カポーティ Capote (2005) 3.67/5 (3)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

ジェラルド・クラークによる、作家トゥルーマン・カポーティの伝記を基に製作された作品。
学歴もない不幸な生い立ちながら、天才作家としてその名を残したトゥルーマン・カポーティが、 実際に起きた一家惨殺事件を題材にした”冷血”で、”ノンフィクション小説”という新ジャンルを生み出す瞬間を描く、監督ベネット・ミラー、製作、主演フィリップ・シーモア・ホフマンキャサリン・キーナークリフトン・コリンズJr.クリス・クーパーブルース・グリーンウッドボブ・バラバン共演によるヒューマンドラマの秀作。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■

監督:ベネット・ミラー
製作総指揮
ダン・ファターマン
フィリップ・シーモア・ホフマン
ケリー・ロック
ダニー・ロセット
製作
キャロライン・バロン
マイケル・オホーヴェン
ウィリアム・ヴィンス

原作:ジェラルド・クラーク
脚本:ダン・ファターマン
撮影:アダム・キンメル
編集:クリストファー・テレフセン
音楽:マイケル・ダナ

出演
フィリップ・シーモア・ホフマントゥルーマン・カポーティ
キャサリン・キーナーネル・ハーパー・リー
クリフトン・コリンズJr.ペリー・スミス
クリス・クーパー:アルヴィン・デューイ
ブルース・グリーンウッドジャック・ダンフィ
ボブ・バラバンウィリアム・ショーン
マーク・ペルグリノリチャード・ヒコック

エイミー・ライアン:マリー・デューイ
マーシャル・ベル:マーシャル・クラッチ
R・D・レイド:ロイ・チャーチ
アダム・キンメル:リチャード・アヴェドン

アメリカ 映画
配給 ソニー・ピクチャーズ
2005年製作 114分
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $28,747,570
世界 $49,233,161


アカデミー賞 ■

第78回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(フィリップ・シーモア・ホフマン)
・ノミネート
作品・監督
助演女優(キャサリン・キーナー)
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1959年11月15日、カンザス州西部、ホルコム
裕福な農場主クラッターと、家族3人が惨殺されるという事件が起きる。

ニューヨーク・タイムズ”の”クラッター事件”の記事を見た、作家トゥルーマン・カポーティフィリップ・シーモア・ホフマン)は、雑誌”ザ・ニューヨーカー”の編集長ウィリアム・ショーン(ボブ・バラバン)に連絡を取る。

小説”ティファニーで朝食を”を発表した直後のカポーティは、新鋭作家として名を知られていたが、”ザ・ニューヨーカー”にも席を置き、この事件に興味を持ち現地に取材に向かう。

幼馴染の作家ネル・ハーパー・リー(キャサリン・キーナー)と列車で合流したカポーティは、現地で州捜査局のアルヴィン・デューイ(クリス・クーパー)に面会する。

カポーティは、いかにも都会人という服装や物腰などを奇異な目で見られ、その後、デューイの記者会見に出席する。

翌日、地味な服装に変えたカポーティは、惨殺現場の第一発見者の少女に会う。

その後、デューイの妻マリー(エイミー・ライアン)が、大のカポーティファンだということで、彼とリーは、デューイの自宅に招かれる。

友好的なマリーに対して気難しいデューイだったが、食事の後に、被害者の写真や情報を提供され、和やかな雰囲気で4人は時を過ごす。

ホテルに戻ったカポーティは、パートナーでもある作家のジャック・ダンフィ(ブルース・グリーンウッド)に電話をかけ、リーの新作”アラバマ物語”が出版されることを知らせる。

クリスマスの夕食に、再びデューイ宅に招かれたカポーティリーは、デューイの部下が,犯人の手がかりを見つけたことを知る。

1960年1月6日。
そして、事件の犯人、ペリー・スミス(クリフトン・コリンズJr.)とリチャード・ヒコック(マーク・ペルグリノ)が逮捕される。

法廷で、両被告は予審の権利を放棄し、カポーティはその真意を知るために、保安官事務所に拘束されているスミスに接触する。

編集長ショーンに連絡を入れたカポーティは、スミスに何かを感じることを伝える。

カポーティは、ショーンに送金を頼み、写真家リチャード・アヴェドン(アダム・キンメル)を呼び寄せる。

その後、被告人に判決は下り、スミスヒコックは有罪となり、死刑が言い渡される。

ランシングに移送される二人に、面会人リストに入れるよう頼み、カポーティリーニューヨークに戻る。

いつものように社交の場に戻ったカポーティは、事件を題材にしたノンフィクション小説を書き始めようとする。

スミスに面会するため、ランシングに向かったカポーティは、刑務所長マーシャル・クラッチ(マーシャル・ベル)に賄賂を渡し、その場で面会を許可される。

カポーティは、一ヶ月絶食しているというスミスに、離乳食を持参して友人として接する。

スミスの子供時代が自分の境遇に似ているため、カポーティは、さらに彼に親近感を感じる。

カポーティに心を許したスミスは、虚言癖のあるヒコックに利用されないよう忠告する。

そして、カポーティは、スミスから個人日記を貸りて、彼の全てを知った上で、小説を書き始める。

デューイに会ったカポーティは、小説の題名を”冷血”にしたことを告げ、デューイの捜査記録を見せてもらおうとする。

取材を続けるため、スミスヒコックに優秀な弁護士をつけたカポーティに、デューイは不快感を示す。

スミスに面会したカポーティは、執筆もせず本の題名も決めていないことを告げ、有名人からの誘いも断ったことを話し、必要な情報を得ようとする。

ダンフィは、執筆のためスペインに向かうことになり、それにカポーティを誘うが、彼はスミスの元を離れる気になれなかった。

しかし、一旦、ニューヨークに戻ったカポーティは、ダンフィの後を追い、スペインコスタ・ブラヴァに向かう。

1年後。
冷血”執筆も進んでいたが、スミスの控訴が棄却され、死刑執行が近いことが知らされる。

リーコスタ・ブラヴァカポーティを訪ね、彼がスミスを利用し、そして愛していると、ダンフィが思い込んでいるという話を聞かされる。

カポーティは、スミスと自分が、同じ家で育ったような気がすることをリーに伝える。

帰国したカポーティスミスに会い、執筆が進んでいないことを伝える。

しかし、新作”冷血”の朗読会の日を迎えたカポーティは、著書の一説を朗読し、観客から喝采を浴びる。

ザ・ニューヨーカー”の編集長ショーンは、”冷血”を絶賛して、10月に完成できることをカポーティに確認する。

カポーティは、処刑が近づくスミスの元に向かうが、彼とヒコックの刑が延期されたことを知る。

スミスカポーティに感謝するが、犯行前日のことは話したがらず、カポーティは早々にその場を引き上げ、スミスの姉の家に向かう。

姉は、スミスが繊細で傷つきやすいように見せ、容易く人を殺すことをカポーティに語り、警戒するよう伝える。

スミスの元に戻ったカポーティは、彼が、新作の題名にショックを受けていることを知る。

それは、出版社が付けた仮の題名だと説明したカポーティは、友人だということを強調して、姉からだと言ってスミスに写真を渡す。

そしてスミスは、1万ドルがあるというクラッター家を襲撃した経緯と、犯行の一部始終をカポーティに話す。

事件から4年の月日が流れるが、カポーティは小説の結末が書けないことで苦しみ、スミスらの処刑も延期され続けていた。

暫くスミスに会っていないカポーティは、弁護士を探すよう彼に頼まれるが、助けになれないという簡単な手紙をスミスに送る。

ピューリッツァー賞を受賞した、リーの小説”アラバマ物語”の映画化作品の試写会で、犯人スミスらの刑が延期されているため、精神的に限界に達していることを、カポーティリーに話す。

二人の控訴が棄却され正式に処刑日が決まり、独房に移されたスミスは、カポーティに電話を入れる。

会いに来られるかというスミスの問いかけに、カポーティは返事が出来ない。

1965年4月14日。
その後、カポーティスミスからの電話や電報も受け取ろうとしなかったが、リーに説得されて刑務所に向かう。

スミスヒコックに面会したカポーティは、出来る限りのことはしたと涙を流し、二人に別れを告げる。

処刑場に連行されたスミスは、立ち会ったデューイと握手して、彼は、カポーティに見守られながら処刑される。

そして、カポーティスミスの個人日記を受け取り、ニューヨークに向かう。
__________

冷血”により絶大な名声を得たトゥルーマン・カポーティは、その後、著書を残さなかった。

彼の未完に終わった作品の巻頭には、”叶わない祈りよりも、叶う祈りに感動を覚える”とある。

カポーティは、1984年に、アルコール依存症の合併症で心臓発作により亡くなる。


解説 評価 感想 ■

フィリップ・シーモア・ホフマンが設立した映画制作会社”クーパーズ・タウン・プロダクション”の、第一製作作品でもある。

*(簡略ストー リー)

カンザス州の田舎町で起きた、一家惨殺事件に興味を持った新鋭作家トゥルーマン・カポーティは、幼馴染みの作家ネル・ハーパー・リーと共に現地に向かう。
カポーティは、事件そのものを小説にすることを考え、リーと取材を続け、そして逮捕された犯人ペリー・スミスに接触する。
同じような境遇に育ったことを知ったカポーティスミスは、その後、親交を深めていく。
しかしカポーティは、スミスからようやく聞き出した、事件の動機や犯行の様子を知っても、彼の処刑が延期され続ける間、結末を書くことが出来ないことで苦しんでしまう・・・。
__________

繊細な心の持ち主に見える、犯人の背後に潜む残忍な犯行、その取材を通して、新たな小説のジャンルを生み出そうとする主人公の苦悩、育った境遇が酷似する二人の、屈折した生き様や関係を、監督2作目で、初の長編映画を手がけたベネット・ミラーは、大胆な視線で見事に描き切っている。

カポーティのセリフが、哲学的な言い回しが多いのだが、その洗練されたユーモアや洞察力、さらには強かさも見せる、彼の人間味豊かな人物像が再確認できる。

また、このような質の高い作品を見ると、派手なものだけを作ってはいない、ハリウッドの底力を感じる。

第78回アカデミー賞では、フィリップ・シーモア・ホフマンが主演男優賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
助演女優(キャサリン・キーナー)
脚色賞

愛嬌のある、軽い脇役が多かったカポーティ役のフィリップ・シーモア・ホフマンは、本人の話し方や物腰を研究し尽くして特徴を捉え、見事に主人公を演じている。

ハーパー・リーを演ずるキャサリン・キーナーや他共演者、特にクリス・クーパーの、多くを語らない抑えた演技もいい。

一家惨殺犯を演ずるクリフトン・コリンズJr.の好演も印象に残る。
キャサリン・キーナーが、オスカーにノミネートされたのとは対照的に、意外に彼の評価は低かったようだ。

出演場面の少ない、地味な役のキャサリン・キーナーは、「大統領の陰謀」(1976)で同じアカデミー賞の助演候補になった、ジェーン・アレキサンダーの時を思い起こさせる。

「レッズ」(1981)での、わずかな出演でオスカーを獲得した、モーリン・ステイプルトンも同様だ。


カポーティの幼馴染のネル・ハーパー・リーは、1960年の小説”アラバマ物語”でピューリツァー賞を受賞し、それは作品中でも登場する。
その登場人物ディルは、カポーティがモデルだ。
原作は映画化された。*「アラバマ物語」(1962)

カポーティのパートナーで、小説家のジャック・ダンフィブルース・グリーンウッド、”ザ・ニューヨーカー”編集長ウィリアム・ショーンボブ・バラバン、犯人の一人リチャード・ヒコック のマーク・ペルグリノ、捜査局員デューイ(クリス・クーパー)の妻エイミー・ライアン、刑務所長役マーシャル・ベル、写真家リチャード・アヴェドンのアダム・キンメルなどが共演している。


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