イントゥ・ザ・ワイルド Into the Wild (2007) 3.67/5 (3)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
 ★★★★

物質社会や偽りの家族との生活を嫌い、大学を卒業したのをきっかけに、放浪の旅を2年間続け、希望通りアラスカの大地の自然の中で生活した実在の青年、クリストファー・マッカンドレスの旅と死までを描く、監督ショーン・ペンエミール・ハーシュマーシャ・ゲイ・ハーデンウィリアム・ハートクリステン・スチュワート共演のヒューマン・ドラマ。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:ショーン・ペン

製作
ショーン・ペン
アート・リンソン
ウィリアム・M・ポーラッド
製作総指揮
ジョン・J・ケリー
フランク・ヒルデブランド
デヴィッド・ブロッカー
原作:ジョン・クラカワー
脚本:ショーン・ペン
撮影:エリック・ゴーティエ
編集:ジェイ・キャシディ
音楽
マイケル・ブルック
カーキ・キング
エディ・ヴェダー

出演
エミール・ハーシュクリストファー”クリス”マッカンドレス
マーシャ・ゲイ・ハーデン:ビリー・マッカンドレス
ウィリアム・ハート:ウォルト・マッカンドレス
ジェナ・マローン:カリーン・マッカンドレス
キャサリン・キーナー:ジャン・バレス
ブライアン・H・ディアカー:レイニー
ヴィンス・ヴォーン:ウェイン・ウェスターバーグ
クリステン・スチュワート:トレイシー・タトゥロ
ハル・ホルブルック:ロン・フランツ
ザック・ガリフィアナキス:ケヴィン

アメリカ 映画
配給 Paramount Vantage
2007年製作 148分
公開
北米:2007年9月21日
日本:2008年9月6日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $18,352,454
世界 $56,255,142


アカデミー賞 ■
第80回アカデミー賞

・ノミネート
助演男優(ハル・ホルブルック)
編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1992年5月、アラスカ、”不思議なバスの日”。
クリストファー”クリス”マッカンドレス(エミール・ハーシュ)は、文明に毒されるのを嫌い、2年間、放浪の旅を続けてきた。

クリスは朽ち果てた1台のバスを見つけ、そこを住居にして生活を始める。
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2年前、ジョージア州アトランタ
名門校のエモリー大学を優秀な成績で卒業したクリスは、両親ウォルト(ウィリアム・ハート)とビリー(マーシャ・ゲイ・ハーデン)、妹カリーン(ジェナ・マローン)に見守られ卒業式を迎える。

両親と妹とのしっくりこない食事を済ませたクリスは、学資預金2万4000ドルを”オックスファム”に寄付し、身分証明書やクレジット・カードを切り刻み、オンボロのダットサンに乗り旅立つ。

● 第1章:僕の出生

鉄砲水で走行不能になった車を捨てたクリスは、所持金を燃やし、無一文となり徒歩で旅を続ける。

1990年7月、アリゾナ州、ミード湖
全てを捨てる覚悟で旅に出た
クリスは、”アレグザンダー・スーパートランプ”という名前を自分につけ、ヒッチハイクをして旅を続ける。

その頃、クリスの両親は、連絡のとれなくなった息子の消息を捜し始める。

妹カリーンは、クリスが大学を義務感だけで卒業し、過剰な物質的社会から逃れたことを理解していた。

1990年8月、北カリフォルニア
パシフィック・クレスト・トレイルで自然を満喫したクリスは、ジャン・バレス(キャサリン・キーナー)とレイニー(ブライアン・H・ディアカー)のキャンピング・カーに拾われる。

クリスは、レイニーから、ジャンとのすれ違いの時が続いていたことを聞く。

自分の出現で、2人の心が再び通い合ったことを確認したクリスは、彼らの前から姿を消す。

● 第2章:思春期

クリスはヒッチハイクで旅を続けていたが、9月の初めに、アリゾナで彼の車が捨てられていたことを、警察は両親に連絡する。

車は放棄されたものと思われ、両親は安堵するのだが、クリスが、誰にも見つけて欲しくないのだろうということに気づく。
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”不思議なバス:3週間目”
食料が尽きてきたクリスは、獲物を捕らえることも出来ず、見る見るやせ細っていった。
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1990年9月10日。
サウスダコタ州東部、”バス”到着の19ヶ月前。

大農場主ウェイン・ウェスターバーグ(ヴィンス・ヴォーン)に雇われたクリスは、彼にアラスカに行く相談をする。

クリスの父ウォルトは、息子が学資預金を寄付してしまったことを知り、私立探偵を雇い、全米の警察に知らせて捜査を依頼する。

動物の捕獲に詳しいケヴィン(ザック・ガリフィアナキス)から、その方法を伝授されたクリスは、22口径のライフルを手に入れようとする。

ウェインが違法装置で逮捕された後、クリスは農場を後にして再び旅に出る。
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クリスの両親は偽りの夫婦で、彼とカリーナは、父が愛人ビリーに生ませた私生児だった。

父には正妻がいたことを、クリスは偶然知ってしまった経緯がある。
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コロラド川をカヤックで下ろうとしたクリスは、無謀にも激流に身を投じ、難所を切り抜ける。

1990年12月2日。
クリスは、コペンハーゲンから来た若いカップルに出会ったりしながら、コルテス海(カリフォルニア湾)にたどり着く。

その後もヒッチハイクや徒歩を続け、カヤックを砂嵐で失ったクリスは、身分証がないためにメキシコ行きを諦めて、ロサンゼルスの向かう。

大都会ロサンゼルスが肌に合わず、クリスは貨物列車で街を出る。

● 第3章:人間らしさ

無賃乗車がばれたクリスは、列車から放り出され、再びヒッチハイクを続ける。
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”不思議なバス:7週目”
クリスは、周辺の地図を作り、狩猟ルートなどを構成する。
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クリスが消息を絶って1が経つ頃、両親の怒りや絶望、そして罪の意識は苦しみに変わっていた。

● 第4章:家族

1991年12月18日、”バス”の4ヶ月前。
あるコミューンクリスは、ジャンとレイニーに再会して、2人の仲が円満なのを喜ぶ。

クリスはそこで、トレイシー・タトゥロ(クリステン・スチュワート)という少女に出会う。

16歳のトレイシーは、クリスに肉体関係を求めるが、彼はそれを拒み集会で2人は共に歌う。

ジャンはかつて結婚し、夫と別れ息子を育てていた時にレイニーと知り合ったのだが、その息子が2年前に彼女の元から消えてしまったことをクリスは聞かされる。

アラスカの大地に向かうために、体を鍛えたクリスは、トレイシー、そしてレイニーとジャンに別れを告げて旅立って行く。
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”不思議なバス:9週間目”
クリスはバスを離れ旅立とうとするが、川の激流に前進を阻まれ一旦バスに引き返す。
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● 最終章:英知を得る

1992年1月12日。
クリスソルトン・シティーで、革職人の老人ロン・フランツ(ハル・ホルブルック)に出会う。

アンザ・オレゴ砂漠のオー・マイ・ゴッド温泉に野営していたクリスは、フランツの自宅に招かれる。

工房をフランツに見せてもらったクリスは、革製品の加工を彼から教わりながら親交を深める。

クリスは自分の体験した旅を、革のベルトに刻み込み、家族を遠い昔に交通事故で失ったフランツは、近づく彼との別れを辛く思う。

1992年3月22日。
フランツから自活する道具を受け取ったクリスは、彼との別れ際に養子の話を持ちかけられる。

アラスカから戻ってから話そうと、クリスはフランツに言い残して旅立って行く。
__________

バスでの生活が続いたクリスは、食料が底を突き自然植物を口にするが、それに毒が含まれていたことに気づき、もがき苦しむ。

1992年8月。
衰弱しきったクリスはバスの中で、メッセージに”クリストファー・ジョンソン・マッカンドレス”と自分の名を書き残して、両親の元に戻った時のことを思い浮かべながら息を引き取る。
__________

クリスの死の2週間後、ヘラジカ狩りの猟師が彼の遺体を発見する。

1992年9月19日。
妹カリーンは、クリスの遺灰を、アラスカから東海岸まで飛行機で運んだ。


解説 評価 感想 ■
1996年に発表された、ジョン・クラカワーの同名小説の映画化。

*(簡略ストー リー)
1990年。
名門校
エモリー大学を優秀な成績で卒業したクリストファー・マッカンドレスは、両親ウォルトとビリー、そして妹カリーンとの、しっくりこない食事を済ませる。
クリスは、学資預金2万4000ドルを”オックスファム”に寄付し、全てを捨てて旅立つ。
途中、所持金まで燃やしてしまった
クリスは、徒歩やヒッチハイクで旅を続ける。
その間、両親は、消息を絶った息子を探し始める。
そして、様々な人々との出会いを得た
クリスは、ついに目的地アラスカにたどり着くのだが・・・。
__________

自然に親しむことが好きだった訳でもない青年が、いかにして文明社会から逃避するか、そして、彼が、苦労しながら過去や未来を見つめる姿を、生々しくも大胆に描いたショーン・ペンは、当然のごとく若者の無謀さだけではなく、家族の絆や単調な日々を、人間らしく生き抜く尊さなども丹念に描いている。

製作に10年以上を費やし、自ら脚本も手がけた、ショーン・ペンの演出手腕が見所であり、アラスカにたどり着いた主人公が、息を引き取るまでの3ヶ月間の進行と、旅の行方を交互に見せていく展開も効果を上げ、編集のジェイ・キャシディアカデミー賞にノミネートされた。

第80回アカデミー賞では、その編集賞の他、助演男優(ハル・ホルブルック)にノミネートされた。

主人公が旅する各地の自然を、見事に映し出したエリック・ゴーティエの映像も実に美しい。

ロードムービーにマッチしたマイケル・ブルックカーキ・キングエディ・ヴェダーらの音楽も心地よい。

目的地アラスカで衰弱していく主人公を演ずるため、20キロ近く減量したエミール・ハーシュの熱演は見もので、大胆ではあるが、知的で思慮深く繊細な放浪青年を見事に演じている。

ミルク」(2008)でもショーン・ペンと共演していたエミール・ハーシュは、次代の実力派俳優として、今後も大いに期待できる。

彼の両親を演ずる、マーシャ・ゲイ・ハーデンウィリアム・ハート、兄の心境を察しながら語っていく妹のジェナ・マローン、放浪のヒッピー役、キャサリン・キーナーブライアン・H・ディアカー、豪快な農場主ヴィンス・ヴォーンコミューンで出会う少女クリステン・スチュワート、そして、上映2時間を前にようやく登場する、撮影当時81歳のハル・ホルブルックの、燻し銀の名演も見事で、sカデミー助演賞候補は誰もが納得するだろう。


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