ブルベイカー Brubaker (1980) 4/5 (13)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1969年に発表された、トム・モートンの実体験を基にしたジョー・ハイアムズとの共同著書”Accomplices to the Crime: The Arkansas Prison”を基に製作された作品。
囚人として刑務所に入り、腐敗しきった体制を改善しようとする所長の闘いを描く、監督スチュアート・ローゼンバーグ、主演ロバート・レッドフォードヤフェット・コットージェーン・アレクサンダーマーレイ・ハミルトンモーガン・フリーマン他共演の社会派ドラマ。


ドラマ(社会派)

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スタッフ キャスト
監督:スチュアート・ローゼンバーグ

製作:ロン・シルヴァーマン
製作総指揮:テッド・マン
原作
”Accomplices to the Crime: The Arkansas Prison”
トム・モートン
ジョー・ハイアムズ
原案
アーサー・A・ロス
W・D・リクター
脚本:W・D・リクター
撮影:ブリュノ・ニュイッテン
編集:ロバート・ブラウン
音楽:ラロ・シフリン

出演
ヘンリー・ブルベイカー:ロバート・レッドフォード
リチャード“ディッキー”クームス:ヤフェット・コットー
リリアン・グレイ:ジェーン・アレクサンダー
ジョン・ディーチ:マーレイ・ハミルトン
ラリー・リー・バレン:デヴィッド・キース
フロイド・バードウェル:ジョー・スピネル
ウォルター:モーガン・フリーマン
ロイ・パーセル:マット・クラーク
ヒューイ・ラウチ:ティム・マッキンタイア
エイブラハム・クック:リチャード・ウォード
ザランスカ:ジョン・ヴァン・ネス
C・P・ウッドワード:M・エメット・ウォルシュ
ロリー・ポーク:アルバート・サルミ
キャロル:リンダ・ヘインズ
エディ・コールドウェル:エヴェレット・マッギル
ピンキー:ジェームズ・キーン
グレン・エルウッド:コンラッド・シーハン
ウェンデル:ヴァル・エイヴリー
バール・ウィレッツ:ロン・フレイザー
デュアン・スパイビー:デヴィッド・ハリス
クラレンス:ブレント・ジェニングス
フェンスター医師:ノーブル・ウィリンガム
ロジャース:ウィルフォード・ブリムリー
レオン・エドワーズ:ネイサン・ジョージ
チャールズ・ハイト上院議員:ジョン・マクマーティン
キャンベル医師:ハリー・グローナー
レンフロ所長:リー・リチャードソン
レンフロ夫人:エレーン・ロアー・リチャードソン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1980年製作 132分
公開
北米:1980年6月20日
日本:1980年11月8日
製作費 $9,000,000
北米興行収入 $37,121,708


アカデミー賞
第53回アカデミー賞

・ノミネート
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1969年、アーカンソー州。
ウェイクフィールド州立刑務所は、自治委員が選出した囚人により管理されていた。

そこに、新入りと共に一人の囚人ヘンリー・ブルベイカー(ロバート・レッドフォード)が護送されて来る。

囚人達を管理する役付のエディ・コールドウェル(エヴェレット・マッギル)は、自治委員のヒューイ・ラウチ(ティム・マッキンタイア)の指示に従い目を光らせる。

暴力が横行し虐げられる日々を送る囚人達は、全てを賄賂によって手に入れるしかなかった。

製材所の経営者C・P・ウッドワード(M・エメット・ウォルシュ)に囚人を労働者として貸していたラウチは、その場にいたブルベイカーらを連れて、裏で行っていた物品卸しを手伝わせる。

ラウチは、ピンキー(ジェームズ・キーン)の店に肉を運び、関係を持っていた彼の妹キャロル(リンダ・ヘインズ)に言い寄る。

製材所で怪我をした囚人のラリー・リー・バレン(デヴィッド・キース)は手当てをしようとするが、管理者のフロイド・バードウェル(ジョー・スピネル)に因縁をつけられる。

戻ったラウチに呼ばれたバードウェルは、囚人を見張っていなかったために責められる。

それを見ていたブルベイカーは、トラックの材木を落下させて二人を驚かせる。

刑務所に戻り、コールドウェルとバードウェルに呼ばれたバレンは、二人に痛めつけられる。

翌日、辱められたバレンはショックを受け、ブルベイカーと共に清掃班に回される。

収容者の囚人ウォルター(モーガン・フリーマン)がバレンに襲いかかり、所長を呼べと言って騒ぎ始める。

精神に異常をきたしているウォルターに話しかけたブルベイカーは、自分が所長だと言ってバレンを解放させる。

その場で監視していたバードウェルらを騙していると言うブルベイカーは、隙を見て彼を監房に誘い込み閉じ込める。

ブルベイカーは、囚人のリチャード“ディッキー”クームス(ヤフェット・コットー)と共に所長室に向い、所長のレンフ(リー・リチャードソン)に、州政府の命令で自分が交代することを伝える。

拳銃を向けて信じようとしないレンフロに、ブルベイカーは、その場にいた州直属の購買係バール・ウィレッツ(ロン・フレイザー)の赴任歴などを語り、間違いないことを確認する。

レンフロは納得してその場を去り、ブルベイカーは、刑務所を改革することを囚人全員に伝える。

スパイのような行為をしたブルベイカーは囚人に非難されるが、鞭を使った囚人は役付から外すことを約束する。

脱獄囚は逃がしてやるのかとラウチに言われたブルベイカーは、それを撃っても今後は仮釈放にはならないと伝える。

ブルベイカーは囚人達に、人間としての尊厳を持つようにと言って聞かせる。

その後、ブルベイカーに指示を出した州政府の補佐官リリアン・グレイ(ジェーン・アレクサンダー)と共に管理委員長のジョン・ディーチ(マーレイ・ハミルトン)が現れる。

所長としての宣言をさせられるブルベイカーは、自分に話を持ってくるべきだったとディーチに言われ、自治制廃止などは考えてほしくないと伝える。

ブルベイカーは、全てを破壊して再出発すると答え、その場を去るグレイとディーチを見送る。

所長の補佐である役付の囚人ロイ・パーセル(マット・クラーク)は、新しい人事を考えているブルベイカーに自分を売り込む。

パーセルにサングラスを用意させたブルベイカーは、穴倉のような、陽の光も入らない監房に入れられていたウォルターらにそれを渡して外に出す。

ブルベイカーは、今後は1日1回はウォルターらを外に出すようラウチに命ずる。

バレンを所長室に呼んだブルベイカーは、犯罪を繰り返してきた彼の経歴を知る。

役付として配車場に行くよう指示されたバレンは、変革は無駄だと言いながらその場を去る。

その後ブルベイカーは、自分の部屋にクームスを呼び彼の話を聞く。

そこに、宿舎の屋根が落ちて混乱しているという連絡が入り、ブルベイカーはクームスと共に現場に向かう。

怪我をした囚人を救ったブルベイカーは、フェンスター医師(ノーブル・ウィリンガム)が、手当てをする囚人から金を受け取っていることに気づく。

憤慨したブルベイカーはフェスターを追い出し、囚人のザランスカ(ジョン・ヴァン・ネス)に、代わりの医師が来るまでその場を任せる。

翌日、搬入された食料などが消えていることなどをウィレンツに確認したブルベイカーは、製材業者のウッドワードが所長室にいることに気づく。

屋根の修理に来たと言うウッドワードに、2年前の手抜き工事のことなどを話したブルベイカーは、刑務所を利用している彼を牽制する。

屋根は自分で直すと言うブルベイカーは、ウッドワードに賄賂を突き返して追い払い、屋根の契約書と保証書を出すようパーセルに命ずる。

不正を調べ上げたブルベイカーは、それをグレイに報告し、想像以上に事態が深刻であることを二人は確認する。

食料不足を補うために、土地を有効利用して畑を作ったブルベイカーだったが、何者かに灯油を撒かれ、家畜も殺される。

姿を消していたラウチがキャロルとの関係を楽しんでいる現場を押さえたブルベイカーは、その場に大量の食糧などがあることも知る。

食糧などを押収したブルベイカーは、囚人が育てた野菜を所長や役付が市価以下で売りさばき、その利益で物品を仕入れてスーパーなどに卸せば、かなりの儲けになることに気づく。

それに関係する書類にサインしていたウィレンツを解雇したブルベイカーは、選挙で委員を選ぶことをパーセルに伝える。

その夜、ブルベイカーは、バレンやデュアン・スパイビー(デヴィッド・ハリス)らを連れて倉庫に向い派手に火を放ち、囚人達にわざとそれを見せる。

刑務所を訪れたグレイと、刑務所の改革を望まない者がいる複雑な状況を話し合ったブルベイカーは、彼女から管理委員会に出席することを提案される。

その後、刑務所では、家族を呼んだレクリエーションが開かれ、囚人達に笑顔が戻る。

選挙で委員が選ばれて所内改善の会議が開かれ、ブルベイカーは、その進行を彼らに任せる。

途中で、全てをブルベイカーに話すと言って、囚人のエイブラハム・クック(リチャード・ウォード)がその場に押入る。

クームスがそれを制止するが、ブルベイカーは、自分の部屋にクックを連れて行き話を聞く。

クックが刑期を過ぎて服役していることを知ったブルベイカーは、農場に殺された囚人が埋まっていると言われる。

その場所も話したクックは、棺桶を作っていたために知っていると伝える。

翌日その場に案内するようクックに約束させたブルベイカーは、車で委員会に向かおうとする。

クームスにクックのことを聞かれたブルベイカーは、パーセルが釈放すると答える。

知り過ぎているクックを刑務所に残しておくべきだと意見するクームスだったが、ブルベイカーは聞き入れようとしない。

パーセルはブルベイカーの指示に従わず、クックをコールドウェルに預ける。

医者に診せると言うコールドウェルは、ラウチとバードウェルと共にクックに電気ショックを与えて痛めつける。

委員会の席でブルベイカーは、1年間、今の状況を続けさせてほしいと訴え、囚人の自立を目的にしていることを伝える。

それを受け入れる気のないディーチだったが、グレイが、刑務所内でされるべきことがなされていないことと、囚人に対する拷問や暴力を止めさせるのが先決だと意見する。

ブルベイカーは、刑務所の改善のためなら法律を変えるべきだと語る。

チャールズ・ハイト上院議員(ジョン・マクマーティン)は、住民は、自分達の税金が囚人に使われることを望まないし、ましてや増税に賛成するはずがないとブルベイカーに伝える。

畑に金がかかると言うディーチがゴルフ場にでもした方がいいとジョークを言ったため、保険を掛けた建物の屋根が必要だとブルベイカーは反論する。

農機具に自分の保険会社の保険が掛けられているが、肝心の農機具が存在しないと言われたディーチは憤慨し、ブルベイカーをよそ者呼ばわりして、口出しするなと罵倒する。

委員達を見限ったブルベイカーは退席し、彼を追ったグレイは、このままでは相手の思うつぼで、利用される振りをするよう指示する。

納得できないブルベイカーは、決して妥協しないことをグレイに伝え、囚人達は、自分が人間であることを初めて実感していると語る。

そういう人間は出所してもディーチらの娘や息子を襲わないと話すブルベイカーは、改善は刑務所内だけではなく、外でどうするかが問題だとグレイに言われる。

囚人は、外では自分やグレイには会わないと言うブルベイカーは、ディーチらに意見されるのは耐え難いと伝える。

委員らをうまく操らなくては自滅する伝えたグレイは、自分にも見捨てられる言ってその場を去る。

苛立ちながら家に戻ったブルベイカーは、ビールを飲みながらポーチで眠ってしまう。

翌朝、目覚めたブルベイカーはクックが殺されていることに気づき、所長室に向い、見張りのことなどをパーセルに調べさせる。

自分の行動が招いた不幸であり、死んでしまえば意味がないとクームスに言われたブルベイカーは、デスクの上に置かれていた電圧器を試す。

その後ブルベイカーは、囚人達と共に刑務所周辺を掘り起こして遺体を探す。

今回の件を既に知っていたゲイルから電話があり、警戒するよう言われたブルベイカーは、牛の競売場で、彼女と委員のレオン・エドワーズ(ネイサン・ジョージ)に会う。

現れたハイトから遺体探しを中止すれば望を叶えると言われ、あの場所は墓地だったと知らされたブルベイカーだったが、殺人を見逃すのかと彼に問う。

自分が刑務所に入ることになるとブルベイカーに警告したハイトは、その場を去る。

遺体を掘るのを止めろとは強制はしないとエドワーズに言われたブルベイカーは、口先だけの意見は聞きたくないと伝える。

服役経験もあるエドワーズに、囚人のことを理解していれば、ハイトの提案は断れないと言われたブルベイカーは、それでも納得しない。

生きている者のことを考え、遺体を探すのは中止するようゲイルに言われたブルベイカーは、それを聞き入れる気になれない。

刑務所に戻り遺体を探したたブルベイカーは、ある場所に目をつけて、遂に複数の棺桶を発見する。

焦るラウチは、この場から逃げることをコールドウェルに提案するものの残ると言われる。

新任の医師キャンベル(ハリー・グローナー)に死体を見せたブルベイカーは、死亡原因や日時を知るには州病院で調べれば可能だと言われる。

遺体の件をマスコミに知らせるようパーセルに指示したブルベイカーは、ラウチが逃げたことを囚人のクラレンス(ブレント・ジェニングス)から知らされる。

ラウチがクックを殺したとクームスに言われたブルベイカーは、ピンキーの店に向いラウチを捕えようとする。

バレンと共にピンキーの家に向かったブルベイカーは、ラウチを捜す。

キャロルと逃げようとしたラウチは、外を見張っていたバレンに気づかれて銃撃するものの、ブルベイカーに射殺される。

クームスらも駆け付けるが、ブルベイカーはバレンの死を確認する。

その後、マスコミを前にした委員会が開かれ、遺体の検死の結果が、殺人であることは断定できないという医師の報告を受ける。

貧困者の死体もあると言われた記者は、それがバラバラであったことなどが納得できず、解雇の対象になっているブルベイカーに意見を求める。

改革を考えたが何をしても無駄だと語るブルベイカーは、ゲイルも同じ考えだと言ってその場を去る。

ゲイルから、なぜ途中で逃げ出すのかと問われたブルベイカーは、殺人を見逃す話しに興味がないことを伝える。

同感だと言うゲイルに、本心では違うと言い残したブルベイカー はその場を去る。

委員のロリー・ポーク(アルバート・サルミ)が所長に就任し、囚人を集めて方針を語る。

去ろうとするブルベイカーに声をかけたクームスは、行いは正しかったことを伝える。

手拍子を始めたクームスは囚人達にそれを促し、ポークの警告を無視した彼らは、ブルベイカーを見つめながら手を叩く。

ブルベイカーは、囚人達の変化を確信して、目に涙を浮かべながらその場を去る。
__________

ヘンリー・ブルベイカーの解雇から2年後、24人の囚人がウィークフィールド刑務所を憲法違反で告発し、彼らの勝訴となった。

刑務所は改善か閉鎖を命じられ、州知事は次の選挙で落選した。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1969年、アーカンソー州。
ウェイクフィールド州立刑務所は、自治委員が選出した囚人により管理されていたが、内部では暴力が横行し、全て賄賂で動いていた。
新入りと共に刑務所に入った囚人ヘンリー・ブルベイカーは、刑務所の実態を観察する。
実は新任の刑務所長だったブルベイカーは、前任者と交代して所内の改革を始める。
州政府の補佐官ゲイルと共に、囚人を利用して利益を蝕む者達の一掃を始めようとしたブルベイカーは、妨害に遭いながらも、それを推し進めようとするのだが・・・。
__________

暴力脱獄」(1968)でも体制に反発する男を描いたスチュアート・ローゼンバーグが、本作の3か月後に公開される「普通の人々」(1980)でアカデミー作品、監督賞を受賞することになるロバート・レッドフォードが組んだ作品として注目された。

腐敗の実態を確かめるために、赴任する所長が囚人として刑務所に入るという奇抜な行動からドラマは始まる。
改革を決意した主人公の信念を貫く姿を徹底的に描く、スチュアート・ローゼンバーグの力強い演出が見所の作品。

原作者であるトム・モートンの刑務所長職の実体験を基にした映画化だけあり、アメリカの大きな社会問題とも言える、犯罪と汚職を描写するリアルな映像は見応えがある。

第53回アカデミー賞では、脚本賞にノミネートされた。

主人公を演ずるロバート・レッドフォードは、最後まで決して信念を変えない改革を求める刑務所長を熱演している。

所長の考えを理解しつつ囚人としての立場で事態を見つめるヤフェット・コットー、主人公に協力する州政府の補佐官ジェーン・アレクサンダー、管理委員会の委員長マーレイ・ハミルトン、主人公が信頼する若い囚人デヴィッド・キース、囚人の役付ジョー・スピネルエヴェレット・マッギルマット・クラーク、悪徳自治委員のティム・マッキンタイア、製材業者M・エメット・ウォルシュ、囚人モーガン・フリーマンリチャード・ウォード、ジョン・ヴァン・ネス、ヴァル・エイヴリーデヴィッド・ハリスブレント・ジェニングス、州直属の購買係ロン・フレイザー、医師ノーブル・ウィリンガム、新任医師ハリー・グローナー、管理委員ウィルフォード・ブリムリーネイサン・ジョージ上院議員ジョン・マクマーティン、刑務所長リー・リチャードソンなどが共演している。


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