K-19: The Widowmaker (2002) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

米ソ冷戦時、ソ連の原子力潜水艦”K-19”で実際に起きた放射能事故を基に描く、製作、監督キャスリン・ビグロー、製作総指揮、主演ハリソン・フォードリーアム・ニーソンピーター・サースガード他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:キャスリン・ビグロー
製作
キャスリン・ビグロー

エドワード・S・フェルドマン
シガージョン・サイヴァッツォン
クリス・ウィテカー
製作総指揮
モリッツ・ボーマン

ガイ・イースト
ハリソン・フォード
ナイジェル・シンクレア
フォルカー・シャウツ
ディーター・ノッベ
原案:ルイス・ノウラ

脚本:クリストファー・カイル
撮影:ジェフ・クローネンウェス

編集:ウォルター・マーチ
音楽:クラウス・バデルト

出演
アレクセイ・ボストリコフ艦長:ハリソン・フォード

ミハイル・ポレーニン副長:リーアム・ニーソン
ヴァディム・ラドチェンコ:ピーター・サースガード
パベル・ロクテフ:クリスチャン・カマルゴ
ユーリ・デミチェフ:スティーヴ・ニコルソン
アイゴール・ススロフ:ラビル・イスヤノフ

ゲンナジー・サヴラン軍医:ドナルド・サンプター
ゼレンツォフ国防相:ジョス・アクランド
ブラティエフ提督:ジョン・シュラプネル

アメリカ/イギリス/ドイツ 映画
配給
パラマウント・ピクチャーズ (北米)
コンスタンティン・フィルム(ドイツ)
UIP(イギリス)
2002年製作 138分
公開
北米:2002年6月19日
イギリス:2002年10月25日
ドイツ:2002年9月5日
日本:2002年12月14日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $35,168,966
世界 $65,716,126


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1961年。
ソ連は世界を2回、アメリカは10回破壊できる核兵器を所有していた。

両国は更に核軍備を増強し、アメリカは原子力潜水艦を出動させて、モスクワレニングラードを射程距離に捉えた。

一触即発となった事態の中で、どちらが先制攻撃を仕掛けるかという情況となった。

ソ連の原子力潜水艦”K-19”で核弾道ミサイルの発射シュミレーションが行われる。

艦長のミハイル・ポレーニンリーアム・ニーソン)は発射にし失敗して責任を追及されるものの、整備の不備を指摘して苛立ち、建造中の”K-19”の艦橋から外部に出て気を落ち着かせる。

モスクワ
K-19”の艦長に任命されたアレクセイ・ボストリコフハリソン・フォード)は、単なる訓練でないアメリカの脅威に対抗する破壊兵器があることを示す作戦の指揮をゼレンツォフ国防相(ジョス・アクランド)から命ぜられる。

艦長のポレーニンが副官になることをボストリコフは知らされる。

コラ半島
K-19”に乗り込んだボストリコフは、ポレーニンに艦内を案内される。

原子炉区域担当官が居眠りをしていることを知ったボストリコフは、代わりを手配するようポレーニンに命ずる。

無能な整備員や不良部品のことを指摘し不満を訴えるポレーニンに対し、ボストリコフは予定は変えられないとだけ伝える。

司令官ブラティエフ提督(ジョン・シュラプネル)らの前で、世界最高の潜水艦に乗り込める栄誉を語るボストリコフは、祖国の期待に応えるよう乗組員に伝える。

進水式が始まるが、艦体に当たったボトルが割れなかったため、乗組員は不吉な予感を感じる。

乗艦したボストリコフは、着任した原子炉担当官のヴァディム・ラドチェンコ(ピーター・サースガード)が、訓練学校を出たての未経験者だと知る。

成績はトップだと言うラドチェンコだったが、ポレーニンは不安を隠せない。

司令部が選んだ人材なので大丈夫だと、ポレーニンボストリコフに言われる。

原子炉に向かったラドチェンコは、パベル・ロクテフ(クリスチャン・カマルゴ)に人員を紹介され区域内を案内される。

出航準備は始まり軍医が事故で死亡し、ポレーニンは、艦が”ウィドウ・メーカー”という不名誉なニックネームで呼ばれていることをボストリコフに伝える。

その後、船酔いすると言うゲンナジー・サヴラン軍医(ドナルド・サンプター)が、ボストリコフに着任許可を求める。

ゼレンツォフ国防相とブラティエフ提督らが見守る中、”K-19”は出航する。

その後ボストリコフは、潜水して電気系統故障の訓練を行う。

党の政治局員アイゴール・ススロフ(ラビル・イスヤノフ)に指揮官交代を同情されたポレーニンは彼を警戒する。

翌日も早朝から訓練は始まり、ススロフはアメリカ社会を批判するプロパガンダ教育をする。

凍結現象を起こしながらも魚雷移動訓練を行うボストリコフは、事故で2名が負傷したという報告を受ける。

ボストリコフは軍医を呼び訓練を再開させ、ポレーニンが自らそれを行う。

乗組員の中に不満を訴える者がいるかを確認したポレーニンだったが、名乗り出る者がいなかった。

ボストリコフは、幹部が士官に手本を示さないことが士気の低下につながることを伝える。

ミサイル発射海域に近づいたたため、ボストリコフは作戦最大深度まで潜水するよう命ずる。

圧壊深度だと指摘するポレーニンの意見を聞いただけのボストリコフは、後部発射管室浸水を想定して緊急浮上させる。

海面が凍結していると言うポレーニンの、安全深度保持の要請を却下したボストリコフは浮上を続行させる。

艦は氷を突き破り海面に浮上し、動揺するポレーニンは部屋に閉じ籠ってしまう。

ボストリコフは、テスト・ミサイル発射を水雷長ユーリ・デミチェフ(スティーヴ・ニコルソン)に命ずる。

準備は始まり、モスクワの許可が下りたことを確認したボストリコフはロックを解除し、ミサイルの燃料注入が修了する。

ボストリコフの指示でカウントダウンが始まり、ミサイルの発射は成功する。

ススロフは歴史に残ると言ってボストリコフを祝福し、乗組員は喜ぶ。

ポレーニンの部屋に向かったボストリコフは、部署を離れたことを報告するとだけ伝えて立ち去る。

自分も報告すると言うポレーニンは、艦と2億の国民を必要のない危険にさらしたボストリコフを批判する。

艦と乗組員の限界を知る必要があったと反論するボストリコフは、今回の体験で自信を持ったことが重要であり、本当の敵を前にした際に生死を懸けて任務が遂行できるとボストリコフは言い切る。

ラッキーだったと言うポレーニンは、失敗する時が恐ろしいと伝える。

その後、原子炉に滓が溜まっていることを気にするラドチェンコは、それをボストリコフに知らせる。

モスクワからの賛辞を乗組員に伝えたボストリコフは、アメリカ東海岸のミサイル管制の任務を命ぜられたことを知らせて、非常態勢を常時保つよう指示する。

ボストリコフに殺されかけたとポレーニン話すデミチェフは、彼が艦長であると言って信頼する。

平静を保とうとするポレーニンボストリコフに呼ばれ、ワシントンD.C.ニューヨークを射程距離にできる海域に向かうことを知らされる。

その頃、原子炉に異変が起き圧力が低下し、ラドチェンコは冷却水が漏れていることに気づく。

冷却水ポンプの過電力が気になっていたことを、ロクテフからその時点で知らされたラドチェンコは苛立つ。

他の冷却システムも使えず炉心温度は上昇する。

事故の報告を受けたボストリコフは、任務続行不可能と考えるポレーニンの意見は聞かず、解決して任務を遂行することを伝えて浮上させる。

原子炉に向かったボストリコフは、漏れは密閉室の中であることをラドチェンコから知らされ、温度上昇1000度に達した時点で何かが起きると言われる。

放射能漏れの危険が生じ、炉心が溶解して熱核爆発が起きるまでに3~4時間かそれ以下とも知らされる。

階級に関係なく必要人員を集めて問題を解決するよう、ラドチェンコはボストリコフに命ぜられる。

乗組員全員を起こしたボストリコフは、艦内放送で事故を伝える。

対策会議が開かれ、ロフテクから積載する30トンの真水を冷却に利用する提案をされたポレーニンは、艦内の図面を確認する。

浮上した後、ボストリコフは艦隊司令部と連絡を取ろうとするが通信不能だった。

エア・パイプで冷却水を炉心に運び真水を注入する方法が成功しなければ、広島以上の核爆発が起きるとラドチェンコは指摘する。

デミチェフは避難するべきだと発言するが、ボストリコフは艦を捨てる気のないことを伝えて作業の準備をさせる。

交信アンテナがショートしていることが分かったボストリコフは、原子炉班に10分交替で中に入り作業するよう指示し、副官であるポレーニンの志願を却下する。

ケミカル・スーツしかないことを知ったポレーニンは、それで防げると言うしかなく、彼は最初に原子炉に入るロクテフらに作業の許可を出す。

炉心温度は725度まで上がり、作業を交代して出て来たロクテフらの症状を見たラドチェンコは驚く。

サヴラン軍医はその被爆状況を確認して言葉を失うが、ポレーニンが数値は低かったと言って部下を安心させる。

怯えるラドチェンコは原子炉に入ることができず、代わりにチーフ・エンジニアのヴィクトール・ゴレロフが内部に向かう。

ポレーニンはラドチェンコが入らなかったことを知り失望し、ボストリコフは艦内の放射能濃度を測定させる。

その後、炉心温度は925度になり、作業は終了して冷却水が注入される。

炉心温度は下がり始め、ボストリコフは危機を乗り越えたことを艦内放送で部下に伝え、ゴレロフらのお蔭だと語る。

ボストリコフは帰還するための命令を出すが、速度が出ないために何日かかるかわからないことをポレーニンはデミチェフに伝える。

艦内は放射能で汚染され、食料は缶詰と密閉食品だけを食べるようボストリコフは指示する。

艦を最低人数で動かし残りの者はデッキに上がるよう指示したボストリコフは、”ヤンマイエン島”のNATO基地のアメリカ軍に連絡するべきだと言うポレーニンの意見を却下する。

交信不能であるため捜索が来るというボストリコフに対し、再び考慮せずに断定で済ますのかと言ってポレーニンはその場を去る。

その後、アメリカ海軍の駆逐艦が接近して救援を申し出るが、ボストリコフはそれを断る。

艦を自沈させて救援を要請すべきだと言うポレーニンとススロフに対し、国益を優先すると答えるボストリコフは、相手を”敵”とみなし駆逐艦のモニターを止めさせる。

放射能濃度は上がり、このままでは全員が死ぬと考えたデミチェフは、党から指揮官交代の権限を与えられているススロフに、放射能汚染で判断能力を失っている艦長の指揮では全滅すると伝える。

冷却パイプの溶接部分から水が漏れていることに気づいたラドチェンコは、それをデミチェフに伝える。

ボストリコフは緊急潜航を指示し、デッキにいた乗組員は艦内に戻るが、それを拒否した一人が海に飛び込む。

デミチェフは、アメリカの駆逐艦がまだ援助する気があるかを確かめる。

スーツを着たラドチェンコは原子炉に入る。

取り乱した乗組員が暴れたため火災事故が発生し、消火システムを作動させるようボストリコフは命ずる。

不可能だと言うポレーニンが消火作業に従おうとしないため、ボストリコフは自ら現場に向かおうとする。

それを制止したポレーニンは、艦長がこの場を離れたら自分が救助を要請すると伝えて消火に向かう。

潜航命令を出したボストリコフだったが、デミチェフに銃を向けられて、党の権限で指揮権を剥奪するとススロフに言われる。

デミチェフとススロフは、アメリカの駆逐艦に救助要請を出すよう通信士に指示する。

消火作業を終えたポレーニンは負傷者を運び、デミチェフらから艦長の権限を与えられる。

しかし、デミチェフから銃と手錠の鍵を受け取ったポレーニンは彼らを逮捕して監禁し、ボストリコフを解放して消火作業の報告をする。

命令ではなく頼むように伝えることをポレーニンに指示されたボストリコフは、乗組員に危機的状況を伝え、潜行して原子炉の修理を行うことに対しての答えを問う。

乗組員は艦長の指示に従うことをボストリコフに伝え、ポレーニンは潜航命令を出す。

炉心温度は760度に上昇し、ラドチェンコはマスクを外しながら冷却パイプの溶接作業を進める。

何んとか修理を終えたラドチェンコは、その場に倒れ込む。

ラドチェンコと連絡がとれないボストリコフは原子炉に向い、彼が18分も中に入っていることを知りその場に向かう。

倒れていたラドチェンコを見つけたボストリコフは、彼を運び出して重症だと伝え、炉心温度が下がり始めていることを知らされる。

浮上を命じたボストリコフは、アメリカの駆逐艦に支援依頼をするよう指示する。

乗組員にその働きぶりを称える言葉を伝えたボストリコフは、党や自分は誇りに思うと語る。

ラドチェンコに声をかけられたボストリコフは、修理箇所は無事であり英雄だと伝える。

全員が英雄だと言うボストリコフは、アメリカに救援を要請したことを伝え、離艦用意をさせる。

モスクワ
ゼレンツォフ国防相に呼び出され、KGBに今回の件で責任を問われるブラティエフ提督は、ボストリコフの国家への忠誠心の高さを語るが、収容所送りになった父親のことを追及される。

制服を着たボストリコフは、乗組員が離艦した後に艦を沈めることをポレーニンに伝える。

その必要がないと言うポレーニンは、味方の潜水艦S270が救援に来ることを知らせる。

艦からの退避をモスクワに却下されたボストリコフは、それを無視して乗組員を離艦させることをポレーニンに伝え、軍歴の終わりを覚悟する。

乗組員は救援に来た潜水艦に移り、連行されるデミチェフから自分の艦だと言われたポレーニンは、地位は失ったが誇りは保ったと語り、君は両方を失ったと伝える。

運ばれるラドチェンコに婚約者の写真を渡したボストリコフは、それが見えないと言う彼を見守る。

なぜ指揮を執らなかったとボストリコフに聞かれたポレーニンは、やり方が間違っていると答える。

救援の潜水艦の艦長に迎えられたボストリコフは、”亡命者”呼ばわりしている司令部が、乗組員の証言を取ろうとしていることを知らされる。

司令部に戻ったポレーニンは、犯罪者のように尋問を受ける乗組員とボストリコフを擁護する。

1989年、モスクワ
ボストリコフは、”ベルリンの壁”崩壊を伝えるニュースを見ていた。
__________

事故の件では無罪になったボストリコフだったが潜水艦勤務は最後となり、乗組員は何も語らぬことを誓わされた。

原子炉に入った7人は事故発生から数日後に亡くなり、数年間で20人以上が命を落した。

生存していた乗組員は、ソ連崩壊後に初めて亡き友を弔い事件のことを語り始めた。
__________

再会したボストリコフポレーニンは、28年ぶりに乗組員が集まっている墓地に向う。

英雄として認められなかった犠牲者を称えたボストリコフは、彼らの行いは海軍や国のためでなく仲間達のためだったと語り献杯する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1961年。
ソ連の原子力潜水艦”K-19”の艦長に着任したアレクセイ・ボストリコフは、元艦長ポレーニンを副官にして、核軍備を増強するアメリカに対抗するための任務に就く。
自分の判断を信じ他の意見を聞かないボストリコフは無謀な訓練を続け、ポレーニンや乗組員の反感を買う。
強硬措置を取りながらテスト・ミサイル発射に成功したボストリコフだったが、原子炉の冷却水漏れが確認されて緊急事態となる。
担当官のラドチェンコらに被爆を伴う作業を命じたボストリコフは、緊迫する状況下で潜行しながら対処するのだが・・・。
__________

ハリソン・フォードリーアム・ニーソンという大物スターの共演と、何といってもキャスリン・ビグローのその後の活躍もあり、公開時よりも今の方が注目度が高い作品とも言える。

米ソ冷戦時に実際に起きた事件を基に描いた作品ではあるが、よく似たシチュエーションのドラマはいくつかあり、事実を基にしたという以外はそれほど新鮮味もない内容の作品でキャスリン・ビグローの演出も単調だ。

役名”アレクセイ・ボストリコフ”の主人公ニコライ・ザテエフ艦長を演ずるハリソン・フォードは、いつもながらの貫録の演技で観客を納得させる。

しかし、実際の本人は当時30代半ばで、初老に見える彼は司令官以上の人物に思えて実戦指揮官の年令ではない。
もう少し若い役者に演じさせ、ハリソン・フォード以上の熱演を見せる副官役のリーアム・ニーソンと対決させてほしかった。
ハリソン・フォードニコライ・ザテエフに似ているだけで選ばれたのでは・・・ということもないだろうが。

ビッグネームの共演、製作費に1億ドルをかけた大作にも拘わらず、北米興行収入は3500万ドル、全世界でも約6600万ドルという結果に終わった。

最初の作業で怯えるものの、その後に艦を救う原子炉担当官ピーター・サースガード、その部下クリスチャン・カマルゴ、反乱を起こす水雷長スティーヴ・ニコルソン、同じく政治局員ラビル・イスヤノフ、軍医ドナルド・サンプター、国防相ジョス・アクランド、司令官のジョン・シュラプネルなどが共演している。


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