悲しみよこんにちは Bonjour Tristesse (1958) 3.67/5 (3)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1954年に発表された、フランソワーズ・サガンの小説”悲しみよこんにちは”を基に製作された作品。
楽しい夏のバカンスの日に起きた、大人の世界に踏み込もうとする少女の思い出を描く、製作、監督オットー・プレミンジャー、主演デボラ・カーデヴィッド・ニーヴンジーン・セバーグミレーヌ・ドモンジョ他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:オットー・プレミンジャー
製作:オットー・プレミンジャー
原作:フランソワーズ・サガン悲しみよこんにちは
脚本:アーサー・ローレンツ

撮影:ジョルジュ・ペリナール
編集:ヘルガ・クランストン
ポスター・デザイン:ソウル・バス

音楽:ジョルジュ・オーリック

出演
アンヌ・ラルセン:デボラ・カー

レイモン:デヴィッド・ニーヴン
セシル:ジーン・セバーグ
エルザ・マッケンブール:ミレーヌ・ドモンジョ
フィリップ:ジェフリー・ホーン
ロンバール:ローランド・カルヴァー
エレン・ロンバール:ジーン・ケント
ジュリエット・グレコ:ジュリエット・グレコ
パブロ:ワルテル・キアーリ
フィリップの母親:マーティタ・ハント

アメリカ/イギリス 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1958年製作 94分
公開
イギリス:1958年4月
北米:1958年1月15日
日本:1958年4月29日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

パリ
18歳の少女セシル(ジーン・セバーグ)は、父レイモン(デヴィッド・ニーヴン)と彼の恋人と共にあるパーティーに向かい、その後クラブに立ち寄る。

レイモンと踊りながら、セシルは1年前のことを思い出す・・・。
__________

フレンチ・リヴィエラ
レイモンとその恋人エルザ・マッケンブール(ミレーヌ・ドモンジョ)と共に三人で夏バカンスを楽しんでいたセシルは、法律を学ぶ学生フィリップ(ジェフリー・ホーン)に海で出会い意気投合する。

その夜レイモンは、妻の親友でデザイナーのアンヌ・ラルセン(デボラ・カー)が翌週に訪ねて来るという手紙を受け取り、それをセシルとエルザに伝える。

セシルは、レイモンが盛んにアンヌを誘っていたことを気にするものの、休暇を楽しむことに専念する。

6日後。
フィリップと惹かれ合うようになっていたセシルは、車で訪れたアンヌを迎え、やや気を使いながら彼女と話をする。

ところが、エルザが滞在していることを知ったアンヌは気分を害し、レイモンのことを非難して帰ろうとする。

そこに、列車で来るはずのアンヌを迎えに行っていたレイモンとエルザが戻り、セシルはアンヌが車で来たことを伝える。

独りになりたいと言って機嫌が悪いはずのアンヌだったが、彼女が水着姿で何食わぬ顔をして現れたため、レイモンとセシルは安心する。

初対面のエルザに挨拶したアンヌは海岸に向かい、レイモンとセシルは彼女の様子を窺う。

招待した時にはエルザがいなかったというレイモンの言葉を遮ったアンヌは、気にする様子もなく、一晩は泊まると言って海に飛び込む。

レイモンはアンヌに惹かれ、休暇中滞在させることを考えるとセシルに約束して彼女の元に向かう。

その後もアンヌは滞在し、彼女が家の中を仕切りセシル達はそれに従った。

楽しい日々を過ごす4人だったが、レイモンはビーチハウスで独り寂しい夜を過ごす。

ある日4人とフィリップはカジノに向かい、エルザが大金を手に入れる。

セシルは、レイモンとアンヌの姿が見えないために二人を捜す。

レイモンとアンヌは、求め合っていることを確認して車でその場を去る。

それを目撃したセシルは、レイモンが、いつもと同じように若いエルザを捨てたことに対しての怒りと当時に、彼がアンヌの愛を手に入れたことを幸せに思う。

アンヌが服を汚したために帰ったとセシルに言われたエルザだったが、除け者にされたという思いから気落ちし、知り合った富豪のパブロ(ワルテル・キアーリ)と共に泣きながらホテルに向かう。

翌朝セシルは、結婚する考えがあることをレイモンとアンヌから知らされる。

賛成はするものの戸惑うセシルの様子を気にしたアンヌは、彼女の本心を尋ねる。

驚きはあるがレイモンが望むなら賛成すると言う、セシルの言葉を聞いたアンヌは安心し、レイモンと共に三人は祝杯を挙げる。

自分達の生活を変化させたアンヌに刺激されたセシルは、フィリップに愛を求める。

抱き合う二人を目撃したアンヌはフィリップに去るよう指示し、彼とは二度と会わないようにとセシルに忠告する。

それに納得いかないセシルは、今は勉強に専念するべきだとレイモンにも言われて苛立ちアンヌを憎む。

アンヌを追い出す決心をしたセシルは、自分と彼女を比較するものの勝ち目はなかった。

荷物を取りに戻ったエルザはレイモンとアンヌの結婚のことを知り、彼の元に戻りたいとセシルに伝える。

それを実現させる計画を考えると言うセシルは、エルザから協力を約束される。

セシルは、母(マーティタ・ハント)と暮らしているフィリップの家にエルザを向かわせる。

後からその場に向かったセシルは、エルザとフィリップと共にアアンヌを追い出す計画を練り始める。

その夜、勉強のことでアンヌから注意されたセシルは苛立ち、フィリップの元に向かい愛し合う。

朝帰りしたセシルは、昨晩、強く言い過ぎたとアンヌから謝罪され、大人の行動を真似する年代について語りたかったと言われる。

レイモンの振る舞いも影響していると付け加えたアンヌは、彼の交友関係にも触れ、ビジネス・パートナーのロンバール(ローランド・カルヴァー)と妻エレン(ジーン・ケント)の素行の悪さを例に出す。

そのロンバール夫妻とレストランで食事をした際、美しくなったエルザとフィリップが躍るのを目撃したレイモンは動揺する。

翌日、セシルと散歩に出かけたレイモンは、彼女がアンヌの生き方を認めようとしていることを知り安心する。

その道沿いで、地面で寄り添うエルザとフィリップに気づいたレイモンは家に向かい、自分が本気なら若い男には負けないとセシルに息巻く。

町でエルザに会ったセシルは、レイモンから謝罪の電話があったことを知らされ、計画が順調に進んでいることを確認する。

会う約束までしたレイモンは、アンヌには仕事だと言ってエルザの元に向かってしま。

流石にやり過ぎたと感じたセシルは、アンヌに全てを話そうとするもののチャンスを逃がしてしまう。

アンヌがレイモンとエルザの逢引の場所に近づいてしまい、セシルはそれを止めようとするが、どうなるか結果も知りたい。

二人が会っていることを知ってしまったアンヌは、自分と若いエルザを比較するレイモンの言葉にショックを受ける。

動揺するアンヌは家に戻り車に乗るが、彼女を追ったセシルが全てを話そうとする。

それを聞こうとしないアンヌは、車で走り去ってしまう。

家に戻りアンヌのことを知ったレイモンは、彼女に謝罪の手紙を出そうと考え、セシルもそれに協力する。

そこに電話が入り、レイモンは、アンヌが街道から崖下に転落したという連絡を受ける。

クルマで急行したレイモンとセシルは、アンヌの死にショックを受ける。

セシルは、アンヌが自殺ではなく事故死に思わせたと考える。

それを理解するレイモンは、自殺だと言うことを誰にも口にしなかった。
__________

パリ
屋敷に戻ったセシルは考える。

その後、会っていないフィリップはどうしただろうか・・・卒業しただろう。

レイモンと自分はいつものようにこの家で日々を過ごし、そして夏にはバカンスに・・・。

但し行き先はイタリアで、どうして気分転換をしたいのか、お互いに話さない・・・。

そして、去年の夏の出来事はお互いに話さないことが暗黙の了解だった。

帰宅したレイモンはセシルの部屋に向かい、付き合っていた女性に飽きたことと、別の女性が気になることを話す。

バカンスに誘いたいなら自分は行かないと言うセシルに、レイモンは”休養が必要なのはお前だ”と答えて、娘の頬にキスして部屋を出る。

思い出の壁に囲まれていると感じたセシルは、忘れたいと思うのだがそれができない。

レイモンも独りで思い出しているのか・・・。

セシルは、そうではないことを望む。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

18歳の少女セシルは、1年前に起きた出来事を思い出す・・・。
フレンチ・リヴィエラ
父レイモンと恋人のエルザと共に夏のバカンスを楽しんでいたセシルは、亡くなった母の親友でデザイナーのアンヌ・ラルセンの訪問を歓迎する。
エルザの存在を知り気分を害したアンヌは帰ろうとするのだが、気を取り戻し、その後バカンスを楽しむ。
レイモンはアンヌの魅力に惹かれ、二人は結婚を決意し、エルザは去る。
驚きながらも二人の結婚に賛成したセシルだったが、知り合った法学生フィリップとの付き合いについてなどをアンヌに意見され、彼女を憎むようになる。
そしてセシルは、エルザとフィリップを巻き込み、アンヌを追い出す方法を考え実行するのだが・・・。
________

子供から大人へと成長する少女のひと夏の体験、その若い世代の心理をオットー・プレミンジャーが繊細かつ微妙な映像表現で描いている。

少女の考えた計画は悪戯の延長のような行動として実行されるのだが、優雅に遊びまくる大人達の世界も虚構のように映し出しているところにも注目。

現在のシーンはモノクロで過去はカラー撮影し、少女が忘れたいと考える過去を消し去れない気持ちを、観客にも印象付ける凝った手法だとも言える。

ポスター・デザイン他はオットー・プレミンジャー作品でお馴染のソウル・バスで、クラブ歌手役で出演するジュリエット・グレコの歌声も心に沁みる。

美しい大人の女性を演ずるデボラ・カーと恋多き奔放な父親を演ずるデヴィッド・ニーヴンが主演なのだが、小悪魔的な魅力と大流行した”セシル・カット”で画面を占領する、主人公と言える少女を演ずるジーン・セバーグは、撮影当時18歳とは思えない、感受性豊かな見事な演技を見せてくれる。

軽い女性として登場するが、本作の中で最も男性の心を掴んだとも言える父親の若い恋人ミレーヌ・ドモンジョ、彼女と親密になる富豪ワルテル・キアーリ、前年の「戦場にかける橋」(1957)で注目された、少女と親交を深める法学生ジェフリー・ホーン、その母親マーティタ・ハント、父親のビジネス・パートナー夫妻ローランド・カルヴァージーン・ケントなどが共演している。


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