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インランド・エンパイア Inland Empire (2006)


3.9/5 (30)

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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

現実と演技の世界の区別がつかなくなった女優の混乱する姿を描く、製作、監督、脚本、撮影、編集、音楽デヴィッド・リンチ、製作、主演ローラ・ダーンジェレミー・アイアンズジャスティン・セローハリー・ディーン・スタントンダイアン・ラッドジュリア・オーモンドメアリー・スティーンバージェン他共演のミステリー・ドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・リンチ
製作
デヴィッド・リンチ
メアリー・スウィーニー
ローラ・ダーン
脚本:デヴィッド・リンチ
撮影:デヴィッド・リンチ
編集:デヴィッド・リンチ
音楽:デヴィッド・リンチ

出演
ニッキー・グレイス/スーザン”スー”ブルー:ローラ・ダーン
キングスリー・スチュワート:ジェレミー・アイアンズ
デヴォン・バーク/ビリー・サイド:ジャスティン・セロー
フレディ・ハワード:ハリー・ディーン・スタントン
マリリン・レヴェンス:ダイアン・ラッド
ドリス・サイド:ジュリア・オーモンド
ビジター1:グレイス・ザブリスキー
ビジター2:メアリー・スティーンバージェン
ピオトレック・クロール/スミシー:ピーター・J・ルーカス
失踪した少女:カロリーナ・グルシュカ
ホームレスの男:テリー・クルーズ
女性:ナスターシャ・キンスキー
アナウンサー:ウィリアム・H・メイシー
ファントム:クシシュトフ・マイフシャク
ヘンリー:イアン・アバークロンビー
ジェーン・ラビット:ローラ・ハリング
ジャック・ラビット:スコット・コフィー
スージー・ラビット:ナオミ・ワッツ
ホームレスの女:裕木奈江
バッキー・J:デヴィッド・リンチ

アメリカ/ポーランド/フランス 映画
配給
518 Media
Absurda(北米)
スタジオカナル(フランス)
2006年製作 180分
公開
イギリス:年月日
北米:2006年12月15日
日本:2007年7月21日
製作費 $17,500,000
北米興行収入 $861,360
世界 $4,037,580


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
蓄音機で”Axxon N”が演奏され、今もラジオで放送されている最も歴史ある曲が流れる。

客とホテルの部屋に入った娼婦は、黙って脱ぐようにと言われる。

娼婦は、ここはどこなのか、怖いと呟く。

失踪したポーランド人の少女(カロリーナ・グルシュカ)は、テレビを見つめながら涙する。

擬人化されたラビット、ジェーン(ローラ・ハリング)ジャック(スコット・コフィー)スージー(ナオミ・ワッツ)は意味不明な会話をして、ジャックが部屋を出る。

仲間のジャネクから探し物かと言われたファントム(クシシュトフ・マイフシャク)は、その通りであり、この意味が分かっているかと問う。

ジャネクは分かっていると答え、ファントムは安心する。

近所に越してきた婦人(グレイス・ザブリスキー)は、女優ニッキー・グレイス(ローラ・ダーン)の屋敷を訪ねる。

引っ越しの挨拶に来たと言う婦人を招き入れたニッキーは、彼女の家は林の奥のレンガの家だということを知る。

婦人から、新しい役が決まったという話をされたニッキーは、自分がその気でも、まだどうなるか分からないと伝える。

役は決まったと聞いたと言う婦人は、その物語の内容を話し始め、小さな男の子が悪魔の分身を作り出したと語る。

困惑するニッキーに、婦人は宮殿を見つける女の子の話も始め、今回の映画の中で殺人が起きるか尋ねる。

それを否定された婦人は、殺人は起きるはずだと言い張り、そのような話は聞きたくないと伝えたニッキーは、婦人に帰ってもらおうとする。

納得しない婦人は、自分もものを忘れ混乱すると言って意味不明な話を続け、もし明日なら、あなたはあそこに座っていると伝えながらソファーを指差す。

二人の友人とソファーに座り話していたニッキーは、執事のヘンリー(イアン・アバークロンビー)にエージェントから電話だと言われる。

役が決まったことを知ったニッキーは喜び、夫のピオトレック(ピーター・J・ルーカス)は、二階の階段からその様子を見つめる。

監督のキングスリー・スチュワート(ジェレミー・アイアンズ)は、カムバックを目指すニッキーを歓迎し、自分と共演者のデヴォン・バーク(ジャスティン・セロー)が組めば、作品は絶対に成功すると伝える。

テレビのトークショーに出演したニッキーとでヴォンは、ホストのマリリン・レヴェンス(ダイアン・ラッド)から、共演をきっかけにしたロマンスの可能性を訊かれる。

番組終了後、マリリンを批判するデヴォンは、夫が街の有力者であるニッキーには手を出すなとマネージャーから忠告される。

プロデューサーのフレディ・ハワード(ハリー・ディーン・スタントン)と共にスタジオに現れたキングスリーは、待っていたニッキーとデヴォンと共にリハーサルを始める。

フレディがセットに誰かがいることに気づき、デヴォンが見に行くものの、その場にいた者は姿を消す。

戻ったデヴォンとニッキーに、今回の作品”暗い明日の空の上で”は未完成の作品のリメイクえだと話すキングスリーは、オリジナルの製作中に主役の二人が殺されたことを伝える。

ポーランドのジプシーの民話を基にした物語であるその作品の原題は”47”で、キングスリーは呪われていると二人に話す。

警察で取り調べを受けたビリーの妻ドリス(ジュリア・オーモンド)は、自分は人を殺すと刑事に伝える。

誰を殺すかは分からないと伝えたドリスは、バーで男から言われたと話す。

ドライバーで殺すと言うドリスは、自分の脇腹に刺さっているドライバーを見せる。

ニッキーはスーザン”スー”ブルーをデヴォンは”ビリー・サイド”を演じ、二人の不倫関係の物語の撮影は始まる。

デヴォンを屋敷に呼んで話したピオトレックは、ニッキーに勝手な真似をすることは許さないと言って忠告する。

撮影は続き、ニッキーは、映画と現実の区別がつかないことに気づき動揺する。

この映画が呪われているのではないかと思うデヴォンだったが、関係者から、そんな証拠はどこにもないと言われる。

人目を盗んで愛し合うスーとビリーだったが、彼女の夫スミシー(ピーター・J・ルーカス)はそれを目撃してしまう。

撮影と現実の区別がつかないスーは、意味不明な話をしながらデヴォンと愛し合う。

買い物をして車に戻ったニッキーは、路地のドアに書かれた”Axxon N”という文字に気づく。

ドアの中に入ったニッキーは、その奥で打ち合わせをしている自分達に気づき、フレディから誰かいると言われたデヴォンが近づいてくる。

その場から逃げたニッキーは、”ビリー”と叫びながらある部屋に入り、窓から覗いているデヴォンに”ビリー”と呼びかけても気づいてもらえない。

奥の部屋に入ったニッキーは、何人もの売春婦から話しかけられる。

ニッキーは、腕時計をしてシルクにタバコで穴を開けて覗くようにと指示される。

ある男と話したスーは、少女時代に、自分をレイプしようとした男を痛めつけたことを伝える。

平凡な生活を送るスーは、夫のスミシーに妊娠したことを伝えるものの、ショックだと言われただけだった。

スーは、昔、同棲していた男に浮気を疑われバールで襲われたために痛めつけた話をする。

失踪した少女は、邪悪な夢を取り払ってほしいと神に祈る。

ドリスは、ドライバーを持つ女に襲われて倒れこむ。

ファントムに出くわした少女は、自分の知り合いが殺されたことを知らされて動揺する。

バルト三国の巡回サーカスの男達をバーベキューに招待したスミシーは、ニッキーから何の関係があるのかと訊かれ、自分は動物の扱いがうまいために世話をすると答える。

スミシーがサーカス団と東欧に旅立ったと言うスーは、その中のファントムが、酒場で騒ぎを起こした時に姿を消した話をする。

ビリーの屋敷に向かい愛を伝えたスーは、彼の妻ドリスに殴られる。

ジャネクと共にある場所に向かったスミシーは、ファントムの居場所をその場いいた男に尋ね、”インサイド・エンパイア”と拘わってると言って姿を消したことを知る。

現れた来客女性(メアリー・スティーンバージェン)を招き入れたスーは、請求書の未払い分を受け取りに来たと言われる。

スーは、ここに住んでいる男性クリンプを知っているかと、女性から訊かれる。

ある家を訪ねたスーは、現れた電球をくわえているファントムを見て驚き、その場にあったドライバーを持ち去る。

ジャネクと共に老人達の元に向かったスミシーは、自分には見えない少女が呼んだと言われ、彼女が話していた人物に雇われたことを認めて、拳銃を渡されてその場を離れる。

その後、少女は姿を消し、老人達はラビットに姿を変える。

ハリウッド大通りを歩くスーは、自分自身の姿を幻覚で見る。

あるクラブに入ったスーは、男の元に案内されて、自分は父親にはなれないと言う夫が何かを隠していると話し始める。

息子を亡くしてから空虚な日々が続いたと話すスーは、男が電話に出ている間にその場を去る。

通りに戻ったスーは、娼婦達からどこに行っていたのかと訊かれ、道の反対側に誰かいると伝えて、近づいてきたドリスにドライバーで刺される。

脇腹に刺さったドライバーを抜いたスーは路地に倒れこみ、ホームレスの男(テリー・クルーズ)と共にいた女(裕木奈江)から、バスでポモーナに行くように勧められる。

吐血したスーは、もう一人の女に見守られながら息を引き取る。

演技を終えたニッキーに、キングスリーらは拍手を送る。

立ち上がったニッキーは呆然としながらその場を去り、様子がおかしいことに気づいたキングスリーは彼女に歩み寄り、抱きしめて素晴らしかったと伝える。

何も答えずにスタジオを出たニッキーは劇場に向かい、自分が男と話しているシーンが映し出されるスクリーンを見つめる。

男が二階に上がることに気づいたニッキーは、後を付いて行き、奥の部屋の引き出しにあった拳銃を手にする。

”47”という番号の部屋を見つけたニッキーは、現れたファントムを銃撃する。

部屋に入ったニッキーは、失踪した少女を見つけてキスして姿を消す。

その場を離れた少女は、少年と現れたスミシーと抱き合う。

屋敷に戻ったニッキーは、ソファーに座る自分を見つめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
カムバックを目指す女優のニッキー・グレイスは新作の役を得て、監督のキングスリーと共演者のデヴォンと共に撮影の準備を始める。
キングスリーから、今回の映画が未完成だった作品”47”のリメイクだと言われたニッキーとデヴォンは、オリジナルが呪われていたことを知らされる。
デヴォンは、実力者であるニッキーの夫から妻に手を出すなと忠告される。
不倫関係を描く内容である作品の撮影は始まるのだが、ニッキーは現実と映画の区別がつかなくなってしまう・・・。
__________

鬼才デヴィッド・リンチが「マルホランド・ドライブ」(2001)以来5年ぶりに発表し、製作、監督、脚本、撮影、編集、音楽の全てを担当した作品。

デヴィッド・リンチは、第63回ヴェネツィア国際映画祭栄誉金獅子賞が授与され、本作は同映画賞で招待上映された。

「マルホランド・ドライブ」の出演者である、ナオミ・ワッツローラ・ハリングジャスティン・セローは、本作にも引き続き出演している。

現実と映画撮影の世界が交差し、シュールで幻想的な映像で描く3時間の長編で、デヴィッド・リンチらしい複雑怪奇な内容に仕上がっている。

デヴィッド・リンチは、大筋をイメージしだけで決まった脚本がないまま、自分の好む俳優を好きな時に撮影してつなぎ合わせるという手法で製作した。

ようやく手にした役の演技と現実の区別がつかなくなってしまうカムバックを目指す女優のローラ・ダーン、作品の監督ジェレミー・アイアンズ、共演者のジャスティン・セロー、プロデューサーのハリー・ディーン・スタントン、テレビのトークショーのホスト、ダイアン・ラッドローラ・ダーンの実母)、ビリー(ジャスティン・セロー)の妻役ジュリア・オーモンド、主人公を訪ねる来客のグレイス・ザブリスキーメアリー・スティーンバージェン、主人公の夫ピーター・J・ルーカス、失踪したポーランド人の少女カロリーナ・グルシュカ、エンディングで登場する女性ナスターシャ・キンスキー、アナウンサーのウィリアム・H・メイシー、謎の組織の一員クシシュトフ・マイフシャク、主人公の屋敷の執事イアン・アバークロンビー、ラビットのローラ・ハリングスコット・コフィーナオミ・ワッツ、ホームレスのテリー・クルーズ裕木奈江、他、デヴィッド・リンチローラ・ダーンの夫ベン・ハーパーなどがカメオ出演している。


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