アトランティスのこころ Hearts in Atlantis (2001) 3.31/5 (26)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1999年に発表された、スティーヴン・キングの2つの小説と3つの短編のコレクション”アトランティスのこころ”を基に製作された作品。
ある能力を持つ謎の老紳士と少年の交流を描く、監督スコット・ヒックス、主演アンソニー・ホプキンスアントン・イェルチンデヴィッド・モースミカ・ブーレムホープ・デイヴィス他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:スコット・ヒックス

製作:ケリー・ヘイゼン
製作総指揮
ブルース・バーマン
マイケル・フリン
原作:スティーヴン・キングアトランティスのこころ
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影
ピョートル・ソボチンスキー
アレン・ダヴィオー
エマニュエル・ルベツキ
編集:ピップ・カーメル
音楽:マイケル・ダナ

出演
テッド・プローディガン:アンソニー・ホプキンス
ロバート”ボビー”ガーフィールド(少年期):アントン・イェルチン
ロバート”ボビー”ガーフィールド:デヴィッド・モース
キャロル・ガーバー/モリー:ミカ・ブーレム
リズ・ガーフィールド:ホープ・デイヴィス
ジョン”サリー”サリヴァン:ウィル・ロスハー
ガーバー夫人:ディアドラ・オコンネル
ハリー・ドゥーリン:ティモシー・ライフスナイダー
モンテマン:アラン・テュディック
レン・ファイル:トム・バウアー
アラナ・ファイル:セリア・ウェストン
ドン・ビダーマン:アダム・ルフェーブル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2001年製作 101分
公開
北米:2001年9月28日
日本:2002年5月18日
製作費 $31,000,000
北米興行収入 $24,185,780
世界 $30,919,420


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
写真家ロバート”ボビー”ガーフィールド(デヴィッド・モース)は、故郷の町の英雄だった軍人で、幼馴染のジョン”サリー”サリヴァンの死を知らせる手紙と共に、彼の古い野球のグラブを受け取る。

故郷に戻ったボビーは、サリーの葬儀に参列して、グラブを送ってくれた弁護士から、もう一人の親友キャロル・ガーバーも亡くなったことを知らされる。

ショックを受けたボビーは、かつて住んでいた空き家に向い、子供時代を思い出す。
__________

11歳になったボビーは、母リズから誕生日のプレゼントだと言われ、図書館のカードを受け取る。

夫を亡くして苦しい生活のリズは、ボビーが欲しがっている自転車は買ってあげられないことを伝える。

そんなリズとボビーは、2階に越して来た老紳士テッド・プローディガン(アンソニー・ホプキンス)に挨拶される。

キャロル(ミカ・ブーレム)からバースデー・カードを貰ったボビーは、何もないと言うサリー(ウィル・ロスハー)からも誕生日を祝ってもらう。

その夜、リズとの夕食を楽しみにしていたボビーは、彼女からの電話で、雇い主のドン・ビダーマン(アダム・ルフェーブル)から残業を頼まれたと言われ、一人で食事を済ませる。

ポーチでくつろいでいたテッドに誕生日とプレゼントの図書カードのことを話したボビーは、書物には純金のような価値があると言われる。

ボビーと話をしたテッドは、彼が自転車を手に入れられるように仕事を与えようとする。

翌日、テッドの部屋に向かったボビーは、目が悪くなったので、毎日、新聞を呼んでほしいと頼まれ、週1ドルあげると言われる。

それ以外に家の周辺を見張ってほしいと言われたボビーは、追われていると考えてその理由をテッドに尋ねる。

自分が持っている”何か”だと答えたテッドは、相手が黒っぽい服装に帽子の男達で、派手な車なのですぐ分かると言われる。

連れ戻した自分を利用する気だと言うテッドは、相手は近づくと奇妙な暗号を残すことを伝え、それがチラシなどの場合があると知らされたボビーは、彼を守ることを約束する。

ボビーを呼びに来たリズは、新聞を読んで週1ドルもらえることを知らされ、退職後に目が弱ったと言うテッドに、以前の職業を尋ねる。

北部の各地で働いていたとテッドに言われたリズは、ボビーと共にその場を去る。

ボビーが心配なリズはテッドを警戒するが、新聞を読むだけだと言われて一応、許すものの、ポーチでないとだめだとボビーに伝える。

キャロルとサリーと共に夏休みを楽しみながら、ボビーはテッドとの約束も守った。

テッドに人間的な魅力を感じたボビーは、見張りをする相手のことは作り話だと考える。

それが本当であれば、テッドがいなくなってしまうと考えるボビーは、危険を避けるために仕方がないと言われるものの寂しく思う。

ボビーと親しくなるテッドのことを気にするリズは、彼がビダーマンとの関係を探る探偵でないかと考える。

ある日、テッドをカーニバルに誘おうとしたボビーは、彼が部屋で放心状態だったために不思議に思う。

男達は西に去ったと言うテッドは、また来るだろうと考える。

死なないでほしいと言うボビーに抱きつかれたテッドは、突然、正気に戻る。

発作のようだったと言われたテッドは、次は自分に触れてはいけないとボビーに伝え、カーニバルの誘いは断る。

ボビーは、テッドが考えていたタバコのある場所を彼に教えてその場を去る。

キャロルと母(ディアドラ・オコンネル)、そしてサリーと共にカーニバルを楽しんだボビーは、カード当てゲームで、バイトで貯めた金を全額かけて、カードを動かすモンテ・マン(アラン・テュディック)に勝ってしまう。

キャロルと回転ゴンドラに乗ったボビーは、それが停止している間に彼女にキスしてしまう。

驚くキャロルに、してほしいかと思ったと伝えたボビーは、もう一度してと言われてキスする。

ボビーとキャロルは、このことを秘密にすることを約束する。

翌日、カードの動きが読めたと言うボビーは、サリーの頭の中のことをキャロルに訊かれ、それは空っぽだと答える。

新しいグラブのことを考えているかもしれないとサリーに言われたボビーは、古いグラブを譲ってもらいたいと伝える。

ボビーは、遺言に書いて渡すとサリーに言われる。

その場で話を聞いていたテッドは、子供の頃は楽しいことばかりで、”アトランティス/幻の国”にいるようだったと話す。

テッドは、子供達が楽しそうに遊ぶ姿を見つめながら、”アトランティス”は消え去ると呟く。

学校が始り、ボビーは、迷い犬を捜しているという貼り紙を気にする。

仕事の関係でセミナーを受けることになったリズは、数日、留守にすることになり、ボビーの世話を頼むためにテッドをお茶に招待する。

テッドはそれを断るが、ボビーが望むならと言って引き受けることにする。

セミナーに行くにも拘わらず、リズが派手なドレスを着て浮かれている姿をボビーは気にする。

ボビーから、道路に止まっていた不審な車とその中にあった黒っぽい帽子のことを聞いたテッドは警戒する。

ハリー・ドゥーリン(ティモシー・ライフスナイダー)は、キャロルと一緒にいたボビーをいじめようとするが、そこにテッドが現れる。

ボビーとキャロルに謝るようにとテッドに言われたハリーは、それを断る。

秘密を話すと脅されたハリーは、人のことをゲイ呼ばわりしているにも拘わらず、隠れて母親の服を着ているとテッドに言われ、仕方なくボビーとキャロルに謝罪して立ち去る。

迎えに来たビダーマンがリズに接する様子が気になるボビーは、彼を信用する気になれない。

テッドと共に町に出かけて映画”光る眼”を観たボビーは、あるバーに向い、店主レン・ファイル(トム・バウアー)の妻アラナ(セリア・ウェストン)に声をかけられる。

ボビーの父親をよく知っていたアラナは、カードでスラなかったことや人気者だったことを話す。

アラナから父の写真を貰ったボビーは、ボクシングに賭けて戻って来たテッドに、リズが話したくれた父とは違い、慕われていた人物だったことを誇らしげに伝える。

全財産の200ドルを賭けたと言うテッドはタクシーに乗り、怪しい車が近づいたために、ボビーが怯えないように、キャロルのことだけを考えるよう指示する。

帰宅したテッドとボビーは、ラジオでボクシングの試合の様子を聴き、2000ドル勝ったことを確認する。

ボビーに電話をしたリズは、ビダーマンに迫られたため電話を切ってしう。

2000ドルが逃亡資金だとテッドから知らされたボビーは、翌日、リズが戻ったら金を受け取り旅立つと彼に言われる。

二度と会えないと言われたボビーは、テッドが拒む間もなく彼に抱きついて涙する。

翌日、いつものように新聞を読んでいたボビーは、FBIフーバー長官が、共産主義との戦いのために、超能力者を使っていたことを否定した記事の内容で、テッドがその一人だと理解する。

自分には重荷だが相手にとっては能力だと言うテッドは何かを感じ、別れを言いたいキャロルを直ぐに捜すようボビーに指示する。

川で本を読んでいたキャロルはハリーにバットで殴られ、ボビーが彼女を見つける。

キャロルを励まし背負って家に向かったボビーは、テッドの手を借りて彼女を運ぶ。

肩が脱臼していることを確認したテッドは、キャロルを勇気づけながら治療する。

そこに、ビダーマンに乱暴されて一人で戻って来たリズが現れ、テッドがキャロルに手を出したと思い込み彼を罵倒する。

ボビーは助けてくれたとリズに伝え、テッドは思い違いだと言い、キャロルもその通りだと話し彼を庇う。

納得できないリズは警察に電話をしようとするが、セミナーは欲望を満たす場で、ボビーに対して愛情も欠けているとテッドに言われる。

受話器を置いたリズは、キャロルを送ってくる間に出て行ってほしいとテッドに伝え、彼のことを心配するボビーに部屋に入るよう指示する。

その後リズは、迷い犬のチラシの番号に電話をかけ、テッドの居場所を教えてしまう。

それを知ったボビーは、部屋を抜け出してテッドがいるダイナーに向い、自分が助けると言ってチラシの番号に電話をかける。

拘わるなと相手に言われたボビーは、男達を警戒しながらバーに向かう。

バーの主人レンとアラナは、掛け金はボビーに渡すようにと指示するテッドのメモを見て信用する。

賭け金を受け取ってダイナーに戻ったボビーは、テッドが姿を消したことに気づく。

男達の車に乗せられたテッドを追うボビーは、自分のことを決して忘れないと彼に言われ、窓越しに手のひらを合わせる。

帰宅したボビーは、家を抜け出したことでリズに責められるが、いつも自分のことしか考えていないと言って彼女を批判する。

テッドは去りもう会うことはないので満足だろうとボビーに言われたリズは、お金も仕事も亡くなり絶望していることを伝える。

賭け金の2000ドルを投げ捨てたボビーは、密告したことや、父を悪人呼ばわりしていたリズを嘘つき呼ばわりする。

父はいい人で、嫌っていたのはリズだけだと言うボビーは、自分のことも嫌いなのだろうと伝える。

年は離れているがテッドは友達で大好きだと言うボビーは、自分達を裏切ったリズを許さないまま部屋に入る。

テッドの言った通りボビーらの”アトランティス”は消え去り、リズはボストンの郊外で仕事を見つけたため引っ越すことになる。

ボビーは、懲りずにいじめようとするハリーを叩きのめして、キャロルの仇を討つ。

その夜、いつか許してもらえることを望んでいるリズに、努力すると答えたボビーは母と抱き合う。

町を離れるボビーは、キャロルに別れを告げて手紙を書くと言ってキスする。

ボビーは一緒に頑張ることをリズに約束し、そして二人は旅立つ。

車には、ボビーの自転車が積まれていた。
__________

ポーチにいたボビーは、中に入ってはだめだと通りがかった少女(ミカ・ブーレム)に言われる。

少女がキャロルの娘だと気づいたボビーは、彼女が何年も前に死んだと言われる。

ボビーが、手紙も書かなかったと言うため、少女は、彼が母から聞いていた回転ゴンドラの男の子だと気づく。

内緒にすると約束したのにと話し微笑むボビーは、素敵な子だったと言って、持っていたキャロルの写真を少女に渡す。

名前を伝えたボビーは、モリーと名乗る少女と握手する。

キャロルは勇敢だったと伝えたボビーは、モリーと別れる。

町を離れたボビーは、その後どうしたか知らないテッドのことを考える。

あの夏で少年時代に別れを告げたボビーは、人の心は読めなくなったが、テッドから大切な贈り物をもらった。

ボビーは、心の目を未来へと向けてくれたテッドのことを、決して忘れないと心に誓う。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
写真家ロバート”ボビー”ガーフィールドは、子供時代の親友サリーの死を知らされて故郷に向い、葬儀に参列する。
もう一人の親友キャロルも亡くなっていたことを知ったボビーはショックを受け、少年時代のある夏の日々を思い出す。
父を亡くした11歳のボビーは、母リズと共に貧しい暮らしをしていた。
ある日ボビーは、二階に越して来た老紳士テッド・プローディガンから、毎日、新聞を読み、周囲を見張ってくれれば週1ドル払うと言われる。
リズは、謎めいた雰囲気のテッドを警戒するが、ボビーは彼との親交を深める。
キャロルやサリーと楽しい夏を過ごすボビーは、テッドとの約束も守る。
そんなボビーは、不思議な能力を持つテッドに人間的な魅力を感じるのだが、そのために危険が迫っていることも知らされる・・・。
__________

スティーヴン・キングによる、5つの中短編で構成されている原作の内の2つをメインに描かれた作品。

成功していると思われる写真家の、人生を変えたとも言える、貧しかった頃の少年時代の思い出を描いた内容は、スティーヴン・キングの原作ではあるがスリラーではなく、サスペンス・タッチで描くヒューマン・ドラマに近い仕上がりとなっている。

それでも、幼い少女をバットで殴る少年の登場、仲の良かった友人の死の悲しみなどは、恐ろしさも感じる描写とも言える。

今は亡き友人と過ごした少年時代の楽しい日々や辛い体験、そして淡い初恋など、ノスタルジックに描かれた内容に、どなたも経験したその時期を想い郷愁にかられる感動のドラマとして、スコット・ヒックスの繊細な演出と共に心に残る物語だ。

謎の老紳士を演ずるアンソニー・ホプキンスの深い演技は、心を打つ名演と言える。

また、公開当時は、可愛らしい名子役として観ていたアントン・イェルチンなのだが、2016年6月に事故により惜しまれながら亡くなったことを思いながら鑑賞すると感慨深い。
その後の彼の活躍を考えるとハリウッドの大きな損失であり、つくづく残念に思う。

少年時代と友、そして慕っていた老紳士を思い起こす写真家デヴィッド・モース、彼の少年時代の親友とその娘の二役を演ずるミカ・ブーレム、ボビー(アントン・イェルチン)の、身勝手とも言える母親を印象深く演ずるホープ・デイヴィス、少年の友人ウィル・ロスハー、キャロル(ミカ・ブーレム)の母親ディアドラ・オコンネル、ボビーをいじめる少年ティモシー・ライフスナイダー、カーニバルでカード当てを担当するアラン・テュディック、バーの主人トム・バウアーと妻セリア・ウェストン、ボビーの母と関係を持つ上司アダム・ルフェーブルなどが共演している。


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