ハムレット Hamlet (1948) 5/5 (11)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1600~1602年頃に書かれたとされる、ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇のうちの同名戯曲の映画化。
イギリス、そして20世紀を代表する名優でありシェイクスピア役者のローレンス・オリヴィエが、自らの製作、監督、主演で映画化した、ジーン・シモンズアイリーン・ハーリーベイジル・シドニーアンソニー・クエイルピーター・カッシングジョン・ギールグッドクリストファー・リー共演による、映画史上に残る文芸ドラマの傑作。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ローレンス・オリヴィエ
製作総指揮:ローレンス・オリヴィエ
原作:ウィリアム・シェイクスピア
撮影:デズモンド・ディキンソン
編集:ヘルガ・クランストン
美術
ロジャー・K・ファース

カーメン・ディロン
衣裳:エリザベス・ヘニングス
音楽:ウィリアム・ウォルトン

出演
ハムレット:ローレンス・オリヴィエ

オフィーリア:ジーン・シモンズ
ガートルード:アイリーン・ハーリー
クローディアス:ベイジル・シドニー
ホレイショー:ノーマン・ウーランド
ポローニアス:フェリックス・エイルマー
レアティーズ:テレンス・モーガン
フランシスコ:ジョン・ローリー
バーナード:エスモンド・ナイト
マーセラス:アンソニー・クエイル
オスニック:ピーター・カッシング
亡霊の声:ジョン・ギールグッド
墓掘り人:スタンリー・ホロウェイ
兵士:クリストファー・リー

イギリス 映画
配給 Rank Film Distributors Ltd.

1948年製作 155分
公開
イギリス:1948年5月4日
北米:1948年9月29日
日本:1949年9月27日
製作費 £500,000


アカデミー賞 ■

第21回アカデミー賞
・受賞
作品
主演男優(ローレンス・オリヴィエ)
美術(白黒)・衣装デザイン(白黒)
・ノミネート
監督
助演女優(ジーン・シモンズ)
音楽賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

デンマークエルシノア
王子ハムレット(ローレンス・オリヴィエ)の友人ホレイショー(ノーマン・ウーランド)は、兵士のフランシスコ(ジョン・ローリー)と見張りを交代したバーナード(エスモンド・ナイト)とマーセラス(アンソニー・クエイル)と共に、城壁に現れるという、亡くなった先王の亡霊を確認しようとする。

そこに、その夜も亡霊は現れ、質問を始めたホレイショーだったが、亡霊は姿を消す。

ホレイショーは、この件をハムレットに報告しようとする。

城の大ホールでは、蛇に噛まれて死亡した先王ハムレットの弟クローディアス(ベイジル・シドニー)と、ガートルード前王妃(アイリーン・ハーリー)との、結婚の祝いが行われていた。

一人憂鬱な表情のハムレットだったが、クローディアスは、嘆き悲しむ彼に自分を父と思い、右腕として仕えるよう、ガートルード共に彼を説得する。

母ガートルードに従うことを約束したハムレットだったが、沈む心が晴れることはない。

父王とは似ても似つかぬ叔父と、夫の死から一月で結婚した母の真意を理解できないハムレットは、おぞましい行ないと思いながらも、口に出すこともできない。

侍従長であるポローニアス(フェリックス・エイルマー)の息子レアティーズ(テレンス・モーガン)は、フランスに戻る許可を王から得て、妹のオフィーリア(ジーン・シモンズ)に別れを告げる。

レアティーズは、ハムレットに心を寄せるオフィーリアの身を案じて、王子の戯れに注意するよう助言する。

父ポローニアスも、ハムレットがオフィーリアに愛を語っていると聞き戯言としか思わず、娘に、今後は王子と口をきくことを禁ずる。

ハムレットに会ったホレイショーは、先王の亡霊が城壁の上に現れたように思えることを伝える。

ホレイショーから見たことを正確に伝えられたハムレットは、他言しないことを命じて、その夜、自分自身が彼とそれを確かめようとする。

陰謀の予感を感じたハムレットは、必ずやそれが暴露されると信ずる。

その夜、城壁の上に集まったハムレットらの前に亡霊が現れ、ハムレットは、思わず父上と叫んでしまう。

亡霊に手招きされたハムレットは、ホレイショーらの制止を振り切り、その後を追う。

亡霊(ジョン・ギールグッド/声)は、自分がハムレットの父の亡霊だと語る。

そして、弟クローディアスに毒殺された事実を伝え、許すことのない行動を促すものの、母ガートルードには危害を加えることは禁じ、別れを告げて姿を消す。

クローディアスに復讐を誓ったハムレットは、自分を捜すホレイショーらには、悪事があったことだけを伝え、今夜のことを内密にすることを約束させる。

ポローニアスは、ハムレットが狂気の末に、身分違いの我が娘オフィーリアに、恋文を書いた事実をクローディアスとガートルードに伝える。

その様子をオフィーリアに探らせようという考えを、王と王妃に伝えたポローニアスだったが、それを盗み聞きしていたハムレットは狂気を装う。

オフィーリアは父ポローニアスに従い、ハムレットは、監視されていることを承知で、そこでも異常さを見せて彼女を無下に扱う。

隠れてその様子を見ていたクローディアスは納得して、ハムレットをイングランドに向かわせようとする。

苦しむオフィーリアは、耐え切れずに泣き崩れる。

生き抜くこと、または死、どちらが気高いか、それを思案するハムレットは、辛さに耐えることを選び、城壁の上にいた彼の手から短剣は海に落ちる。

その後、城を訪れた旅役者一座を歓迎したハムレットは、彼らに”ゴンザーゴ殺し”を演じさせて、クローディアスの様子を窺おうとする。

ハムレットが台詞を付け加えた芝居は始り、午睡して横たわる男が、耳に注がれた毒で殺される場面を見ていたクローディアスは、動揺して叫び声を上げて席を立つ。

現王の陰謀を確信したハムレットは、母ガートルードに呼ばれ、冷静に対応しようとする。

その途中、祈りを捧げるクローディアスの命を奪うことを考えたハムレットだが、思い止まり機を待つことにする。

ポローニアスは、ハムレットを厳しく叱るようガートルードに告げて身を隠す。

ハムレットは、ガートルードの言葉を聞かずに剣を抜き、彼女の心の内を暴こうとするが、クローディアスが物陰に隠れていると思い剣で突き刺す。

ポローニアスを殺してしまったことに気づいたハムレットは、それが当然の報いと言い放ちガートルードに言い寄り彼女のした行いを罵る。

その時、ハムレットには亡霊の声が聞こえ、苦しむ母を許すよう言われ、彼は手を差し伸べる。

ガートルードは、姿の見えぬ者に語り掛けるハムレットが、妄想に更ける姿を見て悲しむ。

ハムレットは、母の気持ちを察して労り、ポローニアスの遺体を運び去るが、ガートルードは、息子が狂ったことを確信する。

ポローニアスの行方を、ハムレットに訪ねたクローディアスは、彼にイングランドへと旅立つよう指示を出す。

クローディアスは、恩義のあるイングランド王が、指示した通りハムレットを抹殺することを願う。

苦しみ抜いたオフィーリアは、父の死で正気を失い、クローディアスは、ホレイショーに彼女を監視させる。

クローディアスは、オフィーリアの兄レアティーズがフランスから戻り、噂を基に、自分を糾弾することを心配する。

その後、ホレイショーにハムレットから手紙が届き、出港した船が海賊に襲われ彼が捕虜になり、解放の見返りの要求に対応することになる。

レアティーズは城に戻り、クローディアスの潔白を訴える話は聞くものの、オフィーリアの姿を見て復讐を誓う。

そしてオフィーリアは、王と王妃、兄に別れを告げて川に向かい流され、溺れ死んでしまう。

ホレイショーに救出されて国に戻ったハムレットは、墓地で墓掘り人(スタンリー・ホロウェイ)と会話を交わす。

そこに、遺体を埋葬しようとする王と王妃、レアティーズらが現れ、ハムレットはその儀式で、オフィーリアが自殺したことを知る。

レアティーズは墓穴に入り、今一度妹を抱きしめようとするが、姿を現したハムレットに襲いかかる。

オフィーリアに対する深い愛情を伝えたハムレットは、レアティーズの自分への態度が理解できずに、その場を立ち去る。

クローディアスは、ハムレットに手を下す許可を与えて、剣の腕を上げたレアティーズに、ハムレットを剣の試合に引き込むよう命ずる。

レアティーズは剣に毒を塗ることを、クローディアスはのどの渇きを癒す杯に毒を盛り、ハムレット抹殺の計画を考える。

ハムレットは、同じ父を殺された身の上で、レアティーズと和解することを考える。

オスニック(ピーター・カッシング)から、レアティーズの伝言を受け、ハムレットは、彼との剣の試合に応じることを伝える。

胸騒ぎを感じながらも、ハムレットは試合に勝つ自信を見せ、現れたレアティーズに、狂気の末の行いを謝罪する。

剣を渡された二人は、クローディアスとガートルードの前で試合を始め、ハムレットが勝負を優位に進める。

クローディアスは、ハムレットに宝石を捧げた杯を与え、それに毒が仕込まれたことをガートルードは知り、息子を助けるために自らがそれを飲んでしまう。

それを止めようとしたクローディアスだったが間に合わず、戦いは続くのだが、レアティーズはハムレットを仕留められない。

焦ったレアティーズは、戦いの前にハムレットの腕を傷つけてしまう。

戦いを始めたハムレットは、レアティーズの剣を奪い、彼の手首を傷つける。

ガートルードは倒れ込み、ハムレットに愛を告げながら息を引き取る。

陰謀に気づいたハムレットは、それを暴こうとするものの、企みを語るレアティーズに、自分も毒が回ることを知らされる。

全てがクローディアスの考えだと知らされたハムレットは、彼に飛びかかり、剣で刺し殺す。

瀕死のレアティーズは、ハムレットに許し合うことを提案しながら息絶える。

ハムレットは、意識が薄れる中、自分のことを語り継いでほしいことをホレイショーに伝えて息を引き取る。

ホレイショーは、偉大な王になったであろうハムレットを称え、彼を城壁へと運ぶ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

デンマークエルシノア
毒蛇に噛まれて亡くなった、父王の死を悲しむ王子ハムレットは、現王の叔父クローディアスが、前王妃で母のガートルードと、先王の死から一月で結婚したことを、おぞましい行ないだと考えて憂鬱な日々を送る。
そんなハムレットは、城壁に現れるという父王の亡霊を、友人ホレイショーと確認して、父が弟クローディアスに毒殺されたことを告げられ復讐を誓う。
侍従長ポローニアスは、娘のオフィーリアへのハムレットからの恋文を読み、彼が狂気の末にした行動であることを王と王妃に告げる。
それを盗み聞きしていたハムレットは、狂気を装い、自分に探りを入れることをポローニアスから命ぜられたオフィーリアを無下に扱う。
その後ハムレットは、父王暗殺の証拠をつかむために、現れた旅役者一座に芝居をさせて、クローディアスの企みを暴こうとする・・・。
__________

多くのシェイクスピア作品、または映画化作の中でも、最高峰と言える金字塔的な作品でもある。

ローレンス・オリヴィエにとっては「ヘンリィ五世」(1944)に次ぐシェイクスピア作品で、おとぎ話のような総天然色の美しい映像が印象的だった同作とは違い、落ち着いた雰囲気のモノクロ映像は、重々しい内容の悲劇を格調高く映し出す見事なものとなっている。

オリヴィエ自身の、全編に渡る力強い演技や演出は秀逸で、上記の映像を生かした、各シークエンスをつなぐシーンの斬新なカメラワーク、舞台となるエルシノアのセット、衣装なども素晴らしい。

第21回アカデミー賞では、作品、主演男優(ローレンス・オリヴィエ)、美術(白黒)、衣装デザイン(白黒)を受賞した。
・ノミネート
監督
助演女優(ジーン・シモンズ)
音楽賞(ドラマ・コメディ)

40歳にして、既に最高の演技者と認められる存在であったローレンス・オリヴィエは、全身全霊を捧げる渾身の演技で他を圧倒し、その存在感は、人間を超越しているようにも思えるほどだ。

悲劇のヒロイン、オフィーリアを演ずる、既に出演作はあったものの初々しさを感じる、撮影当時まだ10代のジーン・シモンズ、主人公の母親ガートルード役ではあるが、実はローレンス・オリヴィエよりも10歳以上若い(29歳)、それ故に美しさが際立つアイリーン・ハーリー、先王の暗殺者現王クローディアスのベイジル・シドニー、主人公の友人であるホレイショーのノーマン・ウーランド、侍従長ポローニアスのフェリックス・エイルマー、その息子レアティーズのテレンス・モーガン、兵士ジョン・ローリーエスモンド・ナイトアンソニー・クエイルクリストファー・リー、伝達人ピーター・カッシング、亡霊の声のジョン・ギールグッド、墓掘り人のスタンリー・ホロウェイなど、イギリス映画界の当時の名優、または、その後に活躍する役者が揃えているところも注目だ。


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