小さな巨人 Little Big Man (1970) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1964年に発表された、トーマス・バーガーのコミック・ノベル”Little Big Man”を基に製作された作品。
両親を先住民に殺されながらも違う部族に育てられた青年がたどる数奇な運命を描く、監督アーサー・ペン、主演ダスティン・ホフマンフェイ・ダナウェイチーフ・ダン・ジョージマーティン・バルサム他共演の西部劇風コメディ・ドラマ。


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■

監督:アーサー・ペン
製作:スチュアート・ミラー
原作:トーマス・バーガーLittle Big Man
脚本:カルダー・ウィリンガム

撮影:ハリー・ストラドリングJr.
編集:デデ・アレン
音楽:ジョン・ハモンド

出演
ジャック・クラブ:ダスティン・ホフマン

ルイーズ・ペンドレイク:フェイ・ダナウェイ
オールド・ロッジ・スキンズ:チーフ・ダン・ジョージ
メリウェザー:マーティン・バルサム
ジョージ・アームストロング・カスターリチャード・マリガン
ワイルド・ビル・ヒコックジェフ・コーリー
歴史家:ウィリアム・ヒッキー
キャロライン・クラブ:キャロル・アンドロスキ
シーラス・ペンドレイク:サイアー・デヴィッド

オルガ・クラブ:ケリー・ジーン・ピータース
サンシャイン:エイミー・エクルズ

アメリカ 映画
配給 National General Pictures

1970年製作 139分
公開
北米:1970年12月23日
日本:1971年8月28日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $31,559,552


アカデミー賞 ■

第43回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優賞(チーフ・ダン・ジョージ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ロサンゼルス
リトル・ビッグホーンの戦い”で生き残った、121歳だという老人ジャック・クラブ(ダスティン・ホフマン)は、風変わりな歴史家(ウィリアム・ヒッキー)からの質問を受け、先住民の生活様式に興味があるだけだと言われる。

カスター将軍の最後の戦いでもあった、歴史の事実を軽視する歴史家の言葉に、気分を害したジャックは、目の前のテープレコーダーのスイッチを入れさせる。

ジャックは、カスター将軍や先住民のことを熟知していると伝え、10歳の時の話を始める。
__________

両親を先住民の部族”ポウニー”に殺されたジャックだったが、姉キャロライン(キャロル・アンドロスキ)と共に生き延びる。

二人は、その後に現れたシャイアンの戦士に集落に連れて行かれ、酋長オールド・ロッジ・スキンズ(チーフ・ダン・ジョージ)と対面するが、姉キャロラインは助けを呼ぶ気でその夜に逃亡する。

ジャックは、食事を与えられて先住民らとの生活を始め、際小柄な彼だったが、部族民として逞しく育ち、養父オールド・ロッジ・スキンズに可愛がられた。

ある日、部族の少年をポウニーの襲撃から救ったジャックは、勇士として称えられて、オールド・ロッジ・スキンズは、彼に”小さな巨人”という名誉ある名を与える。

成長したジャック(ダスティン・ホフマン)は、先住民の討伐を続ける白人と戦わなければならないと言うオールド・ロッジ・スキンズから、それを強要しないと言われる。

戦いに参加したジャックは、連発銃対弓矢と棒の奇妙な殺し合いを体験する。

兵士に追い詰められて、思わず自分が白人であることを伝えたジャックは捕えられ、白人社会の再教育を受けることになる。

牧師シーラス・ペンドレイク(サイアー・デヴィッド)に預けられることになったジャックは、妻ルイーズ(フェイ・ダナウェイ)に歓迎される。

性的欲求不満のルイーズは、ジャックを過剰なまでに溺愛して、その後、彼は読み書きを習い、女性にも興味を持ち始める。

ルイーズへの思いが募り始めた頃、彼女が愛欲を求めるだけの女性だと知り、幻滅したジャックはその場を去る。

その後、ペテン師のメリウェザー(マーティン・バルサム)と組んだジャックは、イカサマ商売の旅を続ける。

ある夜、無法者一味に襲われたジャックは、その首領が、何と姉キャロラインだと分かり、姉弟は再会を喜ぶ。

男勝りのキャロラインに、拳銃の打ち方を教わったジャックは、その才能を生かしてガンマンとなる。

拳銃使いとして名を上げたジャックは、ある酒場でワイルド・ビル・ヒコック(ジェフ・コーリー)に出会い、拳銃稼業にも嫌気がさして足を洗い、キャロラインにも愛想を尽かされる。

その後ジャックは、オルガ(ケリー・ジーン・ピータース)というスウェーデン人女性と結婚して商人となるが、相棒に騙されて廃業する。

その様子を見ていたジョージ・アームストロング・カスター(リチャード・マリガン)は、ジャックに同情して西に向かうよう助言し、彼らに先住民の脅威はなくなることを保障する。

しかし、西に向かう駅馬車が先住民に襲われ、オルガは連れ去られてしまい、ジャックは彼女を捜す旅に出る。

オルガは見つからないまま、ジャックはシャイアンの土地に向かい、かつての仲間達に捕えられるが、”小さな巨人”の名前を出す。

集落に向かったジャックは、オールド・ロッジ・スキンズと再会して歓迎される。

ジャックは、白人の妻がいることや、白人にも立派な人間がいることをオールド・ロッジ・スキンズに伝えて、カスター将軍の名前を出す。

オールド・ロッジ・スキンズは、ジャックを白人社会に戻すことを決めて、彼は旅立ち、カスター将軍第七騎兵隊のスカウトとして雇われる。

先住民の集落を襲った部隊だったが、女子供まで皆殺しにする行為に驚くジャックは、その場を逃げ出す。

ジャックは、かつて自分を助けてくた戦士に襲われるが兵士が彼を射殺する。

木陰に隠れていたジャックは、一人で出産をしようとする先住民の娘サンシャイン(エイミー・エクルズ)を見守り、彼女が戦士の娘だと知り部族の元に連れ帰る。

オールド・ロッジ・スキンズに会ったジャックは、彼が失明して多くの同胞が白人に殺されたことを知る。

ジャックは、オールド・ロッジ・スキンズに、この場に留まるよう言われる。

幾多の戦いを経験しながら1年が過ぎて、ジャックらは先住民の保護地に着く。

サンシャインを妻にしていたジャックは、ある日、昔馴染みに再会し、かつて自分が命を助け、プライドが傷つけられていた男の妻がオルガだと気づく。

夫を尻に敷くオルガを見たジャックは、今更、自分だと名乗る気になれなかった。

その後ジャックは、殺される夢を見たというオールド・ロッジ・スキンズの話を聞いても協定があるためにそれを聞き流した。

夫を殺されたサンシャインの三人の姉達を招き、ジャックは彼女らの相手をしなくてはならなくなる。

サンシャインがお産のために出て行った後、ジャックは仕方なく姉達の相手をして、生まれた子供を連れて戻ってきたサンシャインに感謝される。

しかし、協定を破った討伐隊が現れて部族は襲われてしまい、ジャックは、オールド・ロッジ・スキンズの様子を見に行き、死を恐れないという彼を連れて川に逃げる。

ジャックは、部隊を指揮するのがカスター将軍だと知り、目の前でサンシャインと子供も殺されてしまう。

部隊に戻ったジャックは、先住民とみなされ、カスター将軍に絞首刑を言い渡される。

ジャックは、雇われたスカウトだと訴えて、カスターに見逃される。

カスターに復讐することを決めていたジャックは、テント内で無防備だった彼に近づくが躊躇する。

それをカスターに見抜かれたジャックは、シャイアンの真の戦士でないことを指摘されて、再び絞首刑を免れて追い払われる。

侮辱を受けたジャックは落ちぶれて、物乞いをして暮らす日々が続き、再会したワイルド・ビル・ヒコックに金を恵んでもらう。

身なりを整えて来るよう言われたジャックは酒場に向かい、ある夫人への使いをワイルド・ビル・ヒコックに頼まれる。

ジャックは酒場から出ようとするが、ワイルド・ビル・ヒコックが、親の敵討ちだという少年に撃たれて死亡する。

用事の相手の夫人が、娼婦になっていたルイーズだと知ったジャックは驚くものの、彼女に誘われる。

ジャックは、ワイルド・ビル・ヒコックから預かった金をルイーズに渡し、彼女に別れを告げて立ち去る。

その後、再び酒に溺れたジャックは、ペテン師メリウェザーに再会し、仕事に誘われるものの、彼はその気になれなかった。

山奥で独り生活を始めたジャックは、生きる望みも失い正気を失いかける。

ジャックは、崖から飛び降りる寸前でカスター将軍第七騎兵隊の行軍を目撃し、彼の元に向かい再びスカウトに雇われる。

カスターは、自分の世話になった部族を助けようとするはずのジャックを、先住民討伐の戦法を考えるために逆に利用しようとした。

モンタナ州、リトル・ビッグホーン川流域。先住民部族に奇襲をかけることで、部下からそれを反対されたカスターは、ジャックに意見を求める。

ジャックは、思っている考えと違うことをカスターに伝え、その裏をかいた彼は攻撃命令を出す。

戦いはジャックの思惑通りとなり、先住民の戦士達はカスターの部隊に襲いかかる。

傷を負ったジャックに戦いを強要するカスターだったが、それに従わないため彼を射殺しようとする。

しかし、カスターは弓に倒れて死亡し、ジャックは、かつて命を助けた戦士に連れ去られる。

オールド・ロッジ・スキンズの元に連れて行かれたジャックは、死を望む彼から、白人に対抗する道はそれしかないことを告げられる。

ジャックは、オールド・ロッジ・スキンズと共に、死を迎える用意されている場所のある山頂に向かう。

オールド・ロッジ・スキンズは、あらゆることを神に感謝してその場に横たわり死を待つ。

その時、雨が降り出し、まだこの世かとつぶやくオールド・ロッジ・スキンズは、思い通りにならないこともあることをジャックに伝え、二人は山を下りる。
__________

老人ジャックは、これが先住民と共に生きた自分の人生だと歴史家に伝える。

歴史家は納得するのだが、ジャックに立ち去るよう言われて、彼はテープレコーダーを止めて席を立つ。

そして、ジャックは何も語らずに悲しみの表情でうつむき、いつまでも物思いにふける。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

カスター将軍や先住民のことを熟知し、”リトル・ビッグホーンの戦い”の唯一人の生き残りで、121歳だという老人ジャック・クラブは、事実を軽視する歴史家に自分の体験を語り始める。
10歳のジャックは、両親を先住民に殺されて、姉と共に、違う部族のシャイアンの集落に連れて行かれる。
姉が逃亡した後、ジャックは酋長のオールド・ロッジ・スキンズに可愛がられながら、先住民として育てられる。
小柄ながら戦いに参加したジャックは、同胞の命を救い、勇者として”小さな巨人”という名を与えられる。
その後ジャックは、軍の討伐隊に捕えらえて、白人社会で暮らすことになり牧師夫妻に預けられる。
しかし、欲求不満の夫人ルイーズから逃れるように旅立ったジャックは、ペテン師メリウェザーと行商をする生活を送る。
そんな時、無法者の首領になった姉と再会したジャックは、銃の使い方を習い、その才能を生かしてガンマンになるのだが・・・。
__________

ストーリーを簡略して書いても長くなってしまう、その目まぐるしい展開は、主人公の青年が、先住民に育てられ、その場に留まらずに、白人社会と行き来しながら、双方の立場を理解しつつ現実を直視していくという物語で進行する、実に興味深い内容だ。

全体的にはコメディ・タッチなのだが、悪役として描かれることが圧倒的に多かった、先住民の視点から見た、社会性のあるシニカル・ドラマとしても考えさせられる作品である。

第43回アカデミー賞では、助演男優賞(チーフ・ダン・ジョージ)にノミネートされた。

同年(1876年)に没することになる、ジョージ・アームストロング・カスターと、ワイルド・ビル・ヒコックの死亡する時期が事実と違うことなど細かいことはさて置き、いきなり登場する121歳だという主人公ダスティン・ホフマンの老人のメイクに、公開当時、驚かされた記憶が強烈に残っている。

アーサー・ペンの軽快且つシャープな演出と共に、小柄なダスティン・ホフマンの、その個性を生かしたコミカルな演技も見どころの一つであり、それとは対照的なラスト、自分の体験を語り尽し、うなだれる老人の表情がまた印象的でもある。

序盤と後半で、牧師の妻と娼婦をインパクトある演技で演ずるフェイ・ダナウェイ、独自の世界観を持つシャイアン族の酋長を、味わい深く演ずるチーフ・ダン・ジョージ、ペテン師の行商人マーティン・バルサムカスター将軍リチャード・マリガンワイルド・ビル・ヒコックジェフ・コーリー、歴史家ウィリアム・ヒッキー、主人公の姉キャロル・アンドロスキ、主人公を預かる牧師サイアー・デヴィッド、主人公の白人の妻役ケリー・ジーン・ピータース、先住民の妻エイミー・エクルズ等が共演している。


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