青年 Hemingway’s Adventures of a Young Man (1962) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

アーネスト・ヘミングウェイ原作の、”ニック・アダムス”を主人公にした短編10本を基に製作された作品。
家出をした人生経験の少ない青年が、様々な人との出会いや戦争を体験しながら成長していく姿を描く、監督マーティン・リット、主演チャード・ベイマーダイアン・ベイカーポール・ニューマンイーライ・ウォラックスーザン・ストラスバーグ他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:マーティン・リット
製作:ジェリー・ウォルド
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
脚本:A・E・ホッチナー
撮影:リー・ガームス
編集:ヒュー・S・ファウラー
音楽:フランツ・ワックスマン

出演
ニコラス”ニック”アダムズ:リチャード・ベイマー

キャロリン:ダイアン・ベイカー
ヘンリー・アダムズ医師:アーサー・ケネディ
ヘレン・アダムズ:ジェシカ・タンディ
伯爵夫人:コリンヌ・カルヴェ
ビリー・ターナー:フレッド・クラーク
ビリー・キャンベル:ダン・デイリー
電信技手:ジェームズ・ダン
アド・フランシス:ポール・ニューマン
バグス:ホアン・エルナンデス
ジョヴァンニ”ジョン”ブラッチャ:イーライ・ウォラック
パドュラ少佐:リカルド・モンタルバン
ロザンナ・グリフィ:スーザン・ストラスバーグ
ジョー・ボルトン:サイモン・オークランド
ジョージ:マイケル・J・ポラード
制動手:エドワード・ビンズ
バーレスク・クイーン:シャロン・テート

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1962年製作 145分
公開
北米:1962年7月25日
日本:1962年9月22日
製作費 $4,100,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ミシガン州、サイデス。
湖畔に住む19歳のニコラス”ニック”アダムズ(リチャード・ベイマー)は、医師である父ヘンリー(アーサー・ケネディ)と共にボートで流木を運ぶ。

そこに現れたジョー・ボルトン(サイモン・オークランド)に、流木には所有者がいるとヘンリーは言われ、気分を害する。

自宅に戻ったヘンリーは、ジョーとの喧嘩の原因を知りたがる妻ヘレン(ジェシカ・タンディ)に、肺炎だったの妻の治療費を払いたくないためだと答える。

その後、教育熱心なヘレンは、カモ猟に行きたがるニックに、ヴィオラのレッスンを強要する。

二人の間に入ったヘンリーは、1時間レッスンをして、その後に猟に行く提案をしてニックを納得させる。

次の土曜日、恋人キャロリン(ダイアン・ベイカー)に会ったニックは、何もかもが面白くないことを伝えて、彼女に恋をしたくないのか問われても明確な答えを返せない。

その夜、ヘンリーはニックを伴い、ジョーの妻のお産のために彼の家に向かう。

ヘンリーは、帝王切開の手術を始めるが、ジョーはその場から逃げ出してしまう。

無事に男の子が産まれ、自宅に戻ったヘンリーは、ニックを手術に付き添わせたことをヘレンに批判される。

敬虔なクリスチャンであり、教育熱心、自分を溺愛する母ヘレンに、ニックは逆らってしまう。

ヘレンに従うだけのヘンリーに、婚約を控えたキャロリンと別れたことを伝えたニックは、父の忠告も聞く気になれずに部屋を出てしまう。

友人ジョージ(マイケル・J・ポラード)の家を訪ねたニックは、キャロリンと別れたことを伝え、家を出る決心をした二人は旅立つ。

ジョージは、宿もない生活に耐えられなくなり町に戻り、仕方なくニックは一人で旅を続ける。

貨物列車に忍び込んでいたニックは、制動手(エドワード・ビンズ)に殴られ突き落とされる。

森の中をさ迷っていたニックは、野営をしていた、顔が崩れて言動のおかしな男(ポール・ニューマン)に声をかけられる。

男が元ボクシング・チャンピオンのアド・フランシスだと知ったニックは、現れた相棒バグス(ホアン・エルナンデス)に食事をもらう。

翌日ニックは、アドがおかしくなった原因などをバグスに聞きながら、その後も三人で旅を続ける。

ある夜ニックは、ナイフをアドに貸そうとして、それをバグスに止められる。

そのことでアドは気分を害し、ニックに言い寄り襲いかかったため、バグスが彼を殴り気絶させる。

バグスは、アドが再び襲いかかるだろうとニックに告げて、そろそろ別れた方がいいことを伝える。

共に行動していたかったニックだったが、バグズに友達を作るようにと助言されて、故郷に帰るべきだとも言われその場を去る。

家に帰る決心をしたニックは、父ヘンリーに汽車賃を送金するよう電報を打とうとする。

電信技手(ジェームズ・ダン)は、自分も若き日に家出して挫折した結果、その後、度々、それを続けていればどんな人生だったかなどを考えると話す。

父への連絡を思い止まったニックは、その後、巡業の宣伝をするビリー・キャンベル(ダン・デイリー)と出会い、彼の助手となり、希望だったニューヨークに行ける可能性が出て来る。

バーレスク・ショーの巡業主ビリー・ターナー(フレッド・クラーク)が到着してしまうが、アルコール依存症及び麻薬中毒のキャンベルはベッドから起き上がれない。

ターナーはキャンベルを使うことを諦めて病院に入れ、代わりにニックを雇うことを決める。

ニューヨーク
新聞記者になることを考えるニックは、ターナーに一座を任され10日間の巡業に出る。

その後ニックは、新聞社に手書きの原稿を持参して出向くが、経験不足を指摘され、必ず一人前になって戻ってくることを伝える。

レストランの給仕をしていたニックは、その場で開かれていた、第一次大戦で苦戦をするイタリアを支援する集会で、美しい伯爵夫人(コリンヌ・カルヴェ)の話に感化される。

宿に戻ったニックは、父ヘンリーの訪問を喜ぶが、自分を連れ戻そうとする彼に、軍の医療班に志願したことを伝える。

驚くヘンリーは、アメリカが参戦もしていない状況で、志願するニックの考えを避難する。

ようやくしたいことを見つけたという、ニックの気持ちだけを理解したヘンリーは、その場を去る。

イタリア
中尉としてイタリア陸軍に所属することになったニックは、経験がないことをパドュラ少佐(リカルド・モンタルバン)に確認される。

ニックは、従卒のジョヴァンニ”ジョン”ブラッチャ伍長(イーライ・ウォラック)と共に活動を始める。

シカゴで10年間移民として暮らしていたジョンと、気心知れるようになったニックは、各地で医療活動に貢献する。

そんな時ある戦場で、ニックはパドュラ少佐を救い出すため、無謀にも戦場に向かってしまう。

ニックは、救急車を運転してパドュラ少佐の元に向かい、負傷した彼を救い出す。

しかし、休息中に爆撃を受けたニックは負傷してしまい、ヴェローナの陸軍病院に運ばれる。

両足に重傷を負ったニックは、手術に成功するものの心を閉ざしてしまう。

赤十字の看護師ロザンナ・グリフィ(スーザン・ストラスバーグ)は、そんな彼を励まし献身的な看護をする。

ニックは、ロザンナの兄がこの病院で死んだことを知り、辛さに耐えながらも患者に尽くす彼女に、話をする気になる。

その後、パドュラ少佐とジョンがニックを見舞い、彼は勲章を授与されることになり、三人は病室で酒を酌み交わし楽しい時間を過ごす。

ようやく病院の外に出る気になったニックは、車いすに乗ったまま、ロザンナと共に市内を回る。

笑顔を見せたニックは、ロザンナと心触れ合い、病院に戻り、イスから立ち上がり愛を告げて、彼女も同じ気持ちだということを確認する。

数日後、心の中では結ばれている二人は教会に向かい、結婚することを決心する。

ロザンナの実家に向かい、父親から結婚の許しを得て、代々伝わる指輪を受取ったニックだったが、病院は爆撃を受け、彼女は他の病院に搬送されていた。

重傷を負ったロザンナの元に向かったニックは、その場で彼女と結婚しようとする。

神父を前に誓いの言葉交わそうとしたニックだったが、ロザンナは静かに息を引き取る。

呆然とするニックは神を恨み、杖で燭台を叩き壊してしまう。

その後、静養したニックは何とか立ち直り、帰国することになり、訪ねて来たパドュラ少佐から勲章を渡され、彼とジョンに別れを告げる。

故郷に戻ったニックは、英雄として歓迎され、母ヘレンと再会する。

式典に出席するニックだったが、父ヘンリーが亡くなったことを初めて知る。

ヘレンは、ヘンリーが自殺したことを手紙で知らせたのだが、それがニックには伝わっていなかった。

ショックを受けたニックは、何も語らずにその場を去り、自宅に戻った彼は、ヘレンに父の死の原因を聞く。

その理由が分からないと言うヘレンは、銃で自殺したヘンリーの遺書をニックに渡す。

自分宛の遺書を読んだことでヘレンを責めるニックだったが、妻である自分には、一言もなかったことを彼女は悲しむ。

数週間が経ち、以前の生活に戻っていたニックだったが、愛情を示そうとせず働きもしないことを、口やかましく説教するヘレンに、家を出て独りで暮らすことを伝える。

戦場で様々な死を見てきたニックは、自分の想像と違う世界で、多くの体験をしたことを書く考えと、それがこの場では無理なことをヘレンに語る。

経験を積み戻るようにと言ってくれた、ニューヨークの新聞社を訪ねるため、ニックは、祈りを捧げるヘレンの元を去る。

そしてニックは、逃げるためではなく、自分の人生を見つけるために旅立つ。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ミシガン州、サイデス。
湖畔で暮らす19歳の青年ニコラス”ニック”アダムズは、両親からの愛は受けているものの、もどかしい日々を過ごし、友人と家出を決心する。
友人は、宿もない生活に耐え切れず町に戻るが、ニックは旅を続ける。
その後ニックは、様々な人々と出会いながら、記者になる希望を抱きニューヨークで暮らし始める。
しかし、経験不足を指摘されたニックは、一旦はそれに挫折し、第一次大戦で苦戦するイタリアの、陸軍の救急班に志願する。
ニックは、従卒ジョンと共に医療活動を続け、戦場で上官のパドュラ少佐の命を救う。
その後、爆撃で重傷を負ってしまったニックは、陸軍病院に運ばれるものの、心を閉ざしてしまう。
ニックは、赤十字の看護師ロザンナの献身的な看護を受けて回復し、やがて二人は愛し合うようになるのだが・・・。
__________

人生を知らない青年が、大人の気持ちを理解できないまま世界に飛び出し、様々な困難や人々との出会い、そして、悲惨な戦争を体験しながら成長していく姿を描くドラマは、当然ではあるが、多くの場面で、原作者アーネスト・ヘミングウェイの体験をベースにしている。

人間の成長のみならず、アメリカ社会における様々な問題や戦争の”矛盾”などを、監督マーティン・リットが鋭い視点で描く、社会派ドラマとも言える作品。

主人公が旅の途中で出会う多彩な人物達を、多くの名優などが演じているところも注目だ。

前年の「ウエスト・サイド物語」(1961)で一躍脚光を浴びたリチャード・ベイマーは、それを上回る熱演を見せ、苦悩する主人公を見事に演じている。

主人公の父アーサー・ケネディ、母ジェシカ・タンディ、主人公の恋人ダイアン・ベイカーイタリア支援を訴える伯爵夫人役のコリンヌ・カルヴェ、巡業主フレッド・クラーク、その宣伝係ダン・デイリー、電信技手のジェームズ・ダン、元ボクシング選手ポール・ニューマン、その相棒ホアン・エルナンデス、主人公の戦友役イーライ・ウォラック、上官役のリカルド・モンタルバン、主人公と愛し合う看護師役のスーザン・ストラスバーグ、主人公の隣人役サイモン・オークランド、友人のマイケル・J・ポラード、列車の制動手エドワード・ビンズ、バーレスク・クイーンのシャロン・テートなどが共演している。


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