ハーヴェイ Harvey (1950) 4.93/5 (30)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1944年にブロードウェイで初演されて、ピューリッツァー賞を受賞した、メアリー・チェイス同名戯曲の映画化。
親友の巨大ウサギ”ハーヴェイ”が見えるという、純朴な気のいい男性の周囲で起きる騒動を描いた、監督ヘンリー・コスター、主演ジェームズ・スチュワートジョセフィン・ハルペギー・ダウセシル・ケラウェイ共演によるヒューマン・コメディの秀作。


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■

監督:ヘンリー・コスター
製作:ジョン・ベック
原作:メアリー・チェイス
脚本
メアリー・チェイス

オスカー・ブロドニー
撮影:ウィリアム・H・ダニエルズ
編集:ラルフ・ドーソン
音楽:フランク・スキナー

出演
エルウッド・P・ダウド:ジェームズ・スチュワート

ヴィタ・ルイス・シモンズ:ジョセフィン・ハル
ケリー:ペギー・ダウ
ライマン・サンダーソン医師:チャールズ・ドレイク
ウィリー・チャムリー医師:セシル・ケラウェイ
ギャフリー判事:ウィリアム・H・リン
マートル・メエ・シモンズ:ヴィクトリア・ホーン
マーヴィン・ウィルソン:ジェシー・ホワイト
タクシー・ドライバー:ウォーレス・フォード
マグリフ夫人:アイダ・ムーア
チャムリー夫人:ナナ・ブライアント
ショーヴェネ夫人:グレイス・マイルズ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1950年製作 104分
公開
北米:1950年10月13日
日本:1952年2月22日


アカデミー賞 ■

第23回アカデミー賞
・受賞
助演女優賞(ジョセフィン・ハル)
・ノミネート
主演男優賞(ジェームズ・スチュワート)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

気のいい中年男性で、名家の主人エルウッド・P・ダウド(ジェームズ・スチュワート)は、いつも6フィート3インチ半(192cm)の白兎”ハーヴェイ”と行動を共にしていた。

と言っても、ハーヴェイが見えるのはエルウッドだけで、同居人の姉ヴィタ・ルイス・シモンズ(ジョセフィン・ハル)と娘のマートル(ヴィクトリア・ホーン)は、彼の奇異な振る舞いに困り果てていた。

ヴィタは、その日も、エルウッドが毎日通うバーに出かけた隙に、お客を招きマートルの婿探しのパーティーを開く予定でいた。

そのためヴィタは、エルウッドが帰らないようにするため、ギャフリー判事(ウィリアム・H・リン)に連絡して手を打つ。

しかし、ヴィタがパーティーを開くことを知ったエルウッドは、それに出席しないと失礼だと考え、ハーヴェイと共に帰宅する。

ヴィタとマートルは驚き、エルウッドは着いたばかりのおばショーヴェネ夫人(グレイス・マイルズ)に早速ハーヴェイを紹介する。

エルウッドに会いたがっていた夫人だったが、彼の様子を見て言葉を失い、ヴィタとマートルは卒倒しそうになる。

ハーヴェイを、他の客にも紹介すると言うエルウッドの言葉を聞き、夫人は逃げるようにその場を去って行く。

マートルは、恥ずかしさのあまり二階の部屋に閉じ篭ってしまい、ヴィタはエルウッドを書斎に閉じ込め、逃げ帰ろうとする客を引き止めるのに必至になる。

ヴィタは、仕方なくエルウッドをチャムリー療養所に連れて行き、受付のケリー(ペギー・ダウ)に手続きを済ませる。

エルウッドは強引に病棟に連れて行かれ、医師ライマン・サンダーソン(チャールズ・ドレイク)が、ヴィタから詳しい事情を聞く。

しかし、エルウッドとハーヴェイの話などをするヴィタに異常を感じたサンダーソンは、彼女を入院させようとする。

サンダーソンは、看護師マーヴィン・ウィルソン(ジェシー・ホワイト)を呼び、ヴィタを病棟に連れて行かせ監禁する。

ケリーがエルウッドを入院させたと知ったサンダーソンは、名家の主人に訴えられてしまうと考え慌てふためく。

サンダーソンは、即刻エルウッドを連れ戻すようケリーに指示し、自分の失態を院長のウィリー・チャムリー(セシル・ケラウェイ)に報告する。

エルウッドに挨拶したサンダーソンは恐縮し、失礼を詫びてヴィタの入院手続きを済ませる。

サンダーソンとケリーが気に入ったエルウッドは、馴染みのバーに二人を誘いその場を去る。

その後エルウッドは、療養所に現れたチャムリー夫人(ナナ・ブライアント)に会い、姿が見えなくなった親友の”プーカ”、ハーヴェイのことについて語り始め、夫人は彼を気に入る。

夫チャムリーとパーティーに向かおうとする夫人は、外で会ったエルウッドが、ハーヴェイのことについて話していたことを伝える。

チャムリーは、エルウッドが巨大ウサギを連れた病人だと気づき、判断を誤ったサンダーソンを責めてクビにする。

パーティー行きをキャンセルしたチャムリーは、異常者のエルウッドを捜すことになり、夫人は”プーカ” が何かを調べようとするが、時間がないために出かけてしまう。

ウィルソンは辞書でそれを調べ、”プーカ” が古代のケルト神話に伝わる動物の姿をした妖精だということを知る。

解放されたヴィタは帰宅し、取り乱しながら、マートルとその場にいたギャフリー判事に、療養所で受けた酷い仕打ちを話して聞かせ、訴えると息巻く。

そこに、エルウッドを捜していたウィルソンが現れ、ヴィタは、彼を恐れ二階の部屋に逃げ去る。

しかし、ウィルソンの相手をしたマートルは彼を気に入ってしまう。

エルウッドは、ハーヴェイと共に描かれた肖像画を持参して帰宅し、バーに予約の電話を入れる。

ウィルソンは、現れたチャムリーに注意され、エルウッドを捜しに向かう。

ギャフリーはチャムリーを相手に、ヴィタが訴えを起こすことを伝え、書類を揃えるためにオフィスに戻る。

チャムリーに会ったヴィタは、慰謝料請求についてを話し出すが、書斎に飾られたエルウッドとハーヴェイの肖像画を見てショックを受ける。

そこに、ハーヴェイを捜していたエルウッドから電話があり、ヴィタは、彼が馴染みのバーにいるだろうとチャムリーに伝える。

その夜、サンダーソンは療養所を去ろうとしていたのだが、彼に思いを寄せるケリーは、自分の気持ちに気づかないことに苛立ってしまう。

そこにウィルソンが戻り、院長チャムリーが帰っていないことを心配し、サンダーソンとケリーとで、彼が向かったと思われるバーに向かう。

三人はバーでエルウッドを見つけ、チャムリーが来たと言う彼の話しを聞く。

ハーヴェイと共に、チャムリーが会話をして時間を過ごしたというエルウッドの話を聞き、憤慨したウィルソンが騒ぎを起こす。

エルウッドがそれを鎮め、他を捜すと言うウィルソンは店を出る。

その後、チャムリーの居場所を知らないと言うエルウッドは、サンダーソンが自然とケリーをダンスに誘うよう雰囲気を作り、二人が踊っている間に姿を消す。

それに気づいた二人はエルウッドを追い、彼からハーヴェイについての話しを聞かされる。

エルウッドの話を真剣に聞いたサンダーソンは、医師の立場で彼に、”ハーヴェイ”という知り合いがいたのではないかを尋ねる。

それを否定したエルウッドだったが、そこにウィルソンが戻り、チャムリーが見つからないことを伝える。

エルウッドはハーヴェイを捜そうとするが、そこに警官も現れ、彼は療養所に連れ戻されることになる。

チャムリーは、動揺しながら療養所に戻るのだが、現れたサンダーソンらに、誰かに追われていることは伝えるが、それが何かは教えない。

エルウッドをオフィスに呼んだチャムリーは、ハーヴェイの存在を認め、それについての彼の話を興味深く聞く。

全てが、エルウッドを入院させるための、ヴィタの陰謀だと言うチャムリーに対し、亡くなった母親の言葉でもある”人に好かれる”ことをモットーにするエルウッドは、姉を悪くは思わない。

そこに、ギャフリーを伴いヴィタとマートルが現れ、慰謝料の件でけりをつけようとする。

チャムリーは、クビにしたはずのサンダーソンに、療養所とこの件を任せることにする。

全てがうまくいったと喜ぶエルウッドは、みんなでバーに行くことを提案し、美しいケリーに優しく語りかける。

サンダーソンの治療の勧めを断ったエルウッドだったが、ハーヴェイのことばかり考える弟が心配で、心が痛むばかりのヴィタは嘆く。

姉の気持ちを察したエルウッドは、サンダーソンの治療を受けることにする。

そこに、タクシー・ドライバー(ウォーレス・フォード)が料金の請求に現れる。

ヴィタは持ち合わせがなく、治療を受けるエルウッドにそれを払ってもらう。

気さくなエルウッドを気に入った、よく患者を乗せると言うドライバーは、治療の注射を受けた患者が、行きは陽気なのだが、帰りには人が変わったように不機嫌になることをヴィタに伝える。

気のいい弟エルウッドが、変わってしまうのを恐れたヴィタは、ハーヴェイがいてもかまわないと言い出し、治療を止めさせようとする。

その時、ヴィタはバックに小銭入れがあるの知り、それがハーヴェイの仕業だと気づく。

エルウッドは、意気投合したマートルとウィルソン、そして心通い合うようになったサンダーソンとケリーを、翌日の夕食に誘う。

帰ろうとしたエルウッドは、入り口でハーヴェイを見つけて、彼に誘われバーに向かおうとする。

それを見たチャムリーは、ハーヴェイを置いていってくれないかとエルウッドに尋ねる。

エルウッドは、ハーヴェイを残しヴィタとマートルとで帰ろうとする。

しかし、後を追ってきたハーヴェイは、エルウッドと過ごす方がいいことを伝え、それに同意する彼と共に仲良く家に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

名家の主人エルウッド・P・ダウドは、彼自身にしか見えない190cmを超す巨大ウサギ”ハーヴェイ”といつも行動していた。
エルウッドと同居する姉ヴィタは、弟の奇行に困り果て、娘のマートルの婿探しもできずに悩む日々が続いていた。
そんなことも気にせず、人に好かれることをモットーとするエルウッドは、誰にでも気軽に声をかけ、ハーヴェイを紹介しようとする。
そのせいで、マートルの婿探しパーティーも失敗に終わり、仕方なくヴィタはエルウッドを療養所に入れようとする。
ところが、ヴィタの話を聞いたサンダーソン医師は、エルウッドとハーヴェイの話などをする、彼女を異常者だと思い入院させてしまう・・・。
__________

アメリカの良心、至宝とも言える人気スター、ジェームズ・スチュワートの個性を生かした実に楽しい作品。
ドタバタ喜劇とヒューマン・ドラマを融合させた、ファンタジックな雰囲気も楽しめるヘンリー・コスターの小気味よい演出も光る味わい深い快作である。

第23回アカデミー賞では、舞台のオリジナル・キャストのジョセフィン・ハルが、出色の”怪演”を見せ、見事に助演女優賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優賞(ジェームズ・スチュワート)

主人公が、ハーヴェイの存在を信じているだけでなく、アル中気味に描かれているところがなかなか面白い設定で、おっとりとした性格と物腰は、ジェームズ・スチュワートそのものという雰囲気で、穏やかな彼の表情や笑顔は心和ませてくれる。

医師の見解ではないが、かなり支離滅裂で慌しい主人公の姉ジョセフィン・ハルが、誰の目から見ても異常者に見えるのがまた可笑しい。

その母親と共に、結婚適齢期を過ぎて焦るヴィクトリア・ホーン、療養所の若くて美しい受付係ペギー・ダウ、主人公のお陰で彼女と心触れ合うようになる医師のチャールズ・ドレイク、主人公に感化される療養所院長セシル・ケラウェイ、判事ウィリアム・H・リン、看護師役のジェシー・ホワイト、タクシー・ドライバー、ウォーレス・フォード、院長夫人ナナ・ブライアントなどが共演している。


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