太陽の帝国 Empire of the Sun (1987) 4.5/5 (2)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1984年に発表された、J・G・バラードの小説”Empire of the Sun”を基に製作された作品。
日本軍占領下の中国、両親とはぐれた”零戦”に憧れるイギリス人少年が、戦時下で逞しく生き抜く姿を描く、スティーヴン・スピルバーグ製作、監督による戦争ドラマ。
主演クリスチャン・ベールジョン・マルコヴィッチジョー・パントリアーノミランダ・リチャードソンベン・スティラー他共演。


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト ■

監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮:ロバート・シャピロ
製作
スティーヴン・スピルバーグ

キャスリーン・ケネディ
フランク・マーシャル
原作:J・G・バラードEmpire of the Sun
脚本:トム・ストッパード

撮影:アレン・ダヴィオー
編集:マイケル・カーン
美術・装置
ノーマン・レイノルズ

ハリーコールドウェル
衣装デザイン:ボブ・リングウッド
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
ジェイミー”ジム”グラハム:クリスチャン・ベール

ベイシー:ジョン・マルコヴィッチ
フランク・デマレスト:ジョー・パントリアーノ
ローリング医師:ナイジェル・ヘイヴァース
ヴィクター夫人:ミランダ・リチャードソン
ナガタ軍曹:伊武雅刀
特攻隊パイロット:片岡孝太郎
ウチダ軍曹:ガッツ石松
日本兵/運転手:山田隆夫
デインティー:ベン・スティラー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1987年製作 153分
公開
北米:1987年12月25日
日本:1988年4月29日
製作費 $38,000,000
北米興行収入 $22,238,696
世界 $66,240,000


アカデミー賞 ■

第60回アカデミー賞
・ノミネート
編集・撮影・作曲・録音・美術・衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1941年12月、日中戦争時。
日本軍は租界都市上海に迫り、真珠湾攻撃を控えていた。

上海共同租界の邸宅で両親と暮らす少年ジェイミー”ジム”グラハム(クリスチャン・ベール)は、日本の”零戦”に憧れる少年だった。

ジムは、子供心に戦況を気にしながら、ある仮装パーティーに両親と出席する。

その屋敷の付近で、ジムは撃墜された日本の戦闘機を見つける。

操縦席に座ったジムは、パイロットになり、飛ばしていた模型飛行機を撃墜したつもりになる。

飛行機を拾いに行ったジムは日本軍と遭遇し、それに気づいた父親が彼を呼び戻す。

12月8日。
日本軍は上海共同租界を占領し、ホテルに宿泊していたジムと両親はその場を離れ、車から降りて波止場に向かおうとする。

しかし、混乱する市内の雑踏の中で、ジミーは両親とはぐれてしまう。

母親に自宅に戻るよう指示されたジムは、その場に着き、屋敷が日本軍に接収されたことを知る。

両親の姿はなく室内は荒らされ、使用人はジムを軽蔑して出て行く。

残された食料で何んとか飢えを凌いでいたジムは、街に向かい日本兵に降伏しようとする。

そんな時、ジムは、アメリカ人のフランク・デマレスト(ジョー・パントリアーノ)にで会う。

ジムは、座礁した貨物船の船員で、フランクと同じアメリカ人のベイシー(ジョン・マルコヴィッチ)の元に連れて行かれる。

ベイシーは、ジムの育ちの良さに目を付けて、彼が金になるかを確かめる。

その当てが外れたベイシーは、ジムを見捨てようとするが、自宅屋敷に案内すると言われてその場に向かう。

しかし、三人は屋敷にいた日本兵に捕えられ、収容施設に入れられる。

選ばれた捕虜は移動することになり、ベイシーはトラックに乗れるものの、ジムは置き去りにされそうになる。

ジムは、行き先を知っていることを、ウチダ軍曹(ガッツ石松)に必死に伝え、トラックに乗せられる。

蘇州
一行は収容所に連れて行かれ、ジムは、隣接する飛行場で、憧れの”零戦”に触れて感激し、現れた特攻隊パイロットに敬礼する。

1945年。
戦時下ではあったが、ジムは”零戦”を身近にして、この上ない幸せを感じながら日々を過ごしていた。

ベイシーに仕込まれて、調達屋として忙しい日々を送るジムは、イギリス人医師ローリング(ナイジェル・ヘイヴァース)に勉強を教わり、何としても生き抜くことだと助言されていた。

同じ棟で隣で暮らすイギリス人のヴィクター夫人(ミランダ・リチャードソン)は、ジムの言動にいささかウンザリしていた。

ある夜、アメリカ軍のB-29の爆撃で日本軍に被害があり、ナガタ軍曹(伊武雅刀)は、報復のために病人を痛めつけようとする。

ナガタは、抵抗するローリングを竹刀で殴るのだが、ジムが土下座して謝罪し、その場は鎮まる。

ジムは、白昼堂々、単独で日本軍陣地内に侵入し、ナガタに見つけられそうになるが、特攻隊に憧れる日本人少年(片岡孝太郎)に助けられる。

ベイシー他、アメリカ人に認められたジムは、彼らの棟で場所を与えられることになる。

その後、ベイシーはナガタに痛めつけられ病棟に送られ、ジムは、彼の所持品を見張るよう指示されていたが、それは奪われてしまう。

そんな時ジムは、出撃し帰還することのない特攻隊員に、敬礼と”スオーガン”を歌い敬意を表する。

零戦”の飛び立つ姿を見守っていたジムだったが、そこに、アメリカ軍戦闘機”P-51マスタング”が飛来して攻撃を始める。

歓声を上げるジムだったが、その場に現れたローリングの前で、両親の顔が思い出せないと言って涙する。

ジムは、ヴィクター夫人の隣に戻り、その後、南に移動することになるのだが、ベイシーは、仲間のデインティー(ベン・スティラー)らと脱走してしまう。

悲しむ余裕もないジムは、ナガタらの撤退と、特攻隊員になりながらも、エンジンが始動できず飛び立てない少年の姿を見ながら収容所を離れる。

捕虜達は、疲労と飢えに苦しみながら移動し、ある競技場で、日本軍の没収品の中で、ジムは父親の車を見つける。

更に南に移動しようとする捕虜達だったが、ジムは、正気を失いかけているヴィクター夫人を見捨てられなかった。

死んだ振りをするよう指示して夜を過ごしたジムは、翌朝、夫人が亡くなったことを知り、その瞬間の青空の閃光が、彼女の魂が天に昇ることだと感じながら、独りその場を離れる。

広島と長崎に原爆が落とされて日本は降伏し、太平洋戦争は終結することになる。

それを知ったジムは、閃光がヴィクター夫人の魂ではなく、長崎に落とされた新型核爆弾だったことを理解する。

その後、アメリカ軍が降下した食料を手に入れたジムは、飢えをしのぎ収容所に戻り、日本人の少年と再会する。

少年はジムにマンゴーを渡し、持っていた日本刀でそれを切ってあげようとするが、現れたベイシーの仲間に射殺されてしまう。

ジムは少年を生き返らせようとするが、それをベイシーに止められ、彼の誘いを断り独りその場に残る。

やがてアメリカ軍が現れ、ジムは、親と離れた子供達がいる施設に収容される。

そしてジムは、無事だった両親と再会し、ようやく安らぎを得る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1941年12月。
上海租界の邸宅で両親と暮らす少年ジェイミー”ジム”グラハムは、日本軍の”零戦”に憧れる少年だった。
やがて日本軍は、真珠湾攻撃に続いて上海を占領し、ジムは混乱する市内で両親とはぐれてしまう。
その後ジムは、アメリカ人の船員だったベイシーと知り合い、自宅屋敷に戻ったところで日本兵に捕えられてしまう。
ジムとベイシーらは、蘇州の収容所に入れられるが、そこは日本軍の飛行場が隣接していた。ジムは、憧れの”零戦”に触れることができて感激し、特攻隊員に敬意を表して敬礼する。
そして、ベイシーに仕込まれたジムは、日本軍の厳しい管理下で、逞しく生き抜き成長していくのだが・・・。
__________

日中戦争を経た、真珠湾攻撃と同時に起きる日本軍による上海共同租界の占領、そして終戦までの激動の時代を舞台に、何不自由ない裕福な家庭に育つ平凡な少年が、歴史の悲劇に巻き込まれながら成長していく姿を切実に描く、スティーヴン・スピルバーグ渾身の一作。

デヴィッド・リーンによる映画化も考えられた作品ということで、彼の演出で観てみたかった気もする。

期待のスピルバーグ作品であり注目を集めたが、北米興行収入は約2200万ドルに留まり、全世界でも約6600万ドルに終わった。

第60回アカデミー賞では、編集・撮影・作曲・録音・美術・衣装デザイン賞にノミネートされるが受賞は逃した。

戦後初の中国ロケ、近代化する前の上海での租界地帯の雰囲気や他セット、特攻隊の描写映像の素晴らしさ、スピルバーグらしい計算し尽くされた演出も十分に堪能できる作品。

主演のクリスチャン・ベールは、さすがに4000人の候補者から選ばれただけあり、その熱演を記憶している方は多いはずで、当時、随分芸達者な少年だなと感じたものだ。
無名だった彼が、人気実力を兼ね備えたスターになった現在、観直してみると更に興味深い作品でもある。

謎めいたアメリカ人であり、主人公の少年に一目置く、現地のボス的な役柄で存在感を示すジョン・マルコヴィッチ、その相棒ジョー・パントリアーノイギリス人医師ナイジェル・ヘイヴァース、少年と身近で過ごすイギリス人夫人のミランダ・リチャードソン、日本兵軍曹の伊武雅刀特攻隊パイロットになる少年の片岡孝太郎、日本兵のガッツ石松山田隆夫、そして、ベイシー(J・マルコヴィッチ)の仲間でベン・スティラーも出演している。


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