エレクトリック・ミスト In the Electric Mist (2009) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1993年に発表された、ジェームズ・リー・バークの”デイヴ・ロビショー・シリーズ”、”In the Electric Mist with Confederate Dead”を基に、アレック・ボールドウィンが主演した”Heaven’s Prisoners”に続く2度目の映画化。
女性殺人事件をきっかけに、ベテラン刑事が過去に目撃した事件との関係を探りながらの執念の捜査を描く、監督ベルトラン・タヴェルニエ、主演トミー・リー・ジョーンズジョン・グッドマンピーター・サースガードケリー・マクドナルド他共演のサスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:ベルトラン・タヴェルニエ
製作
マイケル・フィッツジェラルド
フレデリック・ブールボロン
製作総指揮
グルナラ・サルセノーヴァ

ペネロピー・グラス
原作:ジェームズ・リー・バーク

脚本
イエジー・クロモロウスキ
メアリー・オルソン=クロモロウスキ
撮影:ブリュノ・ド・ケイゼル

編集
ティエリー・デロクル(フランス版)
ロベルト・シルヴィ
ラリー・マダラス
音楽:マルコ・ベルトラミ

出演
デイヴ・ロビショー:トミー・リー・ジョーンズ

ジュリー”ベビー・フィート”バルボーニ:ジョン・グッドマン
エルロッド・サイクス:ピーター・サースガード
ブーツィー・ロビショー:メアリー・スティーンバージェン
ケリー・ドラモンド:ケリー・マクドナルド
ローザ”ロージー”ゴメス:ジャスティナ・マシャド
エベール”トゥインキー”レモイン:ネッド・ビーティ
ベン・ヘバート:ジェームズ・ギャモン
ルー・ジラド:プルイット・テイラー・ヴィンス
アラフェア・ロビショー:アラナ・ロック
ジョン・ベル・フッドレヴォン・ヘルム
マーフィ・ドゥーセ:バーナード・ホック
サム”ホグマン”パティン:バディ・ガイ
マイケル・ゴールドマン:ジョン・セイルズ

アメリカ/フランス 映画
配給 Ithaca Pictures
2009年製作 117分
公開
北米:2009年2月18日
フランス:2009年4月15日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ルイジアナ州、アイビーリア郡
ハリケーン・カトリーナの傷跡も残り復興途中であるこの地で、刑事デイヴ・ロビショー(トミー・リー・ジョーンズ)は、娼婦だったという19歳の女性の惨殺死体を確認して捜査を始める。

デイヴは、被害者が金持ちの白人と関係があったという情報を入手する。

そんな時デイヴは、付近にロケに来ているハリウッド・スター、エルロッド・サイクス(ピーター・サースガード)の車を、飲酒運転ということで止める。

同乗していた俳優ケリー・ドラモンド(ケリー・マクドナルド)を残し、デイヴはエルロッドを署に連行しようとする。

途中エルロッドは、南北戦争を舞台にした映画のロケ地の湿地帯で、鎖が巻かれていたという白骨化した死体を見つけたことをデイヴに話す。

その場所を覚えていると言うエルロッドの話で、デイヴは、翌朝に会う条件で解放する。

デイヴの妻ブーツィー(メアリー・スティーンバージェン)と養女アラフェア(アラナ・ロック)は、たデイヴがエルロッドやケリーに会ったことに興味深々だった。

翌日、現われなかったエルロッドを強引に呼び出し、デイヴは湿地帯に向かう。

デイヴは遺体を検証し、40年前に自分が目撃した、黒人を私刑にした痛ましい事件を思い起こす。

その後デイヴは、女性殺害の事件に、マフィアのボス、ジュリー”ベビー・フィート”バルボーニ(ジョン・グッドマン)が絡んでいるかを探る。

バルボーニは被害者のことには興味を示さず、ロケ中の映画プロデューサーであるマイケル・ゴールドマン(ジョン・セイルズ)との共同製作の映画の話などをする。

ロケ地でゴールドマンに会ったデイヴは、バルボーニが、単なる出資者であることを確認するが、相手がマフィアだということで考えを巡らせる。

その後デイヴは、尾行されているのを気にしながら、妻の浮気相手を殺害した過去を持つ老人サム”ホグマン”パティン(バディ・ガイ)に会い、情報を仕入れようとするが、彼は何かを恐れていた。

ある日の休日、エルロッドがケリーを伴い、再び飲酒運転をして、デイヴ一家を食事に誘いに現われる。

デイヴはそれを断り、川に落ちたエルロッドを家に招き午後を過ごす。

その日の夜、同僚のルー・ジラド(プルイット・テイラー・ヴィンス)に呼ばれたデイヴは、ドラム缶に捨てられた少女の殺害死体が発見されたことを知らされ、今回の事件との関連を考える。

翌日、食事をしていたバルボーニに会ったデイヴは、その事件と、最初の被害者の件で彼を問い詰める。

しかし、何も語ろうとしないバルボーニに腹を立てたデイヴは、手下を痛めつけてしまう。

女性に声をかけて、誰か渡したという男を締め上げたデイヴは、その相手の情報を掴む。

翌日、バルボーニを追っている、FBI捜査官ローザ”ロージー”ゴメス(ジャスティナ・マシャド)が現われ、デイヴと組むことになる。

デイヴは、バルボーニが、ゴールドマンの誕生パーティーを開くために、それに出席するよう命ぜられる。

パーティーの帰り、妙なソーダを飲んで酔ったデイヴは、誤って事故を起し、湿地帯で、南北戦争時代の兵士達が現われる幻覚を見てしまう。

南軍の将軍ジョン・ベル・フッド(レヴォン・ヘルム)に出会ったデイヴは、強欲な悪党が、世界を破滅させようとしていると言って、困難に立ち向かうよう励まされる。

翌日デイヴは、ブーツィーやロージーのいる、病院のベッドの上で目覚め、ソーダにはLSDが混入していたことを知る。

将軍の言葉を思い出したデイヴは、パーティーに出席していた地元の企業家エベール”トゥインキー”レモイン(ネッド・ビーティ)に探りを入れる。

レモインは、地域のために映画に出資しているだけで、バルボーニとの関係を否定し、デイヴの態度に不快感を示す。

その後デイヴは、40年前の、黒人の脱獄事件の新聞記事を調べ、その男を知る刑務所の元看守ベン・ヘバート(ジェームズ・ギャモン)と会い、当時のことを思い出す。

雨の日、エルロッドがボートを借りて川に釣りに行くと言い出し、デイヴはケリーに同行を求められるが、それを断る。

暫くして、立ち往生した二人をデイヴが助けに行くが、ケリーが何者かに銃撃されて死亡する。

ケリーは、デイヴが貸したレイン・コートのせいで、彼の身代わりになって狙撃されてしまったのだった。

ある女からの電話で、バーに呼び出されたデイヴは、罠にはめられ、その女を射殺してしまう。

相手が銃撃してきたのを確認して、反撃したデイヴはだったが、薬きょうも弾痕も残っていなかった。

デイヴは停職となり、今回のことで悩むが、ケリーの時と同様、フッド将軍が現われて、彼の話を聞く。

現場で自分を援護した同僚のルーに、女の車をもう一度調べたいことを伝えたデイヴは、アルコール依存症の者達が集う集会に参加したりもする。

ケリーの死により失意のエルロッドだったが、彼も将軍の話をしていたことなどで、デイヴは不思議なつながりを感じる。

デイヴはブーツィーを説得して、エルロッドを家に滞在させることにする。

検死の結果、死んだ女の受けた弾丸は、デイヴの銃のものとは違い、彼女は、車に乗る前に死んでいたことも判明する。

その後デイヴは、エルロッドと問題を起したという、手下と野球をしていたバルボーニに会いに行くが、帰り際に、後頭部に打球をぶつけられ気を失ってしまう。

デイヴは、無意識の中でフッド将軍と会話をするのだが、バルボーニは、心配する手下の意見を無視して、倒れている彼を置き去りにする。

ルーが、妻が出て行った自宅で、酔って自殺をしたとの連絡を受けたデイヴは、彼が何かを突き止めたために殺されたのではと、自ら命を絶ったことを疑い、現場を調べる。

翌日、この場を去ると言うフッド将軍や、兵士と記念撮影したデイヴは、彼に正直に生きろとの助言を受ける。

ホグマンに会ったデイヴは、例の黒人の男が、白人の妻と寝て金を稼いでいたことを知らされ、捜している者がやがて現われると言われる。

アラフェアが端役で映画に出られることになり、エルロッドはデイヴに、将軍と話をしていたことを問われる。

ベンの元に向ったデイヴは、黒人がある製糖所で働いていたことを知る。

その後デイヴは、バルボーニの元を去ると言う手下から、最初の被害者の女性とバルボーニが、一緒に写っている写真を渡される。

自分で手は汚さないバルボーニが、女を殺したとは言わない手下は、写真を見て自分で判断しろとデイヴに伝える。

その写真には、レイモンとの関りもあり、被害者の女性を逮捕した元警官マーフィ・ドゥーセ(バーナード・ホック)が写っていた。

ドゥーセが、一連の殺人犯だと確信したデイヴは、ロージーと彼を尋問して、40年前に鎖でつながれた黒人を追い詰めたことも追求する。

黒人を射殺するドゥーセとレモインを、対岸で見ていたのが少年のデイヴだったのだが、ドゥーセは逮捕されるが、証拠不十分で釈放され。

デイヴは、女性殺害の証拠のナイフを、ドゥーセを早急に逮捕するために仕事場に忍び込んで持ち出したのだが、それをロージーに気づかれるものの、彼女は目をつぶる。

その直後、ドゥーセはアラフェアを人質にとり、証拠のナイフを渡すよう、デイヴを脅迫する電話をかけてくる。

デイヴは、バルボーニを締め上げてドゥーセの居場所を突き止め、ロージーと現場に向かう。

警報の音と共に現われたドゥーセをロージーが射殺し、デイヴはアラフェアの無事を確認する。

ドゥーセが持っていたのは雑誌だったが、デイヴは死体に拳銃を握らせる。

レモインの元に向ったデイヴは、40年前に目撃したことと、許される道がないことを彼に伝える。

デイヴは、時が流れると共に、事件のことが頭から離れ、ブーツィーが言うように、将軍が想像上のもので、戦いは続き、この世は自分達のものではないことを知らせるための存在だったことに気づく。

デイヴは帰宅してブーツィーに寄り添い、南北戦争の書物を見ていた、アラフェアが開いたページの写真には、ジョン・ベル・フッド将軍や兵士と共に、デイヴの姿があった。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ルイジアナ州、アイビーリア郡
女性殺害事件の捜査を始めた、地元の刑事デイヴ・ロビショーは、事件に金持ちの白人が関係していることを知る。
ハリケーン・カトリーナの傷跡も残り、復興途中の地元では、南北戦争を舞台にした映画のロケが行われていた。
そんな時デイヴは、その映画に出演するスター、エルロッドを飲酒運転で逮捕する。
デイヴは、一緒にいた恋人で女優のケリーを残し、エルロッドを署に連行しようとする。
途中デイヴは、エルロッドが、湿地帯で鎖をつけた白骨化した死体を見つけたと聞き、それに興味を示し、協力する条件で彼を解放する。
その死体は、40年前の少年時代、デイヴが目撃した痛ましい事件の証拠となる可能性があった。
デイヴは、その件と平行して、金持ちの白人の線で、映画製作に関っているというマフィアのボス、バルボーニらに探りを入れ始めるのだが・・・。
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ノーカントリー」(2007)の保安官を思わせる登場も嬉しいトミー・リー・ジョーンズだが、それとは違い、手荒な手法で捜査を進めていくあたり、どちらのキャラクターにも興味が沸いてしまうというところが、彼の実力派としての証である。

酔ってばかりで、今一、冴えないハリウッドのスターや、その映画に絡むマフィア、犯罪の雰囲気が漂う湿地帯の周辺で起きる猟奇的な殺人、夢か現実か、主人公に、世の道を諭す南北戦争当時の将軍(亡霊、幻覚)・・・。
謎めいた事件を、一層、混迷へと導く展開は実に興味深い。

魅力的なキャスティングにも拘らず、北米でも公開されたとは言えない作品で、当然、日本では劇場未公開に終わった。

途中から、主人公自体が、幻覚に惑わされると言うよりも、存在していないのか?とも思いつつ、平穏な結末を迎えようとしながらの、ラストの謎の写真のなど、ベルトラン・タヴェルニエの工夫を凝らした演出も注目だ。

これだけのキャスティングで、ワンマン作品のようにも思える、圧倒的な存在感を見せるトミー・リー・ジョーンズの、貫禄の演技は見応え十分だ。

見た目の迫力では負けていないマフィアのボス、ジョン・グッドマン、平常な場面がほとんどない映画スター、ピーター・サースガード、その恋人で、同じく俳優のケリー・マクドナルド、主人公の妻を落ち着いた雰囲気で演ずるメアリー・スティーンバージェン、主人公に協力するFBI捜査官役のジャスティナ・マシャド、かつての事件にも関っていた黒幕のネッド・ビーティ、元看守である情報提供者で、本作が遺作のジェームズ・ギャモン、主人公の同僚役のプルイット・テイラー・ヴィンス、主人公の養女のアラナ・ロック、幻覚で現われるジョン・ベル・フッド将軍のレヴォン・ヘルム、殺人の実行犯バーナード・ホック、情報源で、ブルース・ギタリストでもあるバディ・ガイ、映画の製作者役ジョン・セイルズなどが共演している。


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