ジャイアンツ GIANT (1956) 4.97/5 (35)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

「ショーボート」や「シマロン」のエドナ・ファーバーが、1952年に発表した同名小説を基に製作された作品。
ラストの主演のエリザベス・テイラーのセリフにもあるが、桁外れの土地を所有するテキサスの大牧場主一家、夫婦の四半世紀にも及ぶ半生を描く、製作、監督ジョージ・スティーヴンス、共演ロック・ハドソンジェームズ・ディーンによる超大作。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョージ・スティーヴンス
製作
ジョージ・スティーヴンス
ヘンリー・ジンスバーグ
原作:エドナ・ファーバー
脚本
フレッド・ジュイオル
アイヴァン・モファット
撮影:ウィリアム・C・メラー
編集:ウィリアム・ホーンベック
美術・装置
ボリス・レヴン
ラルフ・S・ハースト
衣装デザイン
モス・メイブリー
マージョリーベスト
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演
エリザベス・テイラー:レズリー・ベネディクト
ロック・ハドソン:ジョーダン”ビック”ベネディクト
ジェームズ・ディーン:ジェット・リンク
マーセデス・マッケンブリッジ:ラズ・ベネヂクト
チル・ウィルス:ボウリー
デニス・ホッパー:ジョーダン・ベネディクト III
キャロル・ベイカー:ラズ・ベネディクト II
アール・ホリマン:ボブ・デイス
ジェーン・ウィザーズ:ヴァシタイ・ヘレイク・スニス
エルザ・カーデナス:ホアナ・グエラ・ベネディクト
ポール・フィックス:ホレイス・リントン
ジュディス・エヴェリン:ナンシー・リントン
フラン・ベネット:ジュディ・ベネディクト
ロッド・テイラー:デヴィッド・カーフリー
サル・ミネオ:アンヘル・オブレゴンⅡ
キャロリン・クレイグ:レイシー・リントン
ニック・アダムス:ジェット・リンク(ジェームズ・ディーンの声の代役)

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1956年製作 199分
公開
北米:1956年11月24日
日本:1956年12月19日
製作費 $5,400,000
北米興行収入 $35,000,000


アカデミー賞 ■

第29回アカデミー賞
・受賞
監督賞
・ノミネート
作品
主演男優(ロック・ハドソン/ジェームズ・ディーン)
助演女優(マーセデス・マッケンブリッジ)
脚色・音楽賞(ドラマ/コメディ)・美術(カラー)
衣裳デザイン・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

メリーランド
テキサスに約60万エーカーの土地を所有する大牧場主ジョーダン”ビック”ベネディクト(ロック・ハドソン)は、種馬の買い付けのため、ホレイス・リントン(ポール・フィックス)の屋敷を訪ねる。

駅でリントンに迎えられたビックは、勝気だが上品さを兼ね備えたリントン家の長女レズリー(エリザベス・テイラー)に一目惚れしてしまう。

その夜の食事の最中、ビックはテキサス一の広さを誇る自分の牧場”レアータ”の大きさを説明するが、 リントン家の人々には想像がつかない。

その後、ビックは、自分の想いをレズリーにうまく伝えられず、翌朝、早くに旅立つため彼女に別れを告げるものの、心残りで眠ることが出来ない。

レズリーも、長身で逞しいビックに惹かれ、テキサスのことを調べながら眠りに付き朝を迎える。

ビックの朝食に顔を出したレズリーは、テキサスについての、俄かに得た知識で彼のプライドを刺激する。

気分を害したビックだったが、彼は完全にレズリーのペースにはめられ、彼女の虜になってしまう。

そして、ビックは帰りの汽車の出発を無視し、レズリーに求婚して、彼女をテキサスに連れて行くことになる。

テキサス入りし、ベネディクト家専用駅に到着したビックとレズリーは、80キロ先の屋敷まで、何もない平原を車でひたすら走る。

ようやく屋敷に着いた二人だったが、使用人のメキシコ人に気軽に声をかけるレズリーに、 ビックはこの土地の仕来りなどを教えるのだが、彼女にはそれが理解できない。

その後レズリーは、ビックの姉ラズ(マーセデス・マッケンブリッジ)を紹介される。

ビックは、追い出したはずの使用人のジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)に食って掛かるが、彼はラズに気に入られているため、引きとめられたことをビックに伝える。

ジェットは、ラズにレズリーを紹介され、その美しさに心惹かれてしまう。

数日後、レズリーを歓迎するパーティーが開かれ、彼女は隣人の女性ヴァシタイ(ジェーン・ウィザーズ)などを紹介される。

そして、レズリーは人々から歓迎を受けるが、暑さと疲労で倒れてしまう。

レズリーは、覚悟はしていたものの、テキサスの想像を絶する気候風土、そして人々の暮らしぶりに戸惑ってしまう。

しかし、持ち前の芯の強さで、ラズの客人扱いもきっぱりとそれを拒絶したレズリーは、徐々にこの地の生活に順応していく。

ビックが嫌う、ジェットとも親交を持ったレズリーは、使用人の貧しいメキシコ人にも優しく接する。

そんな時、レズリーに対抗心を見せるラズが、メリーランドから運んできた種馬から落馬して亡くなってしまう。

レズリーは、悲しみに暮れるビックの反対を押し切り、ラズを診た医師を連れて、メキシコ人の病人の様子を見に村に向う。

ラズの葬儀が行われ、彼女がジェットに小さな土地を遺したことが分かり、ビックは、その土地を地価の2倍の1200ドルで買い取ろうとする。

しかし、ジェットは金ではなく土地譲り受け、その土地で石油の採掘を始める。

時は流れ、仕事や叔父ボウリー(チル・ウィルス)らとの男同士の世界に固執する古臭い考えのビックと、 進歩的な考えを持つレズリーは対立もするのだが、何とか歩み寄りやがて双子が生まれる。

その間、レズリーはメキシコ人村に献身的に通い続け、ある日、ジェットの土地”リトル・レアータ”に立ち寄る。

レズリーに心を寄せるジェットは、彼女を前に緊張しながらも野心を語る。

ビックは、未だにメキシコ人村と住人を良く思わず、そのことでレズリーと言い争いをするが、 そんな二人には3人目の子供も生まれる。

その頃、ジェットは自分の土地から、石油が出そうな気配を感じていた。

幸せを掴んだかに見えたビックとレズリーだったが、長男の4歳の誕生日の日、ビックが、息子にポニーを与えて、ベネディクト家の男としての心得を、強引に教え込もうとする。

それに耐え切れないレズリーは、仕方なく子供達を連れてメリーランドに帰ってしまう。

レズリーや子供達と別れたビックは、抜け殻のようになってしまい、レズリーもビックを恋しく想う。

デヴィッド・カーフリー(ロッド・テイラー)と妹のレイシー(キャロリン・クレイグ)の結婚式の日を迎えたレズリーは、幸せな二人を見て一層ビックを想う。

そして、その場に現れたビックに気づいたレズリーは、結婚する妹達の誓の言葉を聞きながら、離れたことで深くなった二人の絆を確かめ合う。
一方、ジェットの土地からついに石油が噴出し、彼はそれを自慢気にビックに報告する。

ジェットは、心を寄せていたレズリーを、人前で侮辱してしまい、ビックに殴り倒される。

しかし、ジェットはビックに反撃して殴り返し、その場を立ち去る。

その様子を見ていた叔父ボウリーは、ジェットを殺しておくべきだったと後悔する。

ジェットの油田は次々と拡大し、ビックには目障り極まりない存在となり、”レアータ”という名前を使わせないようにする。

ジェットは社名を”JETEXAS”とし、大型のタンクローリーが、ビックの屋敷の目の前を行き交う。

時は流れ、ビックとレズリーの長男ジョーダン(デニス・ホッパー)は、牧場を継がずに医者になりたいことを母レズリーに相談する。

長女ジュディ(フラン・ベネット)は、恋人ボブ・デイス(アール・ホリマン)と別れたくないため、スイスの女子大への入学を勧める母レズリーを説得するよう、父ビックに相談する。

その夜、ビックとレズリーは、子供達から相談されたことを打ち明け互いに驚き、当然それに反対するものの、自分達が年をとり、時代が変わったことを痛感する。

その頃、ジェットの油田の規模は巨大化を続けて、彼はベネディクト家の土地も狙おうとしていた。

やがて第二次大戦が始まり、かつてレズリーが命を救ったメキシコ人アンヘル・オブレゴン(サル・ミネオ)と、結婚したばかりのジュディの夫ボブが出征することになる。

その頃、ジョーダンは、メキシコ人医師の娘ホアナ・グエラ(エルザ・カーデナス)に惹かれてしまう。

メキシコ人村で、医師として働くというジョーダンの決意を聞いたビックは、牧場をボブとジュディに任せようとするのだが、自分達の牧場を持つ夢がある二人にそれを断られてしまう。

到底それに納得できないビックだったが、そこにジェットが現れ、出迎えた次女ラズ(キャロル・ベイカー)は、彼に惹かれてしまう。

そして、子供達が自分の思い通りにならないビックは苛立ち、ついにジェットの話を聞き入れ、自らも石油事業に乗り出す。

ジョーダンは、ホアナと二人だけで結婚式を挙げてしまい、レズリーは祝福するがビックは驚きを隠せない。

戦争は終わり、ボブは無事故郷に帰ってくるが、アンヘルは戦死し、ビックはレズリーが初めて世話をした彼のために、家宝の州旗を家族に渡す。

そして、ボブとジュディに子供が生まれ、ジョーダンとホアナの子供を、ビックは複雑な表情で見つめる。

その後、ジェットの空港とホテルの落成パーティーに招待されたベネディクト一族は、自家用機で現地に乗り込む。

しかし、ラズがジェットのパレードの女王を務め、娘が彼と親密であることを知ったビックとレズリーは困惑する。

そんなビックらの心配も知らずに、ラズはジェットからプロポーズされるが、返事を返さずその場を立ち去る。
ジェットが、場違いな者を会場施設から排除するよう指示を出していたため、ホアナがヘアーサロンで侮辱されてしまう。

ジョーダンは憤慨し、演説会場に現れたジェットの元に向かい彼に言い寄るが、逆に殴り倒されてしまう。

それを見たビックは激怒し、ジェットを会場から連れ出して決着をつけようとする。

酔って足元もふらつくジェットを見て、彼の破滅を悟り、殴る気もしなくなったビックは、レズリーや一族を連れて会場を去る。

会場に戻ったジェットは、演説の前に来賓の前で酔いつぶれてしまう。

部屋に戻ったビックは、ジェットと対決したのはホアナのためでなく、ベネディクト家の跡取りが、人前で殴られたための行動だったと、ジョーダンに言われてしまう。

偏見を持っていないつもりだったビックは、ジョーダンに言葉を返せなかった。

それでも、ラズはジェットの元に向おうとするが、叔父のボウリーは、彼の惨めな姿を見せれば、ラズも全てを理解するだろうと思いジェットの元に連れて行く。

意識を取り戻したジェットは、酔いながら誰もいない会場で演説を始め、最後に、惨めなベネディクト家の使用人時代から想い続けていた、レズリーへの気持ちを口にして意識を失う。

それを、ボウリーと聞いていたラズは納得し、会場を後にする。

車で帰ることになったベネディクト家の一行は、途中のドライブ・インで休息をとることにする。

ビックは、ホアナや他のメキシコ人客を差別する店の主人と口論の末に格闘となり、結局は殴り倒されてしまう。

しかし店主は、”お客を選ぶ権利がある”という掲示を外してしまう。

帰宅して孫達を前に、何一つ思い通りにならなかった人生だと悔やむビックに、レズリーは彼の全てが素晴らしかったことを告げる。

そしてレズリーは、ホアナのために戦ったビックの姿を見て、100年後も、ベネディクト家が成功を手にしていることを確信したと、誇らし気に語りかける。

それを聞いたビックは、90歳になってもレズリーが理解できないだろうとと告げ、肌の色の違う孫達は、澄み切った瞳で二人をいつまでも見つめていた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

テキサス最大の牧場を所有する大牧場主ビック・ベネディクトは、種馬の買い付けで訪れたメリーランドの地で、両家の子女レズリーと出会い一目惚れしてしまう。
即、結婚を決めたビックは、レズリーをテキサスに連れ帰り日常生活に戻る。
想像を超えた広さと環境に戸惑ったレズリーだったが、彼女に対抗心を燃やすビックの姉ラズに、自分の思う通りの生活を貫くことを宣言し、次第にその地に順応していく。
しかし、ラズは落馬で亡くなり、ビックといがみ合う使用人ジェットに、小さな土地が遺されることになる。
時は流れ、ビックとレズリーの間も紆余曲折を経ながら、子供にも恵まれ平穏な暮らしをしていた。
そんな時、ジェットの土地から石油が出て、孤独な貧乏青年が、ベネディクト家を上回る巨万の富を得てしまう・・・。
__________

何もかもが巨大なテキサスと、人種差別や家族の問題、そして、対立をテーマに展開する壮大な物語、他に類を見ないとてつもないスケールを感じさせてくれるドラマは、3時間20分という上映時間でも長さを感じない。

2005年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

当時としては巨額である、540万ドルの製作費をかけ、北米のみでも約3500万ドルの興行収入を上げる大ヒットとなった。

第29回アカデミー賞では、ジョージ・スティーヴンスが監督賞を受賞した。
・ノミネート
作品
主演男優
(ロック・ハドソン/ジェームズ・ディーン)
助演女優(マーセデス・マッケンブリッジ)
脚色・音楽賞(ドラマ/コメディ)・美術(カラー)・
衣裳デザイン(カラー)・編集賞

派手なアクションなどとは全く違う、ものの考えやその”空間”の大きさを、”圧倒的迫力”で見事に描写したジョージ・スティーヴンスの演出、その内容は原題のごとく、”巨人”のような一大叙事詩に仕上がっている。

そのスケールの大きさを一層感じさせる、ディミトリ・ティオムキンの主題曲、また、ウィリアム・C・メラーエドウィン・デュパーの撮影にも圧倒される。

20代前半のエリザベス・テイラーの美しさと、長身のロック・ハドソン(194cm)の”大きさ”は際立ち、数十年間の夫婦間の浮き沈みを、互いに熱演している。

本作が遺作となった、ジェームズ・ディーンの演技は確かに魅力的ではあるが、老け役にやや難があり、アカデミー賞で主演賞にノミネートされたことも疑問が残る。
(三人が主演とみなされたのだが・・・)

なぜか、彼のアップのシーンがほとんどないことが気になりもした。

また、彼は撮影中に交通事故死し、クライマックの演説シーンの声は、友人ニック・アダムスが担当している。

撮影時にはまだ10代のデニス・ホッパーや、彼より5歳年上の妹役キャロル・ベイカーの、初々しい演技も印象的だ。

あっさりと亡くなってしまう、マーセデス・マッケンブリッジは、短い出演ながら逞しいテキサス女として存在感がある。

チル・ウィルスも、おおらかで呑気な叔父役を好演している。

長女フラン・ベネット、その夫アール・ホリマン、隣人女性ジェーン・ウィザーズ、長男(D・ホッパー)の妻エルザ・カーデナス、レズリー(E・テイラー)の父ポール・フィックス、妻ジュディス・エヴェリン、娘のキャロリン・クレイグ、その夫役のロッド・テイラーメキシコ人青年サル・ミネオなどが共演している。

原題が”GIANT”にも拘らず、人気プロ野球チームにあやかって、複数形にしてしまったという邦題の裏話もある。

1970年代に、リバイバルで劇場で観た際、当時は入れ替え制でなかったので、一気に2回観たことを懐かしく思い出す。
(約7時間座りっぱなしだった)


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