チェンジリング Changeling (2008) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1928年に実際に起きた、ウィンヴィル養鶏場殺人事件”Wineville Chicken Coop Murders”(ゴードン・ノースコット事件)を題材にした、製作、監督、音楽クリント・イーストウッド、製作ブライアン・グレイザーロン・ハワード、主演アンジェリーナ・ジョリージョン・マルコヴィッチ他共演の社会派サスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

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スタッフ キャスト ■

監督:クリント・イーストウッド
製作
クリント・イーストウッド

ブライアン・グレイザー
ロン・ハワード
ロバート・ロレンツ
製作総指揮
ティム・ムーア
ジム・ウィテカー
脚本:J・マイケル・ストラジンスキー

撮影:トム・スターン
美術・装置
ジェームズ・J・ムラカミ
ゲイリー・フェティス
編集
ジョエル・コックス

ゲイリー・D・ローチ
音楽:クリント・イーストウッド

出演
アンジェリーナ・ジョリー:クリスティン・コリンズ
ジョン・マルコヴィッチ:グスタヴ・ブリーグレブ牧師
ジェフリー・ドノヴァン:J・J・ジョーンズ警部
コルム・フィオール:ジェームズ・E・デイヴィス警察本部長
ジェイソン・バトラー・ハーナーゴードン・ノースコット

マイケル・ケリー:レスター・ヤバラ刑事
エイミー・ライアン:キャロル・デクスター
デニス・オヘア:ジョナサン・スティール医師
フランク・ウッズ:ベン・ハリス
ジェフ・ピアソン:サミー・ハーン弁護士
エディ・オルダーソンサンフォード・クラーク

デヴォン・ギアハート:少年
ガトリン・グリフィン:ウォルター・コリンズ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2008年製作 141分
公開
北米:2008年10月24日
日本:2009年2月20日
製作費 $55,000,000
北米興行収入 $35,707,327
世界 $112,994,004


アカデミー賞 ■

第81回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優(アンジェリーナ・ジョリー)
撮影・美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1928年3月9日、ロサンゼルス
電話局に勤めるクリスティン・コリンズ(アンジェリーナ・ジョリー)は、9才になる息子ウォルター(ガトリン・グリフィン)と幸せな日々を送っていた。

3月10日。
ウォルターと、映画に行く約束をしていたクリスティンだったが、仕事に呼び出され、ウォルターを家に残して職場に向かう。

クリスティンは、上司ベン・ハリス(フランク・ウッズ)から、昇進とビバリーヒルズへの転勤に口添えすると言われ、ウォルターの待つ自宅に急ぐ。

帰宅したクリスティンは、ウォルターが家にいないことに気づき、近所を捜して警察に連絡するが、翌日まで様子を見るように指示される。

4月3日。
その頃、ロサンゼルス市警の腐敗をラジオ放送で批判する運動の指導者グスタヴ・ブリーグレブ牧師(ジョン・マルコヴィッチ)は、クリスティンのことを知り、放送で彼女を励ます。

動揺して眠れぬ夜を過ごすクリスティンは、各地の行方不明者相談所に連絡し独自の捜査を始める。

7月20日。
ウォルターの捜査が一向に進まないまま、5ヶ月近くが過ぎたある日、市警の青少年課のJ・J・ジョーンズ警部(ジェフリー・ドノヴァン)がクリスティンの元を訪れる。

ジョーンズは、ウォルターが、イリノイ州デカルブで発見されたことをクリスティンに知らせる。

同僚達と喜びを噛み締めたクリスティンは、その後、報道陣に囲まれながら、市警本部長ジェームズ・E・デイヴィス(コルム・フィオール)の仕組んだ、母子対面セレモニーのためウォルターを迎えに駅に向かう。

しかし、現れた少年(デヴォン・ギアハート)はウォルターではなく、クリスティンは混乱してしまう。

少年は自分を”ウォルター”と名乗り、ジョーンズ警部は、5ヶ月間に子供に変化があったと言い張り、クリスティンに、少年をウォルターと強引に認めさせてしまう。

仕方なく少年を家に連れて行ったクリスティンは、彼の背が低くなった事などを理由に、ジョーンズに、人違いだということを訴えるが、彼は聞く耳を持たなかった。

ジョーンズは医師をクリスティンの元に派遣し、少年の背は、脊椎が縮小したために縮み、彼女側に問題があるように仕立てあげてしまう。

クリスティンは、ウォルターを救う時間を失うことに焦りを感じていたが、ブリーグレブ牧師から連絡が入り、警察の腐敗の犠牲者になりつつある彼女に、救いの手を差し伸べる。

警察と闘うなら力を貸すというブリーグレブに対し、クリスティンは、息子を助けたいだけだと言葉を返す。

しかし、ブリーグレブの、”正しく闘えば、事態を解決できる”という言葉に、クリスティンは心を動かされる。

歯科医や学校の担任教師から、少年がウォルターとは別人だという証言を取り付けたクリスティンは、ブリーグレブのラジオ出演を承諾する。

しかし、クリスティンはジョーンズの策略で、精神異常者として病院に送られてしまう。

一方、市警のレスター・ヤバラ刑事(マイケル・ケリー)は、牧場主ゴードン・ノースコット(ジェイソン・バトラー・ハーナー)の従弟サンフォード・クラークエディ・オルダーソン)の、カナダからの不法入国の件を処理しに現場に向かう。

クリスティンは、人権を無視する病院側に不当な扱いを受けながら、同じ患者のキャロル・デクスター(エイミー・ライアン)から、警察権力に刃向かう者が、有無を言わせず病院送りになっている事実を知らされる。

サンフォードの強制退去の手続きを済ませたヤバラは、彼に呼ばれ、驚きの事実を知らされる。

ヤバラは、ノースコットが、約20人もの少年を誘拐して殺害したことにサンフォードが加担させられ、その中には”ウォルター・コリンズ”がいたことを知る。

クリスティンは、ジョナサン・スティール医師(デニス・オヘア)に、自分の主張が誤りだという書類にサインするよう強要されるが、彼女はそれを拒否する。

ヤバラは、サンフォードを連れて同僚と農場に向かい、少年達と思われる多数の遺骨を発見する。

ブリーグレブは、ウォルター殺害の可能性を掲載した新聞を持参し、病院に向かいクリスティンを退院させる。

しかし、クリスティンは、ウォルターが死亡したかもしれないという報道を知り卒倒してしまう。

市警のデイヴィス本部長は、事件を解決させるために、ウォルターが死亡したことにするのが得策だと考える。

ヤバラは、ウォルターに扮していた少年を尋問し、彼が映画スターに会いたいがために、ロサンゼルスにやって来たことを聞きだす。

ブリーグレブの協力者サミー・ハーン弁護士(ジェフ・ピアソン)は、クリスティンに無償での弁護を申し出て、警察権力との戦いの準備を始める。

そしてハーン弁護士は、クリスティンやブリーグレブと共に、彼女のいた病院に令状を持参し押し入り、不当に入院させられた患者達を解放する。

1928年9月20日。
その頃、ノースコットカナダバンクーバーの姉の家で逮捕される。

ブリーグレブとクリスティンは、民衆の市警へのデモに後押しされながら、市議会の公聴会に向かう。

クリスティンは、同じ場所で開かれているノースコットの裁判を、ハーン弁護士と傍聴する。

”ウォルター”に成りすますことを、警察に強要された少年も真実を暴露し、迎えに来た継母と故郷に帰る。

そろそろ新しい人生を送るべきだと言う、ブリーグレブの助言にも拘らず、クリスティンはウォルターを捜し続ける決意を語る。

警察内の汚職、不当な捜査や逮捕などが次々に法廷で暴かれ、その後デイヴィス本部長とジョーンズ警部は、警察から追放される。

同時に進行していた裁判で、ノースコットは有罪となり、2年後に死刑が確定する。

1930年9月30日
その後もウォルターの生存を信じ、行方不明者相談所に連絡をし続けていたクリスティンは、ノースコットから、面会して真実を語りたいという連絡を受ける。

クリスティンと面会したノースコットは、結局は何も語らず、10月2日に彼女の目の前で処刑される。

1935年2月27日。
或る夜の出来事」がアカデミー賞を受賞し、予想が当たり喜ぶクリスティンに、ノースコットに誘拐されて逃亡したという少年が見つかったという連絡が、その母親から入る。

そして、その少年はウォルターと共に逃げて、彼のその後は知らないということが分かる。

両親に会いたい一心で名乗り出た少年を見たクリスティンは、ウォルターが、少年を救ったことを知り誇りに思う。

クリスティンは、市警の中で唯一人、ウォルターに対する母親の気持ちを理解するヤバラ刑事に対し、息子が生きている希望を見つけたことを伝えて立ち去る。

そして、クリスティンは1964年に生涯を閉じるまで、息子ウォルターを捜し続けた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1928年3月10日、ロサンゼルス
電話局に勤めるクリスティン・コリンズは、仕事に呼び出され、9才になる息子ウォルターを家に残して職場に向かう。
帰宅したクリスティンは、ウォルターが家にいないことに気づき、彼を捜すものの見つからず、翌日まで様子を見るよう警察に指示される。
同じ頃、ロサンゼルス市警の腐敗を批判する運動の指導者ブリーグレブ牧師は、クリスティンのことを知り、ラジオ放送で彼女を励ます。
ウォルターの捜査が一向に進まないまま、5ヶ月近くが過ぎたある日、クリスティンは、息子が発見されたことを警察から知らされる。
クリスティンは、市警本部長のデイヴィスの仕組んだ、派手な母子対面セレモニーをセッティングされながら、ウォルターを迎えに駅に向かう。
しかしクリスティンは、現れた少年がウォルターではなく混乱してしまう。
担当のジョーンズ警部は、数ヶ月間で子供に変化があったと言い張り、少年をウォルターだと言って、クリスティンに、それを強引に認めさせてしまう。
クリスティンは困惑しながら、ウォルターを救う時間を失うことに焦りを感じていたが、ブリーグレブ牧師は、警察の腐敗の犠牲者になりつつある彼女を救うため立ち上がる・・・。
__________

作品は、殺人事件の解明と共に、腐敗する警察権力への闘いに挑んだ人々の姿を、力強く描いている。

80歳を前に、全く衰えを見せないクリント・イーストウッドの、製作兼監督、さらに音楽まで担当した意欲作で、繊細で重厚な演出は、さすがに見応えがある。

結局は、主人公の息子が発見されずに終わるドラマで、主人公が警察に陥れられていく中盤位までがなんとも痛々しく、形勢逆転する後半の展開が単純に描かれているせいか、終盤の犯人の処刑のシーンなどを、詳細に描き過ぎている感じでもあり、良くも悪くも、最近のイーストウッド作品らしい、重苦しい雰囲気に終始する作品でもある。

また、イーストウッドの音楽の才能も認めるが、彼の、他の作品を思い起こさせるメロディがどうも気になる。

初めて彼の作品に接する人は新鮮さを感じ、約40年、彼の作品に付き合っている自分にとっては、時代の年輪のようなものを感じさせてくれる作品。

北米興行収入は約3600万ドルと低迷したが、全世界では約1億1300万ドルと、まずまずのヒットとなった。

特撮を多様しているとはいえ、1920年代の、ロサンゼルスの街並みを見事に再現したセットや衣装、彩度をやや落とした、時代の雰囲気を漂わせる映像は素晴らしい。

私生活での話題や、あらゆるジャンルの役柄をこなす、注目度の高いアンジェリーナ・ジョリーだが、何の変哲もない、子供を思うだけの平凡な母親を見事に演じ、演技派としての実力を十分に見せてくれる。

ジョン・マルコヴィッチは、やや過激な役柄ではあるが、主人公を支える牧師を、演技自体は力強く、しかし目立ち過ぎないよう、やや控え目に物語に絡んでいるところなども心憎い演出だ。

腐敗に染まる警察組織の中枢的人物で警部のジェフリー・ドノヴァン、同じく本部長コルム・フィオール、少年誘拐殺人を犯すノースコットを演ずるジェイソン・バトラー・ハーナー、腐敗する警察の中で、唯一人、少年事件を追う刑事役のマイケル・ケリー、警察権力の犠牲になる精神病患者役のエイミー・ライアン、医師デニス・オヘア主人公に協力して、次々と警察の腐敗を告発する正義感のある弁護士ジェフ・ピアソンノースコットの従弟のサンフォード・クラーク役のエディ・オルダーソン、主人公の息子ガトリン・グリフィン、彼として連れ戻される少年デヴォン・ギアハートなどが共演している。


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