ミクロの決死圏 Fantastic Voyage (1966) 4.75/5 (36)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

あらゆる物を縮小する技術を発明した重傷を負った科学者を救うために結成されたチームが挑む、小型潜水艇ごと縮小されて体内の患部除去手術を行う計画を描く、監督リチャード・フライシャー、主演スティーヴン・ボイドラクエル・ウェルチエドモンド・オブライエンアーサー・ケネディアーサー・オコンネルドナルド・プレザンス他共演による奇想天外なSF冒険映画の傑作。


SF


スタッフ キャスト ■

監督:リチャード・フライシャー
製作:ソウル・デイヴィッド
原案
オットー・クレメント

ジェイ・ルイス・ビクスビー
脚本:ハリー・クライナー
撮影:アーネスト・ラズロ
編集:ウィリアム・B・マーフィー
美術・装置
ジャック・マーティン・スミス

デール・ヘネシー
ウォルター・M・スコット
スチュアート・A・ライス
音楽:レナード・ローゼンマン

出演
スティーヴン・ボイド:グラント
ラクエル・ウェルチ:コーラ・ピーターソン
エドモンド・オブライエン:カーター将軍
アーサー・ケネディ:デュヴァル医師
アーサー・オコンネル:ドナルド・リード大佐
ドナルド・プレザンス:マイケルズ医師
ウィリアム・レッドフィールド:ビル・オーウェンス船長
ジーン・デル・ヴァル:ヤン・ベネシュ博士
ジェームズ・ブローリン:エンジニア

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1966年製作 100分
公開
北米:1966年8月24日
日本:1966年9月1日


アカデミー賞 ■

第39回アカデミー賞
・受賞
美術・視覚効果賞
・ノミネート
編集・撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

全ての物体を縮小させることに成功した、科学者ヤン・ベネシュ博士(ジーン・デル・ヴァル)は、アメリカに亡命する。

しかし、博士は敵側に襲われ、車の衝突事故で脳出血を起こし、意識不明になってしまい、患部手術の準備が進められる。

ベネシュ博士の亡命を手助けした諜報員グラント(スティーヴン・ボイド)は、秘密機関CMDF(ミニュチュア機動部隊)に呼び出される。

計画を指揮するカーター将軍(エドモンド・オブライエン)は、脳外科医デュヴァル(アーサー・ケネディ)と助手のコーラ・ピーターソン(ラクェル・ウェルチ)が手術を担当することをグラントに告げる。

同じく計画に参加する、循環器専門医マイケルズ(ドナルド・プリーゼンス)は、妨害工作の可能性をグラントに説明し、デュヴァルが怪しいことを知らせる。

ベネシュ博士の研究が、現在では約60分しか継続しない縮小時間の延長に不可欠なため、博士を救うことが必要だったのだ。

グラントは、縮小されてベネシュの人体に入り手術を行うことをカーター将軍に説明されながら、計画チームの参謀ドナルド・リード大佐(アーサー・オコンネル)やビル・オーウェンス船長(ウィリアム・レッドフィールド)、そしてデュヴァル、コーラ、マイケルズらを紹介される。

手術の方法は、小型原子力潜水艇(プロテウス)を細菌大に縮小し、眼球裏患部をレーザー光線で除去をするという画期的な方法 だった。

患部の場所が悪いので、外部からの手術は不可能だった。

一刻を争う計画は実行され、殺菌を施された乗組員達は、潜水艇プロテウスに乗り込み準備を始める。

無線の担当でもあるグラントはテストを済ませ、魅力的なデュヴァルの助手コーラと言葉を交わす。

そして、準備の整った潜水艇は段階を経て縮小され、巨大な注射器に入れられる。

その時、閉所恐怖症のマイケルズは、極度の緊張から取り乱してしまい、グラントとデュヴァルになだめられる。

そして、最終段階まで縮小された潜水艇は、注射器からベネシュ博士の頚動脈に注入される。

潜水艇は安定航行に入り、神秘的な体内の様子に、5人は驚いてしまう。

しかし、突然、血流が乱れ、怪我のせいでできたと思われる瘻管を通り、潜水艇は、動脈を突き破り静脈に進入してしまう。

進路を外れ、患部から遠ざかることになってしまった潜水艇では、マイケルズが作戦中止を提案する。

カーター将軍は、60秒だけ心臓を停止すれば、潜水艇がそれを通過し、再び動脈に戻ることができるだろうと考える。

なんとか心臓を通過した潜水艇は、心臓通過のショックで浮上用酸素が減り、で酸素を補充することになる。

その時、コーラが固定したはずのレーザーガンが、外れているのに気づく。

オーウェンス船長を残し4人が船外活動を始め、グラントがに吸い込まれるものの、難を逃れて作業を終える。

潜水艇に戻ったコーラは、レーザーガンが壊れているのを確認する。

レーザーガンは応急処置で修理可能と分かるが、無線機の部品を使うため、外部にそれを連絡した後に、交信は途絶えてしまう。

妨害工作を懸念するグラントとマイケルズは、CIAに目を付けられているデュヴァルを疑い始める。

リンパ管に進入すると、5人は抗体がバクテリアを攻撃する光景を目撃する。

その後、潜水艇は近道をするため内耳を通ることになるが、潜水艇にまつわりついたものがあり、航行不能になる。

グラントらが、それを除去するために船外に出て排除作業を始め、外部では、物音を立てないよう細心の注意がされていた。

その時、外部で起こした物音が原因で、コーラが抗体に襲われ、グラントらが彼女を救出して船内に運び込む。

レーザーガンの修理は終わるが、そのテストが必要だと指摘するマイケルズと、電力消費を抑えるべきだと言うデュヴァルの意見が対立する。

そして、潜水艇は、内耳を通過してクモ膜下腔に入り、ようやく患部に到着するが、残り時間は6分に迫る。

残り時間は少なく、作戦を中止させようとするマイケルズを残し、グラントとデュヴァル、そしてコーラは、患部の除去に向かう。

しかし、裏切り者だったマイケルズが、オーウェンス船長を殴り倒し、潜水艇を奪い脱出しようとする。

デュヴァルが患部を除去し、グラントは脱出しようとする潜水艇をレーザー光線で撃沈させ、マイケルズは白血球に呑み込まれてしまう。

グラントは、オーウェンス船長を救出し、タイムリミットが近づく中、4人は、視神経を伝って眼球の表に回り脱出することを思いつく。

既に60分は過ぎ、潜水艇を体内から摘出手術をしようとした時、カーター将軍は、グラントらが眼球から脱出するはずだと気づく。

そして、リード大佐が涙の中の人を発見し、スライド・グラスで彼らを摘出し拡大室に運ぶ。

やがて、4人の拡大は始まり、手術と冒険の旅は見事に成功する。


解説 評価 感想 ■

SF作家のオットー・クレメントジェイ・ルイス・ビクスビーの原案を基に映画化された作品。

*(簡略ストー リー)

あらゆる物を縮小し、更にその持続時間を飛躍的に延ばした科学者のベネシュ博士がアメリカに亡命し、敵側の妨害工作により重傷を負ってしまう。
外部からの手術が不可能なために、ベネシュの亡命に関与した諜報員グラントらと医師達は、小型潜水艇ごと縮小され、科学者の人体に入り、患部の除去手術を行う計画が実行される。
予定進路を外れ、妨害工作に遭いながらも、グラントらはついに患部に到達するが、既に脱出する時間も残されていなかった・・・。
__________

宇宙と同じく、誰もが興味を抱く体内の神秘を、これほどまでに、ドラマチックで娯楽性のある作品に仕上げたのは画期的なことだ。

第39回アカデミー賞では、美術、視覚効果賞を受賞した。
・ノミネート
編集・撮影賞(カラー)

人間を、潜水艇ごと縮小してしまうとい奇抜なアイデアとストーリーに加え、東西冷戦下の社会情勢の下、活発化する諜報活動や計画内部での妨害工作、 さらに男らしいスティーヴン・ボイドだけでなく、紅一点のラクエル・ウェルチの魅力まで、娯楽に徹したリチャード・フライシャーの演出手腕が光る。

体内の血管、臓器の構造や仕組みを、素人にもわかり易くするために、度々登場する人体図とタイムカウンターが、実に効果的な役割を果たしている。

また、「真昼の決闘」(1952)などでも使われた、ドラマの進行と上映時間を一致させる手法が見事に生かされている。

縮小から60分間のカウントダウン、刻々と迫るタイムリミットの告知が緊張感を煽る。

音信不通の4人が、眼球の涙から救出されるクライマックスは、何度見ても手に汗を握ってしまう。

専門家の目にはどう映るかはわからないが、1960年代半ばに公開されたとは思えない、潜水艇プロテウスのデザイン・センスの良さをはじめ今観ても全く古臭さを感じない、計算機も一般的でない時代、計算尺を使う姿までが、むしろ新鮮に見えてしまう。

レナード・ローゼンマンの、幻想的な世界を見事にイメージした音楽も素晴らしい。

歴史劇などがよく似合うアクション派スティーヴン・ボイドは、正義感溢れる勇敢な諜報部員を好演し、45歳の若さでこの世を去ることになる、彼の代表作でもある。

知的でセクシーな脳外科医助手のラクエル・ウェルチ、命の尊さを知り、アリを殺すのも躊躇するようになる指揮官エドモンド・オブライエンと部下のアーサー・オコンネル、脳外科の権威アーサー・ケネディ、破壊工作の黒幕ドナルド・プレザンス、潜水艇船長ウィリアム・レッドフィールドなど、ベテラン個性派を揃えた豪華キャストも見所の一つだ。

技術者役でジェームズ・ブローリンも端役で登場する。

よく言われる、サルバドール・ダリが、体内のデザインを担当したというのは事実ではい。

また、本作は、手塚治虫のアイデアを拝借したとか言われているが、そうであれば、それを強く主張すればいいのであって、作品自体の出来に関わるような問題ではない。


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