さらば愛しき女よ Farewell, My Lovely (1975) 4/5 (4)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

ハードボイルド作家レイモンド・チャンドラーが、1940年に発表した小説”Farewell, My Lovely”(原題)を基に製作された作品。
警察に追われていた私立探偵が巻き込まれる謎の事件を描く、製作ジェリー・ブラッカイマー、主演ロバート・ミッチャムシャーロット・ランプリング他共演、監督ディック・リチャーズによるサスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ディック・リチャーズ
製作
ジョージ・パパス
ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮
ジェリー・ビック
エリオット・カストナー
原作:レイモンド・チャンドラーさらば愛しき女よ
脚本:デヴィッド・Z・グッドマン
撮影:ジョン・A・アロンゾ
編集
ジョエル・コックス
ウォルター・トンプソン
音楽:デヴィッド・シャイア

出演
ロバート・ミッチャム:フィリップ・マーロウ
シャーロット・ランプリング:ヘレン・グレイル
ジョン・アイアランド:ナルティ警部補
シルヴィア・マイルズ:ジェシー・ホルステッド・フローリアン
アンソニー・ザーブ:レアード・ブルネット
ハリー・ディーン・スタントン:ビリー・ロルフ刑事
ジョー・スピネル:ニック
ジャック・オハローラン:ムース・マロイ
ジョン・O・リアリー:リンゼイ・マリオ
ジム・トンプソン:グレイル判事
シルヴェスター・スタローン:ジョニー

アメリカ 映画
配給 Embassy Pictures
1975年製作 95分
公開
北米:1975年8月8日
日本:1976年6月12日


アカデミー賞 ■

第48回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優賞(シルヴィア・マイルズ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1941年、ロサンゼルス
ニューヨーク・ヤンキースジョー・ディマジオの連続試合ヒット記録が気になっていた、私立探偵フィリップ・マーロウ(ロバート・ミッチャム)は、警察に追われ薄汚い宿に逃れていた。

マーロウは、ロサンゼルス市警のナルティ警部補(ジョン・アイアランド)を呼び出し、殺人容疑を着せられたことについて説明を始める。
__________

日当25ドルの、家出少女捜しをしていたマーロウは、大男のムース・マロイ(ジャック・オハローラン)から、ベルマという女の捜索を依頼される。

その時、マロイが車から銃撃されるが、彼は顔色ひとつ変えずに、7年前に銀行強盗で逮捕され刑務所から出てきたことをマーロウに伝える。

マーロウは、ベルマが働いていたという酒場”フローリアン”に連れて行かれる。

その店が黒人客専用だということで戸惑ったマーロウだったが、マロイはお構いなしにベルマの足跡を探り始める。

店のボスを簡単に絞め殺したマロイは、ベルマ捜しを承諾したマーロウに手付金を渡して立ち去っていく。

マーロウは、フローリアンの元バンドマンから、店の持ち主だったジェシー・ホルステッド・フローリアン(シルヴィア・マイルズ)の住所を聞き、彼女からの情報で、ベルマの写真を手に入れる。

女優を目指していたベルマは、結局、挫折して精神病院に入れられていたことが分かり、マロイの仕事は2日で片付いてしまう。

その頃、ディマジオが33試合連続ヒットを続け、新記録まであと9試合、ヨーロッパでは、ヒトラーロシアに侵攻を始めていた。

マーロウがオフィスに戻ると、マリオ(ジョン・O・リアリー)という男が待ち構えていた。

マリオは、強奪された宝石を取り戻しにいくために同行を依頼し、マーロウはそれを引き受ける。

その後、ナルティと自分を毛嫌いするビリー・ロルフ刑事(ハリー・ディーン・スタントン)が現れ、マロイの件で執拗に首を突っ込む二人を、マーロウは不審に思う。

マロイにベルマの報告をしたマーロウだったが、彼はその写真を見て人違いだと指摘し、捜査継続を迫る。

偽の写真を掴まされたマーロウは、マロイの件も気にしながら、その夜、マリオの元に向かう。

マリオと取引現場に着いたマーロウだったが、いきなり殴り倒されてしまう。

気がつくと警察官が到着し、マリオの死体が横たわっていた。

警察署で、自分を犯人に仕立て上げようとする何者かの策略だということを、ナルティとロルフに説明したマーロウは釈放される。

その後、マーロウは独自にマリオの件を調査し、チャイナタウンで大物宝石コレクターの情報を掴む。

その人物は、ロサンゼルスの政界に影響力を持つグレイル判事(ジム・トンプソン)だった。

グレイル判事の大邸宅に向かったマーロウは、そこで彼の妻ヘレン(シャーロット・ランプリング)と会い、若くて美しい彼女に心を奪わる。

実力者ではあるが、年老いたグレイル判事の目を気にすることなくヘレンはマーロウに迫り、恋人であったマリオを殺しの犯人捜しを依頼する。

オフィスに戻ったマーロウは、いきなり襲われ、売春宿に連れて行かれる。

マロイの居場所を聞かれたマーロウは、抵抗したために薬を打たれて監禁される。

マーロウはそこで、ベルマの情報をくれたバンドマンの死体を見つける。

部屋を抜け出したマーロウは、奪った銃を女主人にを向けるが、彼女と手下ジョニー(シルヴェスター・スタローン)が揉め事になる。

ジョニーが女主人を射殺する隙に、マーロウは脱出する。

その後、ディマジオの新記録を知り、満足気なマーロウの元にヘレンから電話が入り、パーティーに招待される。

パーティー会場で、ヘレンに挨拶したマーロウは、ギャングの大物レアード・ブルネット(アンソニー・ザーブ)から、マロイに会いたいと言われ、2000ドルを提示される。

マロイを売りたくもないが、何が起きているのかが気になり、マーロウはブルネットの金を受け取り、その後ヘレンと愛し合う。

何かの警告なのか、マーロウは運転中に銃撃されてしまい、再びジェシーの元に向かい、ベルマから連絡があったと知らされる。

その後、マロイから連絡が入り、マーロウはベルマと会うことになり、待ち合わせ場所のモーテルに向かう。

しかし、二人は待ち伏せていた男達に銃撃され、3人を撃ち殺して危うく難を逃れるが、マロイはベルマがいなかったことを確認して、その場を立ち去ってしまう。

マーロウの周辺で、5人目の死亡者が出たため、ナルティは彼と情報源のジェシーの元に向かうが、彼女も何者かに殺されていた。
__________

ナルティに説明を終えたマーロウは、事件の鍵を握ると思われる、ブルネットの船にマロイと向かうことにして、ナルティに援護を頼む。

ナルティの同僚ロルフは、急に正義感を振りかざし始めた彼を非難し、今回の件から手を引く。

ブルネットの船に乗り込み、彼の部屋に乱入したマーロウとマロイだったが、そこにベルマ(ヘレン)が現れる。

そして、マーロウは事件の全容を理解する。

元売春婦ベルマが判事と結婚し、判事はそれを知らずに、銀行強盗の件で、彼女はマロイに罪をかぶせた。

ベルマは、自分の過去を知るマリオなどを殺害したが、マロイの出所で状況が変わり、 ブルネットと組んだのが真相だった。

ベルマが、マーロウの銃を奪うようマロイをけしかけ、彼はそれに従うが、ベルマに射殺されてしまう。

マーロウは隙を見てベルマを銃撃し、後を追ってきたナルティが彼を救い出す。

その後マーロウは、平凡なピッチャーがディマジオの記録を止めたことを知り、2000ドルを持って野球好きのバンドマンの子供の元に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1941年、ロサンゼルス
私立探偵フィリップ・マーロウは、警察に追われ薄汚い宿に逃れていた。
マーロウは、市警のナルティ警部補を呼び出し、殺人容疑を着せられたことについて説明を始める・・・。
ある日、マーロウは大男のマロイから、ベルマという女の捜索を依頼される。
マーロウは、ベルマが働いていた酒場に連れて行かれ、マロイから手付金を受け取る。
元バンドマンから、店の持ち主だったジェシーの住所を聞き、情報を得てベルマの写真を入手する。
女優を目指していたベルマは、現在は精神病院に入れられていたことが分かり、マーロウは、マロイの仕事を簡単に済ませるのだが・・・。
__________

レイモンド・チャンドラーは、主人公フィリップ・マーロウを原作では38歳と想定しているがそれを演ずるロバート・ミッチャムは当時58歳で、冒頭から、言訳のように”もう年だ・・・”と愚痴をこぼし、ドラマ中に度々”疲れた・・”とぼやくシーンで、自分の年齢を強調しているところなどが面白い。

確かに、今の俳優などに比べると、少々老けて見えるところもあるが、警察や悪党に全く怯むところがない逞しさを、年齢を重ねた男の渋みや貫禄で見事に演じている。

セットや衣装、さらには映像も、1940年代の雰囲気をよく出しているし、フィルム・ノワール作品を彷彿させるデヴィッド・シャイアの音楽も郷愁を誘う。

第48回アカデミー賞では、助演女優賞(シルヴィア・マイルズ)がノミネートされた。

主人公が野球好きで、特に当時、話題の中心でもあったジョー・ディマジオの連続試合ヒット記録の更新を、第一の関心事にしたことなどがアクセントとなり、庶民派探偵の雰囲気もよく出ている。

事件解決と共に、ディマジオの記録も途絶えるという筋立てもなかなかいい。

上映から40分以上してようやく登場する、妖艶な魔性の女を演ずるシャーロット・ランプリングの魅力も印象に残る。

主人公を疑いながらも一目起き、厳しい世界を生き抜く男同士の絆も感じさせてくれる警部補ジョン・アイアランド、出番は少ないが、アカデミー助演賞にノミネートされた、主人公の情報源となる女性シルヴィア・マイルズ、事件の黒幕的存在のギャング、アンソニー・ザーブ、主人公とは馬が合わない刑事のハリー・ディーン・スタントン、そして、ドラマのキーマンとも言える謎の大男ジャック・オハローランは「スーパーマン」(1978)シリーズの”ノン”役よりも、インパクトがある怪演を見せてくれる。

さらに注目は、「ロッキー」(1976)公開を翌年に控えたシルヴェスター・スタローンが、無名ながらも、よく見ると印象に残る役で登場し、やや細めだが逞しい上半身も披露してくれる。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター