モールス Let Me In (2010) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

2004年に発表された、ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの小説”Let the Right One In”を基に、彼自身の脚本により製作されたスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008)のリメイク。
孤独な少年とヴァンパイアの少女の親交を描く、監督、脚本マット・リーヴス、主演コディ・スミット=マクフィークロエ・グレース・モレッツリチャード・ジェンキンスイライアス・コティーズ他共演のホラー。


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト
監督:マット・リーヴス
製作
サイモン・オークス
アレックス・ブラナー
ガイ・イースト
トビン・アーンブラスト
ドナ・ジグリオッティ
カール・モリンダー
製作総指揮
ナイジェル・シンクレア
ジョン・パーク・フィリップ
エルウェイ・フレドリック・モームバーグ
原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストLet the Right One In
脚本:マット・リーヴス
撮影:グレイグ・フレイザー
編集:スタン・サルファス
音楽:マイケル・ジアッキーノ

出演
オーウェン:コディ・スミット=マクフィー
アビー:クロエ・グレース・モレッツ
トーマス:リチャード・ジェンキンス
オーウェンの母:カーラ・ブオノ
刑事:イライアス・コティーズ
ゾリック:リッチー・コスター
ヴァージニア:サーシャ・バレス
ラリー:ディラン・ケニン
ケニー:ディラン・ミネット
ジャック:クリス・ブラウニング
マーク:ジミー・ピンチャク

アメリカ/イギリス 映画
配給
Overture Films
レラティビティ・メディア
(北米)
パラマウント・ピクチャーズ
Icon Productions
(イギリス)
2010年製作 116分
公開
イギリス:2010年11月5日
北米:2010年10月1日
日本:2011年8月5日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $12,134,400
世界 $24,145,610


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1983年3月、ニューメキシコ州、ロス・アラモス
高濃度の酸を浴びたと思われる50代の男性が、救急車で運ばれる。

男性は、有毒ガスにより気道が損傷し、血圧、心拍数は不安定だった。

犯罪に関与した可能性があるため、男性はパトカーの先導で搬送される。

事件を担当する刑事(イライアス・コティーズ)は、治療を受けて話せる状態でない男性から、何んとか身元を聞き出そうとする。

悪魔崇拝者かカルト教団の一員かを尋ねた刑事は、仲間がいるとしたら全員逮捕することを伝える。

看護師に呼ばれた刑事は電話を受けて、男性の娘が受付にいることを知らされる。

病室から看護師が叫び声をあげたため、刑事はその場に向い、男性が窓から飛び降りたことを確認する。

刑事がその場に置いてあったメモには、”すまない、アビー”という言葉が残されていた。

2週間前。
信心深い母(カーラ・ブオノ)と二人暮らしだった12歳の少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は、学校でいじめに遭っていることを話すことができなかった。

隣人の家を望遠鏡で覗き見していたオーウェンは、雪が積もっているにも拘らず、裸足で歩く少女アビー(クロエ・グレース・モレッツ)が、初老の男性トーマスと共に同じアパートの隣の部屋に越して来たことを知る。

翌朝、学校に登校しようとしたオーウェンは、アビー裸足の足跡と、彼女の部屋の窓が塞がれていることに気づく。

その日も、クラスメイトのケニー(ディラン・ミネット)にいじめられたオーウェンは、彼に対し殺意を抱く。

その夜、アパートの中庭でアビーと話す機会があったオーウェンは、友達にはなれないと言われる。

ある男性の車に忍び込んだトーマスは、彼を殺害して林に連れて行く。

男性を木に逆さ吊りにしたトーマスは、彼の血液を抜いて入れた容器を落し、それが街道まで転げ落ちてしまい、車が現れたために焦る。

部屋に戻ったオーウェンは、トーマスがアビーに責められている会話を聴いてしまう。

翌日、登校したオーウェンは、刑事と警察官が集まっていることに気づく。

行動に集合した生徒達は、卒業生が殺されたことを知らされ、警察が情報収集をしていることを知らされる。

その夜、いつものようにアパートの中庭にいたオーウェンは、現れたアビーに話しかけられる。

持っていた”ルービック・キューブ”を知らないアビーに、オーウェンはそれを渡す。

やり方を教えてもらったアビーは、変な臭いだと言われ、裸足で寒くないのかとオーウェンに訊かれる。

寒さは感じないと答えるアビーは、オーウェンが去った後で体調に異変を感じる。

その後、通路でうずくまっていたアビーは、現れた隣人のジャック(クリス・ブラウニング)に、転んだと伝えて助けを求める。

抱きかかえられたアビーは、ジャックに襲いかかって血を吸う。

部屋にいたオーウェンは隣の物音に気づき、その後トーマスが出かける姿を確認する。

トーマスは、アビーが殺害したジャックの死体を川に捨てる。

翌朝オーウェンは、ジャングルジムの上に置いてあった”ルービック・キューブ”が完成されていることを知る。

その夜、再びアビーに会ったオーウェンは、どうやって”ルービック・キューブ”を完成させたのかを訊く。

ただ回しただけだと答える、清潔な身なりになりブーツも履いたアビーから自己紹介されたオーウェンは、年令や誕生日は分からないと言われる。

それを不思議に思うオーウェンは、誕生日のプレゼントももらわないと言うアビーに、”ルービック・キューブ”を渡そうとする。

遠慮したアビーは、どうやって完成させたのかを再び訊かれたため、それをオーウェンに教える。

翌日、学校でモールス信号を書き写していたオーウェンは、何をしていたのかをケニーに訊かれる。

それを拒んだオーウェンは、棒で頬を殴られて傷つけられる。

転んだと言うようにとケニーに脅されたオーウェンは、帰宅してそれを母親に伝える。

その後、アビーに会ったオーウェンは、壁越しに話すために書いたモールス信号のメモを渡す。

自分達の会話を聞いたのかをオーウェンに尋ねたアビーは、”父親”を責めていた理由を訊かれる。

母親は死んだと言うアビーに、自分の両親は離婚すると伝えたオーウェンは、傷のことを訊かれて学校でやられたと答える。

学校で見かけないと言われたアビーは、いじめる相手にやり返すべきだとオーウェンに伝える。

相手が三人なので無理だと答えるオーウェンに、全力で抵抗すれば諦めると言うアビーは、ナイフなどを使ってもダメなら自分が助けることを約束する。

女の子なので無理だと言われたアビーは、思っている以上に強いとオーウェンに伝える。

部屋に戻ったアビーは、その場にいたトーマスを追い出して、壁を叩きオーウェンに信号を送る。

翌日、放課後のトレーニングに参加したいことを教師のゾリック(リッチー・コスター)に伝えたオーウェンは、それを許可される。

母の財布から現金を持ち出したオーウェンは、アビーを誘ってゲームセンターに向かう。

いつも食べているキャンディ”Now and Later”を買ったオーウェンは、それをアビーあげようとする。

アビーはそれを断るが、一つ食べてみる。

店を出て吐いてしまったアビーを抱きしめたオーウェンは、自分のことが好きかを彼女に問われる。

好きだと答えたオーウェンは、女の子でなくてもその気持ちのままでいてくれるかをアビーに問われ、疑問に思いながらも、同じ気持ちだろうと伝える。

アパートに戻り、母に食事だと言われて呼ばれたオーウェンは、アビーと別れて家に戻る。

部屋に戻ったアビーは、トーマスに優しく接するが、今後オーウェンには会うなと言われる。

その後、出かけたトーマスは、ある車に忍び込み、ガソリンスタンドに寄っている間に、助手席にいた青年に気づかれて襲いかかる。

青年を殺したトーマスは車を奪って逃走しようとするものの、土手の下に落ちて車体は横転する。

車の持ち主が近づいてきたため、トーマスはアビーと呟きながら、用意してあった硫酸を浴びる。

地元の学校の卒業生殺人事件に関与したと思われる、身元不明の男が逮捕され、酸を浴びて病院に収容されたことがラジオのニュースで伝えられる。

それを聴いたアビーは病院に向い、”父親”が収容されたことを受付で伝えるが、面会できないと言われてその場を去る。

対応した看護師は、病室にいる刑事にそのことを伝える。

病室の窓からトーマスに話しかけたアビーは、寄り添う彼の首に噛みついて血を吸う。

トーマスは、落下して死亡する。

連絡を受けた刑事は、看護師の叫び声を聞いて病室に向い、トーマスが落下死したことを知る。

窓の外で隠れていたアビーは、その場から姿を消す。

眠っていたオーウェンに窓から声をかけたアビーは、入っていいと言われる。

全裸になりベッドに入ったアビーは、付き合ってほしいとオーウェンに言われたため、女の子ではないことを伝える。

それなら何なのかと訊かれたアビーは何者でもないと答え、今のままではいけないのかとオーウェンに問う。

付き合ったら何か特別なことをするのかとオーウェンに尋ねたアビーは、何も変わらないと言われる。

オーウェンは、それならば付き合うとアビーに言われる。

翌朝、アビーがいないことに気づいたオーウェンは、”去って生きるか、留まって死ぬか”という彼女が残したメモに気づく。

ゾリックに引率されて凍った川に向かったオーウェンら生徒は、ホッケーとスケートを楽しむことになる。

ケニーに脅されたオーウェンは、何かしてきたら棒で殴ると言い返す。

棒を奪われそうになったオーウェンはケニーを殴ってしまい、ゾリックがそれに気づく。

生徒達が叫び始めたためにその場に向かったゾリックは、ジャックの死体を発見して警察に通報する。

学校で注意を受けたオーウェンは帰宅し、刑事が現れたために母を呼ぶ。

同じアパートの住人に関する事件のことで話をしたいと刑事に言われた母親は、オーウェンを部屋に向かわせる。

オーウェンは、隣人のジャックの部屋が捜査されていることを知る。

部屋にいたアビーは、誰かがドアをノックすることに気づく。

刑事は、応答がないためにその場を去る。

その夜、アビーに会ったオーウェンは、ケニーに仕返しをしてやったことを伝える。

アビーにキスされたオーウェンは、友人が住んでいた秘密の部屋に向かう。

オーウェンが誓いを交わすと言ってナイフで指を切ったため、流れ落ちた血を見たアビーは、それを吸ってヴァンパイアに変身する。

消えるようにとオーウェンに言ってその場から去ったアビーは木に登り、通りがかった隣人女性ヴァージニア(サーシャ・バレス)に襲いかかる。

ヴァージニアの恋人ラリー(ディラン・ケニン)はアビーを追うが、彼女は塀を飛び越えて逃げる。

母親が眠っていたために父親に電話をした動揺するオーウェンは、人は邪悪になれるか尋ねる。

おかしなことを言うオーウェンを落ち着かせた父親は、宗教に傾倒する妻のせいだと考える。

父親に、苦しい胸の内を伝えられないオーウェンは涙する。

アビーの部屋に向かったオーウェンは、ヴァンパイアであるのかを尋ねる。

生きるために血が必要だと答えるアビーに年齢を訊いたオーウェンは、以前からずっと12歳だと言われる。

トーマスが父親ではないと言われたオーウェンは、子供時代のトーマスの写真に写るアビーが、今と同じだと言うことに気づく。

帰ろうとするオーウェンに、友達にはなれないと言ったはずだとアビーは伝える。

病院に向かった刑事は、一命を取り留めたヴァージニアに付き添っていたラリーから、襲った少女の話を訊く。

殺人事件の容疑者(トーマス)の似顔絵を見せられたラリーは、アパート内で見たような気がすると刑事に伝える。

刑事は、別の殺人事件で、血液が完全に抜かれた、首に子供が噛んだ歯の痕がある死体が発見されたことを話す。

ヴァンパイアと化していたヴァージニアは、自分の腕に噛みついていたが、看護師がカーテンを開けたために、陽の光を浴びて燃え尽きる。

母親が留守だったために食事をしようとしたオーウェンは、現れたアビーを部屋に入れる。

オーウェンが招き入れなかったことで、アビーは体中から出血する。

慌てたオーウェンは”入っていい”と伝え、アビーを抱きしめる。

どういうことかと訊かれたアビーは、招き入れてくれなければこうなると答える。

アビーは浴室で血を洗い流し、オーウェンは彼女の服を捨てて、レコードをかける。

母親が帰ってきたために慌てたオーウェンは、アビーと部屋に向い、彼女は窓から外に出る。

外を確認したアビーが部屋に戻っていることに気づいたオーウェンは、母親が眠った後でアビーに会いに行く。

アビーの部屋で眠ってしまったオーウェンは、”バスルームにいるので入ってこないでほしい、今夜また遊びたい、愛を込めて”という彼女のメモを確認する。

そこに刑事が現れ、ドアを蹴破って入ってきたためオーウェンは隠れる。

床に落ちていたメモを確認した刑事は、バスタブの中で陽を遮り眠っているアビーを見つける。

窓の明かりを入れた刑事は、目覚めたアビーに襲われる。

刑事に助けを求められたオーウェンは、ドアを閉めてしまう。

バスルームから出て来たアビーはオーウェンを抱きしめて、他所へ行くと言って彼にキスする。

その夜、アビーが去る姿を見守るオーウェンは悲しむ。

学校のトレーニングに参加したオーウェンは、ゾリックに水泳を教えてもらう。

ケニーらは外のゴミ箱に火を点けて、それをゾリック知らせて誘い出す。

オーウェンはケニーと兄ジミーらに襲われ、ナイフで抵抗しようとするもののプールに落とされる。

ジミーに脅されたオーウェンは、水の中に沈められる。

その直後に何者かが現れ、ジミーらを殺害する。

水から上がったオーウェンは、アビーが助けてくれたことに気づく。

その後、電車で街を出たオーウェンは、大きなトランクを持参していた。

トランクの中から聴こえたモールス信号に応えたオーウェンは、キャンディ”Now and Later”を食べながら、外の風景を眺める。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1983年、ニューメキシコ州、ロス・アラモス
学校でいじめられている12歳の孤独な少年オーウェンは、母親とアパートで二人暮らしをしていた。
ある夜、オーウェンは、雪が積もる中、父親らしき男性トーマスとアパートの隣に越して来た裸足の少女アビーが気になる。
実はヴァンパイアだったアビーは、人の血を求める旅を続け、トーマスがその手助けをして殺人を繰り返していた。
アビーに声をかけられた友達もいないオーウェンは、不思議な雰囲気の彼女に興味を持ち、やがて親交を深めるのだが・・・。
__________

世界の映画賞などで高く評価されたスウェーデン映画「ぼくのエリ 200歳の少女」(2008)のリメイクで、「クローバーフィールド」(2008)を興行的に成功させた、マット・リーヴスの脚本を兼ねた監督作品。

孤独な少年とヴァンパイアの少女の交流と友情、そして恋が切なく描かれる、数多くあるヴァンパイア映画の中でも異色の内容となっている。

終始、陰鬱で悲しい雰囲気で進行する物語の中で、まともに母親の顔を映さないことで、少年の孤独感を強調しようとする、マット・リーヴスの細やかな演出なども注目したい。

その主人公の二人を演ずるコディ・スミット=マクフィークロエ・グレース・モレッツは、撮影当時それぞれ13歳と12歳で、厳しい現実に生きる孤独な少年と、永遠に生き続けるために”獲物”を追いながら旅を続けるヴァンパイアの少女を好演し、各映画賞などで絶賛された。

ヴァンパイアの少女の父親にしては老け過ぎている男性として登場するリチャード・ジェンキンスが、実は父親ではなく、彼女と数十年を共にする、生き血を手に入れる謎の協力者として、実力派らしい深い演技を見せてくれる。

主人公の母親カーラ・ブオノ、事件を捜査する刑事イライアス・コティーズ、主人公が通うの学校の教師リッチー・コスター、少女に襲われてヴァンパイアと化す隣人女性のサーシャ・バレス、その恋人ディラン・ケニン、主人公をいじめる少年ディラン・ミネットジミー・ピンチャク、少女に襲われる隣人クリス・ブラウニングなどが共演している。


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