グランド・ホテル Grand Hotel (1932) 5/5 (16)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1929年に発表された、ヴィッキー・バウムの小説”Menschen im Hotel”を基に、ウィリアム・A・ドレイクが脚色して製作された、豪華スター競演によるMGMの大作で、一流ホテルに集う人々を描く製作アーヴィング・G・タルバーグ、監督エドマンド・グールディンググレタ・ガルボジョン・バリモアジョーン・クロフォードライオネル・バリモア共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:エドマンド・グールディング
製作:アーヴィング・G・タルバーグ
原作:ヴィッキー・バウム
脚本:ウィリアム・A・ドレイク
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
編集:ブランシェ・セウェル
音楽
ウィリアム・アックスト
チャールズ・マックスウエル

出演
グルジンスカヤ:グレタ・ガルボ
フェリックス・フォン・ガイゲルン男爵:ジョン・バリモア
フレムヒェン:ジョーン・クロフォード
プライジング:ウォーレス・ビアリー
クリンゲライン:ライオネル・バリモア
オッテルンシュラーク医師:ルイス・ストーン
ゼンフ:ジーン・ハーショルト
スゼット:ラファエラ・オッティアーノ

アメリカ 映画
配給 MGM
1932年製作 112分
公開
北米:1932年9月11日
日本:1933年10月5日
製作費 $700,000
北米興行収入 $1,235,000
世界 $2,594,000


アカデミー賞 ■

第5回アカデミー賞
・受賞
作品賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ベルリン、”グランド・ホテル”。
実業家の大物プライジング(ウォーレス・ビアリー)は、業績不振を打破するため、他社との合併を考えていた。

プレイジングの会社の帳簿係クリンゲライン(ライオネル・バリモア)は、難病を苦に悩み休職し、 この世の名残にと豪華ホテルに宿泊しようとしていた。

クリンゲラインは、フロントで知り合ったフェリックス・フォン・ガイゲルン男爵(ジョン・バリモア)に、オッテルンシュラーク医師(ルイス・ストーン)を紹介され、彼に一目で病気だと知られてしまう。

そこに、プレイジングの速記者フレムヒェン(ジョーン・クロフォード)が現れ、彼の部屋に向かう。

借金苦の自称”男爵”ガイゲルンは、クリンゲラインや、部屋の外で待つよう言われたフレムヒェンに、気軽に声をかける。

クリンゲラインは、自分のスイート・ルームにガイゲルンとフレムヒェンを招待するが、彼女はプレイジングの部屋に呼ばれる。

バレリーナとしてその名を知られたグルジンスカヤ(グレタ・ガルボ)は、その名声に陰りが見え始めたことで悩む。

グルジンスカヤは、ホテルの部屋に閉じ篭り、 憂鬱な時間を過ごしていた。

公演を前に気乗りしないグルジンスカヤは、マネージャーにおだてられ、ようやく劇場に向かうことになる。

その様子を窺っていたガイゲルンは、実は強盗で、借金返済のために、グルジンスカヤの宝石を盗むよう強要されていたのだった。

プライジングは、フレムヒェンにタイプを打たせるが、女優志願だという彼女の魅力も気になる。

そんな時、プライジングの元に電報が届き、合併の話が流れたことが分かり、不機嫌になった彼はフレムヒェンを帰す。

ようやく行動を開始したガイゲルンは、グルジンスカヤの部屋にベランダから侵入して、難なく目的の真珠を盗み出す。

しかし、プライジングが部屋のベランダにいたために、ガイゲルンはその場から出られなくなる。

そこに、公演をキャンセルし姿を消したグルジンスカヤが戻って来る。

マネージャーに見限られたグルジンスカヤは、再び部屋で落ち込んでしまう。

部屋に潜んでいたガイゲルンは、その場から去ろうとするのだが、グルジンスカヤが自殺を決意したことを知り彼女に声をかけてしまう。

ファンを装い、グルジンスカヤの悩みを聞いたガイゲルンは、彼女を励まし心を和ませる。

オッテルンシュラーク医師と共に悪酔いしたクリンゲラインは、何とか部屋に戻り意識を失ってしまう。

翌日、プライジングは別の合併を進めるが、話しがまとまらず難航する。

ガイゲルンに誘われていたフレムヒェンは、彼と連絡を取ろうとしていた。

その頃、ガイゲルンと話し明かしてしまったグルジンスカヤは、最近になく晴々した気持ちで朝を迎えることができる。

グルジンスカヤに惹かれてしまったガイゲルンは、自分がギャンブラーで部屋荒しだと伝える。

それを信じないグルジンスカヤに、ガイゲルンは真珠を返し、彼女はショックを受ける。

しかし、正直なガイゲルンを、グルジンスカヤは受け入れてしまい、彼を次の公演先ウィーンに誘う。

恋に落ちたグルジンスカヤは、ガイゲルンに資金提供を申し出るが、彼はそれを遠慮し、金を工面して必ずウィーンに向かうことを約束する。

今回の合併もまとまりそうもないプライジングは、ボツになった合併が進んでいるということを相手に伝えてしまう。

焦った相手は合併に合意するものの、嘘をついてしまったプライジングは後悔する。

しかし、開き直ったプライジングは、フレムヒェンと楽しむことにして出て行った彼女を捜す。

その頃、フレムヒェンは”イエロー・ルーム”で、約束通りガイゲルンと会い踊り始める。

その場に現れたプライジングは、フレムヒェンを相手にできず、話しかけてきた社員のクリンゲラインにも素っ気無い態度で接する。

フレムヒェンがクリンゲラインをダンスに誘うが、そこにプライジングが割って入る。

プライジングがクリンゲラインを侮辱したため、それを知ったガイゲルンがプライジングの傲慢さを非難する。

フレムヒェンはクリンゲラインと踊った後、仕方なく雇い主のプライジングのい元に向かう。

しかし、仕事で酷使され侮辱まで受けたクリンゲラインは、プライジングに不満をぶつけ、二人はその場で罵り合い揉め事になる。

その後プライジングは、流れた合併話をまとめるための出張にフレムヒェンを同行させようとして、それ以上の関係も彼女に迫る。

クリンゲラインを慰めていたガイゲルンは、その後、借金の返済を迫られるが、強盗は止めほかの方法で金を返すことを相手に伝える。

公演のため、ロビーに現れたグルジンスカヤを見送ったガイゲルンは、クリンゲラインから、親切にしてもらったお礼にと言う資金提供を断り、ギャンブルをすることにする。

ガイゲルンは負けてしまい、クリンゲラインは一人勝ちし、最高の夜を過ごした彼は興奮して倒れてしまう。

オッテルンシュラーク医師を部屋に呼び寄せたガイゲルンは、クリンゲラインが落ち着いたのを見計らい、床に落ちていた彼の財布を奪ってしまう。

財布のないことに気づいたクリンゲラインは、切り詰めて貯めた全財産をなくし嘆き、それを知ったガイゲルンは、それを見つけた振りをして彼に返し部屋を出る。

仕事のため、フレムヒェンがプライジングの申し出を受けたことを知ったガイゲルンは、彼女と言葉を交わして立ち去る。

公演を成功させホテルに戻ったグルジンスカヤは、部屋にガイゲルンを呼び寄せようとする。

プライジングはフレムヒェンを口説こうとしていたが、部屋にガイゲルンがいるのに気づく。

ガイゲルンが強盗だと知ったプライジングは、彼から盗まれた財布を奪い返し、慈悲を請う彼を殴り殺してしまう。

それを知ったフレムヒェンは取り乱し、クリンゲラインにそれを伝え泣き崩れる。

クリンゲラインはガイゲルンの死を確認し、プライジングは、フレムヒェンと共謀した犯行だと言って、自分の立場ばかりを気にする。

プライジングに、口裏合わせを強要されたクリンゲラインはそれを無視し通報してしまう。

全てが好転し夢見心地のグルジンスカヤは、ガイゲルンの部屋を電話で呼び出すが繋がらない。

翌朝、ガイゲルンの遺体はホテルから運び出され、プライジングは殺人容疑で警察に連行される。

妻の出産に立ち会っていたポーター長のゼンフ(ジーン・ハーショルト)は、子供が生まれないままホテルに現れる。

ゼンフは、ガイゲルンが強盗に入り、プライジングに殺されたことを知らされる。

しかしゼンフは、ガイゲルンは紳士だと言ってそれを信じようとしない。

部屋に戻ったクリンゲラインは、落ち着きを取り戻したフレムヒェンを気遣う。

クリンゲラインは、金の工面に困りながらも、自分達に優しく接してくれたガイゲルンを哀れむ。

フレムヒェンは、金のために仕方なくプライジングと仕事をしたことをクリンゲラインに伝える。

クリンゲラインは、金の心配は入らないことをフレムヒェンに伝え、自分と行動することを彼女に提案する。

フレムヒェンは、気心知れた老紳士クリンゲラインの話を受け入れ、彼を幸せな気分にさせる。

喜びに涙するクリンゲラインに代わり、フレムヒェンはパリ行きのキップを二枚予約する。

旅立つグルジンスカヤは、ガイゲルンの姿が見えないことに動揺しながら、ホテルを出てウィーンに向かおうとする。

何も知らないグルジンスカヤは、ガイゲルンが汽車に現れることを信じ駅に向かう。

ホテルは新たな客を迎え、ゼンフは妻の出産の知らせを受けて喜ぶ。

フレムヒェンとクリンゲラインは、チェックアウトしてパリの”グランド・ホテル”に向かうため旅立つ。

そして、ホテルの主のようなオッテルンシュラーク医師は、”グランド・ホテル、人々は来ては去る、何が起こるわけでもない・・・”とつぶやく。


解説 評価 感想 ■

一流ホテルに集う様々な人々の人生模様を描いた作品で、これ以後このような内容の作品は”グランド・ホテル形式”と呼ばれるようになる。

*(簡略ストー リー)

ベルリン、”グランド・ホテル”。
実業家プライジングは、業績不振を打破するために、他社との合併を考えていた。
プライジングの会社の帳簿係クリンゲラインは、余命長くないことを察して病気で休職し、豪華ホテルでの日々を、この世の名残りにしようとしていた。
クリンゲラインは、そこで知り合ったガイゲルン男爵に親切にしてもらうが、実はギャンブラーの彼は、借金苦で返済を迫られている身であった。
プライジングの速記者であるフレムヒェンも、ガイゲルンに気軽に声をかけられ、ダンスに誘われてしまう。
名声を得ていたバレリーナのグルジンスカヤは、人気に陰りが見え始めたことを苦にして、憂鬱な日々を送っていた。
ガイゲルンは、そんなグルジンスカヤを観察し、借金の返済のために、彼女の宝石を盗むよう強要されていたのだが・・・。
__________

トーキー初期の作品としては、画期的な編集手法による構成の見事さ、その巧みな場面展開にまず驚かされる。

身分が違う立場のグレタ・ガルボジョーン・クロフォードの演技は、今見るとかなり大袈裟に見えるが、これもトーキー初期としては仕方のないことだろう。
それよりも、ライバル心の表れか、同じ年の二人は、同一シーンであっても一度も顔を合わせないのだが、全く違和感のない、その編集にも感心してしまう。

ストーリーは単純であり、優雅に思える人々の苦難に重点を置き、殺人まで起きる内容の中で、些細なことに喜びを見出す者、それらを他愛もないことだと冷めた眼で見る者などが微妙に関係し合う、人生の縮図、その一瞬を鋭い視点で捉えた、エドマンド・グールディングの演出も光る。

第5回アカデミー賞では作品賞を受賞し、同賞のノミネートのみで受賞した唯一の作品でもある。

2007年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品。

冒頭の、意外に小ぢんまりしたホテルの入り口に対して、ロビーから天井に抜ける建物内での、階下を見下げるショットなどは、いかにもMGM作品らしいスケールの大きさだ。

多くの人物が入り乱れる、大掛かりな作品の印象があるが、主な登場人物は5人でありシンプルにまとまってもいる。

人気の陰りに悩むバレリーナ、妖艶な美しさは今見ても新鮮なグレタ・ガルボ、彼女との恋を果たせないまま悲運の死を遂げる、自称”男爵”を好演するジョン・バリモア、速記者にしては魅力的過ぎる、刺激的な女性ジョーン・クロフォード、彼女を口説く雇い主ウォーレス・ビアリー、余命少ない老紳士、人間味溢れる役柄を演ずるライオネル・バリモア、常に平静な医師ルイス・ストーン、ポーター長のジーン・ハーショルト、グルジンスカヤ(G・ガルボ)の付き人ラファエラ・オッティアーノなどが共演している。


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