エルマー・ガントリー Elmer Gantry (1960) 4.87/5 (30)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

アメリカ人初のノーベル文学賞受賞者にして、20世紀のアメリカを代表する作家シンクレア・ルイスの、1927年に発表された同名小説を基に製作された作品。
人並みはずれた巧みな話術で、詐欺まがいのその日暮らしを送る女好きの放浪者が、伝道師の教祖の女性と、かつて自分が傷つけた娼婦への思いで心を入れ替え、新たな人生に向け旅立つまでを描く、監督リチャード・ブルックスバート・ランカスタージーン・シモンズ共演の異色のヒューマン・ドラマ。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:リチャード・ブルックス
製作:バーナード・スミス
原作:シンクレア・ルイス
脚本:リチャード・ブルックス
撮影:ジョン・アルトン
編集:マージョリー・フォウラー
音楽:アンドレ・プレヴィン

出演
バート・ランカスター:エルマー・ガントリー
ジーン・シモンズ:シスター・シャロン・ファルコナー/ケイティー・ ジョーンズ
ディーン・ジャガー:ウィリアム・L・モーガン
アーサー・ケネディ:ジム・レファーツ
パティ・ペイジ:シスター・レイチェル
シャーリー・ジョーンズ:ルル・ベインス
ジョー・マロス:ピート
エドワード・アンドリュース:ジョージ・F・バビット
ジョン・マッキンタイヤ:ジョン・ペンギリー牧師
ヒュー・マーロウ:フィリップ・ギャリソン牧師
フィリップ・オバー:プランク牧師
デイトン・ルーミス:エディントン
ジョン・クゥオーレン:サム

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1960年製作 146分
公開
北米:1960年7月7日
日本:1961年4月
製作費 $3,000,000


アカデミー賞 ■
第33回アカデミー賞
・受賞
主演男優(
バート・ランカスター)
助演女優(
シャーリー・ジョーンズ)
脚色賞
・ノミネート
作品・音楽賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
自称セールスマンのエルマー・ガントリー(バート・ランカスター)は、何をしても人より抜きん出た才能を発揮する男だったが、実は口からでまかせの放浪者に近い生活を送る身だった。

そんなガントリーは、たまに顔を出す町にたどり着き、サム(ジョン・クゥオーレン)の雑貨店で、人々から慕われている伝道団の女教祖シスター・シャロン・ファルコナー(ジーン・シモンズ)の存在を知る。

その夜、シャロンの集会に参加したガントリーは、彼女に心惹かれてしまう。

ガントリーは、シャロンに声をかけるものの相手にされず、翌日も集会場に顔を出し、伝道師だと偽り彼女に話しかける。

軽い会話を交わしただけで、シャロンは会場を後にしてしまい、ガントリーは、一団のシスター・レイチェル(パティ・ペイジ)に言い寄り気に入られる。

そして、ガントリーは、一団の乗車する列車に便乗して、シャロンの秘書ウィリアム・L・モーガン(ディーン・ジャガー)を、同行する新聞記者ジム・レファーツ(アーサー・ケネディ)の元に追いやりシャロンに近づく。

ガントリーは、言葉巧みにシャロンに語りかけ、彼女の心を捉え、伝道団の仲間入りをすることになる。

その後、シャロンはガントリーに説教を任せ、その語り口とオーバーアクションに人々は酔いしれるようになる。

シャロンは感激の涙を流し、モーガンやレファーツは、歓喜する人々を見て驚きを隠せない。

やがてシャロンは、個性的でバイタリティー溢れるガントリーを拒否できなくなってしまうが、神を本当に信じている自分と彼の違いを指摘して距離を置く。

影で二人の様子を見ていたレファーツは、ガントリーの巧みな話術に感心するが、彼が最高の道化とも言えると、記者らしい分析をして笑いを誘う。

モーガンは、芝居じみた乱暴で下品なガントリーの言動に苦言を呈するものの、彼の行動力に屈してしまう。

実業家ジョージ・F・バビット(エドワード・アンドリュース)やフィリップ・ギャリソン(ヒュー・マーロウ)、ジョン・ペンギリー(ジョン・マッキンタイヤ)、プランク(フィリップ・オバー)ら各牧師が集まった会合で、シャロンは、教会運営には資金が必要なことを訴える。

宗教は商売ではないと言い切るギャリソンは、不満をぶつけて退席し、ペンギリーも、それに続こうとするもののプランクに説得される。

結果、シャロンの教会はバビットらに歓迎されることになり、かくして、ガントリーの演出する”華やかな”信仰活動が始まる。

初めての都会での集会で、信仰復興反対派も押し寄せる中、モーガンは不安を募らせるが、ガントリーはシャロンを人々の前に送り出す。

神との対話を始めたシャロンの前に、人々はひざまずき、その後、興奮と熱狂の中、集会は大成功に終わる。

しかし、レファーツは伝道団について辛辣な記事を書き、同時に中傷されたバビットは手を引こうとする。

バビットを半ば脅迫し、新聞社に連れて行ったガントリーは、激怒するシャロンに対し伝道が偽善だと言い切るレファーツに言葉を浴びせる。

ガントリーは、イエスと神が同じかという質問に、自分の満足する答えを返せないレファーツを黙らせる。

新聞社社主エディントン(デイトン・ルーミス)に、疑いをかけられた信仰心を、回復させる機会を与えるようガントリーは要求し、それを納得させてしまう。

ガントリーにかかると、さすがのシャロンも普通の女になってしまい、ついに彼女は心を許してしまう。

その後ガントリーは、ラジオのマイクの前に立ち、見事な演説で、シャロンと伝道団の名誉挽回を果たす。

街頭で語り続けるガントリーは、街にはびこる罪人を撲滅しようと人々を扇動し、ある売春宿に押し入る。

そこでガントリーは、かつて、自分のせいで売春婦になってしまった、ルル・ベインス(シャーリー・ジョーンズ)を見かける。

動揺したガントリーは、売春婦達を追放するよう警察署長に指示する。

そして、名誉が回復し浮かれるガントリーに、ルルから連絡が入り、彼女に呼び出される。

ルルは、ガントリーに復讐するため彼を陥れようとするが、彼に、自分の元に戻ってもらいたい気持ちもあった。

しかしルルは、ガントリーと自分とを盗み撮りさせた写真を伝道団に送り、それを受け取ったモーガンが彼に写真を見せる。

ガントリーはシャロンにもそれを見せて、要求された2万5000ドルを、彼女がルルの元に届けることになる。

レファーツは、ルルと接触していたが記事にしなかったが、他の新聞がそのスキャンダルを記事にする。

伝道団は偽善者呼ばわりされ、集会場に現れたガントリーを嘲り笑うルルの前で、彼らは罵倒され、打ちのめされてしまう。

ルルは金を受け取らずにいたため、それを指図した男に痛めつけられるが、現れたガントリーが彼女を救う。

その後、レファーツは、ルルが真相を話したことをガントリーに伝える。

そして、シャロンの夢だった教会が完成した伝道団は復活するが、ガントリーは姿を消していた。

再会された集会の始まる直前、ガントリーはシャロンの元に戻り、彼女を新生活に誘う。

しかし、自分の教会を持つことが出来たシャロンは、何かが起きる予感を感じながら人々の元に向かう。

そして、シャロンが耳の聞こえない男性に軌跡を起こした直後、教会は火事になってしまう。

人々はパニックとなり、ガントリーはシャロンを救うおうとするが、彼女は教会から逃げようとせずに焼死してしまう。

翌朝、シャロンを失ったガントリーは、自らの人生を見つめ直すため、引き止めるモーガンに別れを告げて旅立つ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
自称優良セールスマンのエルマー・ガントリーは、人の心を引き付ける才能はあるものの、放浪者寸前の日々を送っていた。
ある町で、女教祖シスター・シャロンの伝道団の存在を知ったガントリーは、美しい彼女に惹かれる。
巧みな話術でシャロンに近づいたガントリーは、伝道師として一団に迎えられる。
ガントリーの説教は、たちまち人々の心を捉え、実業家や他の教会の協力もあり、シャロンを中心とした
信仰復興は広まっていく。
しかし、一団に同行し取材を続ける記者レファーツの容赦ない辛辣な記事や、反対派の抗議、さらには、かつてガントリーが傷つけてしまった娼婦ルルが姿を現し、彼らを窮地に陥れる・・・。
__________

悲劇的な結末にも拘らず、リチャード・ブルックスのダイナミックな演出が、人間の逞しさや力強さと共に希望を感じさせる。

第33回アカデミー賞では、主演男優(バート・ランカスター)と助演女優賞(シャーリー・ジョーンズ)を受賞した。
脚色賞
・ノミネート
作品・音楽賞(ドラマ・コメディ)

圧倒的な迫力と存在感を示したパワフルなバート・ランカスターだが、終始オーバーアクションで演ずる彼が、時より見せる静の演技も素晴らしい、出色の名演を見せてくれる。
アクションからシリアスな役柄までこなす、脂ののりきった、彼の演技は見ものだ。

教会建設の夢をかなえながら、図らずも火事で焼死してしまうジーン・シモンズも、主人公ガントリーと出会い、女の喜びに目覚めていく女性の心の動きを見事に表現している。

彼女はこの年、
リチャード・ブルックスと結婚することになる。

ガントリーの行き過ぎた言動を憂慮する、教祖の秘書ディーン・ジャガー、良識ある記者のアーサー・ケネディ、見事な歌声も披露してくれる、教祖を支えて、ガントリーにも好意的なパティ・ペイジアカデミー助演賞を受賞した、あどけなさも残る、主人公を完全に陥れることができない娼婦役シャーリー・ジョーンズ、伝道を利用する実業家のエドワード・アンドリュース、伝道集会の商業利用に反対する牧師のヒュー・マーロウ、同じくジョン・マッキンタイヤフィリップ・オバー、新聞社社主デイトン・ルーミス、そしてジョン・フォード一家の名優ジョン・クゥオーレンが、雑貨店店主役で端役出演している。


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