シャイアン Cheyenne Autumn (1964) 4.32/5 (31)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

マリ・サンドスの著書”Cheyenne Autumn”やハワード・ファスト“The Last Frontier”を基に、実際に起きた”北部シャイアンの脱出”を題材に製作された作品。
アメリカ政府の考えで、強制移住させられたシャイアンが、部族の誇りを胸に、故郷に戻ろうとする苦難の脱出劇を描く、巨匠ジョン・フォードの晩年の秀作。
出演リチャード・ウィドマークキャロル・ベイカージェームズ・スチュワートアーサー・ケネディエドワード・G・ロビンソンカール・マルデン他、フォード一家総出演。


西部劇

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・フォード
製作:バーナード・スミス
原作
マリ・サンドス“Cheyenne Autumn”
ハワード・ファスト“The Last Frontier”
脚本:ジェームズ・R・ウェッブ

撮影:ウィリアム・H・クローシア
編集:オトー・ラヴァリング
音楽:アレックス・ノース

出演
トーマス・アーチャー大尉:リチャード・ウィドマーク

デボラ・ライト:キャロル・ベイカー
ワイアット・アープジェームズ・スチュワート
ドク・ホリデイアーサー・ケネディ
カール・シュルツエドワード・G・ロビンソン
オスカー・ウェッセルズ大尉:カール・マルデン
スパニッシュ・ウーマン:ドロレス・デル・リオ
リトル・ウルフリカルド・モンタルバン
ダル・ナイフギルバート・ローランド
赤シャツ:サル・ミネオ
スコット少尉:パトリック・ウェイン
グィネヴィア・プランテジネット:エリザベス・アレン
トール・トゥリー:ヴィクター・ジョリー
スミス:ハリー・ケリーJr.
ジェフ・ブレア少佐:ジョン・キャラダイン
プラムトゥリー:ベン・ジョンソン
スタニスラウス・ウィチャウスキー曹長:マイク・マズルキ
ブレイデン少佐:ジョージ・オブライエン
オキャベリー医師:ショーン・マクローリー
ジョー:ケン・カーティス
ダグ・ケリー市長:ジャドソン・プラット
女性:メエ・マーシュ
スヴェンソン:ジョン・クォーレン
電信技手:ビング・ラッセル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1964年製作 154分
公開
北米:1964年10月3日
日本:1964年12月19日
製作費 $4,200,000


アカデミー賞 ■

第37回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1878年9月7日、オクラホマ準州
故郷のワイオミング準州からこの地に強制移住させられていたシャイアンには、特別な日となるはずだった。

内務省先住民管理局、シャイアン管理事務所。
集まったシャイアンは、政府の委員会の到着を待ち、自分達の考え通ることを願う。

司令官ブレイデン少佐(ジョージ・オブライエン)は、一向に現れる気配のない上院議員らに苛立ち、副官のトーマス・アーチャー大尉(リチャード・ウィドマーク)にそれを確認しようとする。

ブレイデンは、偵察からその場に戻ったプラムトゥリー(ベン・ジョンソン)からの報告を受ける。

長老トール・トゥリー(ヴィクター・ジョリー)は、倒れながらも待ち続けていたのだが、委員会のメンバーが来ないことを知り、腹を立て引き上げてしまう。

悪路と天候のため、メンバーが砦に戻ったという連絡も受けたブレイデンは、1000人のうち7割以上が命を落としたシャイアンへの気遣いを求める、彼らに読み書きを教えたデボラ・ライト(キャロル・ベイカー)の意見を聞き入れず、監視という職務に徹していることを伝える。

アーチャーは、酋長リトル・ウルフ(リカルド・モンタルバン)とダル・ナイフ(ギルバート・ローランド)を呼び止め、政府が部族に援助することと、彼らが法を守る義務があることを伝える。

しかしリトル・ウルフは、デボラの献身的な行為に感謝しながらも、白人が約束を守ろうとしないことを批判する。

そんな者達の話す言葉は、覚えない方がいいと言われたデボラは反論するが、リトル・ウルフダル・ナイフはその場を立ち去る。

翌日、大人の指示で子供達は集まらず、デボラが心を痛めていることを、ダル・ナイフの妻スパニッシュ・ウーマン(ドロレス・デル・リオ)が気にする。

居留地で寝泊まりしてまで、信念を貫こうとするデボラに、生まれながらの戦士シャイアンの怖さを教えるアーチャーだったが、彼女は聞く耳を持たない。

警告したアーチャーは、心を寄せるデボラに、結婚してくれるかという言葉を黒板に残し、その場を去る。

そして、事件は起きる。

その夜、リトル・ウルフらは、制止するデボラの言葉を遮り、武器を手に故郷イエローストーンに向かい旅立つ。

翌朝、部族が去ったことを知ったアーチャーは、デボラも行動を共にしたことに気づく。

アーチャーは、部下スコット少尉(パトリック・ウェイン)やスタニスラウス・ウィチャウスキー曹長(マイク・マズルキ)らを従えて追跡を始める。

父親を先住民に殺され、個人的な恨みを持つスコットに、身勝手な行動をしないようにとアーチャーは警告する。

アーチャーは、シャイアンが川を渡ったことを確認するが、彼らは戦いの準備を始め、デボラの忠告も聞き入れない。

シャイアンは部隊を待ち伏せていたのだが、アーチャーの指示で、偵察に現れたプラムトゥリーとスミス(ハリー・ケリーJr.)を、ダル・ナイフの息子の赤シャツ(サル・ミネオ)が銃撃してしまう。

部隊に戻ったプラムトゥリーとスミスだったが、そこに現れたブレイデンは、女子供もいる部族に向かい砲撃を始めようとする。

それに意見するアーチャーだったが、ブレイデンは砲撃を開始し、部族は死傷者をだす。

しかし、部隊はシャイアンの反撃を受けて、ブレイデンは死亡する。

赤シャツは、リトル・ウルフダル・ナイフに行動を非難される。

その後、シャイアンは移動を始め、長老トール・トゥリーは息を引き取り埋葬される。

兵士の死傷者は数名だと報告されるものの、それが伝わるにつれて増え続け、各地に部隊が配備される。

人々はシャイアンと聞くだけで恐れ、軍部は事態を悪化させた責任があると言って内務長官カール・シュルツ(エドワード・G・ロビンソン)に詰め寄る。

シュルツは、先住民管理局の腐敗を是正するために、現地には、デボラのようなクエーカー教徒を派遣した。

しかし軍側は、そのクエーカーが逃亡を促したと主張して、シャイアンを擁護する者はいなかった。

ところが、”ニューヨーク・グローブ”紙が、明らかに扇動と思える今回の報道を避難して、シャイアンの真実を語り始める。

その噂は信じられて西部からの情報は止まり、シャイアンと追跡隊の行方は知られなくなる。

シュルツは、突然シャイアンに関心を持ち始めた議員らを牽制するものの、事態の収拾を急ぐ必要もあった。

その頃、リトル・ウルフは、若い妻を赤シャツに奪われたことで、この件の決着をつける考えを、ダル・ナイフに伝える。

シャイアンを確認したアーチャーだったが、彼の命令を無視したスコットが突撃してしまい、防御の隙を突かれ、物資を積んだ馬車などを燃やされてしまう。

アーチャーは、戻ったスコットを痛烈に非難するが、負傷した彼の傷を手当てする。

疲弊しながらも、追跡を逃れるために、あえて荒れ地を進んだシャイアンは、飢えに苦しみながらもバッファローの群れと遭遇できることを願っていた。

しかし、バッファローは、白人のハンターが毛皮にするために殺した後で、シャイアンは絶望する。

カンザス州、ダッジ・シティ
町に現れたグィネヴィア・プランテジネット(エリザベス・アレン)は、保安官のワイアット・アープ(ジェームズ・スチュワート)や友人ドク・ホリデイ(アーサー・ケネディ)、ジェフ・ブレア少佐(ジョン・キャラダイン)にからかわれて気分を害する。

ダグ・ケリー市長(ジャドソン・プラット)は、軍がわずかな兵士を残してシャイアン討伐に向かったため、町の安全を心配する。

直後に町に現れた、テキサス人ジョー(ケン・カーティス)らは、部族に遭遇したことをケリーに伝える。

アープが、シャイアンのことに興味を示さないため、ジョーは、殺した部族の若者の頭の皮を見せる。

かまわずポーカーを続けるアープを挑発するジョーだったが、彼に足を撃たれてしまう。

ジョーが騒ぐために、アープは仕方なく彼の足の弾を抜きゲームに戻る。

慌てるケリー市長を見かねて、市民軍を率いたアープだったが、彼らは、シャイアンの一発の銃声で大混乱するだけだった。

砦に到着したアーチャーは、自分達で偵察に行くことを考える。

翌朝アーチャーは、偵察に向かったプラムトゥリーとスミスが、川岸でデボラの本を見つけたことを知り出撃する。

10日前に退役したはずの、ウィチャウスキー曹長も部隊に加わり、負傷していたスコットも後を追い合流する。

ネブラスカ州北部。
雪の積もる季節となり、これ以上、飢えをしのぐことができないと判断したダル・ナイフは、反対するリトル・ウルフの意見を聞き入れることなく、女や子供達をロビンソン砦に向かう決断をする。

シャイアンは分裂し、リトル・ウルフの妻は赤シャツについて行く。

ダル・ナイフやデボラらは砦に到着し、指揮官のオスカー・ウェッセルズ大尉(カール・マルデン)は、彼らに食事などを与える。

アーチャーも到着してデボラと再会するものの、軍の命令が届き、シャイアンは逃亡したものとみなされて、居留地に返されることになる。

デボラは、命令に従うというウェッセルズの言葉に気分を害して席を外し、アーチャーも苛立つ。

氷点下の倉庫に拘束されたシャイアンらは、死を覚悟して南の地に戻ることを拒み、ウェッセルズは、食料や水も与えないことを彼らに伝える。

ウェッセルズが、シャイアンの置かれた現実を報告しようとしないため、アーチャーは休暇を取り、ワシントンD.C.内務省に向かう。

シュルツに会ったアーチャーは、シャイアンの苦難と不当な扱いを訴える。

西部に行くことをアーチャーに約束したシュルツは、今は亡き旧友エイブラハム・リンカーンの写真に向かい、今何をするべきかを問う。

現状を見かねたオキャベリー医師(ショーン・マクローリー)は、軍規に基づき、スコットやウィチャウスキーらと共に、ウェッセルズを解任してに監禁する。

ところが、武器を手にしたダル・ナイフは行動を起こし、兵士達と交戦して、死者を出しながらも砦から脱出し、それを知ったウェッセルズは呆然とする。

ダル・ナイフリトル・ウルフ達と合流するが、その場を軍が包囲する。

そこにアーチャーに伴われたシュルツが到着し、リトル・ウルフダル・ナイフの元に向かい紹介される。

シュルツは、シャイアンの命懸けの旅を、故郷に戻るに値する行為だと称え、砦の出来事は自分が国民に伝えることを約束する。

シャイアンは故郷イエローストーンに戻り、赤シャツを許せずに殺害したリトル・ウルフは、部族の長である証の聖なる包みをダル・ナイフに渡してその場を去る。

そして、アーチャーとデボラは、旅で傷ついていた部族の少女の回復を待ち、故郷に送り届ける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1878年、オクラホマ準州
故郷のワイオミング準州から、強制移住させられたシャイアンは、多くの仲間を失い虐げられた生活の改善も見込めなかった。
シャイアンを監視する軍の司令官ブレイデン少佐は、その現状を、部族の子供達に読み書きを教えるデボラから訴えられるものの、あくまで職務にこだわる。
デボラに心を寄せる、部隊副官のトーマス・アーチャー大尉は、双方の考えを理解するのだが、ついに事件は起きてしまう。
現状打開が見込めないと考えたシャイアンの酋長リトル・ウルフダル・ナイフは、武器を手にし、部族を率いて居留地からの脱出する。
それに気づいたアーチャーは、デボラも同行したことを知り、部隊を指揮して追跡を始めるのだが・・・。
__________

数十年振りに観た本作は、あらゆる場面で”ジョン・フォード”を感じさせてくれる、素晴らしいの一言で全てが表現できる作品だ。

まだ映画を観始めた少年時代以来の鑑賞だったのだが、その間に触れたフォード作品のお陰で、本作は一層味わい深いものとなった。

この後に、多くの作品を残せないと悟っていたフォードの、正に集大成とも言える作品で、彼の作品を愛している方ならば、私の言わんとすることは、多くを語らずも理解していただけると思う。

馬のスペシャリスト、ベン・ジョンソンハリー・ケリーJr.の、「リオ・グランデの砦」(1950)を彷彿させる、二人の見事な手綱さばきを映し出す映像や、随所に挿入されるユーモアなど、フォードの演出に衰えは全く感じない。

かつてのフォード作品で活躍した面々の登場は、ファンならば感激であり、そして、各作品へのオマージュ的なシーンも涙ものである。

冒頭のオクラホマ準州のシーンは、全く違う場所”モニュメントバレー”が多く使われ、”ジョン・フォード・ポイント”を印象的に映し出すショットなど、彼の映画人生を集約したような構成も素晴らしい。

第37回アカデミー賞では、撮影賞(カラー)にノミネートされた。

主役はシャイアンであるため、ジョン・ウェインのような他を圧倒する存在ではない役柄がまたいい、監視部隊副官を好演するリチャード・ウィドマーク、彼が心を寄せる、シャイアンに読み書きを教える教師のキャロル・ベイカーワイアット・アープをユーモアを交えて演ずるジェームズ・スチュワートドク・ホリデイ役のアーサー・ケネディシャイアンに理解を示す内務長官カール・シュルツエドワード・G・ロビンソンシャイアンを監禁する砦の指揮官カール・マルデンシャイアンの酋長リトル・ウルフリカルド・モンタルバンダル・ナイフギルバート・ローランドダル・ナイフの妻ドロレス・デル・リオ、その息子サル・ミネオ、監視部隊士官パトリック・ウェイン(ジョン・ウェインの息子)、ヴィクター・マクラグレンを想い起させる巨漢の曹長マイク・マズルキベン・ジョンソンハリー・ケリーJr.、司令官ジョージ・オブライエンワイアット・アープとポーカーをする少佐ジョン・キャラダイン、彼らにからかわれるエリザベス・アレンシャイアンの長老ヴィクター・ジョリー、砦の医師役のショーン・マクローリーテキサス人の無法者役ケン・カーティス(ジョン・フォードの娘婿)ダッジ・シティの市長役ジャドソン・プラット、電信技手ビング・ラッセル、他、ジョン・クォーレン、そして、ジョン・フォード作品に17作で出演した端役出演のメエ・マーシュの遺作となった。


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