ダウト Doubt (2008) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

2004年オフ・ブロードウェイで初演されその後ブロードウェイでも公演もされた、監督、脚本ジョン・パトリック・シャンリーの舞台劇”Doubt: A Parable”の映画化。
ミッションスクール内で起きた事件に対する聖職者の疑惑と真実を追求する姿を人種問題も絡めて描く、主演メリル・ストリープフィリップ・シーモア・ホフマンエイミー・アダムスヴィオラ・デイヴィス他共演による心理ドラマの秀作。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・パトリック・シャンリー
製作総指揮:セリア・D・コスタス
製作
スコット・ルーディン

マーク・ロイバル
脚本:ジョン・パトリック・シャンリー

撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:ディラン・ティチェナー
音楽:ハワード・ショア

出演
シスター・アロイシアス・ビューヴィアー:メリル・ストリープ

ブレンダン・フリン神父:フィリップ・シーモア・ホフマン
シスター・ジェイムズ:エイミー・アダムス
ミラー夫人:ヴィオラ・デイヴィス
シスター・ヴェロニカ:アリス・ドラモンド
トミー・コンロイ:ポーリー・リット
ドナルド・ミラー:ジョセフ・フォスター

アメリカ 映画
配給 ミラマックス
2008年製作 104分
公開
北米:2008年12月12日
日本:2009年3月7日
製作費 $25,000,000
北米興行収入 $33,422,556
世界 $50,907,234


アカデミー賞 ■

第81回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優(メリル・ストリープ)
助演男優(フィリップ・シーモア・ホフマン)
助演女優(エイミー・アダムス/ヴィオラ・デイヴィス)
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1964年、ニューヨークブロンクス
カトリック教会の神父ブレンダン・フリン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、日曜のミサを始める。

フリン神父の、”疑い”(ダウト)についての説教に感激した教会付属の”聖ニコラス・スクール”の生徒ドナルド・ミラー(ジョセフ・フォスター)は、自分も司祭になりたいということを神父に伝える。

週が明け、学校の授業が始まり、厳格な校長のシスター・アロイシアス・ビューヴィアー(メリル・ストリープ)の監視下で、生徒達は勉学に励む。

シスター・アロイシアスは、その日の夕食の際、シスター・ジェイムズ(エイミー・アダムス)などを前に、”疑い”についてのフリン神父の説教には、何か意味があったのではないかと話し始める。

不安を感じたシスター・アロイシアスは、シスター達に用心するように伝える。

保守的なシスター・アロイシアスと違い、フリン神父は進歩的な考えの持ち主だった。

ある日シスター・ジェイムズは、校内初のアフリカ系の生徒ドナルドのロッカーに、彼の下着を入れるフリン神父の姿を目撃する。

その後、ドナルドの様子がおかしいことに気づいたシスター・ジェイムズは、二人が如何わしい関係であるかもしれないということをシスター・アロイシアスに伝える。

シスター・アロイシアスは即刻、疑いを確信に変えてしまうが、シスター・ジェイムズは、それを決め付けるのは避けて自分が見た事実だけをシスターに伝える。

嵐のあった翌日、シスター・アロイシアスは、フリン神父とシスター・ジェイムズを校長室に呼び出す。

シスター・アロイシアスは、クリスマスの行事のことなどから遠まわしに話を始めて、フリン神父がドナルドを特別扱いし、司祭館に二人きりでいた話を切り出す。

そして、シスター・ジェイムズが、司祭館から戻ったドナルドの様子がおかしかったことを付け加える。

フリン神父は不快感を表し、シスター・アロイシアスの態度を非難して立ち去ろうとする。

しかし、ドナルドの息が酒臭かったというシスター・ジェイムズの証言で、フリン神父はその時の様子を語り始める。

侍者を務めたドナルドが、ミサ用のワインを盗み飲みしたことを知り、フリン神父が彼を司祭館に呼び出し、泣きながら侍者を続けたいと謝るドナルドを、許したということだった。

シスター・ジェイムズは間髪を入れずに、これで誤解が解けたと喜ぶが、シスター・アロイシアスは、尚もそれを確かめることを告げる。

ドナルドが侍者を外されないように気遣った結果の、フリン神父の措置だったが、シスター・アロイシアスはドナルドを侍者から外す方針を伝える。

シスター・ジェイムズは、これ以上この件に関わりたくないことを、シスター・アロイシアスに告げる。

フリン神父の言動の全てを否定するシスター・アロイシアスは、彼を失脚させるとまで言い放つ。

次のミサでフリン神父は、校長室で思いついた、”不寛容”についての説教を、シスター・アロイシアスを前にして始める。

その後、フリン神父に、ドナルドの下着のことなどを尋ねたシスター・ジェイムズは混乱してしまうが、辻褄の合う理由と彼の優しさや気遣いに触れて、疑いを払拭しようとする。

しかし、ドナルドが、生徒に悪戯された後のフリン神父の接し方を見たシスター・ジェイムズは、再び不信感を抱き苛立ってしまう。

ドナルドの母親ミラー夫人(ヴィオラ・デイヴィス)を、学校に呼び出したシスター・アロイシアスは、夫人がフリン神父を信頼していることを知る。

シスター・アロイシアスは、夫人を仕事場に送りながら、フリン神父とドナルドの関係などについて率直に述べる。

6月には卒業するドナルドに、トラブルが起きることを避けたい夫人は、何かあったとしても、まだ子供のドナルドではなく神父に問題があると、シスター・アロイシアスに伝える。

家では父親から暴力を受け、公立校では差別され行き場のないドナルドが、自分を気にかけてくれるフリン神父に対し、自らの意思で行動していることを、夫人は涙ながらにシスターに訴える。

その後、学校に戻ったシスター・アロイシアスの元にフリン神父が現れ、彼女がドナルドの母親と会っていたことや、変わらぬ自分への疑いを知り、二人は激しい口論となる。

罪を犯し告白したこともある自分達が、立場は同じだと言うフリン神父は、シスター・アロイシアスの、ドナルドにワインを飲ませたのかという質問を否定する。

フリン神父は、立ち去ろうとするシスター・アロイシアスを引き止めるが、尚も神父に哀れみも感じないシスターは、彼に辞職勧告をして立ち去る。

次のミサで、フリン神父は信者達に別れを告げ、ドナルドは悲しみ、母親は複雑な表情でそれを受け入れる。

クリスマスが近づき、兄の病気の見舞いから戻ったシスター・ジェイムズは、学校を去ったフリン神父が、ドナルドに何かをしたとは思えないことをシスター・アロイシアスに告げる。

シスター・アロイシアスは、フリン神父が他の教会の主任司祭になったことと、彼を追い出すために嘘までついたことをシスター・ジェイムズに伝える。

さらにシスター・アロイシアスは、”悪を葬り去るためには、神から遠ざかることもある”と付け加え、但し、その罪は償うと語る。

突然、動揺し始めたシスター・アロイシアスは、言いようのない”疑い”が、そうさせたとことをシスター・ジェイムズに伝え、彼女の前で泣き崩れる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ミッションスクールの進歩的なフリン神父が、彼を慕うアフリカ系の生徒ドナルドと、如何わしい関係を持ったという疑いを持たれてしまう。
保守的な校長シスター・アロイシアスは、その件に関して自らの信念を貫き、執拗にフリンの罪を追求しよううとする。
フリンは、シスター・アロイシアスの言動に不快感を表し、今回の件を双方の立場で見守るシスター・ジェイムズは、疑惑と真実の狭間で苦悩する・・・。
___________

冷戦ベトナム戦争への関与、ケネディ大統領暗殺事件、そして公民権運動など、激動の時代の荒波は、戒律の厳しいカトリック教会にも押し寄せる。
革新的な考えを持つ神父を保守的なシスターが排除しようとする頑なまでの姿、人は、”疑い”を持った時にどのような行動をとるかということをテーマにして、信頼とは何かを人種問題も絡めて描く心理ドラマの秀作。

舞台を手がけた、ジョン・パトリック・シャンリー自身が演出を担当している。

その舞台はピューリッツァー賞の戯曲部門、トニー賞では演劇作品賞を受賞した。

第81回アカデミー賞では、脚色賞、メイン・キャストの4人が、揃って演技賞にノミネートされた。

主演女優(メリル・ストリープ)
助演男優(フィリップ・シーモア・ホフマン)
助演女優(エイミー・アダムス/ヴィオラ・デイヴィス)

清楚で引き締まった雰囲気を漂わせているロジャー・ディキンスの映像や、ハワード・ショアの音楽も印象に残る。

地味な作品の中で、激しい論争を繰り広げる、当代随一の実力派女優メリル・ストリープと同じく演技派フィリップ・シーモア・ホフマンの、スリリングな”攻防”と演技のぶつかり合いに加え、二人の間で苦悩し心揺れ動く修道女であり教師のエイミー・アダムスの抑えた演技と、出番は少ないが、父親の暴力と世間からの冷たい目線にさらされる息子を何とか守ろうとする母親を演ずる、ヴィオラ・デイヴィスの好演も光る。

年老いた修道女アリス・ドラモンド、生徒のポーリー・リット、そして、神父との関係を疑われる生徒ジョセフ・フォスターなどが共演している。


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