マージン・コール Margin Call (2011) 3/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

2007-2008年の”世界金融危機”が起きる直前の時期をモデルに、窮地に陥ったある大手投資銀行の内情を描く、主演ケヴィン・スペイシーポール・ベタニージェレミー・アイアンズザカリー・クイントサイモン・ベイカー他共演、監督、脚本J・C・チャンダーによるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:J・C・チャンダー
製作総指揮
ジョシュア・ブラム
マイケル・コルソ
カーク・ダミコ
カシアン・エルウィズ

ローズ・ガングーザ
アンソニー・グダス
ランディ・マニス
ローラ・リスター
製作
ロバート・オグデン・バーナム
マイケル・ベナローヤ

ニール・ドッドソン
ザカリー・クイント

脚本:J・C・チャンダー
撮影:フランク・G・デマルコ
編集:ピート・ボドロー
音楽:ネイサン・ラーソン

出演
サム・ロジャース:ケヴィン・スペイシー

ウィル・エマーソン:ポール・ベタニー
ジョン・トゥルド:ジェレミー・アイアンズ
ピーター・サリヴァン:ザカリー・クイント
セス・ブレッグマン:ペン・バッジリー
ジャレッド・コーエン:サイモン・ベイカー
エリック・デール:スタンリー・トゥッチ
サラ・ロバートソン:デミ・ムーア
ラメシュ・シャー:アーシフ・マンドヴィ
ヘザー・バーク:アシュリー・ウィリアムズ
メアリー・ロジャース:メアリー・マクドネル
ルイス・カーメロ:アル・サピエンザ

アメリカ 映画
配給
ライオンズゲート

Roadside Attractions
2011年製作 106分
公開
北米:2011年10月21日
日本:未公開
製作費 $3,500,000
北米興行収入 $5,353,586
世界 $16,086,247


アカデミー賞 ■

第84回アカデミー賞
・ノミネート
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨークウォール街
ある大手投資銀行で、突然のリストラが始まり、多くの社員が職場を離れることになる。

トレーディング管理部長ウィル・エマーソン(ポール・ベタニー)は、若手社員ピーター・サリヴァン(ザカリー・クイント)やセス・ブレッグマン(ペン・バッジリー)と共に、解雇勧告担当者が現われたことを気にする。

ピーターの上司で、リスク管理部門の責任者エリック・デール(スタンリー・トゥッチ)は、実務をストップさせられ、個人情報や携帯電話の使用、社内への出入りも禁止され、荷物をまとめて、会社から退去するよう命ぜられる。

ウィルに声をかけられたデールは、今回の解雇が、部長のサラ・ロバートソン(デミ・ムーア)のせいだと知り苛立つ。

デールは、遣りかけの仕事を誰かに任せようとするが、ウィルは、とにかく社外に出ることを彼に勧める。

ピーターは、世話になったデールに感謝して別れを告げ、彼から、”用心しろよ”と言われてUSBメモリを渡される。

会社を出たデールは、携帯電話が使用できないことに気づき、その場にいたサラを罵倒し、電話を叩き壊して立ち去る。

ウィルは、今回の大規模なリストラについてを、投資部門責任者上司サム・ロジャース(ケヴィン・スペイシー)と話し合うために、彼のオフィスに向。

しかし、ロジャースは、死にかけている愛犬のことで頭が一杯で悲しみを堪えていた。

気を取り戻したロジャースは、”生き残った”部下らを前に、彼らを励ましながら仕事を続けさせる。

夕方、飲みに行くセスに誘われたピーターはそれを断り、気になっていた、デールから受け取ったデータの分析を始める。

ある大問題に気づいたピーターは、デールに電話をするが繋がらず、セスに連絡をとり、ウィルと共にオフィスに戻るよう指示を出す。

ピーターは、オフィスに戻ったウィルとセスに、”用心しろ”と言われたデールのデータの分析結果を伝える。

ウィルは、自社の資産価値以上の損失が出る可能性を知り、携帯電話が通じないという、デールの自宅に連絡して彼を捜し、ロジャースを呼び寄せる。

オフィスに戻ったロジャースは、名前も知らないピーターという社員が、デールから引き継いだ重大な分析結果を、ウィルから知らされて動揺する。

デールを捜すよう指示されたピーターとセスは、彼を見つけることが出来ず、ウィルの年収250万ドル、ロジャースがそれ以上だということが、馬鹿げた話だと言いながらオフィスに戻る。

ロジャースはウィルと共に、戻って来たピーターとセスも連れて、上司ジャレッド・コーエン(サイモン・ベイカー)の意見を聞くことになる。

コーエンに迎えられたロジャースらは、リスク管理部長のサラと、上層部のラメシュ・シャー(アーシフ・マンドヴィ)らを紹介される。

ロジャースは、デールが遣り残して、ピーターが分析結果を出した資料をコーエンらに配る。

ピーターの経歴などを聞いたサラは、信頼性のあるデータだが、再チェックする必要があることを告げ、コーエンは事の重大さを理解し”全て”を売る提案をする

ロジャースがそれに意見し、サラとシャーは結論を出す前に再分析することを要求し、コーエンは彼女らに時間を与える。

席を外すよう言われていたウィル、ピーター、セスの三人は、ビルの屋上に向かい、幹部達が行おうとしていることについてなどを話す。

年収のことを聞かれたウィルは、たとえ250万ドルでも、それなりになくなってしまうことをピーターとセスに淡々と語る。

その後サラは、デールとピーターの分析結果が正しいことをロジャースとコーエンに伝える。

コーエンは、自分達の考える計算式に、ミスがあったというサラを責める。

CEOのジョン・トゥルド(ジェレミー・アイアンズ)が到着し、明け方近くにも拘らず緊急会議が開かれ、彼は、分析結果を出したピーターに事態の説明を求める。

ピーターは、MBS/不動産担保証券の取引で、リスク管理上、大きな問題が生じたことを説明する。

今後の状況を率直に求められたピーターは、これらの資産価値が25%下落してしまえば、損失額が、自社の資産価値を上回ることを伝える。

重大な問題を話し合う場ではあったが、CEOとして、利益を生むための話を聞けないこと確認したトゥルドは、コーエンとサラにどう対処するのかを問う。

コーエンは全てを売却すると答え、ロジャースは、損失次第でそれが可能だと伝え、トゥルドがそれを補うことを考える。

ロジャースは、翌朝、トレーダーに事実を伝えて、売却を推し進める方法はあるが、事業停止を覚悟で、価値のないものを誰に売るのか疑問を投げかける。

しかし、トゥルドは、それを断行するしか、自分達が生き延びる方法がないことを伝える。

1時間で計画書を作るようコーエンに、そしてデールを捜し出す指示を出したトゥルドは、ロジャースを個室に呼ぶ。

トゥルドは、これから起きることが始まりであり、世の中の人々と共に大きな損失を被る中で、生き延びてみせることを、事実を知りながら、部下に強要することを躊躇するロジャースに伝える。

売却の強行は避けられない状態で、ロジャースとウィルは覚悟を決め、サラは、自分を陥れたら道連れにすると言ってコーエンに脅しをかけるが、彼はそれに動じない。

デールが家に帰ったとの連絡を受けたウィルは、ロジャースの指示で彼の自宅に向う。

トゥルドは、計画実行をサラに伝え、トレーダーと取締役を説得する役目を彼女に命ずる。

サラは、1年前に警告したことをトゥルドに伝えるのだが、彼は、その話を遮り席を立つ。

コーエンは、ロジャースがトゥルドに協力しない場合の措置をウィルと話し合おうとする。

しかし、ロジャースを信頼するウィルは、彼の下す判断が正しいはずだとしか語らず、セスを連れてデールの家に向かう。

世が明けて、デールに会ったウィルは、分析が正しいことを確認し、今日、全資産が売却されることを伝える。

ウィルの説得に応じないデールだったが、会社側の車も現われる。

トゥルドは、ロジャースの協力を得るために小切手を渡すが、彼はそれを拒む。

ウィルは、解雇を気にするセスに、市場を支配する者の喜びを伝え、それを批判する一般人を非難し、現時点では、何が起ころうが気にしないことを語る。

ビルの前で、ロジャースを見かけたピーターは、何か他の方法がないものかと問われても、それが、誰のためになのか、お互い答えが見つからない。

セスはショックを受けて、トイレで独り涙するが、それを知ったコーエンは、平然とヒゲを剃り、新しい一日ための身支度をする。

有無を言えない条件を突きつけられたデールはオフィスに戻り、解雇されたサラに迎えられ、わだかまりを捨てる。

トレーダーを集めたロジャースは、コーエンに監視されながら、命令書に従いMBSの93%を売却する指示を出し、高額ボーナスが支給されることを伝える。

会社のために犠牲になることを、部下に強いらねばならないロジャースは言葉に詰まりそうになるが、彼らを称えて仕事を始めさせる。

市場は開き、ウィルらは強引な取引を始め、そして夕方、難を乗り切ったことを、コーエンはロジャースに伝えるが、既にその時点で、社内の解雇勧告が始まっていた。

自分は残れることを知ったロジャースは席を外し、トゥルドの元に向かい辞職を申し出る。

そんなロジャースの泣き言を聞き流し、トゥルドは全てが金、そして勝ち負けだと言い切る。

ロジャースは辞職を撤回し、ピーターが能力を認められて昇進したことを知らされる。

別れた妻メアリー(メアリー・マクドネル)に渡した屋敷の庭に、愛犬を埋めようとしていたロジャースは、それに気づいた彼女と簡単な会話を交わし、再び穴を掘り始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ニューヨークウォール街
ある大手投資銀行で、突然、大規模なリストラが始まる。
トレーディング管理部長のウィル・エマーソンは、リスク管理部門の若手社員ピーターとセスに、冷静に振舞うよう指示を出す。
そんな中、ピーターの上司デールが解雇勧告を受け、会社から即刻、退去を命ぜられる。
世話になったデールを気遣うピーターは、別れ際に、彼から”用心しろ”と言われ、USBメモリを渡される。
残業してデータを分析したピーターは、重大な問題に気づき、ウィルとセスをオフィスに呼び戻す。
自社の資産価値以上の損失が出る可能性を知ったウィルは、投資部門責任者のサム・ロジャースをオフィスに呼ぶ。
状況を知らされたロジャースは動揺し、上司の統括責任者コーエンや、リスク管理部長サラなどの意見を聞くことになる。
コーエンはその状況から、資産売却しかないと判断するが、ロジャースは、部下を破滅に追い遣り、社の信用をなくす行動に賛成できない。
明け方も近くなり、緊急会議が招集され、CEOのトゥルドは、分析を行ったピーターからMBS/不動産担保証券の取引で、リスク管理上、大きな問題が生じたことの説明を受ける。
コーエンやサラに対処案を求めたトゥルドは、資産売却を強行する判断を下すが、ロジャースはそれに賛成できない・・・。
__________

冒頭から、お決まりの、平社員と管理職など、日本では考えられないフランクな関係などに頷きながら、リストラ勧告のシーンも、最近ではよく見られるので冷静には見ていられる。

その後の大事件の可能性と共に、重役、CEOと、次々と登場する人物の個性が、役職と共に資質のレベルアップしていく描写が実に興味深く描かれ、ドラマに引き込まれる。

ドキュメンタリー映画を中心に活躍していたJ・C・チャンダーの初監督作品であり、彼自身の脚本は第84回アカデミー賞で脚本賞にノミネートされた。

出演者の顔ぶれだけで、見逃すわけにはいかないと思わせる豪華キャスト、作品自体も見応えるのだが、北米では拡大公開には至らず、日本では劇場未公開に終わったのは残念な作品。

平社員で数千万円、幹部でその10倍以上、CEOに居たっては、数十億の年収を受け取っている現状がかなり強調されていて、その庶民感覚を逸脱した現実、利益追求に手段を選ばない、身勝手な経営方針などに対する、批判と強烈な皮肉を込めて描かれている。

数十億どころか、百億単位の年収を得る経営者も少なくない。

主演のケヴィン・スペイシーは、リストラが行われている最中に、日に1000ドルの治療費をかけていた瀕死の愛犬のことを考え涙している人物から、危機に直面し、部下や社を思う人間味溢れる重役をいつもながら深みのある演技で熱演している。

中堅幹部としてインパクトある役柄のトレーディング管理部長を好演するポール・ベタニー、善悪は抜きにして、危機を冷静に分析し自らを敗者としないための計画を断行するCEO役のジェレミー・アイアンズ、製作にも参加している、自社の危機を分析によって知る若手社員ザカリー・クイント、同僚ペン・バッジリー、投資部門統括責任者サイモン・ベイカー、リスク管理部門管理職、分析を遣り残して解雇されるスタンリー・トゥッチ、その同僚デミ・ムーア、上層部のアーシフ・マンドヴィ、解雇勧告員のアシュリー・ウィリアムズ、主人公の妻役のメアリー・マクドネル、重役のアル・サピエンザなどが共演している。


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