恐怖と欲望 Fear and Desire (1953) 3.29/5 (28)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

スタンリー・キューブリックが若き日に製作して封印されていた長編初監督作品(製作、脚本、撮影、編集兼)。
ある国の戦争で、敵地に墜落した空軍兵士4人の極限状態下での脱出を描く、出演フランク・シルヴェラポール・マザースキー他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:スタンリー・キューブリック
製作:スタンリー・キューブリック
脚本
スタンリー・キューブリック

ハワード・サックラー
撮影:スタンリー・キューブリック
編集:スタンリー・キューブリック
音楽:ジェラルド・フリード

出演
マック軍曹:フランク・シルヴェラ

シドニー二等兵:ポール・マザースキー
コービー中尉/将軍:ケネス・ハープ
フレッチャー二等兵/大尉:スティーブ・コイト
少女:ヴァージニア・リース

アメリカ 映画
配給 Joseph Burstyn

1953年製作 61分
公開
北米:1953年3月31日
日本:2013年5月3日
製作費 $33,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ある国で起こっている戦争。
攻撃を受けて敵地の森に墜落した空軍兵士コービー中尉(ケネス・ハープ)、マック軍曹(フランク・シルヴェラ)、シドニー二等兵(ポール・マザースキー)、フレッチャー二等兵(スティーブ・コイト)は、筏を作り川を下ることを考える。

川に着いた4人は筏を作り、マックが対岸の敵軍飛行場に気づきコービーに知らせる。

マックは、その場に将軍(ケネス・ハープ)がいることも確認する。

筏は完成し、敵の兵士二人を確認した4人は、彼らに襲いかかって殺害し、武器を奪い、その場にあった食事で空腹を満たす。

暫くしてもう一人の敵兵が現れ、彼を射殺した4人はその場を離れる。

翌日、移動は夜まで待つことにした4人は、岸辺で魚を獲り帰ろうとした少女(ヴァージニア・リース)を捕える。

コービーは少女を木に縛り付け、言葉の通じない彼女に話しかけて、筏を見たかを確かめる。

筏を見に行くというコービーは、シドニーに銃を渡して少女の監視として残し、2時間で戻ると言ってその場を去る。

置き去りにされたと思い、情緒不安定気味のシドニーは、少女に慰めてもらおうとする。

筏が気づかれていないことを確認したコービーは、マックに偵察を命じて、言動がおかしかったシドニーのことが気になる。

異常がなかったことをコービーに報告したマックは、そのままシドニーの元に向かうよう命ぜられる。

少女に対し、自分を好きになってほしいと迫るシドニーは、彼女の拘束を解いてしまう。

走り去った少女に銃を向けたシドニーは、彼女を射殺してしまう。

他の三人はその銃声を聞き、現れたマックは、少女に何をしたのかを問い詰める。

寝ているという少女が、死んだことをマックは確認するのだが、シドニーは、魔法使いの仕業だと意味不明なことを話し始める。

シドニーは正気を失いその場から走り去り、コービーとフレッチャーが現れる。

マックは、気が触れたシドニーが少女を射殺して走り去ったことを二人に伝える。

三人は筏の元に戻り、マックは、対岸の建物を襲い将軍を殺すべきだとコービーに提案する。

それを却下するコービーは、飛行機を奪うという案も、危険が伴い二人しか乗れないと答える。

マックは、自分が筏で対岸に向かい見張りを引き付け、その間に二人が飛行機を奪い逃げれる案を伝える。

自分は後から戻るというマックは、戦争が終わればただの修理工の自分も、将軍を殺すことでも考えていないと気が狂うとコービーに語る。

夜になれば筏で自陣に戻れるというコービーだったが、フレッチャーはマックの意見に賛成する。

納得したコービーは、筏で対岸に向かうマックを送り出し、フレッチャーと共にその様子を監視する。

その頃、敵の将軍は、いなくなっていた愛犬が見つかったことを大尉(スティーブ・コイト)から報告される。

敵に向かって銃撃を始めたマックは、銃弾を受けながら彼らを引き付け、その隙にコービーとフレッチャーが建物に近づく。

フレッチャーが窓から将軍と大尉を銃撃するが、将軍を殺すことはできない。

コービーは、建物から這い出して降伏するという瀕死の将軍に、容赦なく銃弾を浴びせて止めを刺す。

飛行機に向かったコービーとフレッチャーは飛び立つ。

銃弾を受けながら筏で川を下ったマックは、途中シドニーに出くわし彼を乗せる。

味方の飛行場に着いたコービーとフレッチャーは、戻る可能性があるマックを待つために、川辺に向かうことを許可される。

川辺で、自陣に戻り自由になれたものの、欲望がなくなる一方で、また、それを満たしたい気持ちにもなることなど、平常心ではいられないことに二人は気づく。

二人は、筏の上であおむけに倒れるマックと、歌を歌いながら流れに任せるシドニーを確認する。

あれは幻だと言って、二人はその場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ある国で起こっている戦争。
コービー中尉、マック軍曹、シドニー、フレッチャー両二等兵の空軍兵士4人は、攻撃を受けて墜落し敵地をさ迷う。
筏を作り川を下り、自陣に向かうことを考えた4人は、対岸の飛行場や将軍の存在を確認しながら、その夜、敵兵を襲い食事と武器を確保する。
その後、川で魚を獲っていた少女を捕えた4人は彼女を拘束する。
コービーは、若いシドニーに少女の監視をさせて、筏の様子を見に行く。
シドニーは、死が迫る恐怖から正気を失い、少女に迫り拘束を解いてしまう。
逃げ出した少女を射殺したシドニーは、現れたマックに意味不明な言葉を発し、その場から走り去る。
三人は考えを変えて、敵の将軍を殺し、飛行機を奪い逃げる計画を実行するのだが・・・。
__________

スタンリー・キューブリックが、長編デビューと言われていた「非情の罠」(1955)以前に製作した作品で、その仕上りに不満を抱き、彼自身によって封印された幻の作品。

アメリカでは1953年3月に公開はされいる作品で、日本では2013年5月に初公開された。

タイトルの通り、戦争時の兵士が死と隣り合わせの極限状態、恐怖の中で欲望を感じ、自由を得ながらそれを失い、しかし、その欲望を満たしたい考えも湧き起こるという、精神崩壊を寓話風に描いた作品。

スタンリー・キューブリック自身が、アマチュアの仕事と評したと言われる作品だが、その当時を考えると、敵味方の双方の兵士、二役を演ずるケネス・ハープとスティーブ・コイトのメイクなどはなかなか凝っている。

また、”光と影の使い方がうまい・・・”などと言いたがる方も多いが、当時の作品の殆どがその効果を有効に使っていたので、それほど斬新にも思えない。

それよりも、わずか数年後の「現金に体を張れ」(1956)などを監督することになる、スタンリー・キューブリックの才能を見極める材料にするには貴重な作品だ。

粗野で横柄な軍曹を印象深く演ずるフランク・シルヴェラ、その後、監督として数々の名作を世に出す、正気を失う若い兵士を熱演しているポール・マザースキー、冷静な中尉と敵軍の将軍役ケネス・ハープ、二等兵と敵軍大尉役のスティーブ・コイト、捕えられる少女ヴァージニア・リースなどが共演している。


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