リンカーン Lincoln (2012) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

奴隷制度撤廃に尽力した、アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの晩年の数か月を描く、製作、監督スティーヴン・スピルバーグ、主人公を演じた主演のダニエル・デイ=ルイスが3度目のアカデミー主演賞を受賞した、サリー・フィールドトミー・リー・ジョーンズジョゼフ・ゴードン=レヴィット他共演のヒューマン・ドラマ。


ドラマ(ヒューマン)

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スタッフ キャスト ■

監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作
スティーヴン・スピルバーグ

キャスリーン・ケネディ
製作総指揮
ジョナサン・キング

ダニエル・ルピ
ジェフ・スコール
原作:ドリス・カーンズ・グッドウィンTeam of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln
脚本:トニー・クシュナー

撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
美術・装置
ジム・エリクソン

リック・カーター
衣装デザイン:ジョアンナ・ジョンストン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
・リンカーン家
エイブラハム・リンカーンダニエル・デイ=ルイス

メアリー・トッド・リンカーンサリー・フィールド
ロバート・トッド・リンカーンジョゼフ・ゴードン=レヴィット
タッド・リンカーンガリバー・マクグラス
エリザベス・ケックリーグロリア・ルーベン
ウィリアム・スレイドスティーヴン・ヘンダーソン
ジョリー夫人:エリザベス・マーヴェル

・ホワイトハウス
ウィリアム・スワード国務長官:デヴィッド・ストラザーン

エドウィン・スタントン北軍長官:ブルース・マッギル
ジョン・ヘイジョセフ・クロス
ジョン・ジョージ・ニコライジェレミー・ストロング
ギデオン・ウェルズ海軍長官:グレインジャー・ハインズ
ジェイムズ・スピード司法長官:リチャード・トポル
ジョン・パーマー・アッシャー内務長官:デイキン・マシューズ
ウィリアム・フェッセンデン財務長官:ウォルト・スミス
ウィリアム・デニソン郵政長官:ジェームズ”アイク”アイクリング

・共和党
ウィリアム・N・ビルボジェームズ・スペイダー

プレストン・ブレアハル・ホルブルック
タデウス・スティーブンストミー・リー・ジョーンズ
ロバート・レーサム:ジョン・ホークス
リチャード・シェルティム・ブレイク・ネルソン
モンゴメリー・ブレア元郵政長官:バイロン・ジェニングス
エリザベス・ブレア・リージュリー・ホワイト
リディア・スミスS・エパサ・マーカーソン
ベンジャミン・ウェイドウェイン・デュヴァル
チャールズ・サムナー上院議員:ジョン・ハットン
ジェームズ・アシュレイデヴィッド・コスタビル
エイシャ・ヴィントナー・リットン共和党議員:スティーヴン・スピネラ
スカイラー・コルファクス下院議長:ビル・レイモンド

・民主党
フェルナンド・ウッドリー・ペイス

ジョージ・ペンドルトンピーター・マクロビー
ジョージ・イェーマンマイケル・スタールバーグ
クレイ・ホーキンス:ウォルトン・ゴギンズ
アレクサンダー・コフロスボリス・マクギヴァー
ウィリアム・ハットン:デヴィッド・ウォーショフスキー

・アメリカ合衆国軍
ユリシーズ・S.グラント合衆国陸軍総司令官:ジャレッド・ハリス

ハロルド・グリーン:コールマン・ドミンゴ
アイラ・クラーク:デヴィッド・オイェロウォ
兵士:ルーカス・ハース
兵士:デイン・デハーン
サミュエル・ベックウィスアダム・ドライヴァー

・南部連合
アレキサンダー・スティーブンス南部連合副大統領:ジャッキー・アール・ヘイリー

ロバート・マーサー・タリアフェロー・ハンター南部連合前国務長官:マイケル・シフレット
ジョン・A.キャンベル南部連合陸軍次官補:グレゴリー・イッツェン
ロバート・E・リー南部連合陸軍将軍:クリストファー・ボイヤー

アメリカ 映画
配給
20世紀FOX(世界)
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(北米)
2012年製作 150分
公開
北米:2012年11月9日
日本:2013年4月19日
製作費 $65,000,000
北米興行収入 $182,204,440
世界 $275,293,450


アカデミー賞 ■

第85回アカデミー賞
・受賞
主演男優(ダニエル・デイ=ルイス)
美術賞
・ノミネート
作品・監督
助演男優(トミー・リー・ジョーンズ)
助演女優(サリー・フィールド)
脚色・編集・撮影・作曲・衣装デザイン・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1965年1月、再選から2カ月後。
アメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーン(ダニエル・デイ=ルイス)は、4年目を迎える南北戦争の情勢を見つめていた。

ホワイトハウス
リンカーンは、船に乗りどこかに向かう夢を見ることを妻のメアリー(サリー・フィールド)に話す。

メアリーは、それが、奴隷解放のための新法案についてを考える思いだろうと、リンカーンに伝える。

そしてリンカーンは、奴隷売買の写真を見て心を痛め、息子タッド(ガリバー・マクグラス)に、戻らない兄ロバート(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)のことを尋ねられ、彼は死んだのだろうと答える。

リンカーンは、国務長官ウィリアム・スワード(デヴィッド・ストラザーン)と共に奴隷解放のための”憲法修正第13条”を通す方法を思案し、その根回しに奔走する。

エドウィン・スタントン北軍長官(ブルース・マッギル)、ギデオン・ウェルズ海軍長官(グレインジャー・ハインズ)他を交えた閣議で、戦争終結について話し合ったリンカーンは、”第13条”を下院で通す必要性を説き、必ずそれに署名する固い意志を伝える。

共和党急進派議員のタデウス・スティーブンス(トミー・リー・ジョーンズ)は、リンカーンの思い通りにはならないことを、同僚下院議員らに伝える。

1月9日。
下院での討論が始り、奴隷制強硬賛成派、民主党議員のフェルナンド・ウッド(リー・ペイス)は、法案を通さない決意を訴える。

スティーブンスは、ウッドや奴隷制賛成派民主党議員ジョージ・ペンドルトン(ピーター・マクロビー)を痛烈に非難する。

その頃、ロバートが戻り、弟タッドや母メアリーも彼の帰りを喜ぶ。

執務室では、保守派の共和党議員プレストン・ブレア(ハル・ホルブルック)が、平和交渉をするべきだとリンカーンに迫る。

1月11日、ヴァージニア州、ピーターズバーグ
ロバート・マーサー・タリアフェロー・ハンター南部連合前国務長官(マイケル・シフレット)、ジョン・A.キャンベル・同陸軍次官補(グレゴリー・イッツェン)、そしてアレキサンダー・スティーブンス・同副大統領(ジャッキー・アール・ヘイリー)は、使節団として平和交渉に向かう。

それを知ったスワードは、自分に相談がなかったことでリンカーンを痛烈に非難する

しかし、冷静なリンカーンは、ブレアが協力を約束したことを伝え、とにかく票を集めるようスワードに指示する。

1月15日、新年祝賀会。
メアリーは現れたスティーブンスに、長々と皮肉を言って”歓迎”する。

リンカーンはキッチンで、今回の法案の件等をスティーブンスと腹を割って話し合う。

ロバートが入隊しするだろうとメアリーに伝えたリンカーンだったが、ノースカロライナ州、ウィルミントン南部連合の基地への攻撃が始まったという報告を受ける。

ウィルミントンは陥落し、民主党議員は議会でスティーブンスの出方を窺う。

1月20日、ヴァージニア州、シティポイント
ユリシーズ・S.グラント合衆国陸軍総司令官(ジャレッド・ハリス)は、南部連合副大統領スティーブンスと協議し、彼らが平和と統一を望んでいることを確信し、それをリンカーンに報告する。

リンカーンは、使節団をワシントンD.C.に呼べば、10日で戦争は終わり法案は通ると言うスワードの意見についてを一晩かけて考える。

そしてリンカーンは、使節団を船でヴァージニアまで招き、待機するようグラント将軍に電報を打つ。

1月27日、下院議会。
スティーブンスは、民主党議員の激しい抗議にも屈せず、法律の上での平等を信じると語る。

リンカーンと共に病院に向かったロバートは、兵士達の切り落とされた手足を見てショックを受ける。

ロバートは、許可を出さないと言うリンカーンの言葉を受け入れず、母メアリーのために反対していると言って父を非難し、殴られながらも入隊することを伝えてその場を去る。

その件でメアリーと口論になったリンカーンだったが、結局は、個々の重荷は自分で解決するしか方法のないことを伝える。

メアリーは、スワードに頼ることなく法案可決を成し遂げ、それに失敗したら許さないとリンカーンに言い切る。

スティーブンスは、民主党議員のアレクサンダー・コフロス(ボリス・マクギヴァー)を抱き込む。

リンカーンは、ロビイストのウィリアム・N・ビルボ共和党議員(ジェームズ・スペイダー)らの情報を得て、ジョージ・イェーマン民主党議員(マイケル・スタールバーグ)や同じくウィリアム・ハットン(デヴィッド・ウォーショフスキー)を熱心に説得する。

その一方でリンカーンは、側近には断固とした強硬な姿勢を見せ、票集めを強引に指示する。

1865年1月31日。
議会は開かれ、壇上に立ったペンドルトンは、南部連合の使節団の存在を知らせ採決延長を訴え、共和党保守派も同調する。

それがビルボらによってリンカーンに知らされ、彼は、共和党議員ジェームズ・アシュレイ(デヴィッド・コスタビル)にメモを渡すよう指示する。

それを受取ったアシュレイは、この街に使節団がいないという大統領の言葉を伝え、共和党保守派は納得する。

採決は始り、”憲法修正第13条”は可決され、鳴り響く鐘の音を執務室で聞いたリンカーンは、その結果を知る。

スティーブンスは、採決の原案を手にして帰宅し、未亡人である黒人の使用人リディア・スミス(S・エパサ・マーカーソン)にそれを見せ、彼女は自由の意味を知る。

ヴァージニア州、シティポイント
リンカーンは、南部連合の副大統領スティーブンスとの和平交渉に入り、それを受け入れようとしない彼らに対し、血を流すことを止めるべきだと熱心に説得する。

4月3日、ヴァージニア州。
戦地を訪れたリンカーンは、命を落とした両軍兵士に敬意を表する。

リンカーングラント将軍と話合い、南部連合の処遇などについて話し合う。

1865年4月5日、ヴァージニア州、アポマトックス
グラント将軍は、降伏した南部連合司令官ロバート・E・リー将軍(クリストファー・ボイヤー)を見送る。

1865年4月14日、フォード劇場
リンカーンは、メアリーと共に”われらのアメリカのいとこ/Our American Cousin)”を観劇中、南部連合の支持者であったジョン・ウィルクス・ブースに銃撃される。

4月15日。
リンカーンは逝去し、彼は歴史の人となる。


解説 評価 感想 ■

2005年に発表された、ドリス・カーンズ・グッドウィンの著書”Team of Rivals: The Political Genius of Abraham Lincoln”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

1865年1月。
再選を果たし任期2期目を迎えたアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンは、4年目を迎えた南北戦争の戦況を見つめる。
奴隷制度撤廃を使命として、新法案”憲法修正第13条”を下院下院で通すために、リンカーンは、国務長官スワードと共に各方面への根回しを始める。
民主党の激しい反発を受けながら、法案成立の鍵を握る急進派共和党議員スティーブンスは、リンカーンの思惑を探る。
一方リンカーンは、保守派共和党議員ブレアに、南部連合との和平を迫られる。
思案した結果リンカーンは、南部連合の副大統領スティーブンスらの使節団をワシントンD.C.に呼び、終戦と法案の可決を目論むのだが・・・・
__________

エイブラハム・リンカーンが大統領に就任し、生涯を懸けて取り組む奴隷解放政策で、その最も重要な新法案”憲法修正第13条”の可決までをテーマに描く、見応えあるドラマには仕上がっている。

スティーヴン・スピルバーグ作品を語る際に、いつも同じような表現になってしまうのだが、細部にまでこだわった丁寧な演出、そして人物描写は今回も健在だ。

しかし、主人公を含めた数人、映画界を代表する実力派スターの演技は心打たれるものがあるが、それに準ずる有名スターを多く使い過ぎて、そのキャラクターを生かし切れていないところが気になる。

時代の流れだろうが、知名度の低いスターを起用して、見事に調和のとれた作品を生み出していた、かつてのスピルバーグ作品が懐かしく思えるだけと考えた方は、私だけではないはずだ。

それはともかく、アメリカで最も尊敬され人気のある人物と言っていいいエイブラハム・リンカーンを描く作品だけに、本国の興行収入は約1億8200万ドル、全世界では約2億7500万ドルのヒットとなった。

第85回アカデミー賞では、史上初となる、ダニエル・デイ=ルイスが主演男優賞3度目の受賞となった。
他、美術賞も受賞。
・ノミネート
作品・監督
助演男優(トミー・リー・ジョーンズ)
助演女優(サリー・フィールド)
脚色・編集・撮影・作曲・衣装デザイン・録音賞

イギリス人がこの役を演ずることに、アメリカ国民は納得するのだろうかという疑問は残るが、そんな考えを払拭する、誰もが認める見事な演技を見せたダニエル・デイ=ルイスは世界中で絶賛された。
歴史上の人物を描く作品でポイントとなることは、当然、本人に似ているかということなのだが、勿論、素晴らしいメイクでリンカーンを演ずる彼だが、鼻の形などに特徴のある本人に、似過ぎていないことに注目したい。
私は、スピルバーグが、ダニエル・デイ=ルイスという名優の演技を引き出すために、敢えてそうしたのだと確信している。

その他、主人公の妻メアリーを熱演するサリー・フィールドの、久し振りにみた力強い演技、また、急進派議員を重厚に演ずるトミー・リー・ジョーンズの演技も印象深い。

スタッフ・キャストについてはこちらを参考に


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