ザ・エージェント Jerry Maguire (1996) 4.11/5 (28)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

チームやスポンサーとの契約で、スポーツ選手をマネーゲームの材料に利用し、その家族や周囲の人々を、人間として扱わない世界に嫌気が差した有能なエージェントが、本当の愛や選手との友情、そして信頼を手に入れるまでを描く、製作、監督、脚本キャメロン・クロウトム・クルーズキューバ・グッディングJr.レニー・ゼルウィガー共演によるヒューマン・ドラマの秀作。


ドラマ(ヒューマン)

トム・クルーズ / Tom Cruise 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:キャメロン・クロウ
製作
ジェームズ・L・ブルックス
リチャード・サカイ
ローレンス・マーク
キャメロン・クロウ
脚本:キャメロン・クロウ
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:ジョー・ハッシング
音楽:ナンシー・ウィルソン

出演
トム・クルーズ:ジェリー・マグワイア
キューバ・グッディングJr.:ロッド・ティドウェル
レニー・ゼルウィガー:ドロシー・ボイド
ジョナサン・リプニッキ:レイ・ボイド
ケリー・プレストン:エイヴリー・ビショップ
ジェリー・オコンネル:フランク・クッシュマン
ジェイ・モーア:ボブ・シュガー
ボニー・ハント:ローレル・ボイド
レジーナ・キング:マーシー・ティドウェル
エリック・ストルツ:イーサン・ヴァルヒアー
ボー・ブリッジス:マット・クッシュマン
ルーシー・リュー:元ガールフレンド
アート・モンク:本人
トロイ・エイクマン:本人
カタリナ・ヴィット:本人
ジャード・ジャシム:ディッキー・フォックス
ジェリー・カントレル:コピー・ショップの店員

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1996年製作 138分
公開
北米:1996年12月13日
日本:1997年5月17日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $153,620,822
世界 $273,552,592


アカデミー賞 ■

第69回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(キューバ・グッディングJr.)
・ノミネート
作品
主演男優(トム・クルーズ)
脚本・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

アメリカ、ナンバー1のスポーツ・エージェント会社SMIのエージェント、ジェリー・マグワイア(トム・クルーズ)は、高額な年棒やスポンサー契約に振り回されていた。

充実感はあるものの、選手の家族やファンを食い物にしている自分に嫌気が差したジェリーは、自らの理念を提案書にして全社員に配布する。

移動の飛行機で、同じ会社の経理部のドロシー・ボイド(レニー・ゼルウィガー)と一緒になったジェリーは、提案書に感激したことを伝えられる。

ドロシーは、提案書の件だけでなく、ジェリーに憧れを抱く女性だった。

上昇志向の恋人エイヴリー・ビショップ(ケリー・プレストン)との一時やバチェラー・パーティーを楽しんだジェリーは、週明けに出社して、同僚社員から提案書の件で”祝福”される。

その直後にジェリーは、クライアントである、NFLプレイヤー、ロッド・ティドウェル(キューバ・グッディングJr.)の妻マーシー(レジーナ・キング)に、契約の件で噛み付かれる。

その日のランチを、同僚ボブ・シュガー(ジェイ・モーア)と共にしたジェリーは、いきなり自分がクビだと言われてしまう。

焦ったジェリーは、ボブにクライアントを取られるのを阻止しようと、電話をかけまくる。

しかし、ジェリーは落ち目のロッドに時間をとられ、彼との契約は継続できたものの、72人いたクライアントはボブに奪われてしまう。

開き直ったジェリーは、新会社設立を宣言して会社を去ろうとする際、付いてくる者を募る。

誰も声を上げない中、ドロシーだけがジェリーに同調して、二人は不安を抱えながら会社を去って行く。

ドロシーは、”離婚女性会”を夜な夜な催す姉ローレル(ボニー・ハント)の家に、5歳の息子レイ(ジョナサン・リプニッキ)と暮らしている、夫を亡くしたシングルマザーだった。

ジェリーは、負け犬になるなと恋人エイヴリーに渇を入れられ、カレッジ・フットボールのスター選手である、フランク・クッシュマン(ジェリー・オコンネル)の元に向かう。

フランクの父マット(ボー・ブリッジス)と話をつけたジェリーは、独立直後は上々の滑り出しとなる。

しかし、ジェリーはロッドを伴いNFLのドラフト会議に向かい、またしても彼の相手をしている隙に、 ボブがマットを丸め込みフランクと正式契約を結んでしまう。

エイヴリーはそのことを非難し、別れ話を切り出したジェリーを負け犬呼ばわりして、彼を殴り倒して去っていく。

ジェリーは、話が壊れる際に、いつも絡んでいるロッドに愚痴をこぼすが、彼を恨む訳にもいかない。

破滅を覚悟するジェリーだったが、自分を信頼する楽天家のロッドを見て何とか持ち応える。

そんなジェリーをドロシーが自宅に招くが、離婚経験者の姉ローレルは、ハンサムな彼を警戒する。

ジェリーがエイヴリーと別れたことを知ったドロシーは、不安を抱えながらも、ローレルに彼を愛しているかを聞かれる。

そんなドロシーは、酔ってはいたものの一瞬ジェリーに迫られるが、焦らずに彼を支える努力を心がける。

ロッドとカージナルスとの契約が難航するジェリーは、彼の態度が悪いことをチーム側から指摘され、 それをロッドに改めさせようとする。

たった一人のクライアントのために、形振りかまわず全力を尽くすジェリーとロッドの間には、ビジネス以上の友情が芽生え始める。

ドロシーの息子レイも、父親に接するようにジェリーに懐き、彼女はそれを見て感激してしまう。

ジェリーとドロシーはディナーを共にし、別れ際、彼女に苦労させているジェリーは、遠慮がちな態度をする。

しかし、ドロシーから積極的にジェリーにキスし、二人は求め合い、そして結ばれる。

翌朝、ローレルも現実を受け止めてジェリーを歓迎し、彼とドロシーは、ロッドの契約内容の連絡を待つ。

そして、考えもしなかった低い契約金額がロッドに提示され、彼の妻マーシーは、ジェリーに怒りをぶつける。

それを見たドロシーは、金欠のジェリーが、ただ働きで必死に行動していることをマーシーに伝えて、彼女を黙らせてしまう。

冷静になったマーシーは、その契約でプレーして、来年フリー・エージェント宣言することをロッドに提案する。

ロッドは、マーシーの意見を素直に聞き入れて固く抱き合うのだが、怪我をしたら終わりだとジェリーは忠告する。

相変わらず楽天家のロッドは、ジェリーとの信頼関係を確認して、自分達の考えを押し通してしまう。

ドロシーは、ジェリーの負担になると言って、サンディエゴに引っ越すことを考えるが、彼は引き止めようとする。

そんな時、傲慢で横柄なロッドは、CM撮影を自ら降りてしまい、仕事の話をしたがらないジェリーとは、ドロシーの話になる。

そしてロッドは、ジェリーがドロシーに愛情を抱いていないことを見抜いてしまう。

ジェリーは金銭的に苦境に立たされてしまい、ドロシーは仕方なくサンディエゴ行きを決意する。

しかし、ジェリーは、彼女に対しての責任と同情心から、結婚を申し込んでしまう。

ローレルに、ドロシーを不幸にしたら殺すと”忠告”された、ジェリーの心中は複雑だった。

式の最中浮かない表情をしているジェリーに、ドロシーやロッドは気づいていた。

やがてシーズンは始まり、満身創痍のロッドに、自分達の結婚生活を心配されたジェリーは、逆に、巨額の契約金を取れないのは、雇われ人意識のせいだとロッドに指摘する。

そしてジェリーは、”自分のハートでプレーしろ!”とロッドを発奮させようとするが、彼は憤慨して絶交すると言い放つ。

その後ロッドは、生まれ変わったよような大活躍をし始める。

そんな時ドロシーは、ロッドとマーシーの愛し合う姿を見て、自分とジェリーには欠けているものを感じる。

ドロシーは、ジェリーを巻き込んだことを後悔して、彼に別れ話を切り出す。

ジェリーは苦しんだ末に、何も言わずにロッドの遠征先に向い、彼に歩み寄ってきたボブを追い払い、二人のわだかまりは消える。

ロッドは、プレーオフのかかった試合で、ハードタックルを受けて気を失ってしまう。

フィールドに向ったジェリーは、心配するマーシーに電話を入れる。

やがて、意識を取り戻したロッドは、大観衆の歓声を浴び、はしゃぎまわりおどけてみせる。

試合は、ロッドの活躍でカージナルスが勝利し、彼はついに栄光を手に入れる。

ロッドはマスコミに囲まれるが、ジェリーを見つけて二人は固く抱き合う。

マーシーからの電話に、ロッドが泣きながら答える姿を見たジェリーは、ドロシーの元に向かう。

そして、ドロシーの元に戻ったジェリーは、ローレルらの”離婚女性会”のメンバーの前で、仕事の成功は収めたが”君がいて僕を完璧にする”と、彼女に愛を告げて抱きしめる。

その後、ロッドはテレビ出演の最中、4年1120万ドルでチームと契約が成立し、人目をはばからず、興奮して感激の涙を流し、全ての人々とジェリーへの感謝を伝える。

そして、ジェリー、ドロシーとレイは新しい人生のスタートを切る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

全てが金と契約で支配されている世界にを見限った、優秀なスポーツ・エージェントのジェリー・マグワイアは、その理念を書面にして全社員に配布した結果、クビになってしまう。
落ち目のプロ・フットボーラー、ロッド以外のクライアントを失ったジェリーは開き直り、彼に同調した同僚ドロシーと独立する。
ロッドはジェリーを信頼するが、彼に気を取られている隙に、ジェリーは大物新人も取り逃がしてしまう。
さらに、ジェリーに好意を抱く、献身的なドロシーの存在も、親密になるほどに、彼には大きな負担になっていく・・・。
__________

クライアントを失ったエージェント、クビになった彼に賛同する女性、そして、契約選手の三人を中心に、それぞれの人生模様や心の動きなどを、脚本を兼ねる監督キャメロン・クロウは繊細に描き切っている。
結ばれて幸せなはずの、ジェリーとドロシーの噛み合わない関係を、荒削りな男だが”愛の達人”であるクライアントのロッドが、やんわりと干渉するあたりの演出は見事だ。

元「ローリング・ストーン」誌の記者だったキャメロン・クロウらしい、ブルース・スプリングスティーンエルヴィス・プレスリーポール・マッカートニーボブ・ディランザ・フーらの曲をちりばめた、全体の音楽構成も素晴しい。

第69回アカデミー賞では、助演男優賞(キューバ・グッディングJr.)を受信した。
・ノミネート
作品
主演男優(トム・クルーズ)
脚本・編集賞

北米興行収入は約1億5400万ドル、全世界では約2億7400万ドルのヒットとなった。

同年の「ミッション:インポッシブル」(1996)で、アクション・スターとしての魅力も見せてくれたトム・クルーズは、演技派としての実力を十分発揮し、アカデミー主演賞にノミネートされる熱演を見せてくれる。
喜びや悲しみなど、全てにおいて円熟の演技を見せるトム・クルーズだが、特に、本意でないプロポーズをするシーンの表情が素晴らしい。

ア・フュー・グッドメン」(1992)や「アウトブレイク」(1995)などで、既にキャリアを積んでいたキューバ・グッディングJr.の出色の熱演は見もので、自信過剰で傲慢だが、家族思いで友情に厚い、人間味溢れるプロ・フットボーラーを演じ、見事にアカデミー助演賞を受賞した。

その受賞の際のスピーチは、作品中の契約が決まったシーンを思い起こさせる興奮で、会場から大喝采を受けた。
http://jp.youtube.com/watch?v=cnCMqr1QRQw
優秀なエージェントとしてモテモテのジェリーだが、本当の愛を知らないのを悟り、説得力ある助言で彼を励ますシーンも印象的だ。

本作をきっかけに、スターへの道を歩み始めるレニー・ゼルウィガーも、5歳の子供を抱え、恋に積極的になれない女性を見事に演じている。
本作で彼女を始めて知り、派手さのない顔立ちと泣き顔に親しみを感じて、ファンになった方は多いはずだ。

”離婚者の会”なる会合を夜な夜な催し、妹の恋を心配するボニー・ハント、ロッド(C・グッディングJr.)を励ます強い妻レジーナ・キング、”負け犬”を嫌う主人公の元恋人ケリー・プレストン、強かな若手エージェント、ジェイ・モーア、彼に寝返り主人公を裏切る有力選手ジェリー・オコンネル、その父親ボー・ブリッジス、主人公の同級生役で一瞬登場するエリック・ストルツ、コピー・ショップ店員ジェリー・カントレル、愛嬌たっぷりの、ドロシー(R・ゼルウィガー)の息子ジョナサン・リプニッキなどが共演している。

プロ・フットボールのスター、アート・モンクトロイ・エイクマン、フィギアスケートの金メダリスト、カタリナ・ヴィット他多数のプロ・スポーツ選手が本人役で出演している。

また、度々登場し、エージェントの教訓を伝授するスポーツ・エージェントの草分け的存在ディッキー・フォックスは、ソニー・ピクチャーズで副社長を務めたジャード・ジャシムが演じた。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター