ファミリー・プロット Family Plot (1976) 3.03/5 (29)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★ヒッチコック登場場面
★★★☆☆

遺産相続人の捜索を依頼されたインチキ霊媒師と恋人が、ダイヤモンドを狙う誘拐犯の男女の犯罪に巻き込まれる姿を描く、アルフレッド・ヒッチコック(製作、監督)の遺作。
音楽ジョン・ウィリアムズ、主演カレン・ブラックブルース・ダーンバーバラ・ハリスウィリアム・ディヴェイン他共演のコメディ・スリラー。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

アルフレッド・ヒッチコック Alfred Hitchcock 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:アルフレッド・ヒッチコック

製作:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ヴィクター・カニングThe Rainbird Pattern
脚本:アーネスト・レーマン
撮影:レナード・J・サウス
編集:J・テリー・ウィリアムズ
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
フラン:カレン・ブラック
ジョージ・ラムレイ:ブルース・ダーン
ブランチ・タイラー:バーバラ・ハリス
アーサー・アダムソン/エドワード・シューブリッジ:ウィリアム・ディヴェイン
ジョセフ・P・マロニー:エド・ローター
ジュリア・レインバード:キャスリーン・ネスビット
マロニー夫人:キャサリン・ヘルモンド
ホイーラー:チャールズ・タイナー
クレイ夫人:エディス・アトウォーター
ウッド司教:ウィリアム・プリンス
コンスタンティン:ニコラス・コラサント
ヴェラ・ハナガン:マージ・レッドモンド
墓地の管理人:ジョン・スティードマン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1976年製作 121分
公開
北米:1976年4月9日
日本:1976年8月28日
製作費 $4,500,000
北米興行収入 $13,200,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
サンフランシスコ
霊媒師のブランチ・タイラー(バーバラ・ハリス)は、大富豪夫人ジュリア・レインバード(キャスリーン・ネスビット)が悪夢に現れると言う、妹のハリエットと話して安心させる。

インチキ霊媒師だったブランチは、ハリエットの息子に財産の全てを渡すため、彼を捜すと言うジュリアの言葉を確認して目覚めた振りをする。

40年前にハリエットの息子を養子に出し、その罪悪感からその子を捜し財産を譲ろうとしているとブランチから言われたジュリアは、妹が未婚の母だったために、スキャンダルを避けるにはそうするしかなかったことを話す。

そのため、その子の捜索は極秘に行うつもりのジュリアは、ブランチの能力で甥を捜そうとしたのだった。

ジュリアから1万ドルの報酬を約束されたブランチは、それを慈善団体に寄付すると伝えて自分を信用させる。

ブランチを待っていたタクシードライバーで恋人のジョージ・ラムレイ(ブルース・ダーン)は、報酬が1万ドルだと聞いて驚くが、名前も居場所も分らない相手を捜すと言われて戸惑う。

25年前に亡くなったレインバード家の運転手のことを知っている人物をあたれば情報を得られることを、ジョージはブランチから知らされる。

横断歩道を渡るフラン(カレン・ブラック)は、話に夢中になるジョージが急停車したのも気にせずに、ある場所に向かう。

銃を向けてその場には入ったフランは、人質との交換条件で受け取る大粒のダイヤを確認して、ヘリコプターに乗り、パイトットに向かう方角を指示する。

ゴルフ場に着陸させたフランは、林の中にいた恋人で宝石商のアーサー・アダムソン(ウィリアム・ディヴェイン)にダイヤを確認させて、その場を去る。

林にに向かったパイロットは、人質のコンスタンティン(ニコラス・コラサント)が無事であることを確認する。

ブロンドとサングラスと帽子、そしてハイヒールで長身の女に変装していたフランとと共に家に戻ったアーサーは、監禁室を片付けて寝室に向かう。

アーサーは、シャンデリアにダイヤを隠す。

コンスタンティンから犯人に関する話を聞いた警察は、参考になるような情報は得られない。

亡くなったレインバード家の運転手の娘ヴェラ・ハナガン(マージ・レッドモンド)を見つけたジョージは、弁護士を装い彼女から話を聞く。

ヴェラから、父の知人であるシューブリッジと言う人物が養子をとった話を聞いたジョージは、一家は火事で焼死したと言われる。

墓地に向かったジョージは、シューブリッジ夫妻と17歳の息子エドワードの墓を確認する。

管理人(ジョン・スティードマン)と話したジョージは、1950年の火事で一緒に死んだはずなのに、なぜ息子は別に葬られたのかと尋ね、エドワードの墓石が新しいことを気にする。

墓石屋のホイーラー(チャールズ・タイナー)から話を聞いたジョージは、息子のエドワードが放火して両親を殺し、自分も死んだと見せかけて逃げたという噂を知らされる。

エドワードの墓石の注文が1965年11月18日だと知ったジョージは、墓石代は、若い男から現金で支払われたことを思い出したとホイーラーから言われる。

郡庁舎で出生・死亡記録簿を調べたジョージは、シューブリッジ夫妻の死亡記録しかないことと、エドワードの死亡申請が1965年11月4日に出されていたことを知る。

死体などが不明だったために申請は却下されたと言われたジョージは、その申請をしたガソリンスタンドの経営者ジョセフ・P・マロニー(エド・ローター)に会う。

給油をしたジョージは弁護士だと言ってジョセフと話し、エドワード・シューブリッジの名前を出し、報酬をちらつかせて情報を得ようとする。

白を切るジョセフに、エドワードの墓石を作ったことや、その前に彼の死亡証明を申請していることなどを伝えたジョージは、何も情報は得られないままその場を去る。

ジョセフは、ジョージの車のナンバーを控える。

アーサー(エドワード)の店に向かったジョセフは、弁護士だという男が嗅ぎ回っていることを伝える。

車の所有者を調べブランチ・タイラーだということを伝えたジョセフは、男が墓石や死亡証明の申請のことを知り、エドワードが生きていることに気づき捜していると言って、自分の身も危険だと考える。

見つかることはあり得ないと言うアーサーは両親を閉じ込めただけだが、放火したのは自分だと伝えたジョセフは、男を捜して殺そうと考える。

ジョセフを落ち着かせたアーサーは、男は自分が捜すと言って、現れた警官に対応する。

コンスタンティンの誘拐事件の件で、聞き込みをしていると刑事から言われたアーサーは、市場に不審なことがあれば知らせると伝える。

ジョセフが窓から出て行ったことを知ったアーサーは、ブランチの家を調べようとする。

フランに探らせたアーサーは、ブランチが霊媒師であることを知る。

現れた男ジョージがタクシードライバーで、乗せてきたブランチとエドワードを捜し大金を得ようとしていることを二人の会話で確認したアーサーとフランは、その金が自分達の懸賞金の可能性があると考え、様子を見ることにする。

ジュリアに会ったブランチは、甥を捜すという誓いを立てた、洗礼を施したウッド司祭(ウィリアム・プリンス)のことを思い出したと言われる。

司教となっていたウッドに会おうとしたジョージだったが、司教は変装したアーサーとフランに連れ去られる。

二人は大聖堂でジョージを目撃していたため、それを気にするが、ジョセフが事故に見せかけてブランチと彼を始末するだろうと、アーサーはフランに伝える。

誘拐を目撃したジョージは、司教が連れ去られたのは100万ドルのためだろうとブランチに話し、彼女は1万ドルがどうなるのかを気にする。

そこにジョセフから電話があり、エドワードの情報を提供すると言われ、街道のカフェで会うことになる。

後を追ったジョセフは、カフェに止まっていたブランチの車に細工する。

ビールを注文して待っていたジョージとブランチは、ジョセフが現れないために店を出る。

車を出したジョージは、ブレーキが効かないことに気づき暴走する。

ハンドブレーキも動かずにハンドルを誤ったジョージは、事故を起こしてしまう。

無事だった二人は車から這い出し、ジョージは、車に細工したのはジョセフが命を狙ったのは、エドワードが関係しているからだろうと考える。

歩いて街に戻ろうとするジョージとブランチは、車で現れたジョセフを疑い、駅まで乗せて行くと言われるもののそれを断る。

車をUターンさせて引き返したジョセフは、ジョージとブランチを轢き殺そうとするものの、対向車が現れたためにハンドルを誤り崖下に転落する。

アーサーの店に向かい新たなダイヤの情報を伝えたフランは、ジョセフが事故死したことを知らせる。

自分達でジョージとブランチを始末するしかないとフランに伝えたアーサーだったが、彼女はそれを拒み動揺して店を出る。

ジョセフの葬儀が行われ、彼の妻(キャサリン・ヘルモンド)と話したジョージは、自分が殺したのではなく殺されそうになったと伝える。

殺人の共犯者になると言って妻を脅したジョージは、エドワードの居場所を聞き、25年前に消えた彼が今はアーサー・アダムソンと名乗っていることを知る。

欠勤していたジョージはタクシーの勤務に戻り、その間、ブランチがアーサー・アダムソンを捜す。

何件も回ったブランチは宝石店を訪ね、店員のクレイ夫人(エディス・アトウォーター)からアーサーは帰ったと言われて、住所を教えてもらう。

ジョージの職場に寄ったブランチは、自分の向かう場所を彼に教えてほしいという伝言を残す。

監禁室のウッド司教を眠らせたアーサーは、誰かが来たためにフランに対応させる。

それがブランチだと知らされたアーサーは、取引の時間が迫っていたために無視するようフランに伝える。

帰ろうとしたブランチは、”シューブリッジという名に覚えがあれば、いい話があるので連絡がほしい”というメモ残す。

ガレージから車を出そうとしたアーサーは、その場にブランチがいたために驚き、仕方なく車を降りて彼女の話を聞く。

ジョージと共に自分を嗅ぎ回っていることを知っているとアーサーから言われたブランチは、要求を訊かれる。

そんなつもりはないと言うブランチは、富豪夫人のジュリア・レインバードが、何億ドルもの遺産を譲ると言って入ることをアーサーに伝える。

ジュリアが自分の”能力”を認めて捜索を頼んだとアーサーに伝えたブランチは、彼らが司教を誘拐した犯人だと知り逃げようとするものの、ガレージに閉じ込められる。

この場所はジョージにも話していないと伝えたブランチだったが、アーサーに殴られてしまう。

ブランチに薬を注射して眠らせたアーサーは、彼女を監禁して取引に向かう。

伝言の住所の家に着いたジョージは、ブランチの車を確認して家の玄関に向かい、彼女のメモを見つける。

車にキーが付いたままであることを確認したジョージは、ガレージが気になり、横の路地から中に侵入する。

ブランチのバッグと血液を確認したジョージは、家の中を調べようとするが、男女(アーサーとフラン)が戻って来る。

その会話で二人がジョセフと関係していたことを知ったジョージは、ダイヤが二つあることを知る。

ジョージは、ブランチを自殺に見せかけて捨てるよう男(アーサー)に指示された女(フラン)が、関わりなくないと言っている話を聞く。

タクシードライバー(ジョージ)もこの場を突きとめて現れるだろうと話す男は、ブランチが目覚める頃なので見てくるようにと女に指示し、それを拒まれたために自分が行くと伝える。

地下室に向かったジョージは、アーサーが監禁室のブランチの様子を見て出て行った隙に、眠っている彼女を起こそうとする。

ジョージは、ブランチが起きていたことに気づく。

ホースを用意して排気ガス自殺に見せかけようとしたアーサーは、ブランチの車にそれを放り込む。

ブランチを車に運ぼうとしたアーサーとフランは、突然、起き上がった彼女に逃げられ、監禁室に閉じ込められる。

鍵をかけたジョージは、これで1万ドルが手に入ると言うブランチに、ダイヤがあるはずだと伝える。

朦朧とするブランチは、”能力”に導かれたかのように階段を上がり、シャンデリアのダイヤを指さす。

驚いたジョージは、本物の霊能者だと言って喜び、なぜその場にいるのか不思議に思うブランチに、ダイヤを見つけたことを知らせる。

警察とジュリアに連絡すると言うジョージは、早速、電話をかける。

(階段に座ったブランチは、カメラに向かいウィンクをする)


解説 評価 感想
1972年に発表された、ヴィクター・カニングのスリラー小説”The Rainbird Pattern”を基に製作された作品。

★ヒッチコック登場場面
上映から約40分後、ジョージ・ラムレイ(ブルース・ダーン)が出生・死亡記録を郡庁舎に調べに行った際、部屋の奥にいる人物のシルエットがアルフレッド・ヒッチコックであり、非常に解り易い。

*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ
インチキ霊媒師のブランチは、大富豪のレインバード夫人から遺産を譲る甥の捜索を1万ドルで依頼される。
恋人のブランチと組み、夫人の甥エドワードを捜すことになったジョージは、死んだと思われたエドワードのことを知るガソリンスタンドの経営者ジョセフに接触する。
アーサーと名前を変え、恋人のフランと共にダイヤを狙う誘拐犯の宝石商エドワードは、ジョージの存在をフランから知らされる。
エドワードの両親を、火事に見せかけて殺害したことに手を貸していたジョセフは、自分達を探るジョージとブランチを殺害しようとするのだが・・・。
__________

世界中のファンを魅了したサスペンス、スリラーの巨匠アルフレッド・ヒッチコックの遺作。

犯罪者と詐欺師の2組の男女が、ある目的と接点で絡み合いながら進行する、コメディ色の強いサスペンス。

公開当時はそれほど評価されなかった作品で、往年のヒッチコック作品のような美男美女なども登場しないのだが、今観ると1970年代の雰囲気なども懐かしい、実に味わい深い作品だ。

インチキ霊媒師と恋人で冴えないタクシードライバーの男女は、犯罪に巻き込まれながらもダイヤを手に入れ、完全犯罪でダイヤとを狙う誘拐犯が、莫大な財産を譲られるとも知らずに、小物である霊媒師と恋人の単純な罠にはまってしまうという、皮肉が込められたユニークな内容も楽しい。

自作へのオマージュ的なシーンもあり、皮肉やユーモアをふんだんにに散りばめたヒッチコックの演出は、やや小ぢんまりとして衰えを感じるが、後から考えると、集大成として相応しい作品のようにも思える。

インチキ詐欺師のバーバラ・ハリスが、シャンデリアのダイヤを見つけて喜ぶラストで、カメラに向かってウィンクする場面を追加したのは、ヒッチコック流の観客への別れだったのかもしれない。

非常に印象的なジョン・ウィリアムズのテーマ曲を含め、かつてのヒッチコック作品を彷彿させる彼の楽曲も素晴らしい。

また、衣装デザインはイデス・ヘッドが担当している。

ダイアを狙う冷酷な誘拐犯風で登場するものの、終盤では人情味も見せるカレン・ブラック、タクシードライバーをしながら犯罪に巻き込まれる男を味のある演技で演ずるブルース・ダーン、その恋人でインチキ霊媒師を愉快に演ずるバーバラ・ハリス、宝石商である犯罪者のウィリアム・ディヴェイン、その犯罪に加担するガソリンスタンドの経営者エド・ローター、その妻キャサリン・ヘルモンド、遺産の相続者に決めた甥を捜す大富豪夫人キャスリーン・ネスビット、墓石屋のチャールズ・タイナー、宝石店の店員エディス・アトウォーター、誘拐される司教ウィリアム・プリンス、同じく誘拐されるニコラス・コラサント、富豪一家の運転手の娘マージ・レッドモンドなどが共演している。


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