
やがて、佐藤が、ニューヨークで偽札の原版を手に入れた可能性を知ったニックとチャーリーに、魔の手が忍び寄る・・・。
__________

バブルの絶頂期、経済や文化までをアメリカ国民から奪う勢いの日本に対し、日本人からすると常識外れな”アウトロー刑事”が、アメリカから現れてプライドをかけ戦う姿は実に頼もしい。

平民には”機械を作って築いた平和を壊すな”と、闇組織のボスからは”戦後アメリカに押し付けられた価値観で、義理人情が失われた”と怒りを露にされる主人公は、当然のごとくそれに対し、あくまで自分流を貫く、いかにもアメリカ人らしい人物像に描かれている。

”機械で平和を・・・”に対し、主人公が発する”新しい考えを持つものを押しつぶそうとする”という言葉が、公開当時に日本人の心に刺激を与えたはずなのだが、現在の日本社会のあらゆるところで、未だにそれが言われ続けているのも現実だ。

非協力的だった日本側の対応に手こずりながらも、その描写が異様に思える作品が多い中で、リドリー・スコットらしさを出しつつ、日本社会をまずまずまともに表現した作品でもある。

ややオーバーな演出を公言しているリドリー・スコットだが、日本ではないと分かるシーンも、違和感なく見ていられる。

撮影は、後に監督に転進するヤン・デ・ボン、音楽はハンス・ジマーが担当している。

第62回アカデミー賞では、録音、音響編集賞にノミネートされた。

北米での興行収入は製作費(3000万ドル)をやや上回る程度だったが、全世界では約1億3400万ドルのヒットとなった。

フレンチ・コネクション2」(1975)のジーン・ハックマンを髣髴させる、はぐれ刑事を演ずるマイケル・ダグラスの、強引でエネルギッシュ、野性味溢れる逞しさは、”アメリカ人らさ”がよく出ている。

堅物の日本人という設定なので仕方がないが、マイケル・ダグラスより13歳も年上の高倉健の、遠慮し過ぎと言える演技は好感が持てない。
ハリウッド側の、超一流のスタッフやキャストに釣り合う俳優がいないとはいえ、高倉健にはもう少し威厳のある役を演じて欲しかった。

気のいい陽気な若手刑事を演ずるアンディ・ガルシアは、殺され方が衝撃的であり、組織の大ボスの若山富三郎の演技は迫力がある。

実験を握ろうとする破天荒な組織員松田優作、日本滞在のホステス役でケイト・キャプショー、主人公の上司ジョン・スペンサー、主人公の同僚ルイス・ガスマンが端役で登場する。


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