地上より永遠に From Here to Eternity (1953) 5/5 (14)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1951年に発表されたベストセラー、ジェームズ・ジョーンズ同名小説の映画化。
無能な指揮官に代わり、実質的に部隊を統率する曹長と軍の体質に反発する兵卒、二人の苦悩や友情を描いた、監督フレッド・ジンネマンバート・ランカスターモンゴメリー・クリフトデボラ・カーフランク・シナトラドナ・リードアーネスト・ボーグナインジャック・ウォーデン共演による映画史上に残る傑作ドラマ。


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト ■

監督:フレッド・ジンネマン
製作:バディ・アドラー
原作:ジェームズ・ジョーンズFrom Here to Eternity
脚本:ダニエル・タラダッシュ
撮影:バーネット・ガフィ
編集:ウィリアム・A・ライオンズ
音楽:ジョージ・ダニング

出演
バート・ランカスター:ミルトン・ウォーデン曹長
モンゴメリー・クリフト:ロバート・E・リー・プルュウィット二等兵
デボラ・カー:カレン・ホームズ
フランク・シナトラ:アンジェロ・マッジオ二等兵
ドナ・リード:アルマ”ロリーン”バーク
アーネスト・ボーグナイン:ジェームズ・R”ファツォ”ジャドソン軍曹
フィリップ・オバー:ダナ”ダイナマイト”ホームズ大尉
ジャック・ウォーデン:バックリー伍長
ジョン・デニス:アイク・ガロヴィッチ軍曹
ミッキー・ショーネシー:リーヴァ伍長
クロード・エイキンス:”バルディ”ドム軍曹
バーバラ・モリソン:キプファー夫人
ジョージ・リーヴス:マイロン・スターク軍曹
ジョーン・ショウリー:サンドラ
ジョセフ・サージャント:兵士

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1953年製作 118分
公開
北米:1953年8月5日
日本:1953年11月10日
製作費 $1,650,000
北米興行収入 $30,500,000


アカデミー賞 ■

第26回アカデミー賞
・受賞
作品・監督
助演男優(フランク・シナトラ)
助演女優(ドナ・リード)
脚本・編集・撮影(白黒)・録音賞
・ノミネート
主演男優(バート・ランカスター/モンゴメリー・クリフト)
主演女優(デボラ・カー)
作曲(ドラマ・コメディ)
衣装デザイン賞(白黒)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1941年夏、太平洋戦争開戦前夜、ハワイホノルル
スコフィールド兵営にロバート・E・リー・プルュウィット二等兵(モンゴメリー・クリフト)が転属してくる。

ミルトン・ウォーデン曹長(バート・ランカスター)に名前を聞かれたプルュウィットは、ホルムズ大尉(フィリップ・オバー)の元に連れて行かれ転属の報告をする。

優秀なラッパ手だったプルュウィットは、上官に逆らい一兵卒に格下げされたのだった。

プルュウィットが、ボクシングで軍のミドル級チャンピオンだったことを知っていたホームズは、彼を隊のボクシング・チームに入れようとする。

しかし、プルュウィットは、二度とリングには上がらない決心をしていたのでそれを断る。

ホームズは、強制はしないまでも、プルュウィットに目をつけていることを伝える。

そんな、無能な指揮官ホームズの隊を、見事にまとめていたのはウォーデンだった。

反抗的なプルュウィットに、ウォーデンは態度を改めて要領よく行動するよう忠告するが、彼はそれを聞き入れなかった。

ホームズと妻カレン(デボラ・カー)は不仲で、夫婦でありながら没交渉な生活を送っていた。

プルュウィットは、転属早々、同僚達にボクシングをやらないことで圧力をかけられる。

今後に起きる嫌がらせを、自分を好意的に見るバックリー伍長(ジャック・ウォーデン)から知らされたプルュウィットは、彼にウォーデンのことを尋ねる。

ウォーデンは軍人の手本のような男で、軍隊生活における様々な要領を完全にマスターし、人情味にあふれ、隊員達から全幅の信頼をおかれていた。

やがて、プルュウィットに対する、”バルディ”ドム軍曹(クロード・エイキンス)や隊員からの嫌がらせが激しくなってくる。

プルュウィットを擁護するのは、旧友のアンジェロ・マッジオ二等兵(フランク・シナトラ)だけだった。

その頃、女性にも自信みなぎる態度で接するウォーデンは、ホームズの妻カレンと親密になっていく。

二人の噂を聞いたマイロン・スターク軍曹(ジョージ・リーヴス)は、ウォーデンに、自分も短期間だったが彼女の相手をしたことを伝える。

週末の外出で、アンジェロは、プルュウィットを会員制クラブ”ニュー・コングレス”に連れて行く。

そこでプルュウィットは、アルマ”ロリーン”バーク(ドナ・リード)に一目惚れしてしまう。

アンジェロは、重営倉係ジェームズ・R”ファツォ”ジャドソン軍曹(アーネスト・ボーグナイン)と揉め事を起こし、プルュウィットがそれを制止しようとする。

プルュウィットは、その間にロリーンが他の兵士と会話をしていたため嫉妬してしまう。

その頃、カレンと浜辺での一時を過ごしていたウォーデンは、彼女に、何人もの男関係について問い質す。

カレンは、夫の浮気に苦しみ、そのせいで生まれてくる子供を死なせてしまった辛い過去をウォーデンに語る。

子供の産めない体になってしまったカレンは、夢だけを追って夫以外の男に走ったことも話し、ウォーデンは彼女の気持ちを理解して抱き寄せる。

気を取り戻したプルュウィットとロリーンは特別室に向かい、長く付き合った男に捨てられた彼女は、ホノルルで資金を貯めて帰国するつもりだという話などをする。

同僚達からの、嫌がらせやしごきの話になったプルュウィットは、その原因であるボクシングを拒否するのは、かつて親友を失明させてしまったためだということをロリーンに話す。

翌週から、ホームズ自らの仕打ちを含め、プルュウィットへの嫌がらせは更に激しさを増すが、彼は依然として反抗する。

ある日、酒場でジャドソンに妹を侮辱されたアンジェロは彼と喧嘩になる。

止めに入ったウォーデンを見たプルュウィットは、その男らしさを見て初めて彼に心を開く。

次の外出で、ロリーンを別の場所に誘ったプルュウィットだったが、彼女は仕事があるためにそれを断る。

その後、クラブを抜け出したロリーンは、プルュウィットの元に向かい、規則を破って現れたアンジェロも合流する。

プルュウィットは、アンジェロが職場放棄していたことを気にするが、結局、彼は逮捕され、軍法会議にかけられて6ヶ月の営倉送りとなる。

ウォーデンとカレンは、犯罪者のように人目を気にしながら交際を続け、もどかしい日々を送り、彼女は夫ホームズに離婚をほのめかす。

プルュウィットは、ロリーンに結婚を申し込むが、彼女は軍人と結婚する気のないことを彼に伝える。

その後プルュウィットは、自分への嫌がらせに我慢の限界に達し、アイク・ガロヴィッチ軍曹(ジョン・デニス)と殴り合いになる。

ガロヴィッチを、叩きのめす寸前まで追い込んだプルュウィットだったが、それを見たホームズは公正な判断を下さなかった。

その夜、兵舎内の道路に座り込み酔っていたウォーデンは、付近にいたプルュウィットを呼び寄せる。

プルュウィットと酒を酌み交わしたウォーデンは、恋の相手が、将校になれと言っていることを彼に伝える。

ウォーデンは、将校になるのを嫌っていることをプルュウィットに伝え愚痴をこぼすが、そこに、営倉でジャドソンに痛めつけられていたアンジェロが脱走して現れる。

瀕死のアンジェロは、ジャドソンの虐待に耐えかね、殺されると思い脱走したことを伝え、プルュウィットの腕の中で息絶えてしまう。

その後プルュウィットは、涙しながらアンジェロのために追悼ラッパを吹く。

そして、街角でジャドソンを路地に呼んだプルュウィットは、彼を刺し殺してしまうのだが、自らも傷を負いロリーンの家に身を隠す。

数日後、部隊に関しての内部調査で、プルュウィットに対しての行為が知れたホームズは、軍法会議にかけられることになる。

しかし、ホームズはそれを待たずに、辞表を出し軍隊から去ることを上官から強要される。

新任の部隊長は、今後ボクシングでの昇進がないことを下士官達に伝え、ウォーデンに、ガロヴィッチを兵卒に降格するよう命ずる。

カレンはホームズと帰国することになるが、ウォーデンは依然として彼女の望む将校になることを拒み、部隊を離れる気がなかった。

夫と離婚することもできないカレンは、ウォーデンとの関係を諦め、彼と別れる決心をする。

1941年12月7日。
日本軍による、”真珠湾奇襲攻撃”が始まる。

ウォーデンは兵士達を統率し、規則を無視して銃器に実弾を装着し、敵機の攻撃に対抗する。

それを知ったプルュウィットは、帰国して結婚するとまで言って引き止めるロリーンの言葉も聞かず、軍人としての役目を果たすために部隊に戻ろうとする。

しかし、兵営に戻ろうとしたプルュウィットは、警備兵に射殺されてしまい、遺体はウォーデンが確認して引き取る。

日本軍の攻撃は収まり、本土に向かう船上でカレンとロリーンは出会う。

カレンは島の思い出を語り、ロリーンは、英雄として戦死したことになった婚約者の武勲を称える。

ロリーンは、リー将軍からとった婚約者”ロバート・E・リー・プルュウィット”の名前をカレンに教える。

カレンは、ウォーデンから聞いていたプルュウィットの名前に驚き、ロリーンにもう一度それを問い質す。

ウォーデンから受け取った、プルーイットの遺品であるマウスピースを握り締め、ロリーンは”古臭い名前ね”とつぶやく。

そして二人は、”岸に流れれば、帰ってこれる”という言い伝えがある、カレンが投げ捨てたレイをいつまでも見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

上官に逆らったため降格した元ラッパ手のロバート・プルュウィットは、部隊員からの信頼厚いミルトン・ウォーデン曹長の部隊に転属させられる。
プルュウィットが、ボクシングの強豪選手だと知った部隊長ホームズは、彼に部隊のチームに加わるよう強要する。
かつて、試合で相手を失明させたプルュウィットがそれを拒否したために、ホームズは、部下に彼への嫌がらせやしごきを命ずる。
それに屈しないプルュウィットに、ウォーデンは一目置きながらも、軍隊で生きる術を知る彼は深入りを避ける。
そのウォーデンは、上官ホームズの妻で、どこか陰のあるカレンと親密になっていく。
しかしウォーデンは、カレンが夫の浮気癖を黙認しながら多くの男と関係していることを知る。
一方、厳しい仕打ちに耐えていたプルュウィットは、会員制クラブで働く、過去を忘れるためにこの地を訪れていた女性ロリーンに出会い恋に落ちる・・・。
__________

軍隊内部の過酷な生活と腐敗を描き、アメリカ映画にしては珍しく、結局は恋も人間関係も、何一つ成就せずに終わってしまうという、虚しい現実を描いた、いかにもフレッド・ジンネマンらしい自己主張を貫いた作品。

2002年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第26回アカデミー賞では、作品賞をはじめ12部門にノミネートされ、作品、監督、助演男優(フランク・シナトラ)、助演女優(ドナ・リード)、脚本、編集、撮影(白黒)、録音賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優
(バート・ランカスター/モンゴメリー・クリフト)
主演女優(デボラ・カー)
作曲(ドラマ・コメディ)、衣装デザイン賞(白黒)

40歳になり、黄金期に入ったと言える主演のバート・ランカスターは、軍の生活に対しては強かだが、統率力があり逞しく、また凛々しい士官役を見事に演じ圧倒的な存在感を見せる。

出演作に恵まれ勢いに乗る、こちらも全盛期と言えるモンゴメリー・クリフトは、実生活でも反骨精神を露にしていた、彼自身をそのまま投影しているような役どころが興味深い。

撮影当時31歳だったとは思えない、デボラ・カーの大人の女性の魅力と、同じ年齢ではあるが、若干あどけなさも残る、暗い過去を持つ女性ドナ・リード、対照的な二人が、接点を持ちながら偶然に出会い語り合うラストも印象的だ。

本作への出演に関する裏話を、「ゴッドファーザー」(1972)の中のエピソードで、そのモデルとして使われたことで憤慨したというフランク・シナトラは、確かにかなり重要な存在として描かれている。

ひょうきん、飲んだくれ、喧嘩っ早くて哀れな死と、いかにもアカデミー賞受賞の条件が揃っていたような役柄なので、是非演じたかった気持ちはよくわかる。

2年後の「マーティ」(1955)で、本作とは全く違う、気のいい男性役を演じ、アカデミー主演賞を受賞することになるアーネスト・ボーグナインは、どちらかというと、やはり本作のような役柄が適役と感じてしまうほど、その面構えで迫力ある演技を見せてくれる。

風貌に似合わず、まだまだ若手という感じのジャック・ウォーデンは、地味な役でやや物足りない感じはするが、孤立無援の兵士(M・クリフト)に助言をする伍長を好演している。

無能な指揮官フィリップ・オバー、装備品係ミッキー・ショーネシー、下士官役のクロード・エイキンス、ジョン・デニス、ジョージ・リーヴス、会員制クラブのオーナー、バーバラ・モリソン、そこで働く女性ジョーン・ショウリー、その後、監督としても活躍するジョセフ・サージャント等が共演している。


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