針の眼 Eye of the Needle (1981) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

弱冠29歳のイギリス人作家ケン・フォレットが、1978年に発表した同名小説の映画化。
第二次大戦末期、勝敗の行方を決することになるノルマンディー上陸作戦の上陸地点を探るドイツのスパイが、決定的な情報を掴みヒトラーの元に向うものの、それを知り阻止しようとする家族や軍部との戦いを描く、監督リチャード・マーカンド、主演ドナルド・サザーランドケイト・ネリガンイアン・バネン他共演のサスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:リチャード・マーカンド
製作:スティーヴン・J・フリードマン
原作:ケン・フォレット
脚色:スタンリー・マン
撮影:アラン・ヒューム
編集:ショーン・バートン
音楽:ミクロス・ローザ

出演
ヘンリー(ハインリッヒ)・フェイバー:ドナルド・サザーランド

ルーシー・ローズ:ケイト・ネリガン
デヴィッド・ローズ:クリストファー・カザノフ
ゴドリマン警部:イアン・バネン
ビリー・パーキン:フィリップ・マーティン・ブラウン
大尉:スティーヴン・マッケンナ

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1981年製作 111分
公開
北米:1981年7月24日
日本:1981年10月
北米興行収入 $17,583,634


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1940年、第二次大戦下のロンドン
ドイツ軍の空襲で市内は炎上し、多大な被害を受ける。

鉄道員のヘンリー・フェイバー(ドナルド・サザーランド)は、無線連絡中、下宿の女主人にそれを見られ彼女を刺殺する。

新婚のデヴィッド・ローズ(クリストファー・カザノフ)と妻ルーシー(ケイト・ネリガン)は旅行に出かけるが、街道を車で走行中、彼ドがハンドル操作を誤り事故を起こしてしまう。

4年後、スコットランド沖、ストーム島。
事故で両足を失ったデヴィッドは心を閉ざし、2人に子供は生まれたものの、ルーシーにとって、夫婦生活は満ちた足りたものではなかった。

その頃ベルリンでは、暗号名”針”としてイギリスに潜伏中のドイツのスパイ、フェイバーからの連絡を待っていた。

本土から最高指令を受けたフェイバーは、同じ工作員から、イースト・アングリアのアメリカ軍を調査せよという、総統命令を受ける。

迫る、連合軍ヨーロッパ侵攻の上陸地点を探る任務を言い渡されたフェイバーは、調査写真を直接ヒトラーに渡すため、Uボートでストーム島から脱出することになる。

2人の動きを察知していたゴドリマン警部(イアン・バネン)は、現場に踏み込もうとするが、フェイバーは工作員を殺して逃亡する。

ゴドリマンは、フェイバーを知る軍人のビリー・パーキン(フィリップ・マーティン・ブラウン)の協力で、フェイバーの素性を調べ上げる。

白昼堂々、イースト・アングリアのアメリカ軍基地に侵入したフェイバーは、基地内の航空機などが偽装模型であり、パットン将軍率いる部隊が、陽動作戦のために待機していることを知る。

フェイバーの撮影した写真を入手したゴドリマンは、侵攻作戦がノール=パ・ド・カレーではなく、ノルマンディーであることを、彼が知ったことを察知する。

列車内で、フェイバーを追い詰めたゴドリマンだったが、彼はそれに気づき、軍人一人を殺して列車から飛び降りて逃亡する。

東部戦線で大敗したドイツ軍だったが、ヒトラーが依然気勢をあげる一方、連合軍の侵攻は時間の問題となりつつあった。

船を奪い、救出のUボートが待ち構える、ストーム島沖に向かったフェイバーは、見方に無線で連絡を入れるものの、時化に遭い島の海岸で座礁してしまう。

船から放り出されたフェイバーは、デイヴィッドの家にたどり着き介抱される。

デヴィッドは、身元の知れないフェイバーを警戒するが、ルーシーは、紳士的で自分の気持ちを理解してくれる彼に心を寄せるようになり、やがて、2人は結ばれてしまう。

通信設備のある家にフェイバーを誘ったデイヴィッドは、彼が基地の写真のフィルムを持っていることを知り、銃口を向ける。

フェイバーは隙を見て銃を奪い、ナイフでデヴィッドを殺そうとするが抵抗される。

しかし、下半身が不自由なデヴィッドは、崖から突き落とされて死亡する。

そこにルーシーが息子と現れ、フェイバーは、デヴィッドが友人宅で酔ったことにして、彼女達を連れて帰宅する。

その夜、フェイバーとルーシーは再び愛し合ってしまう。

一方、侵攻作戦の準備は完了し、フェイバーの捜索を続けていたゴドリマンは、彼を本国に帰さぬようにという命令を受ける。

Uボートへの連絡時間に気づいたフェイバーは、通信設備のある家に向かい無線連絡を入れる。

その頃、海岸を息子と散歩していたルーシーは、デヴィッドの遺体を発見する。

帰宅したルーシーは、帰ってきたフェイバーに、デヴィッドのことを伝えようとする。

しかし、デヴィッドがまだ友人と飲んでいるというフェイバーの話を聞いて、夫を殺したのが彼だと気づく。

息子を連れて車で逃げようとするルーシーだったが、フェイバーに気づかれてピクニックに行くことになる。

ルーシーはその夜も、フェイバーが殺人犯だと知りながら、彼に抱かれてしまう。

ゴドリマンは、定期連絡のないストーム島に眼を付け、そこに向かおうとする。

ルーシーは、夜中に隙を見て息子と車で逃げようとするが、車が悪路で立ち往生して友人の家に逃げ込む。

友人も、フェイバーに殺されていることを知ったルーシーは、無線で救援を呼ぼうとするが、後を追ってき彼が迫る。

猟銃を手にしたルーシーは、フェイバーに発砲するが弾がなくなり、家に侵入しようとした彼の指を、斧で切り落としてしまう。

ルーシーはゴドリマンと無線連絡がつくが、フェイバーは建物に火を放つ。

ゴドリマンは、嵐の中ヘリコプターでストーム島に向かうが、フェイバーはルーシーの息子を人質に取る。

フェイバーが無線で連絡していることに気づいたルーシーは、ゴドリマンが無線機を壊せと言った理由を理解し、電気をショートさせて妨害する。

フェイバーは、全てが戦争のせいだと言ってルーシーに謝罪し、その場から立ち去る。

停泊中のUボートを確認したフェイバーは、小船で沖に向かおうとするが、拳銃を持ったルーシーが彼を追う。

足を撃たれながら尚も逃げようとするフェイバーを、ルーシーは、最後の弾丸で止めを刺す。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1944年。
ベルリンでは、イギリスに潜伏中のドイツのスパイ、暗号名”針”ヘンリー・フェイバーからの連絡を待つ。
フェイバーは、連合軍ヨーロッパ侵攻が近づく中、その上陸地点を探る重要任務を受けていた。
そして、調査写真を直接ヒトラーに渡すため、フェイバーは、スコットランド沖からUボートで脱出することになっていた。
船を奪い、自分の救出ためのUボートに向かったフェイバーは、時化に遭いストーム島の海岸で座礁してしまう。
フェイバーは、ローズ家にたどり着き介抱されるが、主人のデヴィッドは、事故で両足を失い心を閉ざしていた。
デヴィッドは、身元の知れないフェイバーを警戒するのだが、妻ルーシーは、夫との満足できない生活もあり、紳士的なフェイバーに心を寄せるようになり、やがて2人は結ばれてしまうのだが・・・。
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本作がきっかけとなり、2年後のSF超大作「スター・ウォーズ:ジェダイの帰還」(1983)の監督に抜擢されるリチャード・マーカンドは、戦火のロンドンから平穏な孤島を舞台に、全編スリリングな展開でストーリーをまとめている。
また、スパイと知らずに主人公を愛してしまった人妻自らが、その決着をつけなくてはならないという悲劇で、戦争の空虚さも描いている。

ドラマを十分に盛り上げる、いかにもサスペンス・タッチのミクロス・ローザの音楽だが、エンドロールでは思わず、彼の担当作品である「ベン・ハー」(1959)の序曲を髣髴させる、重厚な曲も流れる。

スパイにしては人相に特徴があり過ぎる感じはするが、既に実績を重ねていたドナルド・サザーランドの、温和には見えるが、眼光鋭く冷酷でもある、無駄の無い演技は実に新鮮だ。

クライマックスでの、愛した主人公に銃口を向けなければならない、苦悩の表情が印象的な、後半から終盤にかけて、体を張った演技が光るケイト・ネリガン、事故で足を失って以来心を閉ざす、その夫のクリストファー・カザノフ、主人公を執拗に追い詰める警部イアン・バネンも、渋い演技を見せてくれる。


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