ダラス・バイヤーズクラブ Dallas Buyers Club (2013) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

HIV感染者となったロン・ウッドルーフが、承認されない治療薬の販売ルートを広げようとする苦難の日々を描く、主演のマシュー・マコノヒーと助演のジャレッド・レトがそれぞれオスカーを受賞した実録ドラマ。
監督、編集ジャン=マルク・ヴァレジェニファー・ガーナーデニス・オヘアスティーヴ・ザーン他共演。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジャン=マルク・ヴァレ
製作
ロビー・ブレナー

レイチェル・ウィンター
製作総指揮
デヴィッド・L・ブシェル
ニコラス・シャルティエ

カシアン・エルウィズ
ゼヴ・フォアマン
ローガン・レヴィ
ジョー・ニューカム
トニー・ノタルジャコーモ
ネイサン・ロス
ホリー・ウィーアズマ
脚本
クレイグ・ボーテン

メリッサ・ウォーラック
撮影:イヴ・ベランジェ
編集
ジャン=マルク・ヴァレ

マーティン・ペンサ

出演
ロン・ウッドルーフマシュー・マコノヒー

イヴ・サックス医師:ジェニファー・ガーナー
レイヨン:ジャレッド・レト
セヴァード医師:デニス・オヘア
タッカー:スティーヴ・ザーン
デイヴィッド・ウェイン:ダラス・ロバーツ
リチャード・バークレー:マイケル・オニール
ヴァス:グリフィン・ダン
フランシーヌ・サスキンド:ジェーン・マクニール
レイヨンの父:ジェームズ・デュモン
サンフラワー:ブラッドフォード・コックス
T.J.:ケヴィン・ランキン
ラリー:ローレンス・ターナー
ネディ・ジェイ:アダム・ダン

アメリカ 映画
配給 フォーカス・フィーチャーズ

2013年製作 116分
公開
北米:2013年11月1日
日本:2014年2月22日
製作費 $5,000,000
北米興行収入 $27,298,285
世界 $55,198,285


アカデミー賞 ■

第86回アカデミー賞
・受賞
主演男優賞(マシュー・マコノヒー
助演男優賞(ジャレッド・レト
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
・ノミネート
作品・編集・脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1985年、テキサス州、ダラス
電気技師でロデオ・カウボーイのロン・ウッドルーフマシュー・マコノヒー)は、体調不良を気にしながら、女とヤクそして酒に溺れて堕落した人生を送っていた。

そんなウッドルーフは、知人の警官タッカー(スティーヴ・ザーン)にも、真面目に暮らすようにと忠告される。

ある日ウッドルーフは、仕事場で怪我をして病院に運ばれる。

軽傷だったウッドルーフは、医師セヴァード(デニス・オヘア)とイヴ・サックス(ジェニファー・ガーナー)の診察と検査を受けて、HIVが陽性だという結果を知らされる。

それを信じようとしないウッドルーフは、更に余命30日と宣告される。

セヴァードとサックスを相手にしないウッドルーフは、検査結果の報告書を投げ捨ててその場を去る。

1日目。
医師の話など無視したウッドルーフは、ヤクと酒そして女と楽しみ、友人T.J.(ケヴィン・ランキン)にHIV感染者と診断されたことを伝える。

翌日からウッドルーフは、AIDSHIVについてを調べ始める。

セヴァードとサックスは、”AZT”がHIVの治療薬として効果があることを製薬会社側から説明を受ける。

副作用のことなどを尋ねたセヴァードだったが、”FDA”(食品医薬品局)からも臨床試験の承認を得ていることを知らされ実験の協力を求められる。

サックスは納得いかないが、AIDSで多くの人々が亡くなっている現状では、実験の受け入れも致し方ないことだとセヴァードは考える。

様々なことを調べたウッドルーフは、自分がHIV感染者だと受け入れるしかないことを知り愕然とする。

7日目。
病院に向いセヴァードを訪ねたウッドルーフは、彼が不在だったために苛立ち、現れたサックスを看護師呼ばわりする。

自分が医師だということを伝えたサックスは、話がしたければ20分後に部屋に来るようウッドルーフに伝える。

サックスの部屋に向かったウッドルーフは、調べてあったAZTが欲しいことを伝える。

試験が済み効果があると判断できれば処方できるとサックスに言われたウッドルーフは、外国の薬が手に入るかを尋ねる。

FDAが承認していないと答えるサックスは、支援団体の集会で相談に乗ってもらえることなどを伝えるが、ウッドルーフは興味を示さない。

バーに向かったウッドルーフは、仲間達が自分に偏見を持っていることを知り、諍いを起こしてその場を去る。

支援団体の集会に参加してみたウッドルーフは、資料だけを手にしてその場を去る。

死を意識するウッドルーフは、もう少し時間が欲しいと願い神に祈りを捧げる。

8日目。
病院の清掃員を買収したウッドルーフは、AZTを手に入れてそれを飲み始める。

9日目。
職場でも差別を受けるウッドルーフは、仕事を辞めてしまう。

28日目。
その後もAZTを飲み続けたウッドルーフだったが、警備が厳しくなったため薬は渡せないと言う清掃員から、メキシコの医師を訪ねるようメモを渡される。

意識を失ったウッドルーフは病院に運ばれ、サックスに呼びかけられて目覚める。

血液中からAZTが検出されたことをセヴァードから知らされたウッドルーフは、どこで入手したかを聞かれて白を切る。

隣りのベッドのトランスセクシュアル、レイヨン(ジャレッド・レト)に声をかけられたウッドルーフは、彼を追い払おうとするもののカードで賭けを始める。

負けてしまったウッドルーフは脚が痙攣し、レイヨンに揉んでもらうものの、ゲイでないことを伝えて止めさせる。

レイヨンがAZTの被験者だと知ったウッドルーフは、大金を払う友人にも薬を分けているという話を聞く。

自分にも分けてほしいとレイヨンに頼んだウッドルーフだったが、先約がいると言われて断られる。

サックスの制止も聞かずに病院を出たウッドルーフは、締め出されたトレーラーハウスに押入り、荷物と現金を持ってメキシコに向かう。

29日目。
途中で車を止めたウッドルーフは、自殺も考えて拳銃を手にするが思い止まる。

30日目。
メキシコ
病院の清掃員から聞いた医師ヴァス(グリフィン・ダン)を訪ねたウッドルーフは、AZTが欲しいことを伝える。

体調不良で寝込んでしまったウッドルーフは、医師免許を剥奪されたためこの場で診療所を始めたことヴァスから知らされる。

AZTが製薬会社を儲けさせるだけだと言うヴァスは、ビタミン剤と亜鉛他を飲むようウッドルーフに伝える。

3か月後。
改善がみられるウッドルーフは、AZTよりも毒性の低い”ddc”とタンパク質の”ペプチドT”を飲ませていたことをヴァスから知らされる。

アメリカではそれらが未承認で購入できないと聞いたウッドルーフは、大量に持ち帰り売りさばくことを考える。

聖職者に扮して国境を越えようとしたウッドルーフは、大量の薬物所持についての取り調べを受け、FDAの局員リチャード・バークレー(マイケル・オニール)に質問される。

ガン患者だと言ったウッドルーフは、短期間で自分が飲む分だと答える。

販売して利益を得るものではないことをバークレーに伝え神に誓ったウッドルーフは、それらの国内への持ち込みを許可される。

帰国したウッドルーフは、ddcペプチドTを同性愛者などに売ろうとする。

AZTの早期の試験終了に疑問を感じるサックスは、セヴァードに副作用などの可能性を伝えるが聞き入れられない。

その後、大量の薬をさばけると言うレイヨンが持ち掛けた話に乗ったウッドルーフは、彼と手を組みモーテルを拠点にしてビジネスを始める。

薬は販売するのではなく、会員権を売って無料で配布する”ダラス・バイヤーズクラブ”を設立する考えだった。

AZTの販売が許可され、1年分で1万ドルする史上最高額の薬として市販されることになる。

2か月後。
ビジネスが順調に展開していたある日、レイヨンを訪ねて来たサックスは、ウッドルーフが自分の患者にも薬を配布していることを知り驚く。

スーパーでT.J.に出くわしたウッドルーフは、彼がレイヨンを軽蔑して握手しないため、羽交い絞めにして強引に握手させる。

ウッドルーフの元には列をなして人々が集まり、彼は食べ物の添加物などを気にして、ドラッグを止められないレイヨンに、ビジネスを潰しかねない行為だと言って忠告する。

日本。
手を回していた生物化学研究所で目的の”インターフェロン”が入手できなかったウッドルーフは、医師を買収してそれを手に入れて帰国する。

点滴で投与するよう言われていたウッドルーフだったが、空港で発作を起こしトイレでインターフェロンを注射器で打ってしまい、意識不明となり病院に運ばれる。

セヴァードから薬の入手先を問われたウッドルーフは、AZTを投与されていると知り点滴の針を抜いてしまう。

その場にいたFDAのバークレーは、薬を押収して処分することをウッドルーフに伝える。

話は担当医のサックスを通せと言うウッドルーフは、迎えに来たレイヨンと共にその場を去る。

大量の”インターフェロン”の件などでサックスを問い詰めたセヴァードは、ウッドルーフの”新薬”に頼らないよう患者に忠告すことを命ずる。

各国を回り薬を集め始めたウッドルーフは、自分を監視するサックスに、症状を緩和させる方法はあるのに、世界のAIDS患者の多くは死んでいることを伝える。

ある日セヴァードは、病院から被験者がいなくなって入ることに気づく。

そんな時、モーテルに”IRS”(内国歳入庁)の査察が入り、ウッドルーフは罰金を受けることになる。

FDA本部では、”新薬”承認を求める大規模なデモが起きる。

サックスと食事をしたウッドルーフは、画家だった母親の描いた花の絵をプレゼントして楽しい時間を過ごす。

数日後、タッカーに付き添われたバークレーがDEA局員と共に現れ、FDA未承認の薬などの押収に関する裁判所命令を伝える。

ウッドルーフは、弁護士のデイヴィッド・ウェイン(ダラス・ロバーツ)に連絡するしか方法はなかった。

1987年3月11日。
FDAは規則の変更を提案し、医師の処方箋が出た場合のみ薬の購入が可能であり、ウッドルーフのビジネスは違法と判断される。

医師に処方箋を書かせて商売を続行させる考えのウッドルーフは、各方面に手を回して、協力したいと言う会員から家を提供される。

父親(ジェームズ・デュモン)に会ったレイヨンはAIDSになったこと知らせ、力になってほしいことを伝える。

医師の協力が得られなくなったウッドルーフだったが、レイヨンから大金を渡される。

必要ない生命保険を解約したと言うレイヨンにウッドルーフは感謝する。

サックスをメキシコ旅行に誘ったウッドルーフは、処方箋が欲しいことを彼女に頼むものの断られる。

吐血してしまったレイヨンは、恋人のサンフラワー(ブラッドフォード・コックス)に連れられて病院に向かう。

メキシコ
ヴァスに会ったウッドルーフは、AZTの効果が低いことが秘密にされていることを知り、抗真菌薬フルコナゾール”を勧められる。

レイヨンのことで報せを受けたサックスは病室に向い、モルヒネを投与されて眠っている彼の様子を見る。

サックスのオフィスで処方箋の用紙を盗んでいたウッドルーフは、適当な患者名を記入してFDAのチェックを受けフルコナゾールを持ち帰る。

家に戻ったウッドルーフは、レイヨンが病院に運ばれ死亡したことを知る。

レイヨンを殺したと言ってセヴァードを責めるウッドルーフは、騒ぎを起こして警備員に取り押さえられる。

翌日、現れたサックスに、レイヨンがAZTの副作用の犠牲者だと伝えたウッドルーフは、それだけが原因ではなくレイヨンは薬物中毒だったことを彼女に指摘される。

処方箋の用紙を盗んだことを批判するサックスは、レイヨンが自分の友人だったことをウッドルーフに伝える。

製薬会社がAZTの効果が低いことを隠している証拠となる雑誌を渡されたサックスは、HIV患者へのAZTの投与を最小限にするよう看護師に指示する。

ウッドルーフは、ペプチドTが害もなく効果的だとFDAのバークレーに訴える。

活動を止めないウッドルーフに関わたっと判断するセヴァードは、サックスに辞表を提出するよう求める。

サックスは自分が邪魔な存在であれば解雇するよう伝え、セヴァードを罵倒して病院を去る。

ウッドルーフの元に向かったサックスは、彼と心触れ合う。

薬が切れて放心状態となりながら車を運転し、交差点で停車し騒ぎを起こしたウッドルーフは、駆けつけたタッカーに介抱される。

6か月後。
サンフランシスコ連邦地方裁判所。
判事はFDAの威圧的な対応を批判し、ウッドルーフの苦境に同情しながらも彼の訴えを棄却する。

ダラスに戻ったウッドルーフは、サックスやスタッフそして会員達に拍手で迎えられる。

裁判後、FDAは、ウッドルーフに対しペプチドTの個人使用を許可する。

その後ウッドルーフは、ロデオに復帰する。

2557日目。
ウッドルーフは、HIV感染から7年後の1992年9月12日に亡くなる。

その後、AZT使用減と薬の多様化で多くの人々が救われた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1985年、テキサス州、ダラス
女とヤクそして酒に溺れて堕落した人生を送っていた電気技師でロデオ・カウボーイのロン・ウッドルーフは、HIV感染者と診断される。
医師セヴァードとサックスの言葉を信じないウッドルーフだったが、様々なことを調べた結果それを認めるしかない状況に追い込まれる。
治療薬として試験が始まった”AZT”を、病院の清掃員を買収して手に入れたウッドルーフは、その入手が困難になりメキシコに向う。
医師免許を剥奪されたヴァスから、AZTよりも毒性の低い”ddc”とタンパク質の”ペプチドT”を与えられ改善が見られたウッドルーフは、それを国内に持ち込みHIV感染者に売ることを考える。
トランスセクシュアルのレイヨンと知り合っていたウッドルーフは、薬を大量にさばける彼と共にビジネスを始め”ダラス・バイヤーズクラブ”を設立し、会員を募り会費制で薬を配る。
しかし、違法まがいのウッドルーフのビジネスに”FDA”(食品医薬品局)などから圧力がかかる・・・。
__________

麻薬ディーラーの金儲け的なビジネスの要素はあるものの、死が迫っている人々の苦境が根底にある。
彼らが求める治療薬は未承認であるがそれなりの効果があると言うことで、犯罪者まがいの主人公達の行動に正義感が感じられる、重厚なドラマに仕上がっている。

1980年代初頭に、初めてAIDSと認定された患者が確認された数年後の話であり、広まる感染者の恐怖や悲しみそして焦りが切実に描かれている。

AIDSの問題よりも、無策に近い政府、当局の対応、難病をビジネスにする製薬会社と医師、病院側の利権が絡む癒着など、アメリカの抱える社会問題を鋭く描くジャン=マルク・ヴァレの演出手腕にも注目したい。

第86回アカデミー賞では、主人公を演じたマシュー・マコノヒーが主演男優賞、彼に協力するトランスセクシュアルの青年を演ずるジャレッド・レトが助演男優賞を、またメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞した。
・ノミネート
作品・編集・脚本賞

念願のオスカーを獲得したマシュー・マコノヒーは約20キロ減量し、HIV感染者であるロン・ウッドルーフを迫真の演技で演じている。
若くして実力を評価されていた彼の役者魂を感じさせてくれる演技として、後世に語り継がれる名演を見せてくれる。

主人公の理解者である、患者の立場に立つ医師ジェニファー・ガーナー、新薬の被験者である患者であり、主人公を支えるジャレッド・レト、主人公を診察した医師で、製薬会社贔屓と言えるデニス・オヘア、主人公の知人である警官スティーヴ・ザーン、主人公の弁護士ダラス・ロバーツFDA(食品医薬品局)局員マイケル・オニールメキシコで医療活動をする主人公への薬剤提供者グリフィン・ダン、レイヨン(ジャレッド・レト)の恋人ブラッドフォード・コックス、父親ジェームズ・デュモン、主人公の友人ケヴィン・ランキンなどが共演している。


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