ブラック・スワン Black Swan (2010) 4.08/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

脚本も兼ねたアンドレス・ハインツの原案を基に、”白鳥の湖”の主役となったバレリーナが、”ブラック・スワン”と”ホワイト”の対照的な役を演ずるプレッシャーにより精神的に追い詰められていく姿を描く、監督ダーレン・アロノフスキー、主演は見事にオスカーを受賞したナタリー・ポートマンヴァンサン・カッセルミラ・クニスバーバラ・ハーシーウィノナ・ライダー他共演による衝撃のサイコ・スリラー。


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■

監督:ダーレン・アロノフスキー
製作総指揮
ジョン・アヴネット

ブラッド・フィッシャー
ピーター・フラックマン
アリ・ハンデル

ジェニファー・ロス
リック・シュウォルツ

タイラー・トンプソン
デヴィッド・スウェイツ

製作
スコット・フランクリン
マイク・メダヴォイ

アーノルド・メッサー
ブライアン・オリヴァー

原案:アンドレス・ハインツ
脚本
マーク・ヘイマン

アンドレス・ハインツ
ジョン・J・マクローリン
撮影:マシュー・リバティーク

編集:アンドリュー・ワイスブラム
音楽
クリント・マンセル

ピョートル・チャイコフスキー白鳥の湖

出演
ニナ・セイヤーズ:ナタリー・ポートマン
トマ・ルロワ:ヴァンサン・カッセル
リリー:ミラ・クニス
エリカ・セイヤーズ:バーバラ・ハーシー
ベス・マッキンタイア:ウィノナ・ライダー
デヴィッド・モレー:ベンジャミン・ミルピエ
ヴェロニカ:クセニア・ソロ
ガリナ:クリスティーナ・アナパウ
アンドリュー:セバスチャン・スタン
トム:トビー・ヘミングウェイ

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ

2010年製作 108分
公開
北米:2010年12月3日
日本:2011年5月13日
製作費 $13,000,000
北米興行収入 $106,954,678
世界 $329,398,046


アカデミー賞 ■

第83回アカデミー賞
・受賞
主演女優賞(ナタリー・ポートマン)
・ノミネート
作品・監督・撮影・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するニナ・セイヤーズ(ナタリー・ポートマン)は、背中にできた傷を気にすることもなく、今日も母エリカ(バーバラ・ハーシー)に送り出される。

フランス人演出家トマ・ルロワ(ヴァンサン・カッセル)は、今シーズンを、”白鳥の湖”でスタートさせることを告げ、ニナは”スワン・クイーン”の候補に選ばれる。

その後ニナは、楽屋で荒れているベテランのプリマドンナ、ベス・マッキンタイア(ウィノナ・ライダー)が、主役を下ろされたことを知る。

オーディションは始まり、トマは、生真面目で気弱なニナが、邪悪な”ブラック・スワン”を演じられるかを試すものの満足いかない。

それにショックを受けるニナは、サンフランシスコから来たリリー(ミラ・クニス)の存在を気にしながらの帰り道、すれ違った女性が自分に見える。

帰宅したニナは、母エリカの前で涙し、彼女に慰められながら眠りにつく。

翌日、ベスの楽屋から盗んだ口紅をつけ、トマに自信があることを告げたニナだったが、既に役はヴェロニカ(クセニア・ソロ)に決まったことを知らされる。

それを聞き諦め引き上げようとしたニナに、トマは、”ブラック・スワン”を踊れる激しい感情表現が、彼女にはできないことを率直に指摘する。

尚も踊れると言うニナに対し、トマスは強引にキスをするが、彼女に唇を噛まれてしまう。

そしてキャストの発表となり、ニナはヴェロニカを祝福しその場を去ろうとする。

しかし、発表を見て苛立つヴェロニカに、嫌味を言われたニナは、自分が”スワン・クイーン”に選ばれたことを知る。

仲間達に祝福され、いち早く、母エリカにそれを知らせたニナは、独り喜びを噛み締めるが、それを妬む落書きも見つける。

帰宅したニナは、背中の傷から出血しているのに驚くが、お祝いのケーキを持参して戻ったエリカと喜び合う。

エリカは、ダイエットしているニナに、今日だけはと言ってケーキを切り分けようとする。

しかしニナはそれを遠慮してしまい、気分を害したエリカがそれを捨てようとしたため、ニナは母に謝罪する。

シーズン開幕のレセプションで、トマはベスの引退と開幕の主役ニナを紹介する。

爪から出血していることに気づいたニナは、トイレで指の皮膚をはがすが、次の瞬間それは元に戻っていた。

その後、ベスに嫌味を言われたニナは、トマの家で男性経験などを聞かれ、役を演じるために、性的な喜びを知る必要があると指摘され家に帰るよう言われる。

帰宅したニナは、背中のジンマシンを爪でかいたことをエリカに知られ、彼女に無理矢理爪を切られてしまう。

翌日、ベスが車に飛び込み、重傷を負ったことを知りショックを受けたニナは、病院の彼女を見舞い、その傷を見て驚いてしまう。

稽古は続くものの、ニナの踊りに満足できないトマは、自分が彼女の相手をする。

結局トマは、踊りの中で自分がニナを誘惑してしまい、それではその役にはならないと言って立ち去ってしまう。

リリーには、トマに好意を寄せているとからかわれ、その後ニナは、再び幻覚のようなものを見てしまう。

自分が苦しんで泣いていたことを、リリーがトマに話したと知ったニナは、彼女に不満をぶつける。

母エリカにも、トマの女癖の悪さなどを知らされ、警戒するよう言われ、ダンサーだった自分が、この世界を諦めた同じ過ちを犯さぬよう忠告される。

その後、リリーがニナに謝罪しに現われ、彼女はエリカが引き止めるのも聞かずに出かけてしまう。

ニナは、セックスの話やドラッグを試す奔放なリリーの言動に戸惑いながら、ドラッグ入りとは知らずに、彼女に誘われ酒などを飲んでしまう。

帰宅したニナは、エリカに行動を非難されながらそれに逆らい、部屋に招き入れたリリーと、そして自分と愛し合う幻覚を見ながら一夜を過ごす。

翌朝、寝過ごしてしまったニナは、稽古でリリーが”スワン・クイーン”を演じていることに驚いてしまう。

リリーは、トマに踊れと言われただけだと弁解し、部屋には泊まっていないことをニナに伝える。

舞台稽古が始まり、リリーが代役だと知ったニナは、それについてトマに意見し、彼女が自分を傷つけようとしていると伝える。

初日を明日に控え、トマに休むように言われたニナは、その後も稽古を続ける。

独りになったニナは、自分とトマが愛し合っている幻覚を見てしまいその場から逃げ去る。

ニナはベスの元に向かい、彼女から盗んだものを返し、役を取られそうな不安を彼女に訴える。

その場で再び幻覚を見てしまったニナは、帰宅した後もそれに悩まされ、エリカを痛めつけて気を失ってしまう。

翌日、目覚めたニナは、引き止めるエリカを振り払い初日を迎えようとしている会場に向かう。

リリーが踊ると言うトマに、自分の役だと言い放ったニナは舞台に向かうものの転倒してしまう。

楽屋に戻ったニナは、その場にいたリリーが”ブラック・スワン”を演ずると言い出したため、幻覚を見ながら争いになり、割れた鏡で彼女を殺してしまう。

邪悪な心が宿ったニナは、”ブラック・スワン”に成り切って踊り終え、観客から喝采を受ける。

トマに駆け寄ったニナはキスし、彼も興奮を隠せないでいた。

ニナは楽屋で、死体からの出血を隠し最後の出番に備えるが、そこに彼女の踊りを絶賛するリリーが現われる。

死体がないことを確認したニナは、自分の腹部に鏡の破片が刺さっているのに気づく。

そして、全てを踊り終えたニナは、周囲の人々やトマから賞賛される。

ニナの傷に気づいたトマは救急車を呼ぶが、ニナは、”感じたわ、完璧だと”とつぶやく。

鳴り止むことのない歓声を聞きながら、ニナの意識は薄らいでゆく・・・。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するニナ・セイヤーズは、自分の夢が果たせずに、それの実現のため娘を溺愛する母エリカと暮らしていた。
新シーズンを迎え、オープニングが”白鳥の湖”と決まり、衰えが隠せないベテランのプリマドンナ、ベスに代わる”スワン・クイーン”の選考が始まる。
演出家トマは、才能はあるが気弱で感情表現に乏しいニナを主役にするかを迷う。
トマは、ニナの不足した面を補おうと巧みに牽制し、そして彼女を”スワン・クイーン”に選ぶ。
しかしニナは、その大役のプレッシャーと新たに加入したリリーの存在を気にしながら、不安を抱えて稽古を続ける。
そんなニナは、必要以上に自分に期待をかける、母エリカとの関係などにも悩み追い詰めら、幻覚や妄想に襲われ、精神的限界に達してしまう・・・。
__________

バレリーナが怯える恐怖が、殺人鬼などの外的な攻撃に対してでなはく、役に対する自分の才能の欠陥によるプレッシャー、ライバルへの不信感が原因だったという、文字で書くと平凡に思える物語が、予想もしないショットの連続により観る者を恐怖に陥れ画面に引き込まれていく。

脚本よりも、細かなカットでその展開を巧みに映し出す編集が素晴らしく、ダーレン・アロノフスキーの、バレエのストーリーと主人公の運命が一体化するクライマックスの演出などは圧巻だ。

室内撮影が殆どの中で、本物を映し出す丁寧なカメラワークも素晴らしい。

第83回アカデミー賞では、主演女優賞(ナタリー・
ポートマン
)を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・撮影・編集賞

1300万ドルの製作費でありながら、興行収入は北米のみで1億ドルを突破し、全世界では約3億2900万ドルの大ヒットとなり、観客、批評家などから高い評価を受けた。

ダンス・ダブルの論争で話題にもなった、主演のナタリー・ポートマンは、1年の集中トレーニングを受けて挑んだ役者魂を感じる意欲作でもある。
1年で、トップダンサーになれないことは言うまでもないが、そんなことをとやかくいう議論が必要ではないことを証明した彼女の演技は秀逸だ。
ラストでの”感じる・・・、完璧だと”というセリフを、誰しもが彼女自身の演技に対して返したいと思ったであろう見事な演技だった。

主人公を誘惑しているように見せかけ、その才能を見事に引き出し、一流の演出家としての存在を示すヴァンサン・カッセル、魔性の女的な雰囲気にも描かれている、主人公とは対照的である奔放な性格のダンサー、ミラ・クニス、主人公である娘を溺愛する母親を、実力派らしく見事に演ずるバーバラ・ハーシー、ベテランのプリマドンナ役のウィノナ・ライダー、バレエで”プリンス”を演ずるベンジャミン・ミルピエ、群舞のダンサー、クセニア・ソロクリスティーナ・アナパウ等が共演している。


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