中共脱出 Blood Alley (1955) 3.1/5 (20)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1955年に発表された、アルバート・シドニー・フライシュマンの小説”Blood Alley”を基に製作された作品。
中国のある村の人々の脱出計画に協力することになったアメリカ人船長の奮闘を描く、製作、主演ジョン・ウェイン、監督ウィリアム・A・ウェルマンローレン・バコールポール・フィックスマイク・マズルキアニタ・エクバーグ他共演のアドベンチャー・アクション。


アクション/アドベンチャー

ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ウィリアム・A・ウェルマン

製作:ジョン・ウェイン
原作:アルバート・シドニー・フライシュマン
脚本:アルバート・シドニー・フライシュマン
撮影:ウィリアム・H・クローシア
編集:フレッド・マクドーウェル
音楽:ロイ・ウェッブ

出演
トム・ワイルダー:ジョン・ウェイン
キャシー・グレインジャー:ローレン・バコール
コ・ツォー:ポール・フィックス
オールド・フェン:ベリー・クルーガー
ビッグ・ハン:マイク・マズルキ
ウィー・リン:アニタ・エクバーグ
スースー:ジョイ・キム
共産軍兵士:ジェームズ・ホン
イギリス軍士官:ローウェル・ギルモア

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1955年製作 115分
公開
北米:1955年10月1日
日本:1956年4月6日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $2,200,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
厦門市アモイ)。
中国人民解放軍の拘留所に抑留されているアメリカ商船の船長トム・ワイルダー(ジョン・ウェイン)は、運ばれて来たマットレスに隠されていた、ソ連軍の軍服と拳銃に気づく。

脱獄に成功したワイルダーは、ビッグ・ハン(マイク・マズルキ)の小船に乗るが、誰の使いかは分からなかった。

ビッグ・ハンが余計な話をしないために、ワイルダーは眠ってしまう。

チク・シャンというビッグ・ハンの村に着いたワイルダーは、村長のコ・ツォー(ポール・フィックス)と長老らに迎えられる。

アメリカ人医師の娘キャシー・グレインジャー(ローレン・バコール)からも挨拶されたワイルダーは、なぜ自分を呼んだのかを尋ねる。

神の使い、奇跡を呼ぶ人だと言われたワイルダーは、戸惑いながら彼女の家に案内される。

部屋に案内され、その後、食事をすることになったワイルダーは、300マイルを航海できる人物が必要だったために脱獄させたと、ツォーとキャシーから言われる。

この地に来るまでの航海の話をしたワイルダーは、海図なしで香港に行くことができるかをツォーに問われる。

それに挑み何隻もの船が沈んでいると伝えたワイルダーは、危険を乗り越えてきた者と見込んで話しているとツォーから言われる。

出て行くのは構わないが、この件は口外しないでほしいと言われたワイルダーは、村人180人の命が奪われる危険があることを知らされる。

北京の統制政治に耐えられないと言うツォーは、1年以上も練った計画を成功させるために、神が遣わした人物だとワイルダーに伝える。

自由の道に導いてほしいと言われたワイルダーは、”血の水道/Blood Alley”を300マイル、海図なしで航海するのは無理だと話す。

蒸気船を使うことを考えているツォーに、10分で沈んでしまうと言うワイルダーは、速度もでないために直ぐに警備艇に捕まってしまうと伝える。

対策は考えてあると言うツォーは、戦艦に対しては、夜間か霧に紛れて進むという考えを伝え、海図なしでそれが可能だと思うのかとワイルダーに問われても、大丈夫だと答える。

台湾海峡の荒波に耐えられるかを考えるワイルダーは、船はアメリカ製なので信じるようにとツォーから言われ、考えさせてほしいと伝える。

村にはフェン(ベリー・クルーガー)という共産主義者もいるとツォーから言われたワイルダーは、問題が多すぎるために悩む。

助けてあげてほしいとキャシーから言われたワイルダーは、同じような人々は5億人はいて、英雄になる気はないと伝える。

船に岩を積んでいる村人の行為が、秘密作戦だとキャシーから言われたワイルダーは、なぜ蒸気船を使うのかを尋ねる。

キャシーは、ツォーのおいが機関長だからだと答える。

中庭にある車のことを尋ねたワイルダーは、フェンがフィリピンから運んできたとキャシーから言われる。

ワイルダーは、キャシーが全員を脱出させる考えを変える気がないことを知る。

考えた末に航海をする決意をしたワイルダーは、メイドのスースー(ジョイ・キム)に、大きな紙と筆を用意させる。

ワイルダーは、記憶を基に海図の代わりになる地図を描く。

その間、村人達は、警備艇を座礁させるために、運んだ岩を海に投げ込む。

ワイルダーは、航海に出ることをツォーに伝えるようキャシーに指示するが、既に知らせたと彼女は答える。

村に人民解放軍の兵士が現れ、それをキャシーから知らされたワイルダーは身を隠すようにと言われ、焦っていたために地図を部屋に忘れてしまう。

ツォーと共に死者を安置する部屋に向かったワイルダーは、棺桶に身を隠すものの、地図のことを思い出す。

部屋に戻ったワイルダーは地図がないことに気づき、現れたキャシーから燃やしたと言われ、彼女の部屋に向いベッドのマットレスの下に隠れる。

家に入って来た兵士に対応したキャシーは、部屋を調べられる。

ワイルダーは見つからずに済んだが、キャシーは連行されてしまう。

戻って来たキャシーは、兵士がビッグ・ハンを拷問して口を割らせる気だと言うが、ワイルダーは何も話さないと考える。

キャシーが戻って来た兵士に乱暴されたため、ワイルダーは銃剣で兵士を殺して死体を片付ける。

ワイルダーに助けてはもらったものの、目の前で人が殺されたためにキャシーは動揺する。

殺す必要はなかったと考えるキャシーに、兵士は逃亡したと思われるので、その間に脱出するとワイルダーは伝える。

人民解放軍に恨みがあることを伝えたワイルダーは、自分にとっては村人はどうでもいいことだと言い放ち、その場を去る。

拷問に耐えたビッグ・ハンは、引き揚げていく人民解放軍を見つめる。

兵士を殺し台所に隠してあることをツォーに知らせたワイルダーは、仕方がないことだと言われる。

早く出発するべきだと伝えたワイルダーだったが、船のボイラーが故障したことをツォーから知らされる。

共産党大会からフェンが戻り、傲慢な彼は、汚れていた車を掃除させる。

スースーからキャシーのことで冷やかされたワイルダーは、彼女に迫りからかう。

キャシーの元に向かったスースーは、ワイルダーが正気を失ったと言いつける。

翌日、キャシーは、入浴中のワイルダーの部屋に、ツォーのおいである機関長のタックを連れて行く。

タックは、5日で船のボイラーを直し、兵士の死体も途中で捨ててくることをワイルダーに伝える。

地図を書き直したワイルダーは、キャシーを口説くために部屋に向かうが、ツォーが現れる。

船の修理が明晩には終わるとタックから言われたことをワイルダーに知らせたツォーは、キャシーの父親グレンジャー医師が、手術に失敗して死刑になったことも伝える。

村人がグレンジャーを待って出発しないと思っているキャシーに、この件を伝えてほしいと頼まれたワイルダーは、彼女を口説くのをやめる。

翌日、ビッグ・ハンらと共に海に出たワイルダーは、岩で浅くした場所に煙突を立てて、船が沈没した様に見せかけることを知らされる。

煙幕を張り、蒸気船が沈没したと思わせる計画をビッグ・ハンから知らされたワイルダーは納得する。

目的の場所に煙突を立て、蒸気船に乗りこみ騒ぎを起こし、乗客を避難させるよう船長を脅したワイルダーらは、船を奪うことに成功する。

機関室のタックに連絡して国旗を外させたワイルダーは、村に向かう。

村に着いたワイルダーは、警備艇のことを心配するが、それを座礁させるために岩を投げ込んでいたことをビッグ・ハンから知らされる。

船が近づき、村人やツォー、そしてキャシーは喜ぶ。

ビッグ・ハンを一等航海士に指名して、船のスローガンを外し化粧直しを指示する、頼りがいのある船長らしいワイルダーを見て、キャシーは彼に惹かれる。

ワイルダーは出港準備を急がせ、村人達は船に乗り、ビッグ・ハンは、拘束していた船長を解放する。

船長らは警備隊に向い脱出のことを話し、それにより出撃した船を浅瀬に誘い込み座礁させる作戦だった。

フェンは拘束され、一族も船に乗せられる。

キャシーの姿が見えないために家に向かったワイルダーは、彼女が見張り塔で父の帰りを待っているとスースーから言われる。

その場に向かったワイルダーは、行かないと言うキャシーを殴り、父親は手術に失敗した責任を取らされ処刑されたと伝える。

納得したキャシーは、荷づくりをして出発しようとする。

キャシーとスースーを連れて船に戻ったワイルダーは、ビッグ・ハンの妻ウィー・リン(アニタ・エクバーグ)らが、手に入れた武器(ブローニングM1919重機関銃/モシン・ナガン/ナガンM1895)を設置して戦闘に備えようとしていることを知る。

ワイルダーは出航し、人々は故郷の村に別れを告げる。

霧に隠れたワイルダーは、警備艇が現れたことを知り、小船を沈めた者達を船に引き上げる。

ワイルダーが鳴らした警笛で誘い込まれた警備艇は、沈んだ船に衝突して座礁してしまう。

それを確認したワイルダーは、全速前進で航行する。

その後、”血の水道”に入ったワイルダーは、戦艦の船団に遭遇するが、怪しまれることなく何とか切り抜ける。

フェン一族の様子を見に行ったワイルダーは、抵抗するなと警告していたビッグ・ハンから、一族を紹介される。

ワイルダーは、出産間近な妊婦の世話をしていたスースーを気遣う。

部屋に向かったワイルダーは、その場にいたキャシーから、生きている可能性もある父を捜すために、ホンハイ湾で船を下りると言われる。

それを許可しないワイルダーだったが、キャシーも考えを変える気はなかった。

翌日、問題山積みのワイルダーは、これ以上、困らせるなとキャシーに伝え、下船を諦めたと彼女から言われるものの信用できない。

その後、フェン一族が食料に毒を混ぜたことが発覚し、ワイルダーは、子供と母親を脅して犯人を突き止める。

食料は廃棄され、先を急ぐワイルダーだったが、燃料が残り少ないことをタックから知らされる。

くつろいでいた村人の元に向かったワイルダーは、茶や飲み水、ストーブの薪も節約するようビッグ・ハンに伝える。

皆を救うために厳しくするしかなかったワイルダーの気持ちを察した村人は、彼の指示に従う。

その後、嵐の中で舵を取るワイルダーは、フェン一族の男達に襲われてしまう。

抵抗したワイルダーは助けられ、出産に立ち会っていたキャシーは、傷を負ったワイルダーの元に向かう。

舵を握るワイルダーはキャシーを迷惑に思うが、彼女は強引に傷の手当てをする。

夜が明けて、怪我をした足もキャシーに手当してもらったワイルダーは、ホンハイ湾の難破船の残骸を燃料に使えるかもしれないことを伝える。

昨夜、愛していることに気づいたとキャシーから言われたワイルダーは、無事に香港に着いたらお別れだと伝える。

他の金持ちの男を探した方がいいので紹介するとまで言われたキャシーは、ワイルダーを殴ってしまい、悔しい思いをする。

ホンハイ湾。
難破船に近づいたワイルダーだったが、外輪を破損してしまい修理することになる。

ワイルダーは、薪と水を補給する間に修理し、食料は我慢するようにとビッグ・ハンに伝える。

キャシーがいないことに気づいたワイルダーは、彼女が父親を捜しに行ったことをスースーから知らされる。

フェン一族を下ろすことにしたワイルダーは、フェンと共に下船するか、仲間と共に残るかを一族に選択させる。

共産党の恐怖政治に嫌気がさしていた一族は、フェンを見捨てる。

フェンは一人でその場から去ろうとするが、戦艦の砲撃を受けて海に落ちる。

砲撃を受けながらワイルダーは出航するが、キャシーが戻ったことを知り船を後退させて彼女を救う。

ワイルダーに父が死んでいたことを伝えたキャシーは、今は邪魔をするなと言われる。

湿地帯に向い船を止めたワイルダーは、人力で船体を進めさせ、その場を突破する。

香港に到着したワイルダーらは、イギリス海軍の艦隊の歓迎を受ける。

化粧するようにとキャッシーに伝えたワイルダーは、どこへ行っていいか分からないと言われる。

俺と来ればいいと伝えたワイルダーは、キャシーを抱き寄せてキスする。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
中国人民解放軍の拘留所に抑留されていたアメリカ商船の船長トム・ワイルダーは、何者かの手引きで脱獄に成功し、ビッグ・ハンという男と共に漁村のチク・シャンに向かう。
村長のツォーとアメリカ人医師の娘キャシーに迎えられたワイルダーは、村人全員を蒸気船で香港に連れて行く計画への協力を求められる。
無理な話だと考えるワイルダーだったが、海図もなく速度もでない蒸気船での脱出に協力することを決意し、村人と共に出航するのだが・・・。
__________

ナンセンスなユーモアを取り入れた作風が特徴のアルバート・シドニー・フライシュマンの小説を原作に、彼自身が脚本を担当しているだけあり、コメディタッチで展開する内容となっている。

ジョン・ウェインが主催する”バトジャック・プロダクション”の作品であるため、彼の思い通りに製作された、ジョン・ウェイン映画らしい作品には仕上がっている。

主演候補としては、ロバート・ミッチャムグレゴリー・ペック、そして共演者ローレン・バコールの夫ハンフリー・ボガートの名もあがった。

冷戦最中の当時の世相を反映する、中国を舞台にした反共産主義映画であることは明らかで、ドラマの中で、主人公は終始、兵士をバカにして共産党員を許さない姿勢を貫いている。

いつもながら、”一人で百人力”という雰囲気のある”暴君”のようなジョン・ウェインは、登場する中国人が全員で襲い掛かっても叶わないような、巨体を生かしたとてつもない存在感で画面を占領する。

舞台の漁村には全くそぐわないイメージのローレン・バコールなのだが、エレガントな際立つ美しさが、華を添える役柄として本作にアクセントを加えている。

横柄で頑固なジョン・ウェインと、勝ち気なローレン・バコールのユーモラスな演技も注目だ。

また、貧しく苦しい人々の生活感が前面に出た作品ではあるが、ローレン・バコールの華麗な着こなしはもとより、人民服+バンダナ風スカーフ姿のジョン・ウェインの粋な服装など、グウェン・ウェイクリングが担当した衣装も印象に残る。

ジョン・ウェインとは盟友とも言える二人、村長を演ずるポール・フィックス、村人を演ずる巨漢のマイク・マズルキ、その妻役で、デビューしたばかりということもあり、奇妙な中国人女性を演ずるアニタ・エクバーグ、村の共産党ベリー・クルーガー、ヒロインのメイド、ジョイ・キム、人民解放軍兵士のジェームズ・ホンイギリス軍士官のローウェル・ギルモアなどが共演している。


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