マッチポイント Match Point (2005) 4/5 (5)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

大富豪令嬢の心を射止めた青年が魅力的な女性に翻弄される姿を描く、 監督、脚本ウディ・アレン、主演ジョナサン・リース=マイヤーズスカーレット・ヨハンソンマシュー・グッドエミリー・モーティマー他共演のドラマ。


ドラマ

ウディ・アレン / Woody Allen 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ウディ・アレン
製作
レッティ・アロンソン

ギャレス・ワイリー
ルーシー・ダーウィン
製作総指揮:スティーヴン・テネンバウム

脚本:ウディ・アレン
撮影:レミ・アデファラシン
編集:アリサ・レプセルター

出演
クリス・ウィルトン:ジョナサン・リース=マイヤーズ

ノラ・ライス:スカーレット・ヨハンソン
トム・ヒューイット:マシュー・グッド
クロエ・ヒューイット・ウィルトン:エミリー・モーティマー
アレック・ヒューイット:ブライアン・コックス
エレノア・ヒューイット:ペネロープ・ウィルトン
ダウド警部:ユエン・ブレムナー
マイク・バナー:ジェームズ・ネスビット
ヘンリー:ルパート・ペンリー=ジョーンズ
イーストビー夫人:マーガレット・タイザック
タウンセント:アレキサンダー・アームストロング
ヘザー:ミランダ・レイゾン
アラン・シンクレア:ジェフリー・ストレトフィールド
イアン:コリン・サーモン

イギリス/ルクセンブルク 映画
配給
ドリ ームワークス

Icon Productions
2005年製作 124分
公開
イギリス:2006年1月6日
北米:2005年12月28日
日本:2006年8月19日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $23,151,529
世界 $85,306,374


アカデミー賞 ■

第78回アカデミー賞
・ノミネート
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ロンドン
アイルランド人の元プロ・テニス・プレイヤー、クリス・ウィルトン(ジョナサン・リース=マイヤーズ)は、特別会員制クラブのインストラクターとして雇われる。

週200ポンド以上する家具付きのアパートを借りたクリスは、クラブのマネージャーのタウンセント(アレキサンダー・アームストロング)から、大富豪の御曹司トム・ヒューイット(マシュー・グッド)を紹介される。

トムにコーチをしたクリスは彼と意気投合し、オペラに興味があることなどを話す。

父親が”ロイヤル・オペラ・ハウス”に寄付していることを伝えたトムは、クリスをオペラに誘う。

ロイヤル・オペラ・ハウス”。
翌日、ボックス席に向かったクリスは、トムの両親アレック(ブライアン・コックス)とエレノア(ペネロープ・ウィルトン)、そして妹のクロエ(エミリー・モーティマー)を紹介される。

椿姫”を楽しんだクリスはトムの家族に気に入られ、クロエが自分に惹かれたとトムからしらされた、別荘にも招待される。

日曜日にヒューイット家の別荘に招かれたクリスは、クロエにテニスを教え、翌週”サーチ・ギャラリー”でデートをする約束をする。

ガーデン・パーティーが開かれ、広い別荘内を見て回っていたクリスは、ピンポンをしていたアメリカ人のノラ・ライス(スカーレット・ヨハンソン)に出会う。

挑発的な魅力のノラに惹かれたクリスは、現れたトムから婚約者だという彼女を紹介される。

ノラと付き合い始めて半年のトムは、アメリカから演劇を学びに来ていた彼女とパーティーで出会ったことを話す。

しかし、相手が女優であるため相応しくない相手だと言って、母エレノアが快く思っていないことをトムはクリスに話す。

サーチ・ギャラリー”での絵画鑑賞や散歩そして映画を楽しんだクリスとクロエは、彼のアパートで愛し合う。

その後、クロエがクリスと会っていることを気にするエレノアは下心があるのではないかと言うが、アレックは好青年だと認める。

自分の会社で雇ってあげてほしいとクロエに言われたアレックは、それがクリスの希望なのかを彼女に確認する。

何かに賭けたいというクリスの気持ちをアレックは理解するが、エレノアは警戒するよう伝える。

トムとノアのことも心配なエレノアは、気まぐれな彼女についても意見する。

クロエに会ったクリスは、アレックの会社から連絡があったことを伝え、大きなチャンスではあるが自分が求めることとは違う気がする。

アレックの寛大さなどは認めるクリスの気持ちを理解したクロエは、食事する約束のトムとノアが現れたため4人で席に着く。

CM出演程度の役が限界と考えるノラは、女優を諦める考えがあることなどを話し、そんな彼女をクリスは見つめる。

結局クリスはアレックの会社で働くことになり、それを喜ぶクロエは、トムとノラに映画に誘われたものの断ったことを伝える。

ノラに会いたい気持ちのあるクリスは、映画を観たい気分だとクロエに話す。

モーターサイクル・ダイアリーズ”を観ることにしたクリスとクロエは、映画館に着いたトムからノラは頭痛で来れないと言われる。

映画を観終わりアパートに戻ったクリスは、ノラのことを考えながらクロエと愛し合う。

数日後、オーディションに行くと言うノラに街角で出くわしたクリスは、エージェントが付き添えなくなった彼女に付き合う。

オーディションは終わり、結果に自信のないノラはクリスを誘いパブに向かう。

酔いながら美人の姉や家族やトムとの出会いも語るノラは、彼の母親には嫌われていることなども話す。

クロエのことを聞かれたクリスは優しい女性だと答え、結婚したがっているとノラに言われるものの、自分も彼女の母親に認められないと答える。

クロエは、自分とは違い花婿の候補だとクリスに伝える。

間違えをしなければと言われたクリスはその意味を問い、ノラは自分と浮気することなどを例に出す。

自分には特別な魅力があると言うノラは、その自信をオーデションで生かせなかったのかをクリスに問われ、何も答えずにタクシーを呼んで帰ろうとする。

週末にヒューイット家の別荘で過ごすことになったクリスは、婿として迎えるための準備として、アレックが自分に資格を取らせ役職に付けさせようとしたためそれを断る。

ノラの今後について意見するエレノアに干渉し過ぎだとトムは反論し、アレックも同じ考えだと妻に伝える。

気分を害したノラは席を外し、雨の中、外を歩く彼女の姿を目撃したクリスは後を追う。

一人にしてほしいと言うノラをクリスは抱き寄せ、二人はその場で愛し合ってしまう。

その後クリスは、一旦は断った資格を取るための勉強を始める。

自分に冷たい態度をとるノラから一度だけの思い出だと言われたクリスだったが、それに納得できない。

街でテニス・プレイヤー仲間のヘンリー(ルパート・ペンリー=ジョーンズ)に出くわしたクリスは、近況などを話して今の生活を羨ましく思われる。

ホーム・パーティーで、アレックにクロエとの結婚を促されたクリスは考えを巡らせる。

隠れて愛し合おうとしていたトムとノラを目撃してしまったクリスは、更に考え込む。

その後、クリスはクロエと結婚して新居を探し、彼女から妊娠したいと言われて戸惑う。

クリスは、エレノアに屈したノラとは別れ別の女性に恋したことをトムから知らされる。

ノラと連絡がとれないクリスは、彼女のアパートに向かうものの引き払った後で行き先も分からなかった。

クロエの欲求に応えられないクリスは、疲れているだけだと伝える。

トムは、妊娠しているヘザー(ミランダ・レイゾン)と結婚する。

仕事を終えたクリスは、クロエと約束していた”テート・モダン”に向い、その場でノラを見かける。

クリスはノラを捜し、クロエがいたため電話をかけてくると言ってその場を離れる。

ノラを見つけたクリスは、アメリカから戻った彼女の連絡先を聞こうとする。

そこにクロエが現れてノラと再会し、トムのことなどを話す。

クロエは友人と絵を探しに行き、クリスはノラから電話番号を聞き出しその場を去る。

依然として妊娠ができないクロエは不妊治療を始め、クリニックに付き添ったクリスは街で彼女と別れる。

ノラに連絡をしたクリスは、彼女のアパートで愛し合う。

数日後、朝からクロエに求められたクリスは、仕事に遅れると言いながらも仕方なくそれに応じる。

その後ノラに会ったクリスは、彼女のアパートで愛し合う。

クロエと共にトムとヘザーとで食事をしたクリスは、トムがブティックで働いているノラに会った話を聞く。

そこに現れた友人に、タクシーに乗るところを見かけたと言われたクリスは、人違いだと言ってそれを否定する。

ノラに会うため仕事を抜け出すクリスは、その後もオーディションに落ち続けて苛立つ彼女に、妊娠したがっているだけのクロエとは離婚すると伝える。

生き甲斐は自分だけだとクリスに言われたノラは、それが本心だと考える。

週末を別荘で過ごしていたクリスは、ノラからの電話で会いたいと言われる。

仕事でロンドンに戻るとクロエに伝えたクリスだったが、彼女に引き留められる。

その後も連絡があったクリスは、ノラから妊娠したことを知らされ、仕事で戻ることをクロエらに伝える。

ノラに会ったクリスは、妊娠したことを責めて堕胎させようとするが、彼女は3度目だと言ってそれを拒否し、生む決心をしているため責任を取るよう彼に迫る。

帰宅したクリスは、週末の暗い表情が気になっていたと言うクロエに大事な話があると伝える。

浮気を疑われたクリスはそれを否定し、クロエは子供ができないことで彼が罪悪感を感じていると思う。

ヘンリーに相談したクリスは、恋人ができて離婚したいことを伝えるが、仕事もなくなり金持ちの生活もできなくなるために悩む。

恋人のために全てを捨てる気にもなれないクリスは、3週間のギリシャ旅行後にクロエに話すことでノラを納得させる。

旅行が急遽延期になったことをクロエから知らされたクリスは、ノラに電話をするものの何も話さずに切ってしまう。

そんなクリスは、アレックから新規事業を任せる話を聞かされ、エレノアからは孫の顔が見たいと言われる。

ノラからの電話には、旅行中で2週間後に帰ることを伝える。

その後、ノラはクリスを街で見かけて電話をするものの、数日後に旅行から帰ると彼から言われる。

会社の前で待っていたノラは、取り乱しながら嘘つきだと言ってクリスを責め、全てをクロエに話すと言う彼女のアパートで二人は話し合うが解決策が見つからない。

別荘に向かい猟銃を持ち出したクリスは、クロエに話さないことをノラに責められ、今夜けりをつけることを伝える。

翌日、いい話があると言ってブティックのノラに電話したクリスは、仕事が終わり次第アパートに帰るよう指示する。

新規事業も順調に進むクリスはその日の仕事を終えてノラのアパートに向かい、隣部屋のイーストビー夫人(マーガレット・タイザック)に声をかける。

ノラの部屋のテレビの電波の具合が悪いためチェックしたいと言うクリスは招き入れられ、バッグに隠してあった猟銃を組みたててイーストビー夫人を射殺する。

侵入者の物取りに見せかけるために部屋を荒らしたクリスは、ノラの帰りを待つ。

同じアパートに住むイアン(コリン・サーモン)が、イーストビー夫人に声をかけ買い物があるかを尋ねるが、返事がないまま外に出て入り口でノラに会い事がを交わす。

そしてクリスは、エレベーターで上がり部屋に入ろうとしたノラを射殺する。

アパートを出たクリスはクロエからの電話を受けて、動揺しながら直ぐに着くことを伝える。

劇場に着いたクリスは、クロエとミュージカルを鑑賞する。

翌日から殺人現場の捜査が始まり、ダウド警部(ユエン・ブレムナー)は、麻薬絡みと思われる強盗殺人の被害者ノラと話したイアンに聞き込みをする。

朝食をとっていたクロエは、ノラが麻薬強盗に殺害されたという新聞記事に気づき驚く。

それを知ったクリスも驚いたように見せかけ、クロエはエレノアとトムから電話を受ける。

その後、猟銃を戻したクリスは、クロエから妊娠したことを知らされる。

エレノアやアレックもそれを喜び、クリスはトムからも祝福される。

クリスは、マイク・バナー刑事(ジェームズ・ネスビット)に連絡するようにという電話を受ける。

バナーに電話をしたクリスは、話を聞きたいと言われて警察署に向かう。

途中でクリスは、イーストビー夫人から奪った宝石をテムズ川に投げ捨てるのだが、指輪がフェンスに当たりその場に落ちたことに気づかない。

ダウドに案内され、バナーから通常の調査だと言われてノラとの関係を聞かれたクリスは、義兄の元婚約者だったことを話す。

最後に会ったのはいつかを聞かれたクリスは、だいぶ前に”テート・モダン”で偶然に会っただけだと答える。

名前が度々出てくるノラの日記帳を見せられたクリスは、それでも1年以上会っていないのかと聞かれる。

浮気を隠す必要があった答えたクリスは、秘密を守ってくれると言ったことを確認してノラとの関係を話す。

離婚するとノラに伝えたはずだと言うバナーの質問に、彼女が都合よく捉えただけだとクリスは答える。

自分は殺人とは無関係だと言うクリスは、あくまで捜査の一環であると語るバナーに携帯電話の番号をメモして渡す。

猟銃を扱うかを聞かれたクリスは、義父が別荘で使うことを伝え、立場を考慮してほしいと言い残してその場を去る。

ダウドに感想を聞いたバナーは、情況通りの犯行には変わらず、ヒューイット家の猟銃を調べることを伝え、クリスが犯行を犯す必要がないと語る。

現場に押入った形跡はなく、顔見知りの犯行はほぼ確実でクリスには動機もあり、ノラは二次災害の被害者だということも考慮しながら更に詳しく調べる必要があるとバナーは指摘する。

夜中に自宅で仕事をしていたクリスは、現れたノラに、自分は罪の意識を感じながら生きるしかないと言って辛い思いを伝える。

無関係な自分はどうなるのかをイーストビー夫人に聞かれたクリスは、軍事行動を例に取り巻き添えの犠牲者だと答える。

ノラのお腹の子も同じなのかと夫人に言われたクリスは、”生れてこないのが一番いいことだ”という”ソフォクレス”の言葉を伝える。

罪を償ってほしいとノラに言われたクリスは、行動に隙がありいずれ犯行は知られると話す彼女に、逮捕されて罰を受けるのが当然の行為だと伝える。

少なくともそれが正義だと言うクリスだったが、罪を償う意味があるならばと付け加える。

夜中に目覚めたバナーは、クリスが犯人だと確信する。

翌朝、それをダウドに話したバナーだったが、犯行現場付近で、麻薬トラブルにより売人が殺される事件があったことを知らされる。

被害者のポケットにイーストビー夫人の結婚指輪があったことをダウドから知らされたバナーは、クリスが捨てた指輪を売人が拾った可能性もあると指摘する。

再び閃くことをバナーに期待したダウドは、クリスは犯人ではなく単なる浮気者だと言って、彼を誘い朝食に向かう。

やがてクリスとクロエには男の子が生れテレンスと名付けられ、アレックは志の高い立派な人間に育つことを願う。

トムは、立派でなくても運が良ければいいと話す。

次は女の子をとクロエに言われたクリスは、生れた子の幸運の人生を願い祝杯をあげる家族の傍らで、罪を逃れた自分の運を考える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ロンドン
アイルランド人の元プロ・テニス・プレイヤー、クリス・ウィルトンは、会員制クラブのインストラクターとなり大富豪の御曹子トムを紹介され親しくなる。
トムの両親に紹介されたクリスは、妹のクロエに好意を寄せられ付き合うようになる。
そんなクリスは、トムの婚約者である女優志願にノラに出会い、彼女の挑発的な魅力に惹かれてしまう。
クロエの父アレックにも気に入られたクリスは、将来は保証され上流階級の生活を満喫する一方、ノラへの気持ちは高まるばかりだった・・・。
__________

ウディ・アレンニューヨークを離れて撮った作品として注目され、イギリスの国民性や文化が、やんわりとウディ・アレン・タッチと結合したシニカル・ドラマとして楽しめる作品。

恋愛悲劇のように終わるのかと思いきや、”自分以外の家族が幸せに包まれる姿と対比して映し出される、運”よく罪を逃れた主人公がラストで見せるうつろな表情が印象的だ。

冒頭でその”運”についてが語られるが、それに従うならば、主人公は全てを失う”敗者”となることになるはずであり、痛烈な皮肉が込められた恐ろしい結末とも言える。

人の心理を巧みに表現するウディ・アレンの見事な脚本は、第78回アカデミー賞で脚本賞にノミネートされた。

テート・モダン”などをロケ地にしたハイセンスな描写と、混乱する主人公の心の動揺を表現するかのような、随所で流れるテノール歌手エンリコ・カルーソーの空しく聴こえる歌声が心に残る。

目に見えない夢を見つめるような眼差しが次第に曇っていく、人生の歯車が狂ってしまう青年を演ずるジョナサン・リース=マイヤーズ、撮影当時19歳とは思えない表現力で非凡さを感じさせる、魅力的な女性を演じるスカーレット・ヨハンソン、二人の好演が光る。

主人公の義兄マシュー・グッド、その妹で主人公の妻になるエミリー・モーティマー、その両親ブライアン・コックスペネロープ・ウィルトン、殺人事件を捜査する刑事ユエン・ブレムナージェームズ・ネスビット、主人公の友人ルパート・ペンリー=ジョーンズ、ヒロインの隣部屋の老婦人マーガレット・タイザック、会員制テニス・クラブのマネージャー、アレキサンダー・アームストロング、トム(マシュー・グッド)の妻ミランダ・レイゾン、ヒロインのアパートの居住者コリン・サーモンなどが共演している。


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